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「純子の部屋」純子の「デジタル時代の生歌サバイバル」#12

INUWASIのプロデューサー5000日無休「元旦に牛丼しか食べられなかった」

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INUWASIプロデューサー田端一聖氏近影。(撮影/すずめ)
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 ミュージシャンをはじめ多くの人が“歌”で自己表現を追求する日本のエンタメ業界。指先ひとつで音楽も歌も半自動的に生まれるこのAI時代に、人間の歌や声が生み出す価値を、声楽家・歌唱指導者が分析していく本連載。

 前編に引き続き、8月末にメジャーデビューを果たしたアイドルグループ INUWASIのプロデューサーである田端一聖氏が登場。田端さんの楽曲へのこだわりやプロデューサー観、そしてグループを突き動かす原動力に迫る。過去の挫折や“不遇な経験”を糧に、今なお挑戦を続けるINUWASIの未来像とは——。

前編はこちら「あのINUWASIついにメジャーデビュー! プロデューサーが最初で最後の降臨!?」

アイドルに“いい曲”は必要か?

15秒間の戦いに打ち勝て!こだわり抜かれた楽曲制作の裏側

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INUWASI & BAND MEMBER

——INUWASIのブレーンでありながら、謎のベールに包まれている田端さんですが、後編では、さらに深掘りしていきたいと思います。

純子 田端さんは曲の解釈に対しても並々ならないこだわりを持っていらっしゃいますよね。INUWASIの楽曲も田端さんが「こういう楽曲が良い」と、細かく指示を出されてるんですか?

田端 そういう曲もありますね。特に昔は多かったです。当時は毎回発注している作家さんに、ほぼ毎日深夜電話で相談したり、何度もリテイクを出して迷惑をかけていたと思います。最近は、レーベル側の意見もちゃんと踏まえた上で曲作りをしているのもあるし、また、長い付き合いから作家が僕の意向を汲み取ってくれるので、そこまで細々オーダーする事はもうあまりないですが。

 あとは、とにかく耳に残るフレーズをその曲の中でいかに繰り返すか、ということはメジャーデビューが決まってからは特に意識しています。僕はSNSが苦手なんですけど、例えば15秒ほどの中でいかに回るかを意識した曲作りは大事だなと。

——0から1へ、そして1から100へ進める過程にも、田端さんの存在が欠かせないように思うのですが、具体的に田端さんのこだわりが注がれているのはどのプロセスからなのでしょうか。

田端 まずは曲のデモが上がってきたタイミングで、「誰ならこの雰囲気を表現できるか」を考えながら、歌割りをイメージしていきます。楽曲にもよりますが、基本的に歌詞はその時のグループの状態や少し先の未来に当てはまるものかどうか、ということを意識して書いてもらうようにしています。

純子 確かに、あの子たちにぴたっとハマる楽曲や歌詞というのも多いですね。

田端 7月24日にインディーズ最後のシングル「ゼロクロニクル」が配信されたのですが、この曲はこれまでの5年半の活動の歴史を込めた楽曲で、「ここからメジャーの舞台で勝負していくぞ」という気持ちや、これまで自分たちなりに全力で挑んできた過程を歌詞の世界観に反映しています。これをライブでやるとなると、彼女たちの5年半の歴史を1曲の中で表現しなければいけないわけです。

 そこには、必死さだったり切なさだったり、楽しいだけじゃないものもある。そういうものをお客さんを楽しませながらも、ライブできちんと見せられるような楽曲であってほしい、というイメージも制作段階からありました。個人的には「一区切りつけた」というか、重みがある曲になりました。

——これまでの歴史を含めてその曲がグループにとってどういう立ち位置であるべきか。どういう意味を持っているのか。なぜここでパフォーマンスをするのか、みたいな必要性を制作段階から描かれているんですね。

田端 もちろん深いことを考えずに、ただライブを楽しく歌って踊るためだけの曲というのも存在します。メッセージ性が強い楽曲は、1年に数曲は出てきますね。

———そのタイミングや割合などのバランス感は、田端さんが舵を切られていると。

田端 「この時期にこういう曲が欲しい」というのは結構早い段階でお願いしています。

今、楽曲制作をお願いしている人たちは、結成以来5年半ずっとお付き合いのある人たちなので、僕の性格やグループの状況への理解もあるし、バンドメンバーでもあり、一緒に現場を回っているからこそ通じるものもあります。だから最近はリファレンス(※楽曲制作の際に参考となる既存楽曲を挙げること)もあまり出していません。前までは「この曲のここの部分を取り入れてほしい」とか「BPMはこのくらいで、Breakdownを入れて、ここでテンポチェンジして」「シンセの音色が、スネアの質感が」とか細かく注文をしていたんですけど。

純子 ファーストアルバムの頃は、まだ細かく指定されていたんですか?

