CYZO ONLINE > 芸能の記事一覧 > のん、話題作への立て続けの出演で完全復活

のん、話題作への立て続けの出演で完全復活! “10年越しの逆襲”が始まった

のん、再ブレイク中の画像1
のん(写真:サイゾー)

 俳優でアーティストの「のん」の“逆襲”が話題だ。前事務所からの独立騒動以降、約11年も地上波の民放ドラマから締め出されていたが、阿部寛が主演するTBS系日曜劇場『キャスター』へのゲスト出演でついに「地上波完全復帰」を果たした。

 大ヒット中のNetflix映画『新幹線大爆破』での演技も高評価され、エンタメシーンのメインストリームに返り咲こうとしている。その背景には、10年以上の歳月の中で地道に磨かれていった演技力の「蓄積」があったようだ。

のん、11年ぶり「地上波ドラマ完全復帰」報道…「徹底締め出し」から復活できた理由

深田恭子、表舞台から遠ざかっても人気と話題性は衰えず 「スター女優」の格を維持できるワケ

話題作への相次ぐ出演で増した存在感

 のんは4月27日、現在放送中の日曜劇場『キャスター』の第3話にゲスト出演。“万能細胞”をめぐる実験データ改ざんの疑いをかけられた女性研究者という、どこかで聞いたことがある役柄を演じた。

 これだけモデルがはっきりしている役を演じるのは逆に難しそうだが、ネット上の視聴者からは「のんの演技に引き込まれた」「やっぱり演技うまいなあ」「ゲスト出演だけじゃもったいない存在感」「昔と変わらず瞳がキラキラで透明感がすごい」などと称賛の声が続出。ヒロイン役の永野芽郁に不倫疑惑が噴出していることもあり、恋愛スキャンダル知らずで俳優業に邁進してきたのんの好感度がより上がった部分もあるようだ。

 また、のんは先日公開されたNetflixのオリジナル映画『新幹線大爆破』にも出演。運転士役でそれほど出番が多いわけではないものの、さすがの演技力で緊迫のシーンが続く同作を盛り上げ、しっかりと存在感を示した。同作は配信初週にしてNetflix週間グローバルTOP10(映画/非英語)で2位となり、日本 (映画)では1位を記録する大ヒットに。『キャスター』も含め、話題作に立て続けに出演したことで「俳優・のん」の健在ぶりを強く世間に印象付けたといえる。

 当然、こうなればオファーの増加は必至。とくに『キャスター』で民放ドラマ復帰した意味は大きく、他局ドラマへの出演も今後は期待できそうだ。

ブレイク当初から高く評価されていた演技力

 のんといえば、前事務所との独立トラブルの影響で地上波から締め出されるという異常な状況が長らく続いた。業界事情に詳しい芸能記者は、のんの今までの歩みについてこう解説する。

「2013年にNHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』でブレイクしてから、当時所属していたレプロエンタテインメントとのトラブルが表面化するまでの間に、のんは『ホットロード』(2014)、『海月姫』(2014)と人気コミックを原作にした2本の映画で主演を務めたが、どちらもキャラクターのイメージを損なわない役への没入ぶりで、原作ファンも納得する好演を見せた。多くの視聴者は『あまちゃん』の天真爛漫なイメージが強く残っているだろうが、彼女は自分の個性を全面に打ち出すのではなく、役柄に寄り添った『抑制された芝居』が得意。その特性を上手く作品に結実させたのが、声優として参加したアニメ映画『この世界の片隅に』だろう。原作を手掛けた漫画家・こうの史代氏の繊細な世界観を凝縮させたアニメーションと、のんの情感豊かな演技がマッチし、高い評価を獲得した。

 その後、しばらくのブランクを経て、2018年からコンスタントにWEBドラマや映画で主演を務めてきたのんの新たな代表作と言えるのが、2020年の主演映画『私をくいとめて』。『勝手にふるえてろ』(2017)をはじめ、女性の心理を描く手腕に定評のある大九明子監督のもと、のんはおひとりさまライフを満喫しながらも年下男性に恋するアラサー女性を等身大で演じ、朝ドラヒロイン時代とは異なる新境地を切り開いた。

 また、2022年公開の主演映画『Ribbon』では自ら脚本・監督も務め、山下リオ、小野花梨ら実力派女優たちと共に生き生きとした演技を披露し、新人監督に贈られる『新藤兼人賞』の最終選考10名にノミネートされた。この映画では応援PV『映画と生きる 映画に生きる』が併映されたが、これを製作したのはNetflix版『新幹線大爆破』を監督した樋口真嗣氏で、2022年の主演映画『さかなのこ』を監督した沖田修一氏も参加している。クリエイターとしても作品に関わることで、役者としての可能性が広がった面もあるだろう」

地上波返り咲きで「逆襲」開始

 地道な活動を続けてきたことによる「蓄積」が、久々の地上波ドラマや大作映画で発揮され、視聴者に強烈なインパクトを残したようだ。前出の記者は続ける。

「『キャスター』では、上司たちに従順ながらも実は芯のある若き女性研究者・篠宮楓を好演。メインキャストの阿部寛、道枝駿佑らと共に緊張感のあるシーンを作り上げた。ゲスト出演でこれだけの『結果』を残せたのは、地上波ドラマから離れていた10年以上の歳月での『蓄積』が影響しているのは間違いない。

 『新幹線大爆破』で演じたのは、爆弾が仕掛けられた新幹線『はやぶさ60号』の運転士・松本千花。運転台という密室でハンドルを握り続け、主人公役を務める草彅剛らとの共演シーンはあったものの、ほぼ一人芝居という状況だった。その中でスリリングさを表現するのは難しかっただろうが、中だるみすることなく緊張感を持続させられたのは、やはりこれまで表現者として培ってきた経験が活きているのだろう」

 実力は確かであるだけに、運が向いてくれば大きく状況が好転しそうだ。のんの今後について、前出の記者はこう展望する。

「まだ前事務所との遺恨が続いている部分はあるようだが、忖度を廃止する方向へとテレビ業界の風向きが変わった今、民放からのオファーが増えていくのは確実。この10年以上の間、じっくりと活動してきたからこそ、オファーが増えても焦ることなく自分に合った作品を厳選することができるはずで、今後に大いに期待できる。女優として活動の場を広げ、これまで磨かれてきた才能が再びメジャーな世界で花開くのは間違いないだろう」

(文=佐藤勇馬)

永野芽郁&田中圭の不倫疑惑騒動、テレビ関係者が証言した「ワイドショーが報じない理由」

佐藤勇馬

1978年生まれ。新潟県出身。SNSや動画サイト、芸能、時事問題、事件など幅広いジャンルを手がけるフリーライター。雑誌へのレギュラー執筆から始まり、活動歴は15年以上にわたる。著書に『ケータイ廃人』『新潟あるある』がある。

X:@rollingcradle

最終更新:2025/05/09 09:00