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食料品の消費税ゼロまで待てない!? 「賢い節約」と「貯まる家計」のつくり方

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自炊は節約になるのか、それともコンビニ弁当と大して変わらないのか……。その議論に終止符を打つときが来た。(iStock/Getty Images Plusより)

 コンビニおにぎりの値段が300円に突入――。止まらない物価高に、将来への不安を感じている方も多いのではないだろうか?

 特にひとり暮らしの場合、どのように家計を管理し、何を優先して節約すべきか迷ってしまうものだ。もはや、この物価高だと自炊と外食の差もあまりなさそうな気もする。

 そこで、3月に刊行予定の『9割が知らずに損してる! スマホ決済「超」入門』(青春新書インテリジェンス)など多数の著書を持つファイナンシャル・プランナーの風呂内亜矢氏に、無理なく続けられる「賢い節約術」を聞いた。

交通網が大ピンチ!

食費で節約するストレスレスな「中食」のススメ

――昨今の物価高に関して、人々の暮らしにどのような影響が出ているのかお聞きしたいです。食料品の減税議論なども出ていますが、消費者の実感としてはいかがでしょうか?

風呂内亜矢(以下、風呂内) 買い物に行ったときに「あれ、この商品こんなに高かった?」と、一つひとつ手に取るたびにためらいが生じるケースは増えているのではないかと思います。これまで外食中心だった人が自炊の比率を高めている例も散見されているので、生活スタイルを変えたり、消費を抑えたりしている人が目に見えて増えてきた印象ですね。

――若い世代では「お金がないならもはや食事の回数を減らそう」といった極端な考えになってしまう人たちも多いようです……。食費の節約はどうしたらいいのでしょうか?

風呂内 日々の買い物で節約をするのは、結構大変だと思うんですよね。やる気があるときには頑張れますが、毎日続けるのは骨が折れます。そのなかでも、比較的やりやすいのが、お米だけは自分で炊いて冷凍しておき、おかずは外で買ってくるなどの方法。いわゆる「中食(なかしょく)」ですね。

――中食?

風呂内 すべてを自力で作るのではなく、おかずだけ外で調達してくる。外で買ってきて自宅で食べることを意識するだけでも、コストは抑えられます。テイクアウトならセットではなく単品注文もしやすいですよね。冷凍食品や加工食品を上手に使うのもポイントです。自力で作れなくても、餃子や焼売といった冷凍食品をストックしておくなど、節約をするにしても、続けやすくなります。

――無理のない範囲で自炊を取り入れるということですね。

風呂内 ほかにも「ダイレクトフリージング」という自分で冷凍食品をつくる方法もあります。野菜などを生のまま切って冷凍する保存法のことです。自炊初心者だと食材を使い切れるか不安もあると思いますが、冷凍で在庫管理を楽にすることで手間も減りますし、食材も長持ちするのでおすすめですよ。

――「毎食牛丼」のような生活を送っていると、賞味期限の概念が欠如してしまうんですよね……。これから自炊に挑戦してみたいという方に参考になるSNSなどはありますか?

風呂内 SNSもいいのですが、おすすめしたいのが調味料メーカーなどの公式サイトです。キューピーさんやミツカンさんのサイトはレシピが充実していていいですよ。また、農林水産省のサイトにもご飯にぴったりのレシピが掲載されています。そういった手堅い情報源を見てみるのも、外れが少ないのでタイパも良いのではないでしょうか。

固定費の見直しとポイント還元の賢い選び方

――食費以外で見直すべきところは何かありますか?

風呂内 やはり、3大固定費といわれる住居費、通信費、保険料を見直すのが一番効果的だと思います。固定費を浮かせた分で現在の食生活をキープできれば理想的ですよね。あとは、クレジットカードのポイント還元をうまく使うのも手ではないでしょうか。

――確かに、ポイント還元率が高いカードなどもありますよね。おすすめを教えてください。

風呂内 コンビニやファストフードを利用することが多いなら、常時7%(Oliveは2月から8%)還元が受けられる「Olive(オリーブ)」や「三井住友カード(NL)」などのスマホによるタッチ決済がおすすめです。また、OKストアやオオゼキなどのスーパーを利用する方なら、三菱UFJカードも7%の還元が受けられるので有効です。

