『news zero』新パートナー発表でも補えない藤井貴彦キャスターの“弱点”
2025年1月から日本テレビ系報道番組『news zero』に、新たな曜日パートナーとして俳優の葵わかな、Perfume・かしゆか、お笑いタレントの小島よしおが加入することが発表された。だが、このテコ入れが番組にどれほどの効果をもたらすかは疑問が残るところだ。
「かつては世帯視聴率12%を記録したこともある『news zero』ですが、近年は視聴率の低迷に苦しんでいます。それでも有働由美子がメインキャスターを務めていた時代は5~7%をキープしていましたが、藤井貴彦キャスターに交代してからは数字が1~2ポイント落ち込んでしまっている状況です」(テレビ誌記者)
視聴率低迷のひとつの原因は、有働時代に比べて番組の華やかさが減少したことが上げられるだろう。2024年10月からは女優の長濱ねる、タレントの篠原ともえ、プロフリークライマーの野口啓代が曜日パートナーに就任していたが、視聴率上昇の“起爆剤”とまではならなかった。
「藤井キャスターは局アナとしては安定感がありましたが、フリーになってからは地味な印象が拭えない。タレントを曜日パートナーに据えるのも、そんな藤井キャスターの致命的な弱点を補う狙いもあるのでしょう。確かに、葵やかしゆかは若年層へのアピールが期待できますが、報道番組の重厚感との親和性に不安が残る。小島は明るいキャラクターで番組に活力を与えられる可能性はありますが、昨今は子どもをターゲットにした活動がメイン。その分野ではカリスマ化していたものの、一般層には“あの人は今”感のある過去の芸人というイメージを持たれてしまいそう。番組の新鮮さをアピールする意図がうかがえるものの、多様性を意識しすぎてキャスティングの基準が曖昧になっているようにも映ります」(前出・テレビ誌記者)
一方、藤井キャスターについては4月の番組スタート時から日テレ内部で不満の声が聞かれていたという。
「そもそも日テレからすれば藤井のキャスター就任は、有働の代わりに局アナを起用することで大幅なコスト削減をする、という狙いを含んでいた。ところが、スポンサーへの根回しが済んで引き返せなくなってから、藤井は退社を宣言。セント・フォースと業務提携したことで、出演料は局アナ価格というわけにはいかなくなってしまった。この“不義理”によって、そもそも番組スタッフには藤井キャスターをなんとしてでも盛り上げたいという気持ちが薄く、数字が悪ければ交代もやむなしという空気になっています。藤井がフジテレビ系『日本じゃ放送できません!? 世界ヒジョーシキTV』の番組MCを引き受けたのも、『news zero』降板後のキャリアを見据えてのことでしょう」(日本テレビ関係者)
アナウンサーに詳しい丸山大次郎氏は次のように語る。
「日本テレビ時代の藤井アナは羽鳥慎一アナと同期で、両者ともに身長180cmを超えていることから“日テレのツインタワー”と呼ばれました。若手時代は『投稿!特ホウ王国』や『ウッチャンナンチャンのウリナリ!!』などのバラエティやスポーツ番組を担当していましたが、どちらかといえば地味でマジメなキャラクターだったことで、華のある羽鳥アナの陰に隠れていた印象があります。
しかし、報道番組を中心に地道にキャリアを積み重ねていき、結果として『NNNニュースプラス1』や『ズームイン!!サタデー』『news every.』などのメインキャスターに就任してきました。“日陰”という状況にも腐らず、しっかり努力を続けて遅咲きながらも成果を残しているのが藤井アナのすごさだと思います。また、彼にスポットが当たったのは、コロナ禍のときに『news every.』で真摯なメッセージを自らの言葉で伝えたときだと思います。2020年の『命より大切な食事会、パーティはございません』などでしょうか。
フリー転向直後の今は振るわない状況でも、局アナ時代と同じく一歩一歩進んでいき、いずれは大輪の花を咲かせてほしいですね」
12月6日に発表された『ORICON NEWS』の「好きなアナウンサーランキング」では、前年の1位から3位にランクダウンした藤井キャスター。テコ入れ策が尽きるまでに、視聴者に支持される報道番組としての地位を取り戻すことができるだろうか。
(取材・文=サイゾーオンライン編集部)