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今夏始動の『ダウンタウンチャンネル』、吉本興業の協力体制に不安も「逆に期待できる他事務所芸人とのカラミ」

今夏始動の『ダウンタウンチャンネル』、吉本興業の協力体制に不安も「逆に期待できる他事務所芸人とのカラミ」の画像1
ダウンタウン(写真:サイゾー)

 今夏にも始動すると言われている、ダウンタウンによる動画配信サービス「ダウンタウンチャンネル(仮称)」。お笑い界のトップに立つダウンタウンが新たなコンテンツを投入するということで、期待の声が上がっている一方、不安要素も少なくない。

今夏から始動も“身内からは微妙かも…”

 新たにオリジナルのプラットフォームを構築し、定額制の有料配信を予定しているという同チャンネル。性加害騒動で活動休止中の松本人志が復帰する場となる可能性は極めて高い。エンタメウォッチャーの大塚ナギサ氏はこう話す。

「ファンにとっては待望のダウンタウンチャンネルとなるわけで、それ相当の会員数を獲得する可能性も高い。ダウンタウンの主な支持層である40代以上の男性向けコンテンツとしては、過去にはとんねるずの石橋貴明さんのYouTubeチャンネル『貴ちゃんねる』や江頭2:50さんのYouTubeチャンネル『エガちゃんねる EGA-CHANNEL』が多数の登録者数を獲得しています。中高年男性向けの動画配信コンテンツの強さは証明されているので、ダウンタウンチャンネルも期待が大きい。

ただしネックとなるのは、有料サービスという点でしょうね。子供の頃から地上波テレビでダウンタウンを見てきた世代には、有料コンテンツへのハードルが高いのも事実で、知名度や注目度だけではなかなかクリアできない問題です。無料コンテンツを充実化させてから誘導するとか、月額料金を低く抑えるとか、何らかのビジネス戦略が必要になるかもしれません」

 ビジネス的な戦略という意味では、当然ダウンタウンが所属する吉本興業のサポートが重要になるが、芸能事務所関係者は「むしろそこが不安」だと話す。

「ダウンタウンは吉本興業の前会長である大崎洋氏と二人三脚でトップまで登り詰めたという経緯があり、“大崎案件”。現社長である岡本昭彦氏はダウンタウンの元マネージャーではありますが、大崎色を払拭すべく独自路線を進もうとしているとも言われます。つまり、ダウンタウンは必ずしも吉本興業の現在の本流である岡本派ではないということです。

 大崎さんは“育ての親”として、ダウンタウンを駒として使うことができましたが、岡本さんは元々マネージャーとしてダウンタウンにこき使われていた立場ですから、ダウンタウンを駒として使うことはできない。

そういった中で松本さんの性加害騒動が起きたわけで、グローバルスタンダートを目指す吉本として、ダウンタウンを全面的にサポートしにくい状況ではある。もちろん吉本のサポートあってのダウンタウンチャンネルですが、ビジネス的に上手く回らないとなったら、吉本側が見切りをつける可能性もなくはないのでは」

 とはいえ、ダウンタウンチャンネルがエンタメ界に大きな影響をもたらすのではないかと、期待を込める見方も多いが――。大塚氏はこう話す。

「エンタメ業界にはダウンタウンを見て育った世代も多いので、ダウンタウンの復活を待つ人が多いのは確かです。ただ、メディアでは持ち上げすぎのような印象も受ける。これだけ多様化したエンタメが溢れている今、既に広く認められたコンテンツが改めて業界全体に影響を与えるようなことはほとんどない。

長い潜伏期間があった後に再評価されるということがありますが、ダウンタウンの場合はもう40年近く第一線で活躍し続けているので、“再評価”ということでもない。そんな中で、ダウンタウンチャンネルに過度の期待をかけるのは、失敗したときのリスクが大きくなるだけのような気もします。

また、ここ20年くらいの松本さんは、自身でネタやコントを作り出すということよりも、『すべらない話』から始まり、『IPPONグランプリ』や『ドキュメンタル』のように、若手芸人の場を提供する役割を担うことが多い。ダウンタウンチャンネルも、そういった場にしていった方が未来が開けるのではないかとも感じています」

 仮にダウンタウンチャンネルに多くの若手芸人たちが登場するコンテンツが作られるとした場合、吉本興業は最大の若手芸人の供給源となるが、

「個人的にはダウンタウンと吉本以外の事務所の芸人とのカラミにこそ期待している部分があります。かつての『ごっつええ感じ』の時代のダウンタウンは、主に“ダウンタウン一派”と呼ばれる後輩たちとの共演が多かったわけですが、『ごっつ』が終了し、いろいろな芸人と絡むようになってからのほうが、ダウンタウンの影響力も大きくなった印象があります。

もちろんダウンタウン2人でしか生み出せないものもあるとは思いますが、お笑い界へのポジティブな影響を考えれば、ぜひ外部と積極的に絡んでいってほしいです」(大塚氏)

 ダウンタウンチャンネルでどんなコンテンツが配信されるのか。エンタメ界全体が固唾をのんで見守っている。

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(取材・文=サイゾーオンライン編集部)

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最終更新:2025/06/07 18:00