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月9主演に大河ドラマ好演! 福原遥「脱まいんちゃん」成功で勢いが止まらない

福原遥の画像1
福原遥(写真:サイゾー)

 女優・福原遥の勢いが止まらない。現在放送中のNHK大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』での小悪魔チックな花魁役が好評で、さらに夢だったという「月9」ドラマ初主演が決定。スキャンダル知らずの清潔感あるイメージで老若男女に愛され、CM人気も高い水準となっている。

 同世代の広瀬すずや橋本環奈らに水をあけられていた印象があったが、かつての「まいんちゃん」から大人の女優に完全脱皮したことで、急激な追い込みを見せているようだ。

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まいんちゃんから花魁役へ…大人の女優に完全脱皮

 大河ドラマ『べらぼう』で、福原は花魁の誰袖(たがそで)を熱演。同じく花魁の瀬川役で大反響を呼んだ小芝風花の退場と入れ替わるかのように登場した。

 小芝が大人の色香あふれる花魁を演じたのに対し、福原はしたたかなキャラクターと小悪魔的なお色気で違った魅力を発揮しており、ネット上では「瀬川とは別の色気があっていい」「ふだんの姿と花魁になったときのギャップがすごい」などと好評だ。

 福原といえば、子役時代にNHK教育(Eテレ)で放送されていた『クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!』でメインキャラクターの「まいんちゃん」を演じて広く親しまれた。大人になっても「まいんちゃん」イメージが根強く残っていたが、妖艶な花魁を見事に演じたことで完全に「大人の女優」に脱皮したといえそうだ。

 さらに、福原は7月期のフジテレビ系月9ドラマ『明日はもっと、いい日になる』に主演することが決定。同作は、児童相談所で働く個性的な面々が子どもの純粋な思いに胸を打たれ、その親までも救っていくオリジナルのハートフルヒューマンドラマ。福原は、神奈川県警所轄警察署強行犯係の刑事から児童相談所へ出向させられ、異動に納得いかないまま新人児童福祉司として働く主人公・夏井翼を演じる。

 大河ドラマの花魁役の大反響に続いて、「月9女優」としても成功すれば、彼女は文句なしで若手トップ女優の座に上り詰めることになるだろう。

『べらぼう』好演を生み出した福原のキャリア

 勢いに乗る福原だが、実は女優としての評価を得るまでには時間を要した。業界事情に詳しい芸能記者は語る。

「『まいんちゃん』役で知名度は大きく上がり、その後はドラマのオファーが絶えずあったものの、あまりにも『まいんちゃん』の印象が強く、長らくこれといった代表作に恵まれなかった。転機になったのは2015年7月、現事務所である研音へ移籍したこと。これをきっかけに福原は女優の道へ本格的に進もうと決意し、かねてから大好きだったNHK朝ドラに出演するという目標も立てた。

 女優として注目を浴びるきっかけになったのは、2017年のフジテレビ系ドラマ『グッドモーニング・コール』。中学卒業までの残り約半年、ひょんなことから同級生のイケメンと同居生活を送ることになった主人公を演じた。二人の恋愛模様がコメディタッチで繰り広げられながらも、しっかりと10代の成長が描かれ、それを福原は軽快な演技で好演。本作は好評で翌年には続編も作られた。2017年には少女向けアニメ『キラキラ☆プリキュアアラモード』(テレビ朝日系)で声優としてメインキャストを務め、プロ声優と並んでも遜色のない演技を披露。当時の少女たちからの支持を確固たるものにした」

 そして福原は、転機となる作品や演技の幅を広げる作品と次々に出合う。前出の記者は続ける。

「2019年の日本テレビ系ドラマ『3年A組-今から皆さんは、人質です-』では、恋愛体質で気の強い毒舌家という、これまでにないヒール的な役柄で新境地を開拓。数多くの人気若手俳優を輩出した本作で存在感を示した。かと思えば2020年にスタートしたテレビ東京系ドラマ『ゆるキャン△』シリーズでは、大原優乃らと共にキャンプにハマる女子高生たちをほんわかと演じ、癒し系ドラマとして熱狂的なファンを生み出した。

 2022年には『舞いあがれ!』で長年の夢だったNHK朝ドラ主演を果たし、同作が彼女の女優としての人気と評価を決定づけたのは間違いないが、硬軟どちらも対応できる高い演技力は決して一朝一夕で身につけたものではない。子役時代の栄光にすがることなく、常に現状に満足せず、新たなことに挑戦する姿勢が多くの視聴者を魅了し続けている大きな理由だろう。そうした探求心が初の大河ドラマ出演となった『べらぼう』での熱演にもつながった」

「奇跡の世代」のトップ争いに食い込む? 快進撃の理由は

 福原は同じ1998年生まれの広瀬すず、葵わかな、齋藤飛鳥、長濱ねる、99年生まれの橋本環奈らと共に「奇跡の世代」などと呼ばれることがあるが、その中でも最近の勢いはピカイチ。同世代のトップ争いにも食い込めそうだが、なぜこれほどの快進撃となったのか。前出の記者はこう分析する。

「1998年生まれで高い評価を受けている女優の中で、いち早く芸能活動を始めたのが福原で、結果を出すのも早かった。『クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!』の出演を通して、NHKで4年間に渡って様々なことを学んだ経験が後に活かされているのは間違いない。子役上がりの俳優はあざとさが鼻につくこともあるが、福原は中学時代に芸能活動と並行して吹奏楽部に打ち込んだと語っており、普通の学生の感覚もつかんでいたはず。だからこそ、すれた印象がなく、初々しいイメージを保ち続けているのだろう。

 それでいてプロ意識が高く、どんな仕事でも真摯に臨み、共演者のことを立て、人当たりがいいので現場ウケが抜群。これまでノースキャンダルなのでCMにも使いやすい。また、所属事務所の研音は福原のキャラクターを大切にしながらも、年齢に応じて、これまでにない役柄を与え続けている。スケジュールを過度に詰め込まず、適度なペースで仕事を入れており、それが女優としての着実な成長につながり、今の快進撃があるのだろう」

(文=佐藤勇馬)

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佐藤勇馬

1978年生まれ。新潟県出身。SNSや動画サイト、芸能、時事問題、事件など幅広いジャンルを手がけるフリーライター。雑誌へのレギュラー執筆から始まり、活動歴は15年以上にわたる。著書に『ケータイ廃人』『新潟あるある』がある。

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最終更新:2025/06/15 09:00