CM出稿ストップだけではない! フジテレビが抱える“内部”の深刻な問題
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引退した元タレントの中居正広氏と女性とのトラブルに端を発した一連の問題で揺れるフジテレビが、各セクションごとに社内アンケートを行ったと2月15日に夕刊紙「日刊ゲンダイ」のWEB版が報じた。
同サイトが入手したという資料によると、報道局の「セクハラ・パワハラ・モラハラ調査」では「身体的接触がある」と答えた社員は18%と全社平均の8%よりもかなり高め。
また、「ため息や不機嫌な態度で不快にさせられることがある」は51%とこちらも全社平均の32%よりも高めだったという。
その一方、『めざましテレビ』などを制作する情報制作局は“セクハラにつながる言動”として、「性的な内容の電話をかけたり、手紙、メール、LINEなどを送る」や「性的な関係を強要する」、「カラオケでデュエットを強要する」といった具体的な事例を挙げて注意を呼び掛けているという。
スポーツ紙の放送担当記者は語る。
「おそらく、フジの上層部は3月末をメドに調査結果が発表される第三者委員会の調査結果を見越して、事前に調査をしておこうと考えたのではないでしょうか。現在、CMスポンサー企業の多くが出稿を見合わせているが、各社とも出稿を再開するかどうかは、第三者委員会の調査結果待ちの状態ですからね。とはいえ、その結果が外部に漏れてしまい、おまけにパワハラ、セクハラが横行しているという恥ずかしい事態が白日の下に晒されてしまいました」
そもそも、第三者委員会といい、フジによる今回の社内調査といい、その前提には大きな問題を抱えているという。
「調査の対象になっているのは、会社が傾いてもその身分が保障されている“正社員”のみ。しかし、現状でフジの制作現場などを支えているのは外部のスタッフが大半を占めている。とくに、情報番組の現場には数人の正社員しか関わっていないのが実状ですからね。そんな現場の中でも圧倒的な権限を持つのはもちろん正社員ですし、社員へのアンケートのみでパワハラ・セクハラが横行しているということは、外部のスタッフに対するハラスメント行為はさらにヒドイものであることが容易に想像されます。だいたい1月23日の説明会も正社員が対象で外部スタッフに説明はなかったですし。正社員ですら他社やNetflixなどの動画配信サービスに転職希望者が多い現状だけに、このままだと貴重な即戦力の外部スタッフもどんどん逃げ出すことになるでしょう」(テレビ局関係者)
番組制作を支える優秀な外部スタッフが流出すれば当然、番組のクオリティーもどんどん落ちていくことになるが、芸能ジャーナリストの竹下光氏はこう明かす。
「フジの番組に関しては騒動以前から番組によってかける予算に差があるようで、局上層部や編成からの期待が薄い番組についてはかなりの低予算での制作を強いられているとか。それに加えて、今回の騒動により打ち切りになる番組の“穴埋め”として既存の番組の放送時間を延ばして対応するパターンも目立ちますが、下請けの制作会社や外部スタッフは番組の『放送時間』ではなく『放送本数』を単価とした業務契約になっていることが多い。そのため、たとえ番組の放送時間が延長されて仕事の量や拘束時間が増えても、本数自体は変わらないので実入りは増えないというケースもあるそうです。となれば、『もうやっていられない』と距離を置くスタッフも出てくるでしょうし、ますます人材不足となり番組制作にも好ましくない影響を及ぼしそうです」
現状、フジはCMスポンサーの顔色ばかりをうかがっているようだが、肝心の“内部”へのケアはお世辞にも足りているとは言えない様子。
仮にCMスポンサーの出稿が再開されたとしても再建はかなり厳しそうである。
(取材・文=サイゾーオンライン編集部)