咲村良子プロレス挑戦記21 迫る高橋奈七永の引退

咲村良子連載コラム第21回
「ヴィランの花道 ~咲き乱れ 散りゆくままに~」
女子プロレス界の人間国宝。
わたしのデビュー戦を務めてくれて、マリーゴールドを引っ張ってきてくれた高橋奈七永選手が5月24日に引退する。
この日は代々木第二体育館でのマリーゴールド1周年興行。
私は結局、デビュー戦しか同じカードになることはなかった。
自分の成長が追いつかず、奈七永さんとまた試合をする機会に恵まれなかったことが悔やまれる。
最初で最後の奈七永さんとの一戦。
この一回が私をプロレスラーにしてくれた。
この一年、奈七永さんの元で練習もできた。
これからも続くプロレス人生のデビュー戦が奈七永さんとのシングルだったことは最初の誇りになった。
マリーゴールドにとっても、女子プロレスにとっても偉大な存在だったことは間違いない。
そんな奈七永さんの最後の一戦はどんなものになるのだろう。
奈七永さんの最後の相手は青野未来選手。
きっと、すごい戦いになる。
その日、私は私のカードに全力で挑む。
少しでも奈七永さんの引退に華を添えられたらと思う。
正直言って今の私は万全ではない。
それでも手を抜いたりはしない。
どんな時でも逃げないで戦いたい。
どんな時、どんなことも、真正面からぶつかるのが私の流儀だ。
そうやって、パッションを注入されてる者としても恥ずかしくない自分で奈七永さんの引退を送り出す。
咲村良子マリーゴールド戦記XXI
咲村良子のデビュー戦は観戦させてもらった。
高橋奈七永選手との一戦。そこで私は弊社随一のプロレス好き編集者に高橋選手について少し聞いた。
すると、その編集マンは「高橋奈七永選手とやるのはマジですごい」とアツく語ってくれた。
とはいえ私はプロレス初心者で、高橋選手の凄さにピンとこないまま会場に向かった。
しかし、試合が始まると徐々に高橋選手の「凄さ」を感じた。なんというか、一挙手一投足に熱量があって、遠目で見ても貫録がハンパないのだ。
そんな高橋選手とリングで相まみえたことは、咲村良子にとって大きな財産となったことだろう。
気負わず、がむしゃらに、ただひたすらに突き進んでほしい。高橋選手のように。