相葉雅紀にテレ朝ドラマで主演報道 『相棒』に続く長期シリーズ化へのポイントとは

人気グループ嵐の相葉雅紀がテレビ朝日系7月期の連続ドラマで主演を務めることが内定していると「女性自身」(光文社)や「東京スポーツ」など複数のメディアが報じて話題だ。
「東京スポーツ」によれば、タイトルは『大追跡~警視庁SSBC特別(仮)』で、警視庁の捜査支援分析センター(SSBC)を舞台とした刑事ドラマになるとのこと。
また、「女性自身」は松下奈緒が共演者として起用されるとも伝えており、バディものとしての期待も高まる。
仮に相葉の連ドラがスタートするのであれば、本作はテレ朝のドラマ戦略において大きな転換点となる可能性が高そうだ。
これまで同局は『相棒』や『科捜研の女』、『ドクターX~外科医・大門未知子~』といった長期シリーズを生み出し、視聴者の信頼を勝ち得てきたが、中でも刑事ドラマの分野において新たな柱となる作品が求められているからだ。
「長年にわたり同局の視聴率を牽引してきた『相棒』は主演の水谷豊の年齢を考えれば、いつ幕引きとなってもおかしくない状況。同じく長寿ドラマである『科捜研の女』も視聴率の低迷が深刻化し、京都の撮影所を維持するためのコストも重荷となり、存続が危ぶまれています。また、『刑事7人』は東山紀之氏の芸能界引退により制作がストップしており、主演の変更、もしくはシリーズ終了となる見込みです。加えて、井ノ原快彦主演の『特捜9』も『Final Season』と銘打たれた今年4月期をもって終了するのが既定路線となっています」(テレビ誌ライター)
20年末の嵐の活動休止後も俳優、タレントとして数多くのドラマや映画、バラエティー番組に出演し、『FNS歌謡祭』(フジテレビ系)の総合司会を務めるなどマルチな活躍を見せている相葉だが、芸能ジャーナリストの平田昇二氏は語る。
「相葉さんといえば俳優として業界内外で高い評価を受けています。沢尻エリカさんらと共演した15年放送のフジ系“月9”ドラマ『ようこそ、わが家へ』は作品の内容も含めてファンの間では代表作の一つとして今でも愛されていますが、他にも09年放送の『マイガール』(テレ朝系)、12年放送の『三毛猫ホームズの推理』(日本テレビ系)、13年放送の『ラストホープ』(フジ系)、17年放送の『貴族探偵』(フジ系)、18年放送の『僕とシッポと神楽坂』(テレ朝系)などでの好演が印象深いですね」
そんな中、テレ朝系では過去に『マイガール』、『僕とシッポと神楽坂』以外にも『バーテンダー』(11年)や『和田家の男たち』(21年)、『今日からヒットマン』(23年)と5作のドラマに出演。
特に『和田家の男たち』は視聴率こそ爆発的ではなかったものの、演技力の面で高い評価を得た作品となっており、ここに来て満を持してテレ朝が長寿ドラマ化を目論む連ドラの主演に抜擢されたとしても不思議ではないだろう。
「視聴率だけでなく、シリーズとして定着できるかどうかがポイントですよね。テレ朝の刑事ドラマは過去に何度も長期シリーズ化された例がありますが、ターゲットはいずれもシニア層でした。今回は現代的なデジタル捜査がテーマとなりそうなので、新たな視聴者層を取り込めるかが鍵になるでしょう。長く続くためには、ストーリーの面白さに加えて、相葉が新しい刑事像を確立できるかが重要。テレ朝のドラマスタッフも脚本や演出、キャストに本腰を入れてくるのではないでしょうか」(前出のテレビ誌ライター)
懸念材料があるとすれば、同じ「嵐」の二宮和也がMCを務めるバラエティー番組『ニノなのに』(TBS系)が今年4月からゴールデンタイムに昇格し、「刑事7人」と同じ水曜午後9時枠での放送が濃厚となっていることか。
放送作家はこう話す。
「テレ朝の『水曜21時』枠は“刑事ドラマ枠”と言われていますし、相葉のドラマが新たにスタートするとすればおそらくはこの枠になる可能性が高い。二宮の番組と視聴率で競う形となれば『嵐』のファン層の分散は避けられず、ファンにとってはどちらを見るべきか悩ましい問題となる。二宮に出足をくじかれて低視聴率発進となれば、シリーズ化どころじゃなくなってしまいます」
相葉はテレ朝の信頼を勝ち取り、東山や井ノ原に代わるSTARTO ENTERTAINMENTの“顔”として存在感を放つことができるのだろうか。
(取材・文=サイゾーオンライ編集部)