ホラン千秋卒業の『Nスタ』、後任は出水麻衣…次の「フリーアナOUT→局アナIN」の有力候補

新年度を迎えた4月、TBSに大きな変化があった。3月末に夕方のニュース番組『Nスタ』からメインキャスターのホラン千秋が卒業し、後任に出水麻衣アナが就任。平日に毎日3時間超放送される看板番組の顔が入れ替わった。
「ホランがキャスターに抜擢された当時、『Nスタ』の視聴率は日本テレビの『news every.』、テレビ朝日の『スーパーJチャンネル』に次ぐ3番手。それを追うのがフジテレビという形でしたが、『Nスタ』は徐々に『スーパーJチャンネル』を追い詰め、2019年には『news every.』を抜いて時間帯トップを記録するなど上り調子をキープし、首位交代も夢ではないポジションにつけていました。
『Nスタ』躍進の要因の1つは、ホランと井上貴博アナの軽妙なやり取り。番組は2人のオープニングトークで始まり、いかにも気が合う様子で語り合うさまは番組の雰囲気を確実に良くしていました。ホランは文句なしに躍進の立役者ですが、卒業は本人からの申し出だったそうで、ライバルの『news every.』の関係者はさぞかし喜んだことでしょう」(エンタメ誌記者)
そしてホランの後を受けて、メインキャスターを務めることになった出水アナ。過去には『世界・ふしぎ発見!』『王様のブランチ』『NEWS23』、世界陸上、五輪中継など、花形番組を歴任してきた安定感抜群のベテランだが、キー局関係者はホランの後任が局アナだったことに驚きを隠さない。
「『Nスタ』とつばぜり合いをする『news every.』は、人気を牽引した藤井貴彦アナの卒業を機に斎藤佑樹と桐谷美玲をキャスターに抜擢。華のあるタレントを起用して引き離しにかかりました。出水アナは入社20年のキャリアを持ち、英語も堪能な才媛ですが、『好きな女子アナランキング』で上位に入ったことはなく、人気や知名度では少々物足りない。それでもTBSが局アナを起用したのは、ずばり制作費の削減でしょう。
ホランの『Nスタ』のギャラは1回50万円として年間1億円以上。局アナなら丸々カットできます。こういった例は過去にもあり、『報道ステーション』(テレビ朝日系)は古舘伊知郎が卒業した際、後任に富川悠太アナを抜擢。『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)はフリーの加藤綾子から井上清華アナに引き継がれました。故・西田敏行さんがナレーションを務めていた『人生の楽園』(テレビ朝日系)も、西田さんの死後は局アナがナレーションを務めています」(キー局関係者)
昨今はどのテレビ局も制作費削減が最優先事項。テレビ欄をチェックすると、首が寒い人が浮かび上がってくる。
「『Nスタ』のライバルの『Live News イット!』(フジテレビ系)は、今すぐテコ入れが必要な状況です。昨年、NHKから青井実アナを三顧の礼で迎えましたが、視聴率で裏番組の『孤独のグルメ』(テレビ東京系)の再放送に負けることもしばしば。一連の不祥事が“フジ離れ”を招いているとはいえ、わざわざフリーの青井を使う意味がなく、それなら若手を育てるべきでしょう。
TBSの『news23』も危険水域です。元テレ朝の小川彩佳はスキルの高さこそ申し分ないものの、いかんせん数字が伴わない。すでにメインキャスターになって5年以上が経過していますが、これまでも度々降板が囁かれており、数字は一向に上向きません。通常ならメインキャスターの降板イコール番組終了ですが、『news23』は“報道のTBS”の金看板として簡単には変えにくい。それなら局アナで続けるのがスムーズでしょう。
報道番組の場合、局アナの方が操縦しやすいのも大事なポイントです。フリーアナやジャーナリストをキャスターに起用すると、大手スポンサーの不祥事を厳しく追及したりと、局にとって厄介なケースも起こり得ます。その点、局アナならいくらでもコントロールできますから」(同上)
期待の局アナをズバリ予想
しかし、それもこれも社内に人材がいてこそ成立するもの。各局の期待アナは誰だろうか? アナウンサーに詳しい丸山大次郎氏は次のように語る。
「まずフジテレビはスポーツ番組をメインに担当している佐久間みなみで、凛として艶のあるルックスはキャスター向き。報道番組風のバラエティ『全力!脱力タイムズ』で見せる原稿読みに安定感があって、アナウンス能力の高さもうかがわせています。
日本テレビは『シューイチ』を担当する岩田絵里奈アナを次世代の報道担当として期待している印象です。2023年から同局のニュース専門放送局『日テレNEWS24』でキャスターとしてのキャリアを着実に積んでいて、めきめきとアナウンス力を向上させています。
TBSはかつて〝報道のTBS〟と呼ばれただけあって、日比麻音子や良原安美、若林有子など人材豊富ですが、注目したいのはハーフで艶気のあるルックスで存在感のある宇賀神メグでしょうか。『THE TIME,』では時々トチることもありますが、これから上達していけば滝川クリステルを超えるハーフキャスターも期待できそう。
テレ朝は夕方の情報番組を担当する『スーパーJチャンネル』の森山みなみアナで、トーンが高すぎず滑舌もよくて聞き取りやすい声質が特徴。すでに報道番組で活躍している下村彩里や安藤萌々、渡辺瑠海に続きそうな期待感が高いです。
最後にテレ東は少し特殊で、ほかの4局における報道番組の立ち位置が経済番組になります。その経済番組の次世代を担いそうなのが『出没!アド街ック天国』を担当する中原みなみアナ。まだ入社4年目でアナウンス力は高くありませんが、きりっとした表情に艶もあり、まじめな表情のバストアップに存在感のあるタイプです。4月から『モーニングサテライト』の火・木・金曜日のメーンに就任するので、局からの期待も大きいことがうかがえます」
近年はフリーアナの活躍が目立つが、局アナの復権は近いのかもしれない。
(取材・文=木村之男)