田端 そうですね。あの頃は、超有名なメタルコアバンドのBring Me the Horizonを中心に、海外アーティストやバンドをリファレンスに挙げていましたね。今は自分の脳内で思い描いていることを伝えて、あとはお任せするようにしています。

INUWASIの楽曲でハードな音楽ファンもアイドルファンも巻き込みたい

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——INUWASIの楽曲は、メタルコアやハードロックからEDM、トランスというハードなサウンドが武器でありつつも、アイドルらしさ際立つデジタリックなJ-POPらしさもあるという、そのバランスが絶妙だなと思いました。

田端 ルーツとしてラウドな要素があるので、それを活かしつつ、ただそれだけだと重すぎてアイドルとしては受け入れられにくくなってしまうので、ポップスの要素やクリアな音色を取り入れた構成にするようにはしています。

 アイドルとバンドセットの良いところを掛け合わせたい、というのが楽曲の狙いではありますね。僕は欲張りみたいで、ハードな音楽が好きな人も、ポップな音楽が好きな人も、クリーンなボーカルが好きな人も欲しいんですよ。日本のリスナーも海外のリスナーも含めて、拾えるところは全部拾いたいな、とは思っています。

——音楽としてもアイドルの域にとどまらない存在を目指しているという。

田端 今はもちろんアイドルという側面が強いですが、ゆくゆくはアーティスト寄りな活動や立ち位置にもなっていく可能性があるんじゃないかなと。

純子:私もそう思ってました。むしろ、そのビジョンがすぐにでも見えますよ。

田端 それはそれでひとつの成長の形であって良いことなのですが、現時点でもだし、これからも彼女たちは“アイドル”なので、可愛い存在でないといけない。元気であってほしいし、ライブも楽しくやってくれたらなと思ってます。それでもアーティストとしての側面もあるわけなので、意思や思想、言葉を表現できるようになればいいなと。

——最近の活動やリリースの中で、音楽的な挑戦をしたものってありますか?

田端 今回が初めてではないのですが、「RAIDER×RAIDER」という曲でメンバーのがるむのシャウト&スクリームが数年ぶりに復活しました。

純子 あれはファーストの頃のがるむが蘇るようでしたね。

田端 今はもう許されるかな、と思って。シャウトやスクリームができるというのは、彼女のもつひとつの強みだから、その良さを出してあげたくて、復活させました。これからもがるむがシャウトする時はあるんじゃないかな。

純子 シャウトする時に衣装のフードをかぶって顔が見えなくなるっていうのがまた良くて。ファンの人たちは皆好きやろうけど、私も大好きです。

田端 いいですよね。ライブアイドルという層の中で、Zepp DiverCity(TOKYO)クラスの会場でワンマンを成功できるグループって、1000組いて10〜20組いるかどうかです。ZeppDCを借りることが出来ればライブ自体はできますが、ちゃんとお客さんが入って、しっかり埋めるとなると難しいこと。INUWASIは、ファンの皆様のおかげもあって、そのハードルをクリアできたので、ある程度の成功は収められたんじゃないかなと思っています。なので、(ある程度の成功を達成した)アイドルの運営として考えると、デビュー初期のスタイルや楽曲をブラッシュアップして挑戦的なことも、していっていいんじゃないかって思えたんです。

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メンバーのガルム

——もう少し音楽面に踏み込むと、2024年にバンドセットでのライブを再び行ったのも、INUWASIにとって大きなターニングポイントになったのではないかと思うのですが、そこにはどのような狙いがあったのでしょうか。

田端 バンドセット自体は、2023年2月のリキッドルーム公演で“最初で最後のバンドセット”と銘打ってやったことが始まりです。あの時は“ワンマンの特別なコンセプト”として、生演奏・生音に挑戦する意味合いで、あえてそう宣言しました。でも1年も経たないうちに、やっぱり葛藤が出てきて、「将来的に国内ではアイドルファン層以外のシーン、それと世界で勝負していくとなると、バンドセットを封じてしまうことでチャンスを自分たちから減らしているんじゃないか?」って気付いたんです。フェスのような大きな舞台を目指しているのに、自らアイドルとバンドを区切って活動範囲を狭めるのはもったいないなって。

