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「赤いきつね」だけじゃない、女性に関する表現が炎上した有名企業のCM

「赤いきつね」だけじゃない、女性に関する表現が炎上した有名企業のCMの画像1
(写真:Getty Imagesより)

 東洋水産のカップ麺「マルちゃん 赤いきつね」のアニメ動画のCMが思わぬ炎上騒ぎとなっている。

大地真央のCM

 2月6日に東洋水産が公式SNS上で公開した34秒間の同CMは、若い女性が夜に暗い自室で恋愛ドラマを見て涙を流した後、「赤いきつね」のカップ麺をすするというもの。

 若い女性が一人で部屋にいるシーンからはじまり、涙を流した後に「赤いきつね」を食べてホッとするという内容なのだが、その際にうどんやお揚げを食べる女性の口元や赤く染まった頬がアップで写される演出があり、一部から「性的な表現ではないか」と指摘を受けたのだ。

 広告代理店関係者は語る。

「若い女性が頬を赤らめ、髪をかき上げならカップ麺を食べる。口元のアップシーンが妙に艶めかしい映像ですが、批判の原因は『非現実的な女性像を押し付けている』や『アニメの女性の赤らめた顔=火照ってる=性的興奮の表現』という意見もあるが、その一方で、『全く問題ない』や『温かい食事でホッとする様子が伝わる』という意見もありますね」(広告代理店関係者)
 
 そうした中、このCMの騒動をキッカケに「食」をテーマにした漫画原作(集英社)のアニメ『食戟のソーマ』がSNSでトレンド入りするといった現象も。

 登場人物が美味しい料理を食べた際に服がはだける演出が特徴的で、このような表現が受け入れられてきた背景があるため、「赤いきつね」のCMに対する批判が過剰だと感じる人も多かったようだ。

「女性を使った表現で炎上しやすいのが固定的な性役割、性別役割分担、性的な対象としての女性描写が挙げられ、過去には一流企業のCMでもたびたび問題視されてきました。2015年の『ルミネ』のCMでは男性社員が2人の女性を見比べて、髪を巻いたお洒落な女性があまりお洒落ではない女性よりも『需要がある』と発言するシーンが『セクハラ』や『不快』と非難されました。16年の資生堂のCMでは女性同士の会話の中の『25歳以上は可愛くない』や『チヤホヤされない』というやりとりが『女性の価値を年齢で決めるな』と反発を呼びました。また、ユニ・チャームのおむつブランド『ムーニー』の広告動画では、母親が育児のほとんどを担う『ワンオペ育児』への賛美だという批判を浴び、宮城県のPR動画では壇蜜にあの手この手で『エロス』を連想させるようなセリフ、行動をとらせる演出が物議を醸しました」(前出・広告代理店関係者)

 これらのCMの炎上事例に共通しているのは、視聴者の受け取り方によって大きく評価が分かれている点だ。

 近年では、広告業界も慎重な姿勢を求められている。

 芸能ジャーナリストの竹下光氏はこう話す。

「個人的な意見としては“炎上”するほどの表現とは思いませんが、今回のCMを見て不快に思った人や不適切と感じた人が一定数いるのも事実ですし、そうした事実については企業側も受け止める必要はあるでしょう。もっとも、CMに限らずあらゆる作品に賛否両論はつきものですからね。それよりも一部報道によるとこのアニメを制作したクリエイターのアカウントに過激な批判や中傷コメントが書き込まれたりしているようですが、そうした誹謗中傷のターゲットにクリエイターがなっていることの方が立場上避けられない部分はあるとはいえ痛ましい気持ちになりますよね」

「赤いきつね」のセクハラ騒動によって改めて多くの視聴者が違和感なく受け入れられるCM作りが重要になってきそうだ。

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(取材・文=サイゾーオンライン編集部)

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最終更新:2025/02/22 22:00