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森川葵、ついにGP帯連ドラ初主演! 「ワイルドスピード」から女優として本格ブレイクへ

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森川葵(写真:Getty Imagesより)

 女優の森川葵が、7月22日スタートのフジテレビ系ドラマ『スティンガース 警視庁おとり捜査検証室』でゴールデン・プライム(GP)帯連続ドラマ初主演を飾ることが決まった。キャリアの豊富さと実力の高さを考えると「ようやく」という印象だが、バラエティで人気だった「ワイルドスピード森川」の企画が終了したこともあり、ここが女優として大きく飛躍するタイミングではないかと指摘されている。

 『スティンガース 警視庁おとり捜査検証室』は、日本ではまだ制度としての確立が曖昧な「おとり捜査」を題材にした刑事ドラマ。FBIで本格的なスティングオペレーション(おとり作戦)を学んで帰国した二階堂民子(森川)が警視庁の異端チーム「スティンガース(おとり捜査検証室)」のリーダーとなり、型破りな手法で現代的な犯罪に立ち向かっていく。藤井流星(WEST.)、本郷奏多、玉山鉄二らが共演に名を連ねている。

 森川といえば、10代のころからモデルや女優として活躍。女優としての評価は当初から高く、若手の実力派として業界関係者からも一目置かれる存在となった。多数のドラマや映画に出演する一方、2019年からは日本テレビ系バラエティ『それって!?実際どうなの課』でレギュラーを務め、さまざまな妙技を驚異的な早さで習得してしまう「ワイルドスピード森川」として人気となり、大きく知名度を向上させた。

 同番組は昨年3月に終了し、現在は一部出演者が続投する形で『巷のウワサ大検証!それって実際どうなの会』としてTBS系に事実上の移籍。しかし移籍後の番組に森川は出演しておらず、ネット上では「ワイルドスピード森川」の復活を望む声が絶えない。だが、これは森川が女優業に集中して飛躍するタイミングと捉えることもでき、GP帯連ドラ初主演となる『スティンガース』に注目が集まっているようだ。

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早くから業界内で高評価! 豊富なキャリアでカメレオン女優に

 森川の女優としての評価について、業界事情に詳しい芸能記者はこう語る。

「もともと引っ込み思案で、中学2年生のころにオタク気質だと自覚した森川は、自分を変えようという想いで地元から遠い高校に進学。デビュー前から自分のことを客観視できて、プライベートでもキャラ変を成功させたことは、俳優としての資質にもつながっているのかもしれない。女優デビューとなった2012年は、いきなり映画『Love ToRAIN-ラヴトレイン-』で映画初出演にして初主演を務め、知念侑李(Hey! Say! JUMP)が主演を務めるドラマ『スプラウト』(日本テレビ系)では恋心に揺れるヒロインを好演した。

さらに同年公開の『転校生』、翌年公開の『スクールガール・コンプレックス〜放送部篇〜』、『ヒトコワ 3 -ほんとに怖いのは人間-』と、デビュー作含めて4本連続で映画主演を飾るという快挙を成し遂げた。森川は、どの作品でも初々しさを漂わせつつ、新人離れした演技を見せた。中でも短編映画の『転校生』は幾度となく再上映され、監督を務めた金井純一氏が自ら傑作と認める作品だが、まだ経験に乏しいながらもピュアな魅力を出し切った森川の才能によるところが大きい。

その後もコンスタントにドラマ、映画に出演し、着実に実力を磨いていった森川。2015年には菅田将暉とW主演した映画『チョコリエッタ』で坊主頭になり、エキセントリックな少女を伸びやかに好演。同年の映画『おんなのこきらい』では、過食症で可愛いことが正義と信じるOLを痛々しいまでに表現するなど、憑依型の熱演で非凡な才能を発揮した」

