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週刊誌スクープ大賞

フジテレビ『テラスハウス』に殺された木村花さんの母「中居さんの問題と同じ」

フジテレビ『テラスハウス』に殺された木村花さんの母「中居さんの問題と同じ」の画像1
フジテレビ本社ビル(写真:Getty Imagesより)

今週の注目記事・1「木村花さん母が慟哭告白『フジには人権感覚がない』」(『週刊文春』2/27日号)
同・2「フジ中居番組延命の理由が分かった!」(『週刊文春』2/27日号)「引退から1カ月 今ごろ分かったMC『中居正広』の実力」(『週刊新潮』2/27日号)
同・3「国民を苦しめるコメ不足『本当の元凶』」(『週刊新潮』2/27日号)
同・4「北川元検事正『性的暴行事件』『検察の闇はフジテレビより深い』被害者“女性検事”が決意の激白」(『週刊新潮』2/27日号)
同・5「斎藤元彦『冷血の知事』PR女性社長(折田楓)を発見!」(『週刊文春』2/27日号)
同・6「全裸泥酔力士に品性下劣な行為『二所ノ関部屋』から流出した前代未聞の破廉恥動画」(『週刊新潮』2/27日号)
同・7「日本製鉄“武闘派会長(橋本英二・69)”トランプ攻略『3つの秘策』」
同・8「小林尊(46)“夢は大食いをスポーツに!”引退した『伝説のフードファイター』のこれから」(『FRIDAY』3/7日号)
同・9「メディアよ、国家と組織の闇を暴け 文春砲の守護神 喜田村洋一弁護士が語る ジャニーズ、フジ問題、西山事件の核心」(『サンデー毎日』3/2日号)
同・10「青木理のカウンター・ジャーナリズム」(『サンデー毎日』3/2日号)

水原一平・父の激白に……

 フジテレビ問題も中休み。文春砲も次なる大砲を仕入れ中なのか、今週はやや大人しい誌面作り。

 そんな中で、90歳越えの作家・五木寛之が気を吐いている。

 新潮の連載『生き抜くヒント!』の中で夕刊フジの休刊を惜しみ「さらばマスコミ愚連隊」と最大限の賛辞を送っている。

 夕刊フジが創刊された頃は出版界も元気があった。その後に創刊された日刊ゲンダイとお互いがファイティングスピリットに溢れ、切磋琢磨してきた。だが、これまでも片一方が休刊すると、不思議なもので片方も気が抜けたようになっていくという。

 週刊朝日が休刊して、サンデー毎日に「気が抜けたような空気を感じたことがあった」という。ゲンダイもライバルがいなくなり、ゲンダイの紙面が微妙に変化してきているというのである。

「夕刊フジの持ち味であった、どこか都会的でスマートなタッチが、ゲンダイ紙面の行間にときどき感じられるのである」

 だが、ゲンダイという政権批判を売り物にしている泥臭さがスマートになれば、自ずからその先は決まったも同然であろう。

 私もゲンダイで連載(毎週土曜日)をしているが、今や、ゲンダイが一番売れるのは競馬のある日である。昔は、競馬専門紙と赤鉛筆を買って鼻を膨らませて競馬場に朝一で乗り込んだものであった。その専門誌の値段が上がったためゲンダイや東スポで間に合わせているのである。

 それに、昔の大川慶次郎のような「予想の神様」は今はいない。

 今の私は情けないことに、パソコンの前に座り、テレビでパドックの馬を眺めながらネットで馬券を買っている。

 これでは足腰が弱っていくのは当たり前である。昔々、作家の山口瞳や虫明亜呂無は健脚だった。必ずパドックへ足を運び、熟考し、穴場へ数百円(数千円ではない)を突っ込む。

 レースごとにこれを繰り返した。競馬をやる人間は健康になった。「競馬健康法」という本まで出たというとウソになるが、週2日、これをやるとゴルフなどよりも身体にいい。第一、もしかすると競馬場から万札を拾えるかもしれないのである。

 五木の話からそれた。同じ新潮で、古市憲寿と「昭和100年」について対談もしている。90を超えてまだ現役。小説も書いてくれないだろうか。『蒼ざめたジジイを見よ』『さらば老いぼれ愚連隊』『老人の門』などはいかがだろうか。

