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妹・望結に続けるか? 本田真凜の女優デビューに集まる期待と「アンチからの厳しい視線」

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本田真凜(写真:Getty Imagesより)

 プロフィギュアスケーターの本田真凜が、9月5日に公開されるホラー映画『カラダ探し THE LAST NIGHT』で本格的な女優デビューを果たすことが決定した。現役時代から飛び抜けた美貌が話題になっていただけに期待を集めているが、ネット上では批判的な意見が目立っている。

 なぜ女優デビューを否定的な目で見る人が多いのか。妹の本田望結に続いて彼女は女優としても成功できるのか。業界事情に詳しい芸能記者が分析する。

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女優デビュー発表になぜか厳しい声が続出

 『カラダ探し』は小説や漫画でヒットしたホラー作品で、血まみれの少女の霊に追われながらバラバラに分割された人体のパーツを探して集めるデスゲームに高校生たちが巻き込まれるというストーリー。2022年に橋本環奈の主演で実写版映画『カラダ探し』が公開され、同年のホラー映画ナンバーワンとなる興行収入11.8億円を記録しており、今作はその続編となる。

 今作の舞台は真夜中の遊園地。主人公・森崎明日香役を演じる橋本、伊勢高広を演じる眞栄田郷敦は続投となり、さらに5人の新キャストによる映画版オリジナルキャラクターの登場が決定。櫻井海音や鈴木福らと共に本田は新キャストとして起用され、美人で明るくクラスの中心にいつもいる木下有紗を演じる。

 本田は14歳でフィギュアスケートの世界ジュニア選手権を制し、当時は「天才少女」「浅田真央2世」と呼ばれた。抜群のルックスで人気も急激に高まり、真凜フィーバーが巻き起こった。本田が出場した翌年の世界ジュニア選手権がフジテレビ系でゴールデンタイムに生中継されるという異例の事態になったことからも、当時のフィーバーぶりがうかがえる。

 だがシニア転向後は思うような成績を残せず、昨年1月に競技生活からの引退とプロ転向を発表。非・五輪メダリストでありながら引退会見が開かれ、注目度の高さは健在であることを証明した。

 妹の本田望結と本田紗来は芸能活動とスケーターの二足のわらじで活躍しており、望結は女優業だけでなくバラエティでもブレイク。妹たちに続いて、本田が本格的に女優デビューとなれば期待が集まらないわけがない。

 ところが、この発表に対してネット上では冷ややかな声が目立っている。

「現役時代は芸能に興味ないって言ってたのに、引退したらやっぱそっち方面いくんやね」
「フィギュアで有名だったからって、何の経験もないのにいきなり映画に出させてもらえるなんて優遇しすぎでは」
「身体能力を生かしてアクションとかなら理解できるけど、ふつうの演技はまだ難しいんじゃないの」
「こうやって飛び級みたいな起用すると、地道に小規模な舞台や映像作品でキャリアを積み重ねている無名の俳優さんたちがかわいそう」

宇野昌磨との交際、注目度の高さと成績のバランス…アンチ増加の要因は

 なぜこれほど批判的な意見が目立っているのか。業界事情に詳しい芸能記者はこう分析する。

「日本では、スポーツとタレント活動を並行して行うことに拒否反応が生まれやすい傾向がある。妹の本田望結は4歳でタレント活動を開始し、2011年に出演したドラマ『家政婦のミタ』(日本テレビ系)でブレイク。演技力に定評があり、バラエティで見せる人柄と育ちの良さから幅広い世代に愛されているが、やはり並行してスケーターを続けていることに関しては否定的な意見が多い。芸能一本ではなく、スケーターをやりながらとなると『真剣に取り組んでいないのでは』と思われがちで、ましてや本田真凜は女優として実績がない状態。それなのに豊富なキャリアのある鈴木福らと並んでの起用で華々しく映画デビューとなるため、厳しい意見が集中したのだろう」

