山田杏奈、清野菜名、中田青渚、穂志もえか…冬ドラマ期待の主演&ネクストブレイク女優
フジテレビのスポンサー撤退問題などでテレビ業界は大揺れになっているが、そんななかでも1月期ドラマは盛り上がりを見せている。その中から期待のネクストブレイク女優が登場しそうな一方、改めて注目度を高めている主演女優もいる。
今回は豊富な業界知識と取材経験のある芸能記者に将来有望な「ネクストブレイク女優」と、今期ドラマで評価が爆上げとなりそうな「主演女優」のそれぞれの注目株を選出してもらった。
今期のネクストブレイク有力候補は
最初に挙げられたネクストブレイク候補は、テレビ東京系『マイ・ワンナイト・ルール』に出演している中田青渚だ。
「中田青渚は、中学生のころに芸能界デビューしました。ドラマ・映画を中心に地道にキャリアを重ねてきましたが、2021年に『街の上で』『あの頃。』と映画ファンから信頼の厚い今泉力哉監督の作品で立て続けにヒロインを務め、さらに浅野いにお原作の映画『うみべの女の子』でメインキャストに名を連ねるなど大きく躍進。確かな演技力で第43回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞しました。
翌年には『善人長屋』(NHK BSプレミアム・BS4K)で連続ドラマ初主演を務め、2023年に『らんまん』でNHK朝ドラ初出演を果たすなど、着実に活躍の場を広げている。『マイ・ワンナイト・ルール』では、足立梨花が演じる主人公・成海綾の後輩で”ゆるふわ系モテ女子”との評判を集める、綾の良き相談相手である坂崎マリを自然体で演じており、彼女の愛らしいキャラクターが上手く引き出されています」
次に名前が挙がったのは、日本テレビ系『私の知らない私』で初の連ドラ単独主演を果たした小野花梨だ。
「浜田雅功と共演している『プロミス』のCMでお茶の間でもお馴染みの小野花梨は、2006年にTBS系ドラマ『嫌われ松子の一生』で子役としてデビュー。子役時代から演技力に定評があり、数多くのドラマ・映画に出演してきました。転機になったのは2021年で、映画『プリテンダーズ』で長編映画初主演、ドラマ『ホメられたい僕の妄想ごはん』(テレビ大阪・BSテレ東)でヒロイン、さらに『カムカムエヴリバディ』で朝ドラ初出演を果たし、知名度を大きく高めました。
翌年には映画『ハケンアニメ!』の演技で第46回日本アカデミー賞の新人俳優賞を受賞。2023年には、テレビ東京系『初恋、ざらり』でテレビドラマ初主演を飾りました。満を持しての連ドラ初単独主演となった『私の知らない私』では、1年間記憶を失い、目覚めたら婚約者、親友、社会的ステータスを手に入れて成功者になっていたが、それが仕組まれた罠で、殺人者のレッテルを貼られる羽田芽衣をサスペンスフルに演じています」
テレビ東京系『晩餐ブルース』に出演する穂志もえかも要注目の存在だという。
「穂志もえかは、今泉力哉監督作品の常連で、山戸結希、枝優花、山口健人、中川龍太郎ら実力派若手監督の作品にも出演。映画ファンの間では有望株として知られていた彼女が一躍注目を浴びたきっかけは、ゴールデングローブ賞でテレビドラマ部門など4部門を獲得した米ドラマ『SHOGUN 将軍』でした。自らの意思でオーディションを受け、約8ヵ月間、単身カナダ・バンクーバーに渡り撮影に臨んだ努力家で、真田広之、浅野忠信といったそうそうたるキャストの中で存在感を示し、海外の視聴者を中心に注目されました。
井之脇海と金子大地がW主演を務めるドラマ『晩餐ブルース』では、それほど出演シーンが多いわけではないものの、入社10年目のプロデューサーをリアルに演じて印象を残しています。『SHOGUN 将軍』で共演したトミー・バストウに2025年度後期放送予定のNHK朝ドラ『ばけばけ』のオーディションを紹介。バストウがヒロイン(高石あかり)の夫となるヘブン役に決定したことも話題となった。現在はフリーランスで活動しているが、アメリカでは事務所に所属しており、世界的な活躍が期待される逸材です」
実力派ぞろいの注目の主演女優
今期ドラマで主演を飾っている女優たちからも目が離せない。その中でも前出の記者が特に注目するのは、NHKドラマ10『東京サラダボウル』で松田龍平とW主演を務める奈緒だ。
「イケメンに翻弄されながらプロボクサーを目指すアラサー女子を演じた『あのクズを殴ってやりたいんだ』(TBS系)のコミカルな演技も話題となった奈緒が、今作では人種のるつぼである東新宿署で国際捜査係の警察官・鴻田麻里を奇抜なルックスで軽妙に演じつつ、シリアスなシーンでは泣かせる演技を自然に見せています。警視庁通訳センターの中国語通訳人をクールに演じる松田とのやり取りも心地よく、バディものとして充実した内容になっている。奈緒のコメディセンスは同世代の女優の中でも際立っています」
続いて名前が挙がった主演女優は、さまざまな意味で今後が注目されるフジテレビ系月9ドラマ『119エマージェンシーコール』の清野菜名だ。
「約2年ぶりの連続ドラマ出演となった清野菜名にとって、今作は『月9』枠およびゴールデン帯のドラマ初主演となる。彼女が演じる粕原雪は横浜市消防局司令課3係の指令管制員で、時に業務を超えて市民に寄り添ってしまい、上司とぶつかってしまう。そんな正義感の強い女性を熱演し、初回から視聴者の評判は上々。まだ撮影も中盤というところで、フジテレビ問題の影響で撮影協力していた横浜市消防局の表記が削除され、フジの会見中継が長引いたことで第3話が放送延期になるなど局のトラブルに翻弄されているが、それに負けずに頑張ってほしいところです」
さらに、2月1日から始まるNHK土曜ドラマ『リラの花咲くけものみち』に主演する山田杏奈も大いに期待できるという。
「本作は、北海道の大自然を舞台に『いのち』と向き合い獣医師を目指す獣医学生たちの6年間を描いた物語。山田が演じるのは、元ひきこもりで不器用な獣医学生の少女です。山田は若手女優のなかでも屈指の実力派