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松本若菜、遅咲きブレイク後も「死角なし」 長い下積みが大きな武器に

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 2024年に最も活躍した女優といえば、松本若菜の名前が真っ先に挙がるだろう。オリコンが発表した「2024年ブレイク俳優ランキング(女性編)」では、上半期は圏外だったにもかかわらず、下半期に2クール連続での連ドラ主演という猛烈な追い込みを見せ、2位の河合優実、3位のあのなどを抑えて年間1位に輝いた。

 松本が同ランキングで「上半期圏外」から大きく躍進した理由は、2024年7月期にTBS系『西園寺さんは家事をしない』、同10月期にフジテレビ系『わたしの宝物』と2クール連続でドラマ主演を務めたことが大きい。

 単に2クール連続主演というだけでもすごいが、『西園寺さんは家事をしない』では明るくユーモラスなキャラクターを演じ、不倫や「托卵」をテーマにした『わたしの宝物』ではシリアスな役柄を務め、まったく異なる演技で視聴者を魅了したことも強烈だった。

 しかも、一部報道によると『わたしの宝物』は当初別の有名女優が主演にキャスティングされていたが、撮影直前に降板となったことで、松本が急きょピンチヒッターに起用されたのだという。突然のオファーでありながら、それをまったく感じさせない熱演を見せたことで、業界内の評価もうなぎ上りになっているようだ。

遅咲きブレイクの理由は

 なかなか芽が出ず、デビューから10年以上もすし店やカフェなどでアルバイトをしていたという松本。急激なブレイクと快進撃の理由について、豊富な取材経験と業界知識を持つ芸能記者はこう解説する。

「22歳と遅めの年齢で芸能活動を始め、すぐに佐藤健が主演した特撮ヒーロードラマ『仮面ライダー電王』(テレビ朝日系)で女優デビュー。それと同時にグラビア活動を始めましたが、特撮ヒロインとしてはブレイクできなかった。その後は大きな役に恵まれないまま、2011年に現事務所のトリプルエーに移籍。トリプルエーは大きい事務所ではなく、売れっ子も少ないが、俳優の意思を尊重したマネジメントを信条としていることで知られています。

 松本は水が合ったのか、移籍後はさまざまな映画やドラマに精力的に出演し、バイプレーヤーとして実力を磨いていきました。正統派美人ながら、どんな役でも没入して演じることが、『やんごとなき一族』(フジテレビ系)での怪演につながり、一気に知名度を高めた。そうした地道なキャリア形成によって、業界内で信頼感を得ていったのでしょう」

 2022年のフジテレビ系ドラマ『やんごとなき一族』でクセが強すぎるキャラクターを演じ、視聴者から「松本劇場」と呼ばれるほどの独特の世界を生み出した松本。それも下積み時代に磨いた演技力のたまものといえそうだ。

松本若菜の今後に『死角なし』

 現在40歳で「ブレイク女優」となった松本は、遅咲きの大輪の花を咲かせたといえる。だが、あまりに急激に注目度が高まったことで「消費されてしまうのでは」と危惧する声もある。しかし、彼女に限ってそんな心配はなさそうだ。

「近年は主役での起用が増えていますが、長い下積み生活で酸いも甘いもかみ分けてきただけに天狗にならず、自分の足元も見えているはず。だからこそ、主演女優の降板による代打で獲得した主役でも全力でやり切り、当たり役に昇華できたのでしょう。

 バラエティに出演したときも飾らない人柄がにじみ出ていて好感度が高く、業界内では取材対応の良さも有名。遅咲きのブレイク、演技派、人柄の良さと、業界だけでなく視聴者からも愛される要素が満載ですから、今後も松本に死角はなさそうです」(前出記者)

 2025年も松本若菜の快進撃は続きそうだ。

(文=佐藤勇馬)

佐藤勇馬

1978年生まれ。新潟県出身。SNSや動画サイト、芸能、時事問題、事件など幅広いジャンルを手がけるフリーライター。雑誌へのレギュラー執筆から始まり、活動歴は15年以上にわたる。著書に『ケータイ廃人』『新潟あるある』がある。

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最終更新:2025/01/12 20:00