FRUITS ZIPPERイベントで乱闘騒ぎ ブレイク中のアイドルグループが迷惑行為の標的になる事情とは
アイドルグループ・FRUITS ZIPPERが6月8日、お笑い芸人の狩野英孝とともに東京競馬場で行われたトークショーに出演した際、観覧エリアの最前列付近で観客による乱闘が発生し、その様子を収めた動画がSNSで拡散される騒動が起きた。これを受けて翌9日、FRUITS ZIPPERの公式Xにて、「他のお客様・イベントへの迷惑行為や不適切な応援行為が確認された場合、ご退場いただくとともに、今後FRUITS ZIPPERの出演するすべてのイベントへのご入場をお断りする場合がございます」と警告されるに至った。
女性アイドルグループのイベントでの迷惑行為としては、今年4月29日に埼玉のイオンレイクタウンで開催された≠MEのイベントにて、一部の集団が運営テントを襲撃する事件が発生している。なぜ、このような事件が発生するのだろうか。
「FRUITS ZIPPERの騒動の動画では、最前列を確保するためにつかみ合いになっているように見えます。女性アイドルグループのイベントには、かなり強引な手段で最前列を確保する“最前管理組合”などと呼ばれる集団の存在が有名です。特に複数のグループが出演する対バンイベントでは、そういった人々が早い段階から最前列を占拠し、ほかのアイドルファンが前に行こうとすると力ずくで押しのけるようなこともある。また、一部には最前管理組合にお金を払って、最前列に行くファンもいるようです。FRUITS ZIPPERの騒動は、最前管理組合と呼ばれる人々によるものかどうかはわかりませんが、似たようなことが起きていたのは間違いないでしょう。
一方、≠MEのケースについては、運営のテントを襲っているということで、さらにたちが悪い。イベントそのものを中止させようとする“壊し屋”と呼ばれる人々によるものと思われます。壊し屋の目的としては、最前列が確保できないことへの腹いせだったり、ただ単に目立ちたいだけだったりするようで、もはやアイドルファンとは言えません」（芸能ライター）
また、人気が上昇中のアイドルグループのイベントで、最前列を巡る迷惑行為が発生しやすい事情もあるという。エンタメウォッチャーの大塚ナギサ氏はこう話す。
「ライブハウスを中心に活動する比較的“小規模”なアイドルグループが出演するイベントでも、最前列をめぐるファン同士の争いはありますが、よりひどいのは“ブレイクしかけているグループ”が出演するイベントという印象です。というのも、そこまで集客力はないグループの場合、運営サイドとファンの距離感が近く、運営が常連客のほとんどの顔を把握していることが多いんです。そうなると、迷惑行為をした場合、すぐに出入り禁止にされてしまう可能性が高い。また、距離感が近いがゆえに、そもそもファンがエゴ丸出しで迷惑行為をしにくくなるわけです。
人気が高まりつつあるアイドルグループの場合、ファンの数が増えていることで、運営サイドがファンの行動を逐一把握するのが難しくなり、個別に出入り禁止にすることも簡単ではない。もちろん迷惑行為を現行犯でつかまえて、その場で出禁処分にすることもできますが、その後のイベントなどでたくさんの来場者をすべてチェックし、処分を受けた人がいるかどうかを確認するのはほぼ不可能。運営サイドの目が届く範囲内での活動であれば迷惑行為を防ぐことも処分することもできますが、人気が高まって規模が大きくなると、すべてのファンを制御できなくなるということです」
特にFRUITS ZIPPERは迷惑行為の標的にされやすいようだ。
「FRUITS ZIPPERは過去に他のグループで活動していたメンバーも多く、“最前管理組合”が出没するようなイベントへの出演経験があるメンバーもいます。言葉は悪いですが“荒れた現場”に慣れたファンも少なくないんですよね。とはいえ、グループにとっては迷惑でしかない。たくさんの女性ファンも獲得して本格的にブレイクしたというのに、イベントで迷惑行為が発生したら、女性ファンも寄り付かなくなってしまいます。
一方で、女性ファンが増えてイベントなどの“女性限定エリア”が広くなれば、奪い合う最前列そのものが小さくなっていので、最前管理組合にとってはあまり旨味がない現場となり、自然と離れていく傾向があるように感じます」（大塚氏）
善良なアイドルファンが、安心して応援できる環境作りが求められる。
（取材・文＝サイゾーオンライン編集部）
