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独立後に大躍進! みなみかわが「売れるべくして売れた」理由、識者が徹底分析

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イメージ画像(写真:Getty Imagesより)

 ピン芸人・みなみかわが、テレビ・ラジオ合わせてレギュラー番組が約10本になったことを告白し、想像以上の売れっ子ぶりに驚きの声が上がっている。車の購入や高額家賃の一軒家への引っ越しなども明かしており、かなり稼いでいるようだ。しかし、識者からは「売れるべくして売れた」と指摘されており、もっと売れる可能性を秘めているようだ。その理由や彼の魅力について、お笑い事情に詳しい芸能ライターの田辺ユウキ氏が解説する。

 みなみかわは9日、レギュラーを務めるMBSラジオ『アッパレやってまーす!』に出演。今月からラジオのレギュラーが2つ増えたという話題から、「ネットラジオとかも含めたら(ラジオのレギュラーは)6本」と明かし、テレビのレギュラーと合わせると「10本ぐらい」と語った。これに対して、共演者のハリウッドザコシショウは「超売れっ子や!」と仰天していた。

 また、みなみかわは別の回で家族の念願だったという一軒家への引っ越しと車の購入も告白。引っ越しについては、以前から「家賃が今の家の3倍のところに引っ越す」「家賃34万円です」などと話しており、おそらくこの一軒家のことだったのだろう。

 みなみかわは昨年5月に長らく所属していた松竹芸能を退所し、妻が設立した個人事務所を拠点に独立。新居は事務所も兼ねるということで、妻が張り切って洗濯機、冷蔵庫、コーヒーメーカー、電子レンジなど家電一式を買い替え、11万円もする生ごみ処理のディスポーザーまで購入していたという。

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識者が語る「売れて納得」の理由

 みなみかわはTBS系『水曜日のダウンタウン』などで人気と知名度が跳ね上がった印象があるが、その売れっ子ぶりが伝わってくるエピソードだ。ここまで彼が売れると思った人はどれほどいただろうか。しかし、芸能ライターの田辺ユウキ氏はまったく意外ではなかったという。

「みなみかわさんのことは、2019年に解散したコンビ『ピーマンズスタンダード』のときから見ていました。『爆笑レッドカーペット』(フジテレビ系)などにも出演しており、良くも悪くもクセがそれほどない、まさにスタンダートな漫才コントをやっていた印象です。コンビでハネたネタはあまりないですが、みなみかわさんがどんな攻撃を受けても痛みを感じない武術『システマ』の使い手として知られるようになってからは、コンビとしてうまく機能していたと思います。2016年放送『とんねるずのみなさんのおかげでした』(同)でのとんねるずとのやりとりは、今でもショート動画で回ってくるほど、ある種『バラエティにおけるアンセム化』がなされています。

 また、みなみかわさんはコンビ時代からピンネタの『アイヒマンスタンダード』を披露していて、これが抜群におもしろく、『あらびき団』(TBS系)の人気出演者の一人でした。当時の韓国ブームにうまく乗っかった、韓国エンタメあるあるを中心とするネタでしたが、着眼点が非常に良かったです。数多いる出演芸人の中でもしっかり記憶に残る存在でした。

 このネタを見ていた人であれば、みなみかわさんがかなりの才能の持ち主であると早々に気づいていたでしょう。あとはタイミング次第だったのではないでしょうか。ですので、これくらい売れたのも決して偶然ではないですし、もっと売れる気がします。ルックスやファッションも清潔感がありますし、落ち着きがある語り口も良い。奥様と二人三脚という印象も今の時代性に合っている気がします」

みなみかわの笑いは「格闘技」的

 田辺氏にみなみかわの芸風と魅力について、さらに深堀りしてもらった。

「ピーマンズスタンダードのときは、冷静かつ優しめなワードチョイスによるツッコミでした。逆にアイヒマンスタンダードでは、毒っけも込めた韓国ネタを操っていました。つまり『受け』も良し、『攻め』も良しのスタイルなんです。そういった才能が今、どんな状況でも期待以上の働きを見せるマルチプレイヤーとしての立ち位置を確立しているのではないでしょうか。コリゴリのネタ番組に出てもやっていけますし、コメンテーターとしても機能できますから。そういえば、YouTuberのシバターさんと格闘技の試合をしたことも有名ですよね。試合は締め技による失神で一本負け。芸人がカメラの前で落ちるという衝撃の姿が印象的でしたが、ここまで体が張れるという証明にもなりました。

 ここまでみなみかわさんについて語ってみて、気づいたことがあるのですが、彼の芸風って基本的には『格闘技』な気がします。バラエティ番組での立ち振る舞いにしても、スタンドで殴り合うときはそれに応え、寝技勝負的に相手の動きを一つ一つ封じていって一本をとるやり方もできる。

 2023年1月7日放送『ゴッドタン』(テレビ東京)で『M-1グランプリ』優勝直後のウエストランド・井口浩之さんが『みなみかわさんは昔からお世話になっている良き先輩』と持ち上げたのに、みなみかわさんは『生き方がダサい。ツイート。服装、顔、すべてダサい』などと仕掛けました。そこで井口さんが『みなみかわさんはどの先輩よりも努力している』と、みなみかわさんのキャラクターを潰しにかかり、『お前なりに仕掛けようとしたんやな』と不敵に笑うなどする様子は、まさに格闘技でした。そういう意味でみなみかわさんの魅力、おもしろさは『格闘技的な笑い』な気がします」
(文=佐藤勇馬)

協力=田辺ユウキ
大阪を拠点に芸能ライターとして活動。映画、アイドル、テレビ、お笑いなど地上から地下まで幅広く考察。

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佐藤勇馬

1978年生まれ。新潟県出身。SNSや動画サイト、芸能、時事問題、事件など幅広いジャンルを手がけるフリーライター。雑誌へのレギュラー執筆から始まり、活動歴は15年以上にわたる。著書に『ケータイ廃人』『新潟あるある』がある。

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最終更新:2025/04/16 09:00