咲村良子プロレス挑戦記14 センス抜群で人格者の天才レスラー

咲村良子連載コラム第14回
「ヴィランの花道 ~咲き乱れ 散りゆくままに~」
他に類をみないような凄い女たちがごろごろしてるのが「女子プロレス」の世界。
練習の積み重ねや運動能力はもちろん人間性やセンスも炙り出されるのがリングの上だ。
そんなリングの上で絶賛迷走中の咲村良子です。
迷走中の私には特別輝いて見える人がひとりいる。
その人はマリーゴールドの先輩、MIRAI選手。
若干25歳、キャリア6年目でありながら一流。
私よりも年下の選手ではあるが、この方は人間性も及ばないものを感じる。
マリーゴールドでも圧倒的な実力者でありながら一番練習を休まない。いつも若手のコーチを務めてくれてるのもMIRAIさんだ。
しかも常に謙虚で礼儀正しく、指導もとても丁寧で親切。
自分も人に教えた経験から言っても親切な指導は難しい。
でもMIRAIさんは、できない後輩に苛立ったりキツくなったり、意地の悪い言い方をしたりしないで根気よく付き合ってくれる。
本人は天才肌な部分もあるのに不器用な私(新人咲村)にも噛み砕いて教えてくれる。
相手のできないこと、わからないことに寄り添って一緒にできるまで付き合うのは本当に忍耐の必要な作業。私自身、すこぶる要領が悪い人間なのでMIRAIさんのそういう優しさがなかったらもっと何にもできなかったと思う。
それでいて掃除や雑務も惜しまずやっている。いつも笑顔で人当たりもいい。そんな中に熱い魂を持ったMIRAIさんはたくさんのファンにも愛されている。
徳が高いってこういう人のことを言うんだろうな。
このコラムを読んでくれてる皆様はもうお察しかもしれないが、気に入らない相手に私は1ミリも迎合しない。
そんな私だけどMIRAIさんには付いて行こうと思える。実力と人間性を兼ね備えた素晴らしい選手だ。
プロレスの技術の意味でも、人間としても尊敬してるMIRAIさん。
MIRAIさんと出会えて一緒にプロレスができることはマリーゴールドに入ってよかったことのひとつだ。
一番身近で一番遠い憧れ。
MIRAIさんの背中を追いかけて。
咲村良子、日々精進いたす。
(文=咲村良子)
咲村良子マリーゴールド戦記XIV
マリーゴールド所属の「魂の申し子」。それが今回のコラムに登場したMIRAI選手だ。
デビューや経歴などは優秀なウィキペディアというサイトがあるので、ぜひそちらで確認してもらいたい。ここではMIRAI選手の試合を実際に見た感想を少し。
素人目にもはっきりわかるのは、MIRAI選手の身体能力と格闘センスの高さ。
その動きは軽やかで時にずしりと重く、華麗でインパクトのある技を事も無げに繰り出す。
動きが違うと一言でいうと簡単だが、パッと見ただけで他の選手とはまるで違うように感じた。
そのときふと浮かんだのは、「孤高の天才」という言葉。そう、天才の部類に属するアスリートだと直感した。
しかし、今回の咲村良子のコラムを読むと、MIRAI選手は人一倍練習し、面倒見がよくて誰からも愛される人物のようだ。
となると「孤高」というイメージはちょっと違う。抜群のセンスを持ちながら人格者であるというMIRAI選手には脱帽だ。
勝手なイメージをMIRAI選手に抱いてしまって誠に申し訳ないが、そのイメージが覆ったのもコラムのおかげ。そんな女子プロレス界の内情が知られるのも、このコラムの醍醐味なのではないだろうか。