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六代目山口組の次世代体制固めが進展、“東京の実力者”も執行部入り

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髙山清司相談役(写真:著者提供)

 六代目山口組が再び新人事を発表した。竹内照明若頭の就任と同時に、六代目豪友会の加藤徹次会長が若頭補佐に昇格。さらに、東京に本拠を置く落合金町連合の佐藤光男会長も若頭補佐に昇格を果たした。

驚愕!山口組の次世代体制

「落合金町連合は、東京を拠点に活動する五代目國粹会から六代目山口組の直参へと昇格した組織で、今回若頭補佐に昇格した佐藤会長は、五代目國粹会では若頭を務めていました。山口組で都内に二次団体の本部を構えているのは、五代目國粹会と落合金町連合の2団体しかありません。竹内会長(三代目弘道会会長)が若頭に就任し、長年若頭補佐を務めた藤井会長(五代目國粹会・藤井英治会長)が名誉職である顧問に就任し、執行部から外れていました。今後は佐藤会長が六代目山口組の執行部の一員として、活躍していくという見方もあります」(ヤクザ事情に詳しいジャーナリスト)

 全国に系列組織を持つ山口組では、地域ごとのブロック制度を採用しており、各ブロック長は執行部の親分衆が務めている。先だって藤井会長が名誉職に就いたことで都内に本拠を置く二次団体のトップが執行部から外れたことは、佐藤会長の若頭補佐昇格への布石とも見られる。

 元々、國粹会は東京都内に縄張りを持ち、独立組織として磐石の地盤を築いていた。それが六代目山口組体制発足と同時に、山口組へと加入を果たし、業界関係者を驚かせたのだ。

「それもそうでしょう。國粹会は、関東に本部を持つ関東二十日会という親睦団体に加盟している組織でした。関東二十日会には山口組に続く巨大組織、住吉会や稲川会も加盟しており、國粹会も有力組織の一つでした。それが山口組に加入したのですから、当時は驚愕でした。形としては、山口組が東京に進出したことになったのですから。ただ、國粹会ほどの有力な組織が傘下に収まることを決断するほど、山口組は強大な影響力を持つ組織ということでしょう。これを機に関東二十日会では、他組織に加入する前には事前に二十日会に報告し、協議される決まりができたと聞きます」(前出・ジャーナリスト)

 六代目山口組に電撃加入を果たした当時の國粹会は四代目体制で、工藤和義会長が組織を率いた時代だった。工藤会長は加入後、六代目山口組で最高顧問という名誉職に就いていた。その後を引き継いだ藤井会長が五代目國粹会を継承し、同時に六代目山口組の直参へと昇格。その後、長きにわたって若頭補佐を務めた。

 そして2011年には、國粹会内の金町一家、落合一家、保科一家などの有力組織が糾合して落合金町連合が結成され、内部昇格を果たしたという経緯がある。

 さらに新人事はこれだけに留まらない。佐藤会長の若頭補佐昇格と同時に、新たに3人の組長が幹部に昇格したことも発表された。幹部に昇格したのは、三代目愛桜会の杉山志津雄会長、二代目大原組の金田芳次組長、二代目良知組の竹嶋利王組長の3人の親分衆だ。

 幹部という肩書は、六代目山口組発足時に新設された役職で、最高幹部である若頭補佐へと昇格するには、幹部への昇進が必要とされると言われてきた、いわば登竜門とされる要職だ。

 ただ、なぜ六代目山口組は次々に新人事を発表し続けているのか。

「竹内会長が若頭に就任し、次の新体制が始まっていく中で、一気に人事を入れ替えるのではなく、引き継ぎや体制を整えながら、磐石な体制を築いているのではないか。新人事はこれだけでなく、まだまだ続くという噂も出ている」(業界関係者)

 これはつまり、七代目体制を見据えた人事ということなのだろうか。前出のジャーナリストはこのように補足する。

「髙山清司相談役は、若頭を腹心の竹内会長に禅譲し、これからの山口組のことまで考えていたということでしょう。六代目山口組は分裂して元に戻ったというよりも、それすらも乗り越え、新たな道を進んでいるということではないでしょうか」

 今後の新人事についても、業界関係者の間ではさまざまな情報が錯綜しているようだ。

(文=山口組問題特別取材班)

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山口組問題特別取材班

ヤクザ業界をフィールドとする作家、ライターおよび編集者による取材チーム。2015年結成。同年に勃発した六代目山口組分裂騒動以降、同問題を長期的に取材してきた。テレビや新聞などでは扱いにくいヤクザ組織の内部情報にも精通。共著に 『相剋 山口組分裂・激動の365日』がある。

山口組問題特別取材班
最終更新:2025/05/24 12:00