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『TOKYO MER 南海ミッション』、 “信頼感”と“訴求力の強さ”で興収50億狙える? 映画興行収入ランキングトップ10

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写真ACより
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 最新の全国週末興行成績ランキング(興行通信社調べ、8月1~3日)で、アニメーション作品『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』(7月18日公開、以下『無限城編 第一章』)がV3を達成した。

『「鬼滅の刃」無限城編』、国内の歴代興行収入トップ10入り!

 8月4日発表の全国週末興行成績ランキングでも首位を守った『無限城編 第一章』は、漫画家・吾峠呼世晴氏の代表作『鬼滅の刃』(集英社)の劇場版アニメ最新作。上映開始から3週目の週末3日間も観客動員173万9600人、興行収入24億5700万円をあげ、累計興収は176億円を突破した。

 国内で上映された歴代の映画ランキングでも、あっという間に10位まで上昇した『無限城編 第一章』。これまで10位をキープしていた『踊る大捜査線THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』(2003年/最終興収173.5億円)が11位に繰り下がり、トップ10内の実写邦画はゼロに。『無限城編 第一章』はまだ3週目とあって勢いは続くとみられ、現在歴代1位の『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』(20年/最終興収407.5億円)の記録を超えられるかにも注目だ。

 今回の全国週末興行成績ランキングでは、2位に鈴木亮平主演の『劇場版「TOKYO MER~走る緊急救命室~南海ミッション」』(以下『TOKYO MER 南海ミッション』)、4位にディズニー&ピクサーの長編アニメーション最新作『星つなぎのエリオ』が初登場(いずれも8月1日公開)。前回2位だった『国宝』(6月6日公開)は3位に後退したが、累計興収は85億円を突破し、歴代映画ランキングにおいては『世界の中心で、愛をさけぶ』(04年)とタイ記録の78位まで順位を上げている。

初登場2位『TOKYO MER 南海ミッション』、興収50億円を狙えるロケットスタート

 なお、『TOKYO MER 南海ミッション』は、21年7月期のTBS系「日曜劇場」枠で放送された連続ドラマ『TOKYO MER~走る緊急救命室~』の映画第2作目。オペ室を搭載した大型車両で事故や災害現場に駆けつける救命医療のプロフェッショナルチーム「TOKYO MER」(東京モバイル・エマージェンシー・ルーム)に所属する主人公・喜多見幸太(鈴木)らの活躍を描いた物語で、本作では鹿児島県・諏訪之瀬島の火山噴火により島に取り残された79人の命を救うミッションに挑む。

 鈴木以外にも賀来賢人、中条あやみ、菜々緒、小手伸也、佐野勇斗(M!LK)、フォンチーなど連ドラ版からお馴染みのキャストや、映画第1作目にも登場したジェシー(SixTONES)に加え、江口洋介、高杉真宙、生見愛瑠、宮澤エマ、玉山鉄二も新たに出演。

 全国375スクリーンと大規模で封切られ、初日から3日間で動員67万5000人、興収9億1100万円と、今年公開の実写映画における最高のオープニング成績をマークした。ちなみに、映画第1作目(23年)は当時364スクリーンで上映を開始し、動員58万6000人、興収7億9200万円という初動で3位発進だった。

 前作よりも好成績でのスタートを切った同作について、映画ライターのヒナタカ氏は、以下のように分析する。

「前作は、『名探偵コナン 黒鉄の魚影』や『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』という強力なライバルがありながら、累計興収45億3000万円の大ヒットを記録しました。今作は、そんな前作を公開前日の7月31日に地上波ノーカット放送するという戦略が奏功したのか、前作比115%のオープニング成績となり、公式側も『50億円を狙えるロケットスタート』と宣言しています。しかも今回は、『無限城編 第一章』が日本映画史を塗り替える記録を爆進中でも、これほどの優秀な成績となっているのですから、ドラマ版から積み上げた“信頼感”と、『映画館で観たい』と思えるほどの“訴求力の強さ”を証明したといえるでしょう。

 なお、鑑賞済みのネットユーザーからは「めちゃくちゃ感動した」「鈴木亮平さんが演じる喜多見チーフ、本当にかっこよくて大好き」「災害のシーンは怖かったけどああいう場所で医療に携わっている人たちを改めて尊敬する」といった声が寄せられている。