 さらに、同じプロスケーターで恋人の宇野昌磨との交際によって「アンチ」が増えたことも影響しているという。前出の記者が続ける。

「男子フィギュアは熱狂的な女性ファンが多く、交際報道が出ると過剰に反応しやすい。とくに宇野昌磨は、歴代男子フィギュア選手の中でも羽生結弦に次ぐほどの人気を誇る。交際相手が誰であろうとバッシング対象になるだろうが、本田は宇野に比べると選手としてあまり結果を出せなかったため、余計に叩かれやすくなった。しかも二人はアツアツぶりを隠さず、今年2月には本田がトーク番組で『バレンタインにガトーショコラを手作りした』などと告白。本来なら微笑ましいエピソードだが、アンチからの反発がより強まった。

 また、ルックスの良さもあって早くからマスコミに注目されたことも災いした。高校生のころまでは『天才少女』の名にふさわしい活躍だったが、注目度の高さを考えるとシニア転向後の成績は物足りない。人気先行、ルックス先行のイメージが強まってしまったこともアンチを増やす要因になった。そうした背景から、本人の実力やキャリアに関係なく、女優デビューに否定的な意見が多いのだろう」

 実は、本田はまったく演技未経験というわけではない。2013年にテレビ東京系ドラマ『スケート靴の約束〜名古屋女子フィギュア物語〜』に登場シーンは少ないながらも出演し、昨年公開の映画『ゴーストバスターズ/フローズン・サマー』では日本語吹き替え版の声優を担当した。ただ少女時代に出演した『スケート靴の約束』はまだしも、映画の吹き替えの評価は正直なところ酷評が目立った。

演技上手な若手に囲まれ…映画デビュー作が今後の試金石に

 同じフィギュア出身では、妹の本田望結やジュニア選手時代に「西日本8位」になったこともある小芝風花が女優業で成功しているが、本田の女優としての展望について、前出の記者はこう見る。

「吹き替え初挑戦となった『ゴーストバスターズ/フローズン・サマー』での演技の評価は芳しくないが、声の演技は表情や動きで見せられないのでフィギュアで培った表現力が一切活かせず、本田にとって難しい仕事だっただろう。それだけで彼女の実力を測ることはできず、現時点での演技力は未知数だが、バラエティ出演時の彼女を見ると、照れもあるのか感情を表に出せない印象で、トーク力もまだまだ。本田望結や小芝風花は、演技力はもちろん、バラエティでの立ち居振る舞いも上手く、二人とも性格が良くて現場ウケもいいので、それと比べると今のところは不安が大きい」

 いずれにしても、本格女優デビュー作となる『カラダ探し THE LAST NIGHT』での評価が彼女の今後を大きく左右しそうだ。前出の記者は言う。

「映画初出演となる『カラダ探し THE LAST NIGHT』は、前作『カラダ探し』のヒットを受けての続編で、橋本環奈と眞栄田郷敦が続投することもあり、注目度が高くある程度は数字の見込める作品。櫻井海音、安斉星来、鈴木福らが原作にはないオリジナルキャラクター役でキャスティングされ、本田はそのうちの一人となっている。若手ながらも芸達者な役者に囲まれているので安心感があるが、逆に言えば、稚拙な演技をすると周りがうまいので悪目立ちしてしまう。

 怖がる演技さえできれば、ある程度は様になることからホラー作品は新人女優のデビュー作に選ばれやすく、本田もそのパターンではあるものの、注目度の高い作品だけに、これで演技力が認められれば女優としてのオファーが増えるのは間違いない。当然その逆もあり得るわけで、本田にとって『カラダ探し THE LAST NIGHT』は今後の芸能活動の試金石になるだろう」

(文=佐藤勇馬)

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佐藤勇馬

1978年生まれ。新潟県出身。SNSや動画サイト、芸能、時事問題、事件など幅広いジャンルを手がけるフリーライター。雑誌へのレギュラー執筆から始まり、活動歴は15年以上にわたる。著書に『ケータイ廃人』『新潟あるある』がある。

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最終更新:2025/06/17 09:00