 ということで前置きが長くなったが、今週は目ぼしいスクープがないので順位なしでいく。

 最初はサンデー毎日から2本。

 1本目は、このところテレビでは見なくなったが、ジャーナリストの青木理のコラム「青木理のカウンター・ジャーナリズム」から。

 中居正広とX子といわれる多分フジテレビのアナウンサーとの「性的トラブル」問題は、フジテレビ全体を揺るがす大変な事態になっている。

 だが、肝心の中居とX子との間でどんなことがあったのか、9000万円もの解決金が支払われたのかは、プライバシーの陰に隠れて見えてこない。

 2回目のフジの会見でも、このことに話を向けると「二次加害」だという非難の声が質問者に集まり、モヤモヤしたものが残ったままである。

 もちろん、X子のプライバシーは尊重するべきだが、2023年6月の夜、何があったのかを知りたいと思うのは、取材する人間の“業”のようなものではないのか。

 不謹慎を省みずにいわせてもらえば、X子が誰なのかは、多くの取材する人間は掴んでいるはずである。だが、彼女に接触している人間は文春を含めごく少数である。

 しかし、彼らからあの夜の詳細が漏らされることはないだろう。

 どうすべきか? この難しい問題にフリーのジャーナリストたちも考えあぐねているようだ。

 そこに切り込んだ青木の問題認識は鋭いと思う。これを一つのたたき台として、どうすべきかを一人一人の取材者が考え、行動を起こすべきではないか。

 青木は、伝えるべきだと思い定めた対象に肉薄して後世に記録を残すことは、メディアやジャーナリズムの世界にいる人間たちの本性であり「原罪」なのではないかとして、

「なぜこのようなことを書くかといえば、フジテレビが厳しく指弾されている一連の問題をめぐり、どうにも腑に落ちないことがあるからだ。人気タレントと『芸能関係者』の女性との間で起きた『重大なトラブル』が問題の直接的な原点だが、それがどのようなものなのかがほとんど見えてこない」

 この問題に少しでも踏み込むと、「二次加害につながる」という批判が巻き起こる。青木はこう考える。

「もちろん、慎重に扱うべき問題であることは理解できる。性的な加害被害に関われば、深慮なく暴き立てるのは論外の所業、被害者に最大限の配慮をする必要もある。ただ、事案の重大性と影響に比して問題の原点であり核心があまり朧にすぎはしないか。ましてや、事実の核心へとギリギリまで迫ろうという行為が『二次加害』を理由に遮断されれば、ジャーナリズムの仕事さえ封じられてしまいかねない危うさも孕む。(中略)表現という営為は往々にして人を傷つける。だが、その際に最も大切となるのは表現に取り組む者の目的と姿勢と志――ということになるのだろう。それを肝に銘じ、しかし批判や禁忌などに決して委縮せず、事実を真摯に追い続けねばならない」

 この青木の考え方を「きれいごとすぎる」というのか、「タブーを恐れず、事実を追い求める」のがジャーナリストの仕事だと賛同するのか。難しい問題ではある。

 次は、文春砲の「守護神」といわれる喜田村洋一弁護士のインタビュー。

 喜田村は文藝春秋社の顧問弁護士である。私が現役時代からそうだったから長い。40年ぐらいになるのではないか。

 その頃から、文春に喜田村ありきといわれていた。私がいた講談社にも顧問弁護士は2人いたが、一人は“ヤメ検”だった。この弁護士、検察の守護神のような人間で、相談に行っても我々編集部の意向など聞きもせず、「そんなことやれば告訴されるからやめておけ」と却下されることが多かった。

 編集部に寄り添うなどということはなく、上の連中とゴルフばかりやっていた。つくづく文春がうらやましかったものだった。

 間違いなく、文春が調査報道で名を挙げたのは、喜田村弁護士のバックアップがあったからである。

 どんな仕事をしているのかと聞かれ、こう答えている。

「こういうテーマで取材しようと思っているが、名誉棄損にならないためには何にどう注意すべきか。こんな情報を得たが、これ書けますか、といった相談に答えることだ。重要なのは、題材、トピックの社会的公共性だと思っている。離婚や不倫も一般人なら別だが、政治家や公人なら意味を持ってくる。原稿もチェックする。言葉遣いにも節度が欲しい。そこまでやっているメディア弁護士はあまりいないのではないか」