「個人的には、いかにもテレビドラマ然としたセリフ回しや演出だと感じましたが、画の迫力や俳優陣の魅力はもとより、ロジカルに作り込まれスピーディーに状況を見せていく作劇には、日本のディザスター(災害)映画が“ここまで来た”という感慨深さがあり、絶賛が寄せられていることに納得できました。『ミステリと言う勿れ』(23年)や『トリリオンゲーム』(25年)などもそうですが、ドラマファンが駆けつけるだけでなく、一見さんも楽しめる間口の広さがある作品は、これからも『磐石』といえそうです」

初登場4位『星つなぎのエリオ』、ディズニー&ピクサー作品としては「寂しい数字」と映画ライターが指摘

 そのほか、今週4位に初登場した『星つなぎのエリオ』は、自身の理解者だった両親を亡くしたひとりぼっちの少年・エリオ(声優:ヨナス・キブレアブ、日本語吹き替え:川原瑛都)が、やはりひとりぼっちのエイリアン・グロードン(声優:レミー・エジャリー、日本語吹き替え:佐藤大空)と出会って親友となり、困難に立ち向かっていく姿を描いている。

 エリオの叔母であるオルガ(声優:ゾーイ・サルダナ)の日本語吹き替えは清野菜名が、平和を愛する惑星のリーダー・オーヴァの声優および日本語吹き替えは渡辺直美が担当。ほかにも元宇宙飛行士の野口聡一氏や中谷(マユリカ)、野呂佳代、松山ケンイチ、沢城みゆき、関智一、安原義人、子安武人らが出演している。

 そんな同作は初日から3日間で動員14万6000人、興収1億9200万円というスタート。同じくディズニー配給作品の『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』(7月25日公開)は6位、『リロ&スティッチ』(6月6日公開)も10位にランクインしている。

「『星つなぎのエリオ』は、アメリカではピクサー史上ワーストとなる2100万ドルのオープニング記録で、なんと、直近のディズニー作品で大苦戦が伝えられた実写版『白雪姫』の約半分の数字でした。やはり全世界的にオリジナル企画のアニメ映画は厳しい傾向があり、2年前の『マイ・エレメント』は初動で苦戦しても、その後口コミで盛り返しましたが、残念ながら今回は今のところそこまでのムーブメントも起きていません。昨年公開の『インサイド・ヘッド2』がピクサー史上最高、世界興収歴代9位という大記録を達成したことと、残酷なまでのギャップがあります。日本でも興行的に振るわなかった『バズ・ライトイヤー』(22年/最終興収12億2000万円)でさえ初日から3日間で3億8300万円を記録しましたが、今回はその約半分という、やはりディズニー&ピクサー作品としては少し寂しい数字となっています」(前出・同)

 一方で、「作品そのものへの評価は日米ともに上々」だとか。

「おそらくは客足を遠ざけてしまった大きな理由であろう『両親を亡くした孤独な少年が主人公』であることや、その見た目や言動の『野暮ったさ』も、本編を見ればとても意味のあることだと思えました。宇宙への興味や、好きなことを好きでい続けることを肯定する教育的な側面もありますし、友達の心境をおもんばかって『戦わない』道を選ぼうとする様もとても尊く思えました。老若男女が楽しめる内容ですし、『鬼滅』は怖くて見られないお子さんにとっては、最良の選択になるかもしれません」

 なお、8月8日には『ジュラシック・ワールド/復活の大地』や『近畿地方のある場所について』、『映画クレヨンしんちゃん 超華麗!灼熱のカスカベダンサーズ』など話題作の公開も控えており、夏休みの子ども、学生、お盆休みに入る人々の動員もランキングに影響してきそうだ。

全国映画動員ランキングトップ10(8月1~3日、興行通信社調べ)

1位:『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』
2位:『劇場版「TOKYO MER~走る緊急救命室~南海ミッション」』(初)
3位:『国宝』
4位:『星つなぎのエリオ』(初)
5位:『事故物件ゾク 恐い間取り』
6位:『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』
7位:『仮面ライダーガヴ お菓子の家の侵略者』
8位:『F1(R)/エフワン』
9位:『木の上の軍隊』
10位:『リロ&スティッチ』

サイゾーウーマン編集部

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最終更新:2025/08/07 09:30