『ダウダウンチャンネル』が今夏から始動も“身内からは微妙かも…”な声の理由

吉本興業が7月にも同社に所属するお笑いコンビ・ダウンタウンの松本人志と浜田雅功によるインターネット配信サービス『ダウンタウンチャンネル(仮称)』を始動させることが明らかになり注目を集めている。
サービスのプラットフォームはインターネット上に新たに構築されるオリジナルのものとなり、定額制のサブスクリプションを採用。
コンビによるコンテンツの発信やユーザーが参加可能のライブ配信などを予定しているという。
すでに同社は昨年12月、動画などのコンテンツ制作資金を調達するファンドを設立、国内外の企業数社の出資を受け、数十億円規模を集め、海外に販売するといったビジネス展開も視野に入れているという。
芸能ジャーナリストの竹下光氏は語る。
「松本さんは活動休止前からコンプライアンスが厳しさを増しているテレビ業界に対して何度となく苦言を呈していましたし、地上波での“お笑い”の表現に限界を感じていました。実際、Amazon Prime Videoで『HITOSHI MATSUMOTO presents ドキュメンタル』や『HITOSHI MATSUMOTO presents FREEZE』などを手掛けていましたし、コンテンツのネット配信には積極的な姿勢でしたからね。そうした中、今回、Amazonなどと組むのではなく独自のプラットフォームを新たに構築するわけですから、今まで以上にネット配信に注力するということでしょうし、しばらくは『ダウンタウンチャンネル』に活動を集中させる可能性は高いですよね」
実際、6月26日には30年以上の歴史を誇る冠長寿番組『ダウンタウンDX』(日本テレビ系)が終了することも明らかになっている。
スポーツ紙の芸能担当記者も相づちを打つ。
「確かに浜田さんに関しては『ダウンタウンチャンネル』始動後もテレビをはじめとした他の仕事も続ける可能性は高そうですが、松本さんについては活動再開後も復帰は難しいと言われている地上波はもちろん、他の仕事についてもセーブし、“全集中”することになりそうですよね。吉本がファンドを設立し、数十億円規模の資金を集めるくらい大がかりなプロジェクトですし」
定額制のサブスクリプションということで、仮に月額1000円で5万人の会員が集まった場合、単純な売上だけでも毎月5000万円にのぼる。
配信サービスと連動させた他のビジネス展開なども加味すると、成功すれば松本が『ダウンタウンチャンネル』の活動一本に専念しても十分やっていけるだろう。
一部では『ダウンタウンのごっつええ感じ』(フジテレビ系)や『松本紳助』(日本テレビ系)など過去の出演番組をアーカイブ配信する計画も進められているとの噂もあるが、バラエティー番組を手掛ける放送作家はこう話す。
「テレビ各局がどこまで協力するかにもよりますが、権利関係もあり交渉はかなり難しそうな気もします。他方、他の芸能事務所に所属するお笑い芸人などをゲストに招いてのコントやトークといった新たなコンテンツの制作に関しては支障なくできそうです。『ダウンタウン』との共演を望む芸人も多そうですし、ビジネスの規模感からしてそれなりのギャラも期待できそうで他の芸能事務所も積極的に協力するのではないでしょうか。ただでさえ、昨今はテレビ番組のギャラの低下が著しいですからね。それに、一部では『ダウンタウンDX』や『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』など『ダウンタウン』の番組を手掛けている番組制作会社が『ダウンタウンチャンネル』にも携わるといった報道もありますが、クリエーター陣も『ダウンタウン』に縁のある実績を持つ人材が集まりそうです」
近年の芸能界でも稀に見る大規模なプロジェクトとなりそうな『ダウンタウンチャンネル』だが、意外にも同社の身内である所属芸人たちの間では不安視する声も出ているという。
「今回のプロジェクトは吉本にとっても大きな賭けになりそうですが、一部の芸人たちからはプライベートの問題で芸能生活の窮地に立たされている松本さんに会社が巨額の資金を投入することに対して、『また松本だけ特別扱いか?』や『松本にだけ甘すぎる!』といった疑問の声も噴出しているようです。というのも、松本さんに関しては過去に監督を手掛けた映画事業を会社が全面バックアップするも作品の興行収入が振るわず、失敗に終わった過去がありますからね。松本さんが会社の功労者の一人であることは多くの所属芸人も認めるところではありますが、こうした前例もあり納得できないと思っている芸人も少なくないようです」(同放送作家)
松本は『ダウンタウンチャンネル』を成功に導き、身内の厳しい声を称賛に変えることができるのだろうか。
(取材・文=サイゾーオンライン編集部)