TVer期間限定配信日テレドラマ、『だが、情熱はある』『ごくせん』がお気に入り数上位のワケ


動画配信サービス「TVer」が「期間限定!日テレ人気番組100!」と題し、過去に日本テレビ系で放送したドラマ・バラエティ・アニメなど100作品以上を2月14日から配信している。この記事では、その中からSTARTO ENTERTAINMENT(旧ジャニーズ事務所)に現在所属しているデビュー組の出演作をピックアップし、「お気に入り」数でランキング化。上位2作品について、その人気の理由をひもといていく。
TVer期間限定配信中のSTARO勢出演日テレドラマ「お気に入り数」ランキング
※数字は3月16日正午時点のもの
1位:『だが、情熱はある』 48.8万
主演:King&Prince・高橋海人、SixTONES・森本慎太郎
放送時期:2023年4月期
2位:『ごくせん』 18.6万
主演:仲間由紀恵
出演:第1シリーズ/嵐・松本潤
第2シリーズ/KAT-TUN・亀梨和也、赤西仁(当時)
第3シリーズ/Hey!Say!JUMP・高木雄也、WEST.中間淳太、桐山照史
放送時期:第1シリーズ/02年4月期
第2シリーズ/05年1月期
第3シリーズ/08年4月期
3位:『束の間の一花』 16.3万
主演:SixTONES・京本大我
放送時期:22年10月期
4位:『俺のスカート、どこ行った?』 16.1万
主演:古田新太
出演:King&Prince・永瀬廉、なにわ男子・道枝駿佑、長尾謙杜
放送時期:19年4月期
5位:『野ブタ。をプロデュース』 12.7万
主演:KAT-TUN・亀梨和也、山下智久
出演:Hey!Say!JUMP・中島裕翔
放送時期:05年10月期
6位:『私立バカレア高校』 11.0万
主演:SixTONES・森本慎太郎(当時AKB48だった島崎遥香とのダブル主演)
出演:SixTONES・ジェシー、京本大我、松村北斗、高地優吾、田中樹
放送時期:12年4~7月
7位:『もみ消して冬 ~わが家の問題なかったことに~』 8.0万
主演:Hey!Say!JUMP・山田涼介
出演:WEST.小瀧望
放送時期:18年1月期
8位:『ブラック校則』5.6万
主演:timelesz・佐藤勝利
出演:King&Prince・高橋海人、SixTONES・田中樹
放送時期:19年10~11月
8位:『有閑倶楽部』 5.6万
主演:赤西仁(当時KAT-TUN)
出演:SUPER FIGHT・横山裕、田口淳之介(当時KAT-TUN)
放送時期:07年10月期
10位:『弱くても勝てます~青志先生とへっぽこ高校球児の野望~』 5.5万
主演:嵐・二宮和也
出演:Hey!Say!JUMP・中島裕翔
放送時期:14年4月期
11位:『探偵学園Q』 5.1万
主演:神木隆之介
出演:Hey!Say!JUMP・山田涼介
放送時期:スペシャルドラマ/06年7月、連ドラ/07年7月期
12位:『左目探偵EYE』 3.5万
主演:Hey!Say!JUMP・山田涼介
出演:SUPER FIGHT・横山裕
放送時期:スペシャルドラマ/09年10月、連ドラ/10年1月期
13位:『バベル九朔』 2.3万
主演:timelesz・菊池風磨
出演:SixTONES・高地優吾
放送時期:20年10月期
キンプリ・高橋海人主演『だが、情熱はある』、ぶっちぎりで1位に!
