CYZO ONLINE > 芸能の記事一覧 > 松山千春に黒い交際再燃…
本多圭の『芸能界・古今・裏・レポート』

松山千春に黒い交際疑惑再燃…芸能界と暴力団はやはり切れていないのか?

文=
松山千春に黒い交際疑惑再燃…芸能界と暴力団はやはり切れていないのか?の画像1
イメージ(写真:Getty Imagesより)

 14年前に暴力団との黒い交際を認めて電撃引退した元お笑い界の大物・島田紳助氏が表舞台に登場。その少し前には「週刊新潮」(5月22日号)に歌手の松山千春が「やくざの前で『大空と大地の中で』を熱唱した(動画流出)松山千春の義理の人情」というタイトルの記事が掲載されたことで、改めて、芸能人と暴力団の黒い交際が注目されている。

台湾黒社会の重鎮が開いた“謎の宴”

 紳助氏は5月25日に大阪で開催されたボクシングのIBF世界フェザー級タイトルマッチ同級1位の亀田和毅の試合開始前に、親しい和毅の兄・興毅の要請でリングに上がった。その後、7月にもインターネット配信サービスの開始が期待されている『ダウンタウンチャンネル』(仮題)に、芸能活動が暗礁に乗り上げている松本人志とコラボという情報が一部メディアで報じられている。ただし、筆者が取材した限りでは、現時点ではコラボの話はない。

 一方、松山は1990年代初頭から2000年代にかけて、指定暴力団の忘年会や葬儀に出席していたことが確認されている。07年には京都を本拠とする指定暴力団の会長就任10周年を祝う宴席で持ち歌を披露したことが報じられてきた。

「新潮」に掲載された動画は3年前のもの。松山は今年に入っても、暴力団関係者に葬儀に出席していたという情報を警視庁は掴んでいると話すのは警視庁詰めの全国紙記者だ。

「2011年に警察庁が“暴力団排除条例(通称・暴排条例)”を施行された以降、松山は黒い交際を絶っていると思ってましたから、驚き。一般人になった紳助氏はともかく、暴排条例施行前に黒い交際が噂された芸能人が交際を完全に断ち切ったか?改めて、注視されてます」

 暴力団との黒い交際については、古くは山口組三代目の故・田岡一雄さんが経営していた、興行を主とする「神戸芸能社」を通じて、故・美空ひばりさん、故・鶴田浩二さん、小林旭らの黒い交際が噂され、1964年に警察庁が“暴力団撲滅キャンペーン”を展開したことで神戸芸能は解散に追い込まれた。これで、芸能人と暴力団の黒い交際は一掃されると思われたが、1986年12月に指定暴力団・稲川会の新年会に演歌歌手の北島三郎と弟子の山本譲二が出席していたことが報じられ、『NHK紅白歌合戦』の本番2日前に紅白を降板させられた。

 二人の代わりに鳥羽一郎の紅白が決まったが、鳥羽も過去の黒い交際が判り即、降板。故・勝新太郎さんの黒い交際も発覚。勝さんは「別に盃を貰ったわけではない」と居直ったが、批判は止まらなかった。

 2008年10月には山口組系の暴力団組長の誕生日ゴルフコンペに細川たかし、小林旭、松原のぶえ、角川博、中条きよしが参加したと「新潮」が報じて、細川の紅白連続出演がストップした。

 中堅プロマネジャーは「表面化しませんでしたが、稲川会の三代目の誕生日パーティーが毎年、六本木のサパークラブで開かれていたんですが細川たかしや故・八代紀さんら演歌歌手が多数参加。細川は組関係者から逆にご祝儀だけもらって帰ろうとしたら、組長から“カネだけもらって、歌わないで帰るのか?”とたしなめられていました」と言う。芸能人にとって、暴力団はいつの間にか搾取する側から“金の生る木”になっていた。

かつてはビートたけしにも

 吉本興業の07年に勃発したお家騒動の際には、創業家が「新潮」で、当時吉本の特別顧問を務めていた漫才師の中田カフスと山口組五代目・故・渡辺芳則氏との黒い交際を暴露した。そのカフスは、当時親友だったビートたけしと暴力団の関係について一部メディアで暴露した。

 暴排条例が施行される2カ月前には、カフスと犬猿の仲だった島田紳助が暴力団との黒い交際を認めて芸能界を電撃引退。そのあと、ビートたけしこと北野武監督の『アウトレイジビヨンド』に出演予定だった俳優・中野英雄が「週刊実話」の取材で“暴力団絶縁宣言”をした。取材を担当したのは筆者だ。その一方、暴排条例施行直前には、テレビ界では黒い交際の噂が絶えない芸能人の“出演NG芸能人15人リスト”が出回った。

 なぜ芸能人はリスクが伴う反社の暴力団と交際するのか? 松山は暴排条例が施行された2011年の全国コンサートツアーで、「自分だって、暴力団はいない方がいいと思う。でも、よく考えてください。北海道から沖縄まで排除しろって、では、どこに排除しろと言うんですか」と、暴力団を擁護とも受け取れる発言をしている。

「松山は東映の現代ヤクザ映画に出演しているくらいで、そもそもヤクザが好きなんです。今回、流出した動画は3年前に行われた指定暴力団幹部の家族の一周忌に参列した際に披露した熱唱時のもの。黒い交際は続いていた」と言うのは前出の全国紙記者。

「島田氏に関しては、黒い交際が噂された山口組系『極心連合会』の会長・橋本弘文氏が2019年に引退し、それに伴って組も解散してますから、交際が続いていたとしても問題はない。しかし、暴排条例が施行された以降、芸能界には“準暴力団”と指定された半グレのメンバーがプロダクション経営者やスタッフとして多く入り込んでいる。特に大手レコード会社の息がかかった事務所には元半グレが入り込んでいる。水面下で黒い交際は続いてます」

 松山のように、今後も動画が流出するようなことがあるのだろうか。いち早い、業界の健全化を祈りたい。

(文=本多圭/ジャーナリスト)

山口組分裂問題の現在地
意外すぎる?親分衆たちのヘルスケア

本多圭

ジャーナリスト。1948年、東京生まれ。明治学院大学中退。TBS臨時労働者雇用闘争を経て、「週刊ポスト」の専属記者。その後フリーになり、芸能、医療分野などを手がける。芸能取材歴は40年以上。著書に『ジャニーズ帝国崩壊』『スキャンダルにまみれた芸能界のトンデモない奴ら』。

最終更新:2025/06/22 20:00