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賞レース審査員に「芸人以外」は必要か? 野田クリスタル、伊集院光の問いかけ

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(写真:Getty Imagesより)

 15日、YouTube「動画、はじめてみました【テレビ朝日公式】」で「焚き火で語る」の最新回が公開された。

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「焚き火で語る」は芸人同士が1対1で語り合うというもの。過去には「天竺鼠・川原克己×野性爆弾・くっきー!」や「インディアンス・田渕章裕×ランジャタイ・国崎和也」など、ワクワクするような組み合わせの動画を公開してきており、ウエストランド・井口浩之ととろサーモン久保田かずのぶの組み合わせは話題を呼んで、後にテレビ朝日系「バラバラ大作戦」で『耳の穴かっぽじって聞け』としてテレビにも進出するなど、お笑いファンにはお馴染みの企画となっている。

 今回のゲストは、今年の『R-1グランプリ』(フジテレビ系)で王者となった友田オレと、20年の『R-1』王者であるマヂカルラブリーの野田クリスタル。野田は21年から『R-1』の審査員も務めており、友田の優勝に「加担した」人物でもある。

 動画の終盤、友田が切り出したのが「審査員芸人だけ問題」だった。

「お聞きしたかったのが、賞レースの審査員に芸人じゃない人を入れようみたいな、何回か聞いたことあるんですけど、それはどっちの意見ですか?」

 その質問に、野田はいつになく真剣な表情になった。

「俺は、現役で賞レースに出てるプレイヤーには申し訳ないけれど、ぜひ入れたほうがいいと思っちゃってて」

 野田はその根拠として「点差が出なくなる」と語る。自分(審査員自身)がプレイヤーである限り「平気で5点差とか10点差とかつけれなくなってくる部分がある」とし、「だから俺、関係ない人じゃないと点差出ないと思う」「点差が出ないとエンタメにならないから」と持論を明かしている。

伊集院光は「滅びる」と

 こうした意見は、お笑い界では時おり取りざたされている。昨年の12月には伊集院光が『伊集院光 深夜の馬鹿力』(TBSラジオ)で同年の『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)の審査員について「昔のM-1って、漫才の人ってそんなに審査してた?」と切り出すと「青島(幸男)知事とかやってたよね」「演出家の鴻上尚史さんがいたり」と過去の審査員経験者の名前を挙げた上で、現状を「全員経験者が審査員で、経験者がテクニカルなことや、そのM-1を勝つのはこうあるべきみたいなことを論じ始めてる感じは何かだからもう、ぼーっとしちゃう」と分析した上で、『M-1』そのものに興味を失いつつあることを明かしている。

 また同年末の『あちこちオードリー新春ノーカットSP』では実際に初の審査員を務めたオードリーの若林正恭を前に「M-1に出たことがある人たちが全員審査員でいいの? すごい特殊じゃない? そういう文化って滅びない?」ともう一歩踏み込んだ意見も披露している。

 一方で、霜降り明星の粗品など、「賞レース審査員は現役プレイヤーであるべき」と主張する者も少なくない。粗品は16日に公開したYouTubeの「1人賛否」内で、「お笑いの審査員も、『お前、ほな今のその大会出てみろや』ってやつおるな!」「山ほどおるな。昔たまたま、おもんないのに消去法でチャンピオンになれただけやのに、お前これ、偉そうに審査してよ。今のお前のネタどやねんってやつ、おるからなぁ」と怪気炎を上げている。

 野田は賞レースという番組そのものの企画を存続させるため、伊集院は漫才の文化のため、一方の粗品はあくまで参加する芸人の納得度を優先しての発言であり、それぞれの論の出発点が違うので単純に比較すべき意見ではないだろう。野田も「非芸人」を審査員に入れることについて「プレイヤーに申し訳ない」と率直な意見を述べてもいる。

 実際、『M-1』、『キングオブコント』(TBS系)、『R-1』、『THE W』といった主要賞レースの審査員は芸人に限られている。『R-1』では森末慎二や大林素子、『THE W』では吉田沙保里や新川優愛が審査に加わったこともあったが、結局は現在の形に落ち着いている。

 全国放送以外のローカル賞レースを見渡しても、『ytv漫才新人賞』『ABCお笑いグランプリ』は全員芸人、NHK新人お笑い大賞にYOUと樅野太紀が名を連ねているが、YOUは『ダウンタウンのごっつええ感じ』(フジテレビ系)で10年近くコントを演じていたし、放送作家の樅野もお笑いコンビ・チャイルドマシーンとして約10年のプレイヤー経験がある。『ツギクル芸人グランプリ』と『ワタナベお笑いNo.1決定戦』にテレビの制作関係者が入っている以外、ほとんどが“プレイヤー審査員”という状況だ。

 そんな中、例えば「では『M-1』で芸人以外で審査員を」と考えたとき、真っ先に名前が浮かぶのは伊集院光あたりのような気もするが。

(文=新越谷ノリヲ)

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新越谷ノリヲ

東武伊勢崎線新越谷駅周辺をこよなく愛する中年ライター。お笑い、ドラマ、ボクシングなど。現在は23区内在住。1977生。

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新越谷ノリヲ
最終更新:2025/06/18 18:00