橘和奈、護身術を習う <祝>カバーガール記念

女優の橘和奈が、雑誌「サイゾー2025年11月号」(9月30日発売)で表紙を飾っている。
これまで二度にわたってサイゾーに出演している彼女にとっては、まさに三度目の正直でカバーガール就任。初回出演時には裏表紙を飾って、前代未聞の「布教企画」で制作サイドも驚きの売り上げを記録したこともあり、今回の表紙号はさらに気合い十分なようだ。
そんな橘和奈のアツい気持ちを受けて、我々サイゾーは彼女に格闘技チャレンジ企画を打診。もともとキックボクシングをやっていて、今夏には最強芸人・ガリットチュウ福島の柔術セミナーにも参加した彼女にブラジリアン柔術を習ってもらい、とある大物を退治してほしいという無茶なお願いをした。
これを橘和奈は嬉々として快諾。ジャイアントキリング達成のため、まずは本格的にブラジリアン柔術を学ぶことになった。
▼サイゾー表紙撮影オフムービーはこちら▼
【橘和奈(たちばな・あいな)】
大手航空会社の元CAで、抜群のビジュアルを武器に2023年4月に「FRIDAY」(講談社)のグラビア企画でデビュー。各誌を彩りながら、舞台作品やYouTubeバラエティへの出演でも話題を集め、さらには故郷・福島の復興プロジェクト「HAMADOORI13」のPRリーダーを務めるなど幅広く活躍している。X@_aina222/Instagram@a_i_n_a_222
橘和奈、トライフォース所沢へ
舞台となったのは、日本柔術界の第一人者である早川光由氏が設立したブラジリアン柔術のアカデミーで、この夏に新オープンした「トライフォース所沢」だ。
【トライフォース所沢】
2025年9月2日OPEN/TRI-FORCE柔術アカデミー所沢支部。所沢駅徒歩8分/ブラジリアン柔術/ピラティス/子どもの習い事などに
公式HP:https://www.triforce-bjj.com/tokorozawa/
公式Instagram:https://www.instagram.com/stories/triforce_tokorozawa/

指導にあたってくれたのは、本道場のヘッドインストラクターである小林貴絵選手。確かな技術と指導力を誇る小林選手が、橘和奈に柔術の奥深さを伝える。そして今回はさらに、柔術シーンに精通し、これまでも多彩なプロジェクトで柔術の魅力を世に広めてきたJIU-JITSU NAVI編集長の新明佑介氏も直接指導に加わってくれた。
道着に着替えた橘和奈は、スタイルの良さも相まって初心者とは思えない着こなし。小林選手を相手に、基本となるマウントポジションからのエスケープ、裸締め、さらにはセルフディフェンス術までを何度も繰り返し、自分のものにしていく。






最初は力任せで動きに迷いが見えたものの、テコの原理を活かすポイントを繰り返し学ぶうちに、みるみる上達。何度も稽古を重ね、ついには動作をしっかりマスターするまでに成長した。真剣な眼差しからは、本気で取り組む姿勢がはっきりと伝わってきた。




テキストと写真だけではなかなか伝わりづらいこともあると思うので、近日公開の動画(YouTubeサイゾーグラフィック)も楽しみにして欲しい。
柔術の極意とは
練習のあとには、3人による特別対談も実現。
和奈ちゃんがブラジリアン柔術の成り立ちを尋ねると、新明氏は「ブラジリアン柔術は組み技競技です。柔道が約80年くらい前にブラジルに渡って、前田光世先生という方が教えました。この方は嘉納治五郎先生の弟子です。嘉納先生は今の競技柔道を作った方で、世界中に弟子を派遣して広めたんです。
前田光世先生がブラジルに渡り、そこで有名なグレイシー一家が学んだんです。彼らは多流試合を繰り返しながら技術を発展させ、寝技を主体とする競技にしていったのがブラジリアン柔術、またはグレイシー柔術です」
ブラジリアン柔術の歴史を聞いた和奈ちゃんは「なるほど、日本発祥なんですね」と納得の表情。
さらに柔道との違いを尋ねると、新明氏は「柔道は投げて一本、あるいは関節技で一本をとると勝ちなんです。でも柔術は投げても2ポイントが入るだけで、そのまま試合が続行。関節技や絞め技でギブアップを取るまで続けます。また、柔道にはない足関節技もありますし、技術の自由度がとても高い競技で、アメリカやブラジルを中心に、世界中で愛好家が増えているんです」と解説した。
続いて、「ブラジリアン柔術には大きく3つの要素があります」と新明氏は語る。曰く、
①総合格闘技としての技術
②競技スポーツとしての柔術
③セルフディフェンスとしての柔術
とのことで、今回、和奈ちゃんが学んだのは主にセルフディフェンスの分野となる。
新明氏によると、「柔術のセルフディフェンスは自分と相手の体をコントロールする技術なので、子どもや女性にも有効で、基礎体力が付きやすい。もちろん男女の力の差はあるので必ず勝てるわけではないですが、護身術という意味では勝つというよりも逃げられる確率を10%でも20%でも上げるというのが大事なことなんです。
柔術の考え方としては、まずは危険な場所に行かないことが一番の護身。危険な場所とは、夜間、人通りの少ない場所、そして治安の悪い場所などです。そういう場所に行かなければ危険な目に遭う確率は大きく減りますし、行かないといけない場合でも、『ここは危険だな』と認識しておくことで、身を護ることにつながります」
さらに新明氏は、「護身術の本質は、相手を倒すことではなく『逃げる・助けを求める』こと」と続ける。
「擬似的体験学習として、手首を掴まれたときに逃げる、胸ぐらを掴まれたときに逃げる、といった練習をするだけで、実際の場面でパニックになりにくくなるんです。護身術には強くなる要素や攻撃する技術はないんです。ここは強調しておきたいですね。攻撃されそうになったときに、自分の身を守る術なので、自分から相手を制するような技はないんです」

こうして体験と学習を終えた和奈ちゃんは「もっと複雑な動きかと思ったけど、テコの原理を応用した技術が多いので、すごく分かりやすかったです。一回覚えたら忘れないですね。いざというときに冷静になれそうなので、とても心強いです」と語ってくれた。
さらに今後について聞かれると、「もっと習いたいです。護身術もたくさん知りたいですね」と笑顔で答えてくれた。
芸能活動はもちろん、格闘女子としての可能性も広げた橘和奈ちゃん。今回の挑戦は、彼女に新たな一面を確実に刻み込んだ。

(取材・文・撮影=笠井浩司 X@KKphotograph)