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本格プロレス参戦で復帰のフワちゃんが超えなければならないハードルとは?

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フワちゃん(写真:サイゾー)

 ユーチューバーでタレントのフワちゃんがプロレスラーとして再始動することが話題だ。

紅白」の大トリを飾るのは?

 フワちゃんは11月7日にXを更新し、女子プロレス団体「スターダム」に入団したことを報告。同日に開催された同団体の後楽園ホール大会に電撃登場して騒動を謝罪するとともに、12月29日の両国国技館大会で試合を行うことを明らかにした。

 フワちゃんといえば、昨年8月4日、Xでのお笑いタレント・やす子のポストを引用しながらの不適切な投稿が物議を醸した。

 やす子本人に直接謝罪して受け入れられるも世間の批判の声が収まることはなく、レギュラー出演していたテレビ番組やラジオ番組のほか、CMなどほとんどの仕事を失い、同月11日に芸能活動休止を発表して表舞台から姿を消した。

 その後、今年7月下旬にXのファン向けの有料サブスクリプションサービスで親指を立てたハンドサインの写真とともに「活動休止してからもうすぐ1年、色々ゆっくり考えてます もう少しお休みくださいね」と投稿して早期の復帰も取り沙汰された。

 もっとも、騒動から1年近くが経過してもなおインターネット上やSNS上では厳しい意見が散見されていたが放送作家はこう語る。

「フワちゃんに関しては特段、法に触れるような行いをしたわけではありません。ただ、やす子さんに対する不適切投稿の内容の印象があまりにも悪すぎましたよね。元々、彼女は子供に人気のユーチューバーとしてテレビ業界でも重宝されていました。そのファン層には子供やその親御さんも数多くいたわけで、仮に冗談だったとしても“死んでくださーい”などの発言はまずかった。あの騒動をキッカケに自身の支持層からもそっぽを向かれてしまったうえ、かねてからテレビ番組などで見せるその自由奔放な振る舞いや発言を快く思っていなかった視聴者層の怒りをさらに買い、テレビタレントとして完全に窮地に立たされてしまった印象です」

 そんなフワちゃんが再始動の場として選んだのが、かつてスポットライトを浴びたプロレスのリングだ。

 フワちゃんはレギュラー出演していた日本テレビ系『行列のできる相談所』の番組企画で22年10月に同団体のリングでプロレスデビュー。

 試合には敗れたものの、当時はキャラの強さや運動神経の良さを活かした奮闘ぶりがプロレスファンや業界関係者の間でも高く評価され、実際に翌23年4月にも再び同団体のリングに上がっている。

 元々、フワちゃんはプロレスファンだったようで、デビュー戦に関しても“芸能人がテレビ番組の企画として安易な気持ちでオファーを受けた”といった感じはなく、その試合ぶりからはプロレスやプロレスラーに対するリスペクトも伝わってきた。

 そうしたプロレスに対する思いは活動再開後の発言からも見て取れる。

 おなじみとなっているタメ口を封印し、終始敬語を交えながらリング上から声を発した前出の後楽園ホール大会での挨拶では「新しい夢ができました。この1年間、色々な可能性を考えている中で、私にとって、どうしてもまた挑戦したいもの。それはプロレス一択でした」や「反省や禊のためではありません」、「プロレスには3年前のテレビ番組の企画で挑戦して以来、ずっと大切に思っていた存在であり、かつ命をかけて戦う覚悟のある者しか上がれない舞台です。そんな大好きなプロレスにこれから本気で向き合う覚悟を持って今日はこの後楽園に挨拶に来ました」などとコメント。

 その言葉からは並々らなる決意やプロレスに対する熱い思いが感じられた。

だが、それでもフワちゃんが今後超えなければならないハードルは高そうだ。
スポーツ紙の元プロレス担当記者はこう話す。

「まず一つがモチベーションの維持でしょう。過去2回の試合に関してはあくまで芸能人としてのスポット参戦でしたが、プロレス団体のいち所属選手となればよりハードかつ本格的な練習はもちろん、セコンドや雑用なども行う必要がある。団体サイドとどのような契約が結ばれているのかは定かではありませんが、仮に元売れっ子芸能人としてある程度の優遇処置がとられていたとしても周囲の目もありますからね。プロレス業界は芸能界以上に狭く、人間関係が濃密で、天狗になったり、勘違いした態度をとったりすればすぐに業界内で噂になり、結果的に芸能マスコミの格好のターゲットにされるのが関の山。それに当初は話題性や知名度も手伝ってそれなりに注目は集めるでしょうけど、実力が伴わなければ見限られるのが早いのもこの世界ですからね」

 これまでプロレス業界は大相撲やプロ野球、芸能界などさまざま異業種から参入者を受け入れてきたが、プロレスラーとして成功した者の大半は前職の肩書を忘れさせるほどの活躍を長きにわたって見せ続けてきた。

「人気レスラーとして多くのファンを魅了し続けた故・ジャイアント馬場さんが元プロ野球選手であることや天龍源一郎さんが大相撲の元力士であることを知らない人も多いのではないでしょうか。逆に元横綱として鳴り物入りでプロレスデビューした故・北尾光司さんはプライドの高さが災いしてたびたび関係者と衝突し、残念ながらレスラーとしては大成しませんでした。逆に、同じ元横綱でも故・曙さんに関しては偉ぶるところがなく、人柄の良さや練習熱心さもあり多くのレスラー仲間や関係者から愛されていましたね。また、プロレスと同一に定義するのは難しいところもありますが、“ファイティング・オペラ”を標榜し、数多くの芸能人が“参戦”した『ハッスル』で存在感を放っていたインリン様も練習によく励み、徹底したキャラ作りで多くのファンを魅了し続けました。現在、『スターダム』で活躍している人気レスラーの上谷沙弥さんも『バイトAKB』など以前に芸能活動をしていたことで知られていますが、リングの上ではそうした過去のキャリアをまったく武器にはしていませんからね」(スポーツ紙の元プロレス担当記者)

 また、プロレス業界関係者はこう指摘する。

「ベビーフェイスとして売り出すのか、ヒール路線を歩むのか、現時点でプロレスラー・フワちゃんのキャラクターの方向性は分かりませんが、いずれにせよプロレスの試合を盛り上げるためには他者と信頼関係を築くこと、場の空気を読む力が必要不可欠です。どんなに派手なパフォーマンスをしても独りよがりになってしまっては試合がスイングしないですし、華麗な技を決めても観客が盛り上がらなければ徒労に終わってしまいます。フワちゃんについては、活動休止中も有吉弘行さんやみちょぱさんらかつて共演していた芸能人たちからラブコールを送られているところを見ると一部の同業者からはその存在を愛され、認められていたようですが、他方、バラエティー番組や情報番組での協調性に欠ける行動や発言がたびたび物議を醸したりもしました。今後はこれまで以上にいかに周囲を味方につけるかが重要になってくるでしょう」

 プロレスラーとして新たな門出を迎えるフワちゃんだが、リングの上でかつての輝きを取り戻して“ベビー転向”を成功させることはできるのだろうか。

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(取材・文=三杉武)

三杉武

早稲田大学を卒業後、スポーツ紙の記者を経てフリーに転身し、記者時代に培った独自のネットワークを活かして芸能評論家として活動。「AKB48選抜総選挙」では“論客”の一人とて約7年間にわたり総選挙の予想および解説を担当する。

最終更新:2025/11/27 12:00