松本若菜、フジ新ドラマ『Dr.アシュラ』主演で “救世主”なるか

4月スタートのフジテレビ系水10枠の連続ドラマとして女優・松本若菜が主演を務める『Dr.アシュラ』が放送されることが発表された。
原作は2015年から2016年にかけて「週刊漫画ゴラク」(日本文芸社)に連載されたこしのりょう氏による同名のコミック。
命と最前線で向き合う救急科を舞台に、どんな急患も絶対に断らない、そしてどんな手を使ってでも絶対に助けるスゴ腕のスーパー救命医の活躍を描いた救命医療ドラマだ。
松本が演じるのは、帝釈総合病院救命科に属する39歳の救命医で、運び込まれる急患は一切区別せず、お金がなくても、ヤクザであろうと「絶対に助ける」という強い信念を持つ救命医の杏野朱羅。
松本は今作で7年連続フジ連ドラ出演を果たし、フジ連ドラ主演を務めるのは昨年10月期の『わたしの宝物』に続き2年連続、2作品連続となる。
スポーツ紙の放送担当記者は明かす。
「言うまでもなくフジといえば、芸能界を引退した中居正広氏と女性とのトラブルに端を発した一連の騒動の渦中。スポンサー企業が続々とCMの出稿を見合わせているため、今年4月の改編以降の各番組のスポンサー枠はほとんど埋まっていません。そのことから、番組制作の予算も決まらないと言われています。4月期の連ドラマに限ると、現在のドラマ枠はカンテレ製作も合わせて深夜枠を除くと6本ありますが、これまで発表されているのは、人気グループTravis Japanの松田元太が主演を務める火曜9時枠の『人事の人見』のみ。他ドラマは発表するに至らないほどです」
現在、松田が所属するSTARTO ENTERTAINMENTとフジは良好な関係で、フジからのドラマのキャスティングのオファーを拒否する大手事務所が多いとの報道もある中、松田は地上波ドラマ単独初主演の座をゲットした。
一方、松本は昨年7月期のTBS系ドラマ『西園寺さんは家事をしない』で芸歴18年目にして、ゴールデンプライムタイム(GP帯、午後7~11時)の連続ドラマ初主演に。
『わたしの宝物』で2クール連続で主演を務めたが、こちらに関しては別の女優の降板を受けての代役としてオファーを受けたことが一部で報じられていた。
芸能評論家の三杉武氏は語る。
「松本さんは22年に放送されたドラマ『やんごとなき一族』(フジ系)で、大富豪の家に嫁いだヒロインに嫌がらせをする義理の姉役を熱演。早口のセリフ回しや顔芸といった怪演が“松本劇場”などと呼ばれて大きな反響を呼びブレークを果たしました。翌23年に放送されたNHK大河ドラマ『どうする家康』では美しく聡明な側室役を好演するなど、演技の幅の広さも持ち合わせ、その後も複数の連ドラに出演して引っ張りだこの状態です。その一方、女優としては遅咲きで下積み時代の長さでも知られて、22歳で上京し、オーディションを経て佐藤健さんのブレークのキッカケとなった『仮面ライダー電王』でデビューを果たすも、その後はなかなか芽が出ず、吉本興業の劇場がある新宿のルミネの近くの鰻店でアルバイトをしていたことは広く知られています。近年は吉田羊さんや江口のりこさんなど“遅咲き女優”の活躍も目立ちますし、演技力に定評のある松本さんですから今後もさらなる活躍が見られそうです」
そんな中、代役に続き、フジが苦境に立たされる中でのドラマ主演で “救世主”となった格好の松本だが、民放キー局の関係者はこう話す。
「フジの置かれた状況を見るに、松本さんが大手事務所に所属していたらこの状況でのフジの連ドラ主演はなかったかもしれません。しかし、松本さんの事務所は所属タレントが10人にも満たず、他で名前が知れているのは松本明子さんの夫でVシネマの人気任侠シリーズ『日本統一』などの作品で知られる本宮泰風さんぐらいですからね。それに松本さんは下積みが長かったこともあり、お世話になった局にはより恩義を感じているのかも。とはいえ、『Dr.アシュラ』の撮影は3月初旬にスタートという話ですから、かなりハードなスケジュールになりそうではありますけどね」
すでに公開されている『Dr.アシュラ』のビジュアルを見た限りではかなり原作に寄っている印象だが、松本が卓越した演技力を存分に発揮すれば今のフジには珍しい明るいニュースをもたらすことにもなりそうだ。
(取材・文=サイゾーオンライン編集部)