純子 確かに。最近はバンドありきのフェスも多いですし、そこからさらなる活躍の場が広がる可能性は大きいですよね。

田端 そうなんです。ちょうどその頃、世界で活躍するバンドのCrystal Lakeと接点を持つ機会があって、「やっぱり“どこでも勝負できる”のは、バンドを含めた一体感あるライブを作れるグループなんだな」と実感しました。だから“最初で最後”を覆して、もう一度バンドセットをやろうと決めました。

純子 なるほど。田端さんって、脳内で一本筋の通った“設計図”があって、それに基づいて動くからブレないですね。だから間違いなく成功にたどり着くんだろうなって思います。実際にグループのメンバーもバンドメンバーさんもめちゃくちゃ楽しそうですし、ここまでバンドセットがハマるアイドルグループはなかなかいないと思います。

反ボイトレ、反プロデューサー!ファッション肩書きに抗う二人の流儀

——さすがのプロデュース力……と言いたいところなのですが、前編では「自分のことをプロデューサーだと思っていない」とおっしゃっていましたよね。純子先生も「ボイストレーナーと呼ばれるのが好きじゃない」とよくおっしゃっていて、似た視点をお持ちなのではないかなと思いました。

純子 確かに! 私の場合、「ボイトレ」って言葉も「ボイトレ受けて自撮りしましたイェーイ」みたいなツイートも好きじゃなくて。1回ボイトレが終われば全部が終わり、みたいな軽いイメージがついてしまっている気がするんです。でも実際はそうじゃない。教員免許などの資格を持って指導している私としては、レッスンはその場で完結するものではなくて、持ち帰って自分に落とし込み、積み重ねて初めて意味が生まれるものやと信じているので、「それをボイトレなんて4文字でまとめるなよ!」って常々思ってます。

——その場で終わる“ボイトレ”ではなく、続けてこそ成果の出る“レッスン”を大切にしているのであって、それを指導するのが歌唱指導者であると連載で訴えかけてきたことでもありますね。

純子 そうそう。レッスンで伝えられるのは「鼻から息を吸う」「足を上げて体を動かす」「この振りがあるときは顔を上げずに下げる」みたいなポイントであって、それを繰り返し練習して、自分のものにできるかどうかは本人次第です。私は筋トレ以上にカロリーを消費しながらいつも指導していますが、最終的に成長するかしないかはその子の受け取り方とアウトプットにかかっていますし、その指導が活きるかどうかは運営さんとの関係性にも左右されます。

 田端さんはどうしてご自身のことを「プロデューサー」って思われないんですか?

田端 僕の場合は、わざわざそう名乗る必要がないからっていう理由ですね。もちろん会社の代表だし、曲や衣装、アーティスト写真、来年に向けての計画や年間のプロモーションプランなど、総合的に全部自分で決めているので、一般的にはプロデューサーと呼ばれる立場だと思います。でも、それって仕事として当たり前のことで、あえて「プロデューサー」という肩書きを名乗る意味が自分にはよくわからない。

 あと自分の中のプロデューサーって、クリエイティヴで、色んな事を発案して実行して、成功に導く人っていうイメージで、実際そういう方が多いです。自分はそうじゃないというか、自己評価が低いからというのもあります。

 わかりやすい立ち位置で言うと、メンバーと接する時間も多いからこそ、彼女たちとの関わり方が一番重要な仕事だと思っているので、そういう意味では「マネージャーの代表者」という表現が一番しっくりきますね。

——ファッション的に使われる“ボイトレ”も“プロデューサー”という表現へのアンチテーゼであったと。その観点がまさに似ている気がします。

純子 ほんまですね。言われるまで気づかなかったです。でもこの連載では、自分が共感しつつも、「この人には負けたわ」って思う人たちをゲストに招いているのですが、田端さんは特に“負け”を感じる人なんですよね。というのも、私も大概のワーカホリック側の人間なのですが、田端さんってご自身の会社(株式会社MAPLE。田端一聖が代表を務め、アイドルグループのマネジメント、プロデュースを行う)を立ち上げてから休みがゼロという噂を聞きまして。

田端 正確に言うと4700日か4800日くらいです。

純子 ほぼ5000じゃないですか!私も年間2500件ほどレッスンしてますけど、やっぱり休む日はありますし、上には上がいるんやなぁと痛感しました。

——お二人は泳ぎ続けないと死んでしまうマグロみたいに“働かないと気が済まないタイプ”? それとも“楽しいから続けられるタイプ”ですか?