 そして報道の自由についてこう定義している。

「『報道の自由』とは、憲法21条(集会、結社、言論、出版その他一切の表現の自由の保証)を根拠にした、民主主義制度にとって圧倒的に大事な権利だ。政府の政策を知るのも、批判するのも、メディアを通じた情報提供が必要だ。個人の力では限界がある。、メディアという事実報道のプロ組織が、国民の目となり耳となる。これがなければ民主主義は成り立たないと思っている」

 当たり前のことだが、喜田村弁護士の口から出ると何やらありがたい言葉に聞こえる。フジテレビも喜田村弁護士を顧問にしたらいいのに。

 お次は、大食いをスポーツにしようと考えている男のお話。

 実は、ホットドッグの早食い競争というのはアメリカなどではすごい人気で、そこで優勝した者はちょいとしたではなくスーパー有名人になるというのだ。

 現在「フードファイター」を名乗る小林尊(46)は、ニューヨークで毎年7月に開かれる「ネイサンズ国際ホットドッグ早食い選手権」で2001年から6連覇し、ニューズウィーク誌で「世界が尊敬する日本人100人」に選ばれた超有名人なのである。

 だが、テレビなどは大食いをお笑いと捉える番組の作り方が多く、本気で闘っているフードファイターには物足りなかった。

 2002年に愛知県の中学生が同級生とパンの早食い競争をしていて、パンをのどに詰まらせて亡くなるということがあったため、活動拠点をニューヨークに移し優勝を続けてきたが、アメリカ人の中には日本人が何回も優勝することが気に食わない連中もいたという。

 ビール瓶を投げつけられたり罵声を浴びせられたりもした。そのうち大会側が小林を排除するようにもなったという。

 そこで活動の場を世界に広げ、トレーニングしてきたという。そのトレーニングとは?

 5リットルの水を30分ほどかけて飲み、徐々に増やしていって、最終的には12リットルの水を90秒で飲めるようにするという。胃の大きさを5kgから13kg以上に大きくするのだそうだ。

 噛む力を鍛えるため、カチンカチンに凍ったパンを食べ、吸引力を強くするためにドロッとした液体をストローで飲むなどするという。

 こりゃあ大変だ。だが、コロナ明けにそうしたストイックさがなくなり、引退を決意したという。

 これからは、大食いをスポーツとして認めてもらうために活動するという。これは面白いかもしれない。

 フジテレビやテレ東が飛び付きそうなテーマではないか。

 お次は、トランプが石破首相との会談で、「誰もUSスチールの株式の過半数を取得することはできない」といったことで、日本製鉄の買収計画はとん挫したかに見えたが、日本製鉄の橋本英二会長兼CEO(69)には、実は秘策があると文春が報じている。

 USを買収すれば日鉄の粗鋼生産量は世界第3位になるという。そんなうまい話を、トランプごときに潰されてたまるかと、橋本は考えているようだ。

 橋本という人間は、「鉄は国家なり」ではなく、「俺が国家なり」と考え、喧嘩大好き人間らしい。

 彼の秘策とは何か? それはUSスチールと合弁会社を設立し、US側が工場設備などの現物を提供して、日鉄は資金やノウハウを提供するれば、USは残り生産性が上がるので、トランプも受け入れるのではないかというのが一つ。

 他には、日鉄がUSの株式の49%を取得し、残りの1%以上を住友商事などの日系企業のアメリカ法人に取得してもらうなどの策を考えているというのである。

 喧嘩大好きな橋本会長が、トランプとの会談で、トランプを怒らせ、物事をさらに拗らせてしまう可能性もあるようだ。

 この対決、もし実現すれば、見物ではあるが。

 お次はまたまた相撲界のとんでもない動画流出の物語である。

 もはや、新横綱誕生で喜んでいる場合ではない。相撲界にはびこるイジメや暴力を一掃しないかぎり、相撲など滅んでしまうこと間違いない。

 なぜ、プロ野球界などは体罰にある程度キビしいのに、相撲界だけが見て見ぬふりをされるのか。暴力やイジメは「国技」なのか?

