『THE SECOND』いよいよ今週末「32→16ステージ」全カードの見どころまとめ

芸歴16年以上の漫才師による頂上決戦『THE SECOND』。5月にフジテレビ系で生放送されるグランプリファイナルへの出場8組を目指したノックアウトステージの開幕戦「32→16」が今週末、22日と23日に行われる。
ここでは、その全カードの組み合わせと見どころを紹介したい。
22日16時30分~C・Hブロック
Cブロック
エル・カブキvs金属バット
本田兄妹vsリニア
過去、2年連続でグランプリファイナルに進出し『THE SECOND』の顔役となっている金属バット。今年の初戦の相手は、昨年『M-1』ラストイヤーを終えたばかりの関東のアウトロー漫才師エル・カブキとなった。『M-1』では3回戦が最高成績で21年には1回戦落ちも経験しているが、その直後の単独ライブが即完するなど、実戦派として評価の高いコンビだけに、ジャイアントキリングの可能性も低くない。
こちらも2年連続でベスト32に進んだリニア。昨年はこのステージで盟友である三日月マンハッタンの前に散ったが、今年の相手は同じプロダクション人力舎の本田兄妹となった。昨年、三日月との対戦が決まった際に「この対決、新宿バッシュ!!でできるんですよ」と叫んだリニアの酒井啓太だったが、今年はいつでも「新宿Fu-」で見られそうな組み合わせとなった。
Hブロック
レイザーラモンvsななまがり
ジャルジャルvsツートライブ
抽選会にはHGがいつものコスチュームで現れ、激しく腰を振っていたレイザーラモンの相手は、昨年グランプリファイナルに進み、一部では優勝候補との呼び声も高かったななまがり。意外にオーソドックスなレイザーラモンの漫才が見られる数少ない機会とあって、関係界隈の注目度は高い。
『キングオブコント2020』王者にして『M-1』でも4度のファイナルに進んでいるジャルジャルは、今大会の出場者の中でも屈指の実績を誇る実力者。一方のツートライブは昨年のラストイヤーまで『M-1』決勝には縁がなかったが、金属バットやミルクボーイとともに漫才ツアーで全国を回り、腕を磨いてきた実力派。スター性抜群の周平魂は今大会でハネれば一気にスターダムにのし上がる可能性もある。
22日20時~G・Eブロック
Gブロック
タナからイケダvsはりけ~んず
チャーミングvsヘンダーソン
『M-1』予選のMCとして毎年重責を担ってきた“兄さん”はりけ~んず。昨年の『THE SECOND』では選考会で敗退するという波乱もあったが、満を持してベスト32に進出してきた。対するは、一時は解散危機も取りざたされたタナからイケダ。昨年は同期のガクテンソクが同大会で優勝しており、モチベーションは高そうだ。
23年『M-1』の敗者復活戦で爪あとを残したヘンダーソンと相対するのはSMA所属のチャーミング。18年の解散後、野田ちゃんはピン芸人としてプチブレイク、じろうも漫画家として独り立ちしていたが、23年に再結成。ハリウッドザコシショウの薫陶を大いに受けてきた2人が波乱を呼ぶか。
Eブロック
トットvsハンジロウ
ザ・ぼんちvsモグライダー
こちらも『M-1』ラストイヤーから直行してきたトット。準々決勝が最高成績となったが、関西の若手賞レースではファイナル常連、16年の『NHK新人お笑い大賞』では優勝を果たすなど、その実力は折り紙付きだ。一方のハンジロウは昨年のグランプリファイナル経験者。本戦では金属バットの前に苦杯をなめたが、捲土重来を期す。
芸歴56年のザ・ぼんち。昨年はベスト32でハンジロウに「285-287」の2点差で敗れたものの、会場を爆笑の渦に巻き込んで見せた大ベテラン、今年迎えるのはすでにテレビスターとなったモグライダーだ。昨年の『M-1』ラストイヤーはまさかの3回戦敗退となっているだけに、もう一度漫才師としての実力を証明しておきたいところだろう。相手に不足はない。
23日16時30分~B・Dブロック
Bブロック
モンスターエンジンvsアモーン
ドドんvs三拍子
『M-1』『キングオブコント』ともに2度のファイナル経験を持ち、あくなき挑戦を続けるモンスターエンジン。『THE SECOND』でも初年度から選考会を勝ち抜いているが、23年はベスト32、昨年はベスト16で敗退しており、今年こそファイナルに進みたいところだ。対するのは「最強漫才師」を自称する金色スーツのコンビ・アモーン。今大会随一のダークホースとも見られており、番狂わせなるか。
こちらも『M-1』ラストイヤーからの直行組となるドドん。本物の僧侶として知られる石田のインパクトもあってデビュー当初からテレビ露出も多かったコンビだが、ブレイクには至らず。一方の三拍子も、東京のライブシーンでは知らない者のない実力者だが、なぜかここまで大ブレイクには届かなかった。まさに『THE SECOND』らしい組み合わせとなる。
Dブロック
母心vsザ・パンチ
天津vs吉田たち
昨年、ベスト32でジャルジャルを下す大番狂わせを演じて一躍注目を集めた母心が今年もここまで進んできた。対するは、昨年旋風を巻き起こし、準優勝を果たしたザ・パンチ。ノックアウトステージから280点以上を連発して勢いに乗り、ガクテンソクとの決勝でいきなり243点という大会最低得点をたたき出した悪夢を払拭したいところだ。
今や岩手に拠点を移し、現地ではテレビで見ない日はないと言われるほどの人気を博しているエロ詩吟の木村と、オタク仕事が充実の一途をたどっている向こと天津飯大郎。漫才コンビ・天津として久しぶりの表舞台となるが、強敵とのマッチアップとなった。吉田たちは関西若手賞レースを総なめにしてきた双子コンビ。昨年ラストイヤーを迎えた『M-1』では結果を残せなかったこともあり、『THE SECOND』は負けられない戦いとなる。
23日19時45分~
Fブロック
ツーナッカンvsタモンズ
シャンプーハットvs囲碁将棋
2年ぶりのベスト32となったツーナッカンの相手は、昨年ベスト4でザ・パンチの前に涙をのんだタモンズ。ファンの間では「無限大の売れ残り」vs「大宮の売れ残り」ともいわれる熱い組み合わせだ。
昨年はベスト32でガクテンソクに胸を貸した関西の大お兄さんシャンプーハット、今年は関東の雄・囲碁将棋と相対することになった。第1回大会から優勝候補と目されている囲碁将棋だが、23年はベスト4、昨年はベスト8で敗退しており、今年こそとファンの期待を集める。
Aブロック
祇園vsラフ次元
見取り図vsマシンガンズ
祇園は昨年のグランプリファイナリスト、ラフ次元と。ともに大阪NSC28期として切磋琢磨してきた2組の対決には、胸を熱くしているファンも少なくないはずだ。すでに関西では知られた存在である2組だが、このタイトル獲得が飛躍のきっかけになることは言うまでもない。
そして、見取り図である。『M-1』3度決勝、20年には最終決戦でマヂカルラブリー、おいでやすこがと票を分け合い、その後もテレビスターとして数々のレギュラーを獲得してきたコンビが、ここで『THE SECOND』に参戦してきた。対するは、第1回大会で『THE SECOND』ドリームをつかんだマシンガンズ。2人が6分間にわたってテレビスター見取り図に悪態をつく姿が目に浮かぶようである。
(文=新越谷ノリヲ)