純子 楽しいから、というのはもちろんありますけど、泳ぎ続けていないと気が済まないタイプです。

田端 僕はどちらでもなくて、“義務”ですね。

純子 短いのに刺さる言葉……。

田端 メンバーが第一ですが、もちろん社員もいるので、社長として抱えているものがある以上やることは尽きません。だから「休みたい」と思うこともあまりないです。ただ元旦くらいは早く帰りたいな、とは思いますけど…。

純子:逆にそこだけ!?

田端:元旦に夜まで仕事して、帰りにスーパーに寄ろうと思ったらもう閉まっていて。ほかのお店も全部終わってて、コンビニに寄ったらお弁当コーナーにラスイチで残っていた牛丼しかなかったんです。その時はさすがに悲しかったので、翌年からは少し早く帰ろうと思いました(笑)。

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メンバーの送迎に使われている車はこちら!黒!

「数字を持っていないと不遇な扱いを受ける」非情な現実へのリベンジとグループへの愛

———ハードワークを続ける田端さんですが、そんな田端さんを突き動かすものって何なのでしょう?

田端 世間やシーンに対して、ある意味リベンジかなと思います。

——リベンジですか。前編でも過去に“不遇な経験”があるというお話がありましたね。

田端 はい。僕はプロデュース業を始めて13年目くらいになるんですけど、長くやってると知り合いの事務所や関係者が増えていきますが、悲しいことにグループの規模や売れ行きによって大きく態度が変わってしまう方もいるんですよね。当たり前かもですが。

純子 それ、めちゃめちゃわかります。

田端 コロナ禍のある時、出演グループの欠員が出たという理由から当時格上のグループが揃うイベントからお誘いがあって、「ここが良いチャンスになれたら」と期待して出演を決めたのですが、いざ出演してみると楽屋がなくて、廊下に長机がひとつあるだけ。さらには顔見知りの運営さんたちがいたので挨拶をしたら「珍しいところで会うね」と言われました。過去自分が運営していたグループで、当時軌道に乗っていた頃はすごく仲良くしてくれた人たちが、一瞬で掌を返すんですよね。数字を持っていないとどういう扱いをされるかがはっきりとわかった瞬間でした。

——それは複雑な思いが募るのも頷けます。

田端 こうした思いを積み重ねてきたのもあって、これまでの方針から全部変えてやろうって思ったんですよね。2021年にリリースした『DUTY』というファーストフルアルバムがあって、その制作を前年の冬から始めたのですが、そこでグループのイメージを刷新しようと動き始めました。収録曲の「Axenxion」とかは、まさに当時の気持ちを反映して作って貰った楽曲です。タイトル自体も“次元上昇”っていう意味合いだし、歌詞にはかなりメッセージが込められていますね。

 ただ、INUWASIのメンバーは、僕の個人的な考えや気持ちを表現するためにグループに入ったわけではないから、彼女たちにそれら全てを背負わせるつもりはもちろんないです。ただ、彼女たちが不遇な扱いを受けないためにどうするべきか、ということを考えた結果、路線変更という着地点になったわけです。

純子 衣装が黒から白ベースになったのも、その一環ですか?

田端 まさにそうです。

純子 なるほど。田端さんの思いをはじめて聞きましたが、私も声楽をやっている理由はリベンジなので、すごくしっくりきました。

 クラシックといえば「ドレスコードのある上流階級の嗜み」みたいなしょうもない既存イメージがまだまだ強くて、それに対してものすごい怒りがあるんですよね。それを歌唱指導や自分のステージを通して露わにしています。まさにリベンジみたいな行為やなと自分では思ってます。

———でも、その気持ちの裏側に、深い愛情があることがすごく伝わってきました。

田端 これまで不本意な形でグループが終わることが多かった分、INUWASIはそうはならないように意識して、スタートから運営を続けています。なるべくメンバーチェンジもないようにしたいし、何より彼女たちが気持ちよく仕事ができる、頑張ることができる環境作りを大切にしていきたいです。自分の人生より大切にしてきたので。

目指すのはロッキンと武道館

——メジャーデビューを果たしたばかりですが、次なる目標はありますか?