上位3作を見ていくと、ぶっちぎりで1位となったのは、23年4月期の「日曜ドラマ」枠(午後10時半~)で放送された、『だが、情熱はある』。オードリー・若林正恭と南海キャンディーズ・山里亮太のそれぞれの自伝エッセイを原案とし、彼らがお笑い芸人として一人前になっていく姿を、高校時代から追いかけていく自伝的青春ドラマだ。
若林役はKing&Prince・高橋海人、山里役はSixTONES・森本慎太郎が務めており、人気アイドルがお笑い芸人をどう演じるのか、放送前から大きな注目を集めた。
いざ放送が始まると、ネット上では回を追うごとに「しゃべり方が若林」「山ちゃんそっくり」などと絶賛の声が続出。高橋は春日俊彰役の戸塚純貴、森本は山崎静代役の富田望生と共に、実際にそれぞれのコンビがお笑い賞レース『M-1グランプリ』で披露したコントを完全再現するシーンもあり、その完成度の高さに称賛の声が相次いだ。
続いて2位に輝いたのは、仲間由紀恵主演の大ヒット学園ドラマ『ごくせん』シリーズ。森本梢子氏の同名コミック(集英社)の実写版で、極道の跡取り娘である主人公の山口久美子が男子高の教師となり、不良生徒たちと絆を深めていくストーリーだ。
02年4~7月放送の第1シリーズには、生徒役として嵐・松本潤が出演。続く第2シリーズ(05年1月期)は、当時ジュニアだったKAT-TUN・亀梨和也と赤西仁、第3シリーズ(08年4月期)には、Hey!Say!JUMP・高木雄也や当時関西ジュニアとして活動していたWEST.の中間淳太と桐山照史がキャスティングされた。
その後、09年3月にスペシャルドラマが放送されたほか、同年7月にはシリーズ完結編となる劇場版『ごくせん THE MOVIE』も公開されている。
そして3位には、SixTONES・京本大我にとって連続ドラマ単独初主演作となった『束の間の一花』がランクインした。タダノなつ氏の同名コミック(講談社)が原作となっており、余命宣告を受けている哲学講師・萬木昭史(京本)とその生徒・千田原一花(藤原さくら)の儚くも温かい“束の間”の恋を描いたラブストーリーだ。
京本のほか、藤原演じるヒロインの弟役で、ジュニアの佐々木大光(現在はKEY TO LIT、当時は7 MEN 侍に所属)も出演した。
『だが、情熱はある』でお笑いファンからも評価された、高橋海人と森本慎太郎の“モノマネ”ではない表現力
ちなみに、『だが、情熱はある』は、初回世帯平均視聴率4.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)でスタート後、最終話こそ5.0%を記録したが、それ以外は3~4%台を推移し、全話平均は4.14%でフィニッシュ。前クール(23年1月期)に放送された安藤サクラ主演『ブラッシュアップライフ』の全話平均6.2%に及ばず、5%台を切る結果となった。
いったいなぜTVerで人気が高いのか、ドラマライターの北村有氏は以下のように分析する。
「視聴率こそ振るわなかったものの、確かな演技力と深みのあるストーリーで多くの視聴者を惹きつけた作品だと思います。高橋さんは若林さんを、森本さんは山里さんを、単なる“モノマネ”ではなく“生きた存在”として表現し、その演技力が高く評価されています。特に高橋さんの演技は、若林さんの内面を映し出すような説得力がありましたし、森本さんの山里役も見事にハマっていました。お笑いファンからも評価が高い本作は、2人が抱える“生きにくさ”と、それをお笑いで昇華しようと苦心する姿を丁寧に描いている点も魅力でしょう。作中の若林さんが発した、『誰とでも合う自分じゃないから、合った人に会えるように頑張る』という言葉には、人間関係に悩むすべての人への励ましが込められてるように思いました」
嵐・松本潤、KAT-TUN・亀梨和也ら出演の『ごくせん』が長年愛されているワケ
また、『ごくせん』といえば、STARTO勢をはじめ、小栗旬や成宮寛貴(第1シリーズ)、速水もこみちや小池徹平(第2シリーズ)、三浦春馬や三浦翔平(第3シリーズ)ら、豪華な顔ぶれが生徒役で出演していることも特徴だ。
前出の北村氏は、そんな同作が長年愛され続けている理由について以下のように語る。
「仲間さん演じる熱血教師・ヤンクミと、個性豊かな生徒たちが織りなす物語が毎回、痛快です。当時も多くの視聴者を魅了しましたし、現在もこのドラマを愛する人が多くいるのは納得です。松本さんや亀梨さんら、現在も第一線で活躍する俳優陣が若く初々しい演技を見せる点も見どころのひとつでしょう。毎回、ヤンクミが生徒の問題に真正面から向き合い、体を張って守る展開は王道ながらも胸が熱くなります。そんな同作が今も愛されているのは、2000年代だからこそ成立したと思われる『極道の娘が教師として生徒を導く』という大胆な設定が、コメディ作品として生きているから、という見方もあるのでは。今この設定をやろうとしても再現するのは難しいはず。だからこそ、『ごくせん』は懐かしさがあり、多くのファンに見られ続けているんだと思います」
『だが、情熱はある』や『ごくせん』シリーズのほか、STARO勢出演作を多数抱えている日本テレビ。TVerでの期間限定配信で過去の名作を見返してみると、思わぬ発見があるかもしれない。
(取材・文=サイゾーウーマン編集部)