 女優としての代表作となる作品とも出合い、その評価はぐんぐんと高まっていく。前出の記者が続ける。

「2018年にseason1、2019年にseason2が放映されたドラマ『賭ケグルイ』(毎日放送)では、富裕層の生徒が通う名門学園でギャンブルに興じる個性派ぞろいのキャラクターの中で、可憐なルックスとは裏腹に頭の回転の早い早乙女芽亜里をけれんみたっぷりに演じた。これが好評となり、前日譚を描いた2021年の『賭ケグルイ双』(Amazon Prime Video)では主役を務めた。若くして演技派として高い評価を受けていた森川にとって、『賭ケグルイ』シリーズは本人も認める代表作となった。

 さまざまな役柄になりきることでカメレオン女優と評される森川だが、等身大の役柄では日常に溶け込むような自然体の演技を見せる。最近だと2023年の主演ドラマ『褒めるひと褒められるひと』(NHK総合)では自己肯定感の低いOLをコミカルに演じ、2024年の日本テレビ系ドラマ『放課後カルテ』では高い理想を持つあまりに追い詰められていく小学校教師の苦悩をリアルに表現。特異なキャラクターを演じたときの憑依っぷりばかりが話題になりがちだが、年齢を重ねるとともに、繊細な役作りにも磨きがかかっている」

「アンチ増加」の影響は……識者は「影響は限定的」

 それだけの才能の持ち主であれば、今作でGP帯連ドラ初主演を務めたことをきっかけに女優として大飛躍する可能性がありそうだ。

 ただ、彼女は長らく「好感度女優」だったにもかかわらず、昨年8月にSixTONESの森本慎太郎との熱愛報道があったことをきっかけにアンチが増加。過去の共演者との交際疑惑や匂わせ疑惑なども蒸し返され、バッシングが発生した。

 これは大きな懸念点になりそうだが、前出の記者は「影響は限定的」と見る。

「熱狂的なファンの多いSixTONESだけに、メンバーの熱愛疑惑の相手が誰であろうと、ファンからの風当たりが強くなるのはどうにもならないこと。しかし、SixTONESファン以外からのバッシングはあまりなく、影響は限定的とみられる。また、森川は男性層の支持で人気を獲得したわけではないので、熱愛報道はそれほどマイナスにはならない。そもそも、彼女は6月17日に30歳の誕生日を迎えているのだから、恋愛するのは自然なことだろう」

 業界内の評判が非常にいいことも、アンチからの批判を和らげる追い風になりそうだ。

「森川は裏表のない性格で、バラエティでもサバサバした姉御肌ぶりを見せているが、良くも悪くも飾らないタイプ。そうした人柄と演技力の高さで周囲からも慕われ、所属するスターダストプロモーションでは憧れの女優として森川を挙げる後輩女優が多い。また、共演経験のある者たちは、現場で監督と幾度となく話し合って役作りをしたり、誰に対してもフラットに接して現場の空気感を作り上げたりしている、森川の芝居に対する真摯な姿勢を称賛している。そうした真摯な姿勢と熱量は芝居のみならず、バラエティでも変わらないので、『ワイルドスピード森川』が誕生したのだろう。そうした人となりがあるからこそ、彼女は常に仕事が途切れない。

 『スティンガース』は、森本と同じ事務所に所属するWEST.の藤井流星が出演しているため、グループのファンからは厳しい視線を向けられることになるだろう。しかし、先に述べたようにファン以外からの批判はなく影響は限定的。同ドラマの脚本はテレビ朝日系『おっさんずラブ』やTBS系『私の家政夫ナギサさん』を手掛けた徳尾浩司氏、演出陣も数々のヒットドラマを生み出したベテランがそろっている。FBI帰りのトップキャリアという型破りな捜査官役も、特異なキャラクターをいくつも作り上げてきた森川の得意とするところだろうから、今作の成功に期待したい」

 業界評価は高いながらも同年代のトップ女優たちの陰に隠れている印象があったが、今作をきっかけに大飛躍となるのか注目だ。

(文=佐藤勇馬)

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佐藤勇馬

1978年生まれ。新潟県出身。SNSや動画サイト、芸能、時事問題、事件など幅広いジャンルを手がけるフリーライター。雑誌へのレギュラー執筆から始まり、活動歴は15年以上にわたる。著書に『ケータイ廃人』『新潟あるある』がある。

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最終更新:2025/06/25 09:00