 今回も、大関・大の里のいる二所ノ関部屋の話だ。デイリー新潮(02月19日)から引用してみたい。

《日本相撲協会の“理事長候補”として、角界の期待を背負う元横綱・稀勢の里こと二所ノ関親方(38)。愛弟子は昨年大関に昇進し、親方としてひと花咲かせたいところだろう。しかし、「週刊新潮」は二所ノ関部屋で未成年飲酒や“悪ノリ”が過ぎる力士同士の乱痴気騒ぎが行われていたとの情報をキャッチ。果たして彼に親方としての素質はあるのだろうか――。
昨年9月の秋場所で、大関に昇進した二所ノ関部屋の大の里(24)。2月11日には、都内のホテルで昇進披露宴が開かれた。新たな“横綱候補”として、春場所の最注目力士であるに違いない。二所ノ関親方にしても、鼻高々だろう。
だが、そんな浮かれ気分も吹き飛ぶような動画が、角界関係者の間で話題になっているという。2022年の九州場所の際に撮影された、その内容を紹介しよう。登場する力士は当時、みな二所ノ関部屋の所属である。
室内で酒盛りをする10人ほどの力士たち。その視線の先で、なにやら雄叫びを上げているのは貴正道(22)だ。酔いが回っているのだろうか、何も服を着ていない。
そこへ、友風(30)と麒麟龍(23)が進み出て貴正道を囲む。友風の手には中身の入った酒瓶が握られている。
すると、床に腰をおろした貴正道が脚を広げ、お尻の穴をあらわに。その体勢をキープすべく、麒麟龍が脚を押さえる。と、友風は“セット!”と大声を張り上げて、貴正道の肛門に酒瓶を押し込んだ。数秒後、友風が瓶を引き抜くや、アルコールの効き目か、貴正道は“痛い! 痛い!”とのたうちまわる。それを見て、腹を抱えて笑い転げる力士たち。さらに友風は、そのまま酒瓶を貴正道にくわえさせ、酒を流し込む。立ち上がった貴正道は、満面の笑みを浮かべ、なぜか両手でグッドサイン――。
大相撲担当記者が言う。
「貴正道は、大の里の付け人をしている三段目。十両の友風は昨年、元嘉風である中村親方の独立に伴い、中村部屋に移籍しています」》

 これはひどい! こんなことが罷り通っているとすれば、ここは人間社会とはいえない。こんな非道なことを見て見ぬふりを親方がしていたとしたら、人間失格である。

《そこで、二所ノ関親方に、野放図な部屋のありようを問うべく架電した。
――友風が貴正道の肛門に酒瓶を入れている動画があるが、把握しているか?
「あっ……ちょっと分からないので、また話します」
――把握していないのか?
「あっ……ちょっと分からないので。すみません」
 角界でパワハラやイジメ、未成年飲酒などが問題となって久しいが、いまだこのような不祥事が放置されているとすれば、親方、ひいては相撲協会の監督責任は問われてしかるべきだろう。》

 新潮は何度も何度も角界のとんでもない所業を告発してきた。だが、一向に改善される気配はない。

 大の里も、こうした部屋の破廉恥な騒ぎを知っていて黙しているとしたら、同様、人間失格である。

 北の富士が生きていたら、何といっただろう。「相撲取なんて所詮そんなものだ」といったのだろうか。

 お次は、斎藤元彦の登場である。文春は、この男の短期集中連載を始めた。

 選挙中にPR会社にSNS戦略を依頼し、カネを払っていたことは間違いないのだろう。司直の手が入ったから、これが公選法違反になるのかそのうちに判断が出る。

 同じようなケースが、先の都知事選でも、石丸伸二陣営であり、こちらもこれから公選法違反になるのかどうかが注目される。

元木昌彦

編集者。「週刊現代」「FRIDAY」の編集長を歴任した"伝説の編集者"。

元木昌彦
最終更新:2025/02/25 18:00