中居正広引退で空く“野球キャラ”、「いなくてもいい存在だった」批判も噴出…後釜候補で見直されるタレント枠
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世間に大きな衝撃を与えた中居正広の引退劇。騒動が続く一方で、中居の退場で空いた場所を虎視眈々と狙う人もいる。中居は芸能界きっての野球好きで、『プロ野球珍プレー・好プレー大賞』『たまッチ!』(フジテレビ系)、『プロ野球ドラフト会議』(TBS系)、『中居正広のプロ野球魂』(テレビ朝日系)など、多くの野球番組を担当。その枠がごっそり空くのだ。
「芸能界には石橋貴明、徳光和夫、出川哲朗、伊集院光ほか、野球好きはいくらでもいますが、その筆頭が中居正広。野球の話題になると少年のように無邪気になる姿を覚えている方も多いでしょう。かつての勢いはなくなったとはいえ、テレビ界にとってプロ野球はまだまだ大事なコンテンツ。『たまッチ』や『プロ野球魂』は中居色が強すぎるので終わりでしょうが、老舗の『珍プレー』と『ドラフト会議』は中居抜きで続くはずです。
後釜として真っ先に浮かぶのは亀梨和也です。小学生の時に世界大会に出た経験があり、スポーツ番組のキャスターをやったこともある。ただ、亀梨は日本テレビのイメージが強く、ジャニーズ系列で仕事を引き継ぐことに批判が出る可能性もある。そうなると『珍プレー』はアンタッチャブルがメインに昇格。『ドラフト会議』は古田敦也をメインに解説者陣で回すのが本線でしょう」(民放バラエティ番組制作関係者)
しかし問題なのは、今や野球界最大のイベントのWBCだ。中居は2009年の第2回WBCで「テレビ朝日日本代表サポートキャプテン」を、13年の第3回WBCで「侍ジャパン公認サポーター」を務めて以来、常に「公認サポーター」を担当。来年には第6回大会が控えている。
「前回のWBCがあれだけ盛り上がったので、次回のWBCも放映権を取ったテレビ局は全力で盛り上げるのは間違いない。その顔には当然、中居クラスの大物を用意する必要があります。日テレが放映権を取れば亀梨で決まりですが、そうでない場合はなかなかの難問。イケメン系なら尾上松也、山崎育三郎、始球式で139km/hを投げた経験がある間宮祥太朗、かなりの野球好きだという橋本環奈という手もあります。タレントの格でいえば、サンドウィッチマンも有力候補。お茶の間ウケの良さで言うと、鈴木福という選択肢もあるでしょう」(同上)
「スポーツ番組」への“タレント起用”が招いたもの
もっとも、こういったタレント起用は曲がり角だという意見もある。実際SNSには、
「別にいてもいなくてもどうでもいい存在だった」
「スポーツの世界に、むりやりアイドル使わなくていいと思う」
など、今こそとばかりに声をあげる人は少なくない。元テレビ朝日プロデューサーの鎮目博道氏も、「タレント起用ありきというスポーツ番組の制作手法は見直されていい」と指摘する。
「テレビ局がビッグイベントの顔として知名度が高いタレントを起用するのは、派手な盛り上がり感を演出できるというテレビマンの思い込み。その競技に興味がない人も呼び込みたいという思惑もあるでしょう。
こういった“◯◯アンバサダー”は半ば既得権益化しており、タレント側にとっても大きなイベントの顔になればギャラは高いし、テレビにも出倒せる。テレビ局としても、大々的にプッシュする代わりに他のギャラが少ない番組に出てもらう交渉ができる旨味がある。要するにウィン・ウィンです」(鎮目氏)
ただし、そうやって事務所とテレビ局が盛り上がる一方で、「視聴者的に効果があるかは疑問」だと鎮目氏は続ける。
「本当の野球ファンは、野球そのものの詳しい話が聞きたいはず。一時期、タレントがMCを務めるスポーツ番組があちこちで作られましたが、結局視聴率は振るわず、どんどん終了したという経緯もあります。つまり、タレントがスポーツ番組に寄与することはほとんどないことがもうわかっている。
原点に立ち戻り、アスリートや監督と司会進行役のアナウンサー、という組み合わせでいいんです。タレントを起用することで、しっかり競技を楽しみたい視聴者を置き去りにしてしまい、極端に言えば、それが一部のテレビ離れを進めている可能性さえあると思いますよ」(同前)
WBCの顔、これ以上ない“奥の手”は
芸能人のファンと野球ファンを両取りしようとして、「二兎を追う者は……」を地で行く結果になっているということか。それを踏まえた上で、WBCの顔にはこれ以上ない適任者がいる。ベテランスポーツジャーナリストが語る。
「奥の手はイチローか松坂大輔でしょう。イチローは自分の野球チーム『KOBE CHIBEN』の試合をTBSが中継していますし、松坂は『報道ステーション』(テレビ朝日系)に出ていて、テレビ局にしっかりコネクションがあります。侍ジャパンのレジェンドが顔になるなら文句を言う人はいませんし、仕事の格としても彼らに失礼にはあたらない。野球離れを止めるには野球界が一丸になる必要がありますから、ビッグネームにご登場願うしかありません」
大谷翔平が出るか出ないかで注目度が大きく変わりそうだが、この2人なら次のWBCも盛り上がりそうだ。
(取材・文=木村之男)