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広瀬すず、山崎賢人と破局報道で「脱清純派」加速か…「大人の女優」への成長度を分析

山崎賢人と破局した広瀬すずの今後についての画像1
広瀬すず(写真:Getty Imagesより)

 女優の広瀬すずが、交際を伝えられていた俳優の山崎賢人と破局したと報じられた。「令和のビッグカップル」の破局報道に衝撃が広がっているが、広瀬は当面仕事に集中しそうで、最近顕著だった「脱清純派」路線が加速するのではと前向きにとらえる声もある。

 かわいい「妹キャラ」で親しまれてきた広瀬だが、現在は26歳の大人の女性。年齢に伴って清純派路線から脱皮する時期に差しかかり、本人もそれを意識しているようだが、その成否と今後について業界事情に詳しい芸能記者が解説する。

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破局後は「仕事に邁進」か

 広瀬と山崎は2022年に熱愛が報じられ、2023年には互いの右手の薬指にペアリングを付けたツーショットもキャッチされ、半同棲状態とも伝えられたことで「結婚秒読みか」と騒がれた。しかし、破局を報じた発売中の「女性セブン」(小学館)によると、広瀬は多忙を極める互いの仕事と生活を尊重しようと関係を見つめ直し、話し合いの末、今年の初めごろに半同棲を解消。破局に至ったという。

 双方とも多忙すぎる売れっ子であるだけに、本格的に将来を考えた時にすれ違いが生じてしまったのかもしれない。

 ある意味、この破局は「互いに仕事に邁進する」という決意とみることもできそうで、当面は仕事集中モードになりそうだ。そこで期待されているのが、広瀬の「脱清純派」路線の加速だ。広瀬は若いうちから売れっ子になったが、いつまでも「かわいいすずちゃん」のままでは演技や役柄の幅を広げることはできない。それを意識してか、近年は激しいラブシーンのある『流浪の月』『ゆきてかへらぬ』などの映画作品に出演し、清純派の殻を破ろうとしている。

世界的評価の監督も絶賛した演技力

 そもそも広瀬はどのように業界内で評価されていたのか。業界事情に詳しい芸能記者はこう語る。

「『Seventeen』(集英社)の専属モデルオーディション『ミスセブンティーン2012』のグランプリを受賞し、同誌専属モデルとして芸能界デビューを果たした広瀬は、2013年にフジテレビ系ドラマ『幽かな彼女』で女優デビュー。出世作となった映画『海街diary』(2015年)は4姉妹の物語で、広瀬の演じた浅野すずだけが三姉妹の異母妹であり、作品でキーとなるキャラクター。3人の姉を演じた綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆という、主演クラス3人との共演ながら、広瀬は女優キャリアの浅さを感じさせない繊細な演技を披露した。本作の監督は世界的に評価の高い是枝裕和氏で、是枝監督は広瀬の演技を絶賛。その後も『三度目の殺人』(2017年)、Netflixドラマ『阿修羅のごとく』(2025年)と通算3度のタッグを組んでいることからも信頼の厚さがうかがえる。実際、是枝監督は『阿修羅のごとく』のインタビューを受けた際、広瀬について『完璧に台本を覚えて、現場では台本を開かない』『1テイク目から100点を出してくる』とべた褒めしている。

『海街diary』で数多くの映画賞を受賞した広瀬は、実力派女優としての道を歩み出し、翌年には主演を務めた『ちはやふる』シリーズ、『四月は君の嘘』、『怒り』とまったくタイプの異なる映画に出演。『ちはやふる』と『四月は君の嘘』は人気マンガの実写化だが、原作のイメージを損なわずに、しっかりと自分のキャラクターを出すことで原作ファンからも高い評価を獲得した。『怒り』では芥川賞作家・吉田修一氏のシリアスな世界観を脇役ながらも渾身の演技で支え、この年も数多くの映画賞を受賞した」

 アイドル女優のようなイメージが先行していた広瀬だが、業界内では早くから高い評価を獲得していたようだ。前出の芸能記者が続ける。

「高校卒業後は進学せず、仕事に専念する道を選んだことからも、女優業への覚悟が感じられる。その後も映画、ドラマ、CMにと引っ張りだことなり、バラエティでも飾らないキャラクターを垣間見せるなど、文字通りの国民的女優へと成長していくが、広瀬が同世代の人気女優と一線を画しているのは、安易にキラキラ系の青春映画・ドラマに流れるのではなく、要所要所で大根仁監督の『SUNNY 強い気持ち・強い愛』(2018年)、岩井俊二監督の『ラストレター』(2020年)や『キリエの歌』(2023年)、『怒り』でタッグを組んだ李相日監督の『流浪の月』(2022年)、根岸吉太郎監督の『ゆきてかへらぬ』(2025年)など、映画ファンからの評価が高い監督の作品に出演してきたこと。また、姉のアリスはコメディエンヌとしての評価が高く、パブリックイメージもお笑い好きで根っから明るいキャラクターというイメージが強いため、それに縛られた役柄が多いが、広瀬は対照的に幅広い役柄を演じられる貴重な存在になっている」

「背伸び」の印象になってしまった作品

 すでに十分な実力を備えているとなれば、スムーズに「脱清純派」できそうだが、前出の芸能記者はこう見る。

「向田邦子の名作を是枝監督がリメイクした『阿修羅のごとく』、緊迫感のあるサスペンスで毎回話題を呼んだTBS系ドラマ『クジャクのダンス、誰が見た?』と、近年の広瀬は人間の業を描いた作品への出演が多く、しっかりと作品に溶け込んだ熱演を見せていて、着々と清純派イメージからの脱却を進めている。ただ、実在した女優・長谷川泰子を演じた『ゆきてかへらぬ』は、詩人・中原中也と文芸評論家・小林秀雄の間で揺れながらも自身の夢を追い続ける女性を演じ、大胆なラブシーンも披露したものの、佇まいや声に幼さの残る広瀬には早かった印象を受けた。

 『ゆきてかへらぬ』の監督の根岸吉太郎氏と脚本の田中陽造氏は、1970年代から数多くの名作、問題作を世に送り出してきたが、キャリアの初期は日活ロマンポルノで腕を磨いてきた二人で、濡れ場を描くのには定評がある。根岸氏と田中氏のタッグは映画『ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜』(2009年)以来となったが、奇しくも同作で主演を務めたのは広瀬が憧れの女優に挙げる松たか子。そうした気負いもあったかもしれないが、『ゆきてかへらぬ』の広瀬は背伸びをしている印象だった。演技力どうこうではなく、もっと年齢を重ねてから演じるべき役柄だったかもしれない。だが現状に満足しないチャレンジ精神こそ広瀬の持ち味であり、今後もイメージを覆すような役柄に期待したい」

 着々と脱清純派を進めながらも、作品によっては「背伸び」に見えてしまうあたり、まさに広瀬は大人の女優へと成長する過程の真っただ中にいるのだろう。仕事集中モードとなることで急激に成長する可能性もあり、今後も目の離せない存在となりそうだ。
(文=佐藤勇馬)

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佐藤勇馬

1978年生まれ。新潟県出身。SNSや動画サイト、芸能、時事問題、事件など幅広いジャンルを手がけるフリーライター。雑誌へのレギュラー執筆から始まり、活動歴は15年以上にわたる。著書に『ケータイ廃人』『新潟あるある』がある。

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最終更新:2025/03/29 09:00