川口春奈に続くか? 白石聖、永野芽郁の「大河ドラマ代役」でブレイクに大きな期待

女優の白石聖(しらいし・せい)が、2026年のNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』への出演を辞退した永野芽郁の代役を務めることが発表された。2020年放送の大河ドラマ『麒麟がくる』では、川口春奈が不祥事で降板した沢尻エリカの代役を見事に務め、その後の大ブレイクのきっかけとなった。過去にも「代役からブレイク」の例は少なからずあり、白石にも期待が集まっている。
『豊臣兄弟!』は、仲野太賀が主人公の豊臣秀長(木下小一郎)、池松壮亮が秀長の兄で天下人となる秀吉を演じ、強い絆で天下統一という偉業を成し遂げた豊臣兄弟の夢と希望の下克上サクセスストーリーを描く。
永野が秀長の幼なじみで初恋相手の直(なお)を演じる予定で、キャスト発表会見にも出席していたが、世間を騒がせた不倫疑惑スキャンダルの影響により、先日クランクイン直前での出演辞退を発表。代役に選ばれたのは、永野に比べるとそれほど一般知名度が高いとはいえない白石だった。
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狂気的な役から特撮ドラマ、等身大の女性まで幅広い演技力
しかし知名度こそ及ばないものの、彼女は永野の代役を務めるにふさわしい素質の持ち主だという。業界事情に詳しい芸能記者は言う。
「白石はアニメやマンガをこよなく愛するオタク気質で、声優に興味があった一方、もともとは女優へのあこがれがなかったというが、スカウトをきっかけに芸能界入り。裏方気質で人前に出るのは苦手だったという彼女だが、すぐに透明感のある正統派美少女ぶりで注目を浴び、デビュー2年目にして約700名が参加したオーディションを勝ち抜き、人気コミックを映像化したドラマ『I”s』(BSスカパー!)のヒロイン・葦月伊織役に抜擢れた。同作は3ヵ月以上にわたって撮影が行われ、映画ファンからの評価が高い豊島圭介氏、安里麻里氏が監督として丁寧な演出を重ねていったこともあり、原作者の桂正和氏も満足する仕上がりで、原作ファンからも高い評価を受けた。まだ無名に近かった白石はヒロインになり切って圧倒的な輝きを放ち、オタク気質を役に活かすことに成功し、業界評価を大きく高めた。
2019年に数多くの人気女優を輩出した結婚情報誌『ゼクシィ』の12代目CMガールに起用されて知名度を上げた白石は、同年に出演したドラマ『絶対正義』(フジテレビ系)で主人公の高校時代と主人公の娘の一人二役を、美しい見た目からは想像もつかない狂気的な芝居で怪演。さらには翌年、恐怖漫画の第一人者・つのだじろう氏の代表作の実写版『恐怖新聞』(フジテレビ系)で連続ドラマ初主演を果たした。ジャパニーズホラーの巨匠・中田秀夫監督らが手がけた同作で、さまざまな怪事件に巻き込まれる大学生を鬼気迫る演技で好演し、さらなるポテンシャルの高さを見せつけた。白石はホラー作品を観るのが好きだというが、インプットしたものをアウトプットする力に優れているのだろう」
さらに白石は、女優としての才能を覚醒させて評価を高めていく。前出の記者が続ける。
「2021年には、プラモデル好きの地味な女子高生がプラモの銃を使った本物の命の奪い合いに巻き込まれる特撮ドラマ『ガールガンレディ』(TBS系)で主人公を熱演。現実離れした世界観の作品だが、卓越した役作りで非凡な才能を発揮した。その一方、2023年の主演ドラマ『とりあえずカンパイしませんか?』(テレビ東京系)では、合コンを通じてさまざまな男性と出会い、成長していく女性を等身大で演じ、演技の幅の広さを見せた。ここ数年は脇役に回るケースが目立っていたが、主演でもバイプレイヤーでも役への理解度が高く、しっかりと存在感を示す。そんな才能あふれる彼女があまり経験のない時代劇でどんな演技を見せるのか、期待せずにはいられない」
「代役からのブレイク」の可能性は? 新事務所の強力サポートも追い風に
白石の才能の高さに加え、芸能界では「代役からのブレイク」の例が過去にも多くあり、それが期待の大きさにつながっている。
先述した川口をはじめ、過去には2004年のドラマ版『世界の中心で、愛をさけぶ』(TBS系)で石原さとみが降板したことで代役を任されたとされる綾瀬はるか、上野樹里の代役として2005年のドラマ『花より男子』(TBS系)の主人公に抜擢されたと伝えられている井上真央らが「代役からのブレイク」をつかんだ。また、昨年の大河ドラマ『光る君へ』では、不祥事で降板した永山絢斗の代役を大河初出演の竜星涼が演じ、好評を博したことで大きく評判を上げている。準備期間の短い代役が難しいのは周知の事実のため、そこで好演を見せれば業界内の評価が通常よりも高まりやすい傾向があるのだろう。
また、白石は今月11日にデビュー時から在籍していた事務所を離れ、戸田恵梨香、有村架純、吉瀬美智子、松本穂香、吉岡里帆ら人気女優が多数所属する「フラーム」への移籍を発表。やり手の有力事務所に移ったことも強力な追い風になりそうだ。
代役からのブレイクの可能性やフラームへの移籍の影響について、前出の記者はこう分析する。
「大河ドラマは準備期間を十分にかけて、俳優たちの役作りを徹底させることで知られている。もうすぐクランクインというタイミングで、急遽、永野の代役が決まったため、他のキャストよりも準備期間が短いのはハンデになるだろうが、まだ知名度がそれほど高いとはいえない白石にとっては千載一遇のチャンス。ここで今まで培ってきた持ち前の演技力の高さを発揮できれば、国民的女優への道も開けるだろう。
そのサポートをするフラームには、『絶対正義』で主人公を演じた山口紗弥加も所属しているので、白石としても共演歴のある先輩がいるのは安心感があるだろう。フラームは主演クラスの人気女優を多く抱える一方、不倫スキャンダルでイメージダウンした唐田えりかを見捨てずに復活をお膳立てしたり、アナウンサー出身の田中みな実を女優として大々的に売り出したり、吉岡里帆、鳴海唯、中村里帆といった他事務所からの移籍組をさらなる高いステージへと導いたりと、俳優ファーストのサポートに定評がある。フラームの強力サポートがあれば、白石のブレイクの可能性はより高まるだろう」
(文=佐藤勇馬)