――なるほど。カードによって受けられるサービスもさまざまなんですね。

風呂内 あとは、最近SNSでも話題になっている地域の決済手段ですね。例えば、港区が行っている「みなトクPAY」では、最大20%や25%のポイントが付与されるキャンペーンを実施していて、住民ではなくても還元が受けられることもあります。地域とPayPayなどの決済事業者が連携して大幅還元を行っている機会を利用するのもひとつの方法です。

――東京都の公式アプリ「東京アプリ」で、1万1000円相当の「東京ポイント」がもらえるそうですが、これも結構大きいですよね。

風呂内 そうですね。ぜひ受け取った方がよいですよね。ただ、注意が必要なのは、すべての決済で最大の還元を受けようと欲張りすぎないことです。全体でいくら使っているのか把握しにくくなり、管理が複雑になってしまいます。自分の消費行動のうち、どの店舗で一番使っているのかを把握すること。そして、メインの決済手段を原則1枚に絞ることも大切です。

――「〇〇ペイ」もひとつだけに絞るのが理想ですよね。若い世代の保険料についてはどう考えればよいでしょうか?

風呂内 保険は「いざという時に人生が詰んでしまうかどうか」という観点で考えるのが正解です。例えば会社員で高額療養費制度が充実しているなら、手元に100万円程度の貯金があれば、民間の医療保険は不要かもしれません。

――そうなんですか。

風呂内 親に頼れる、あるいは有給休暇が長めに取れる制度があるなど、バックアップがあるなら未加入でも乗り切れる可能性があります。しかし、そうでない場合は、貯蓄が少ない間だけ「掛け捨ての医療保険」に入っておくといいですね。貯蓄が100万円程度貯まったタイミングで解約を検討するという段階的な方法をおすすめします。

――やはり、最低でも100万円くらいの貯金がないとダメなんですね……。

風呂内 まずは、生活費の3カ月から6カ月分程度のお金を、すぐに動かせる預貯金として確保していただきたいです。例えば、手取り20万円で支出が15万円の人なら、3カ月分で約45万円、6カ月分なら約90万円です。このくらいの蓄えがあれば、急な病気や転職活動の際に対応しやすくなります。

投資の前に「黒字で回る家計」を作る

――おっしゃる通りなのですが、意識しないと貯金も難しいですよね……。最近では、NISAやETFなど、国も投資を推奨していますが、投資よりもまずは貯蓄のほうが先でしょうか?

風呂内 貯金の準備ができたら、以降の貯蓄の1割分だけNISAのつみたて投資枠で運用してみるのもありですが、無理に投資に回す必要はありません。投資はあくまで、10年以上使わない資金で行うのが基本です。

――貯金がすっからかんなのに、いきなり投資に全振りするのはNGと……。

風呂内 例えば、目標としている貯蓄額を達成できそうにないから投資で補填しようという発想だと、思惑通りにならないことも多いです。投資は将来も今と同じだけの品物が買えるように、資産価値を維持するためと考えた方が健全です。

――資産を現金以外の形で保有し、価値をキープするということですね。

風呂内 資産運用の変動とは関係なく、まずは毎月無理なく黒字になる家計の仕組みを作ること。その土台ができてから、余剰資金の1割を積み立て方式などの投資に回してみる。この順番が、物価高に負けない強い家計を作る近道だと思います。

「年収1000万円」の実態

(文=桃沢もちこ 取材・編集=サイゾーオンライン編集部)

風呂内亜矢(ふろうち・あや)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP®認定者。独身時代にマンション購入したことをきっかけにお金の勉強をスタート。現在はテレビ、雑誌のほか、3月刊行予定の『9割が知らずに損してる! スマホ決済「超」入門』(青春新書インテリジェンス)などの30冊以上の書籍でもお金に関する情報を発信。YouTube「FUROUCHI vlog」では旅や日常の記録にお金のTipsを織り交ぜて動画を更新している。

桃沢もちこ

1993年生まれ、愛知県出身。東京都在住のフリーライター。社会問題からトレンド、著名人のインタビュー、体験レポなど幅広いジャンルで執筆。

桃沢もちこ
最終更新:2026/02/21 18:00