田端 正直、ZeppDCのワンマンも開催できて、日比谷野音(日比谷公園大音楽堂)でのライブもできて、そして夢だったメジャーデビューを果たして、僕自身が目標としていたところは達成できたんですよね。だから、24年冬のツアー前、このグループのために自分がこの先何ができるかわからなくて悩んだ時期もあったんですけど、あるメンバーから「Zeppツアーがやりたい」って話を受けて、そこは自分でも叶えてあげられるんじゃないかなって思いました。

——メンバーたっての希望というところがまた良いですね。

田端 はい。なので今年12月からの「INUWASI BAND SET 東名阪LIVE TOUR 2025-2026〝狗鷲戦閃〟」のチケットを、全てソールドさせることが、直近の目標です。あとは、レーベルの強みを活かして海外進出はもちろん、メンバーたっての希望であるフェス出演を目指したいです。バンドセットでやっているからこそ出られる場もあると思いますし、“アイドル枠”ではなく“バンド枠・アーティスト枠”で勝負したいし、勝負出来るようになりたいです。

純子 私の教え子でいうとKolokolはアイドル枠で出演しましたが、INUWASIはそこの枠ではないやろなと私も思います。ほんとうに、バンドセットの強みですね。

田端 そうですね。演奏もほかのバンドに負けないと思います。そしていずれ〈ROCK IN JAPAN FESTIVAL〉に出たいです。

——ロッキンにはすぐに出演できそうな気がします。

田端 そうだと嬉しいですね。繰り返し口に出していると叶うことって自分の経験上結構多いので、なるべく言うようにしてます。

純子:TIFにも変わらず出演しようとは思っているんですか?

田端 僕の理想としては、1日はTIFに出つつ、ほかの日もオファーが来たら「すみません、その日、ロッキンに出るので」って言いたい。

純子 めっちゃいいですね!

田端 TIFって出たくても出られない、アイドル界で言ったら最高峰の場所ですからね。INUWASIもなかなか出られず、過去「オンラインだったら……」というお話をいただいたのですが「来年メインを張れるグループにしますね」と言ってお断りしました。そして翌年、本当にメインステージの争奪戦に進みました。

純子 そこでもちゃんとリベンジしてますね。教え子のKolokolも同じくあと一歩のところでメインステージ出演を逃したことがあるので、その悔しさはよくわかります。その1年後、彼女たちはメインステージへの出演が決まったので、あの子らもよく頑張ったなと思います。

田端 もちろんファンの方々がついてきてくれたから叶ったことなのですが、僕としては“なるべくしてなった”と思っています。目標に掲げていたTIFのメインステージをTIF初出演から2年目でクリアしたというのも、狙いに行って有言実行したわけですから。

純子 やっぱりINUWASIって“やってやるぜ”というマインドが運営、メンバーともに強いグループですね。

田端 あとは大きな目標で言えば、ありがちですけどやっぱり武道館でライブはしてみたいですね。日本国旗を掲げた神聖な聖地で、必然的にライブができるINUWASIになっていけたらなと思います。

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■INUWASI INFO
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宮谷行美

音楽メディアにてライター/インタビュアーとしての経験を経た後、現在はフリーランスで執筆活動を行う。坂本龍一『2020S』公式記事の執筆や書籍『シューゲイザー・ディスクガイドrevised edition』への寄稿の他、Real SoundをはじめとしたWebメディアでの執筆、海外アーティストの国内盤CD解説などを担当。

宮谷行美

「純子の部屋」純子

声楽家、教員。大阪音楽大学音楽学部声楽科卒業。
音楽科一種教員免許取得。学生より学外コンクールへ精力的に参加しKOBE国際学生音楽コンクール初入賞。その後中国音楽コンクール銀賞、サンテレビ賞、中国国際音楽コンクール国際部門1位(杭州にて)他多数。安藝榮子、R・ハニーサッカー、中川牧三に師事。主に宗教声楽・現代音楽・オペラからアニメ・ゲーム音楽まで取り扱うジャンルは多彩で、個性的な見た目とは相反する実直で技巧的、的確な表現方式を得意とする。
演奏活動に加え多種多様な後進の歌唱指導にも力を入れアーティスト、タレント、俳優、アイドル、YouTuber、TikToker、2.5次元ミュージカル俳優等の育成輩出、プロモーションに携わる。
ファーストサマーウイカ、おじゃす、矯正ちゃん、Kolokol、Axelight、AVAM、サクヤコノハナ、Quubi、yosugala(汐見まとい)、INUWASI、PRSMIN、Merry BAD TUNE.、YOLOZ、ありぃくん(uijin・作詞家・プロデューサー)、ゆりにゃ(TikToker、YouTuber)等多数指導。
大阪を拠点とし全国へ出張を重ね声楽をベースとした様々なジャンルの歌唱指導へ柔軟に対応しながら個性を伸ばすレッスンを展開している。

X:@matinee_poetic

「純子の部屋」純子
最終更新:2025/10/03 13:00