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吉岡里帆、事務所トラブルを乗り越え快進撃 フラーム移籍が「大正解」だった理由

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吉岡里帆(写真:Getty Imagesより)

 女優の吉岡里帆が、所属事務所の業務停止というトラブルに見舞われながら、新事務所への移籍によって大活躍を見せている。女優業やCMが絶好調なのはもちろんのこと、7月12日にスタートするNHK総合の新教養番組『知的探求フロンティア タモリ・山中伸弥の!?』(隔月放送)で、タモリやノーベル賞科学者の山中伸弥氏と共にMCを務めることが決定。仕事の幅をさらに広げているようだ。

 吉岡は、伊藤英明や松本まりか、神尾楓珠らを輩出した「エー・チーム」に所属していたが、同事務所は昨年4月に突如として芸能部門を閉鎖。吉岡はCM契約や映画などへの出演予定を抱えたまま、放り出されるような格好になってしまった。

 吉岡はSNSで「初めて会社から業務休止の話を聞いた時はあまりに突然で正直戸惑いと不安と喪失感でいっぱいでした」と振り返っており、当時はかなりのショックを受けたようだ。周囲に相談などした末、吉岡が新たな事務所として選んだのは、戸田恵梨香や有村架純、吉瀬美智子らを擁する「フラーム」だった。

 タレントにとって「事務所喪失」は大きなトラブルで、下手すれば活動がそのまま下火になってしまう恐れもある。しかし、吉岡は移籍後も今年1月期のTBS系日曜劇場『御上先生』などの話題作に立て続けに出演し、CMなどでも変わらずに活躍。先述したように、7月12日にスタートするNHK総合の教養番組『知的探求フロンティア タモリ・山中伸弥の!?』(隔月放送)でMCに挑戦することも決まった。

 8月には、水上恒司とW主演する映画『九龍ジェネリックロマンス』が公開予定で、来年は、主人公・豊臣秀長の正妻を演じるNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』といった注目作が控えている。

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吉岡里帆が業界で高く評価され、信頼されている理由

 事務所が急に変わってもほとんど影響がなく、むしろ勢いが加速して仕事の幅も広がっている吉岡。これは実力・人気の両面で高く評価され、業界内で信頼されているからこそだろう。吉岡の評判について、業界事情に詳しい芸能記者が証言する。

「東映太秦映画村で知られる京都市右京区太秦に生まれ、父が映像会社を経営するカメラマンという環境に育った吉岡は、物心ついたときから映画や演劇、さらには歌舞伎や能などの古典芸能にも親しんできた。また子どものころから父に撮影される機会も多かったと後に振り返っている。そうした出自もあって、芝居への興味を深めていった。

 実質的な女優デビューは2014年だが、数年間は低予算の映画やドラマの端役ばかりでなかなかブレイクできず、そんな吉岡に事務所はグラビア活動を提案。グラビアに進出すると、地味カワ系のルックスと抜群のプロポーションのギャップで男性ファンのハートをつかみ、瞬く間に知名度を高めていった。本意ではなかった路線だろうが、グラビアでも手を抜かないプロ意識や周囲への気遣いなどは、当時からカメラマンや編集者などからの評判が非常によかった」

 グラビアで人気と知名度を獲得した吉岡は、女優としても頭角を現していく。前出の記者が続ける。

「2017年のTBS系ドラマ『カルテット』をきっかけに女優としての評価を高め、映画・ドラマでメインキャストを務めるように。『どんぎつね』役で熱烈な人気を得た日清食品『どん兵衛』をはじめ、CMにも引っ張りだことなっていった。しかし、見た目や役の印象から『あざとい女性』と思われることが多いうえに、グラビアで人気に火がついたという経緯から『女優としての実力は低いのでは』と見られ、とくに同性からの支持が低かった。

 しかし、吉岡の業界内での評判はまったくの逆。仕事に熱心で、共演者・スタッフからの信頼も厚く、読書家で、大学時代から難解な舞台にも出演していたので役に対する理解力にも長けている。女優としては遅咲きで苦労人であるため、ブレイク後も天狗にならず、雑誌やウェブの取材にも真摯に取り組み、しっかりと自分の言葉で意見を言えることからメディアとしてもありがたい存在。バラエティでもまったく手を抜かず、恋愛話などをぶっちゃけるサービス精神を持っている。

演技力だけでなくトークスキルも高く、それは2016年からパーソナリティを務めるラジオ番組『LIFESTYLE COLLEGE』(J-WAVE)が今も続いていることで証明されている。おそらく、それがタモリ&山中伸弥の教養番組でMCに抜擢された理由の一つだろう。そうした人となりが視聴者にも伝わったことで、今では男女双方から人気が高く、老若男女に愛される国民的女優の座にもっとも近い存在の一人となっている」

フラームへの移籍は「大正解」か

 移籍先をフラームにしたことも、吉岡にとって賢明な選択となった。前出の記者はこう指摘する。

「吉岡はノースキャンダルを貫いており、過去に佐藤健との交際疑惑を報道されたことはあったものの、事務所を通してはっきりと事実無根であると否定した。近年の女優の中でも最上位レベルでクリーンなイメージを保っており、それがCM出演本数の多さにもつながっている。演技力も高く、バラエティの順応力もあるので、フラームにとっては願ったり叶ったりの移籍だっただろう。フラームはもともと演技派女優が多数所属しているので制作側からの信頼が厚いうえに、吉岡ほどの逸材なら移籍後すぐに引く手あまたになるのは当然の結果。

 それでいて同事務所はタレントファーストなので、ドラマに映画にと多忙な吉岡を、ギャラが安くて拘束時間の長い舞台にも出演させている。経営的な面でいえば、舞台の仕事は人気タレントにあまりやらせたくないはずだが、吉岡のやりたいことや女優としての成長を優先しているのだろう。来年の大河ドラマや主演映画はもちろん、岡田准一の主演で11月に配信されるNetflixドラマ『イクサガミ』などへの出演も控えており、今後も吉岡に死角はなさそうだ」

 本人の才能とまじめさ、業界内での評判のよさと信頼の厚さ、そしてタレントファーストでマネジメントする新事務所。これらがすべて合わさればまさに「死角なし」で、今後も勢いが衰える不安要素はなさそうだ。

(文=佐藤勇馬)

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佐藤勇馬

1978年生まれ。新潟県出身。SNSや動画サイト、芸能、時事問題、事件など幅広いジャンルを手がけるフリーライター。雑誌へのレギュラー執筆から始まり、活動歴は15年以上にわたる。著書に『ケータイ廃人』『新潟あるある』がある。

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最終更新:2025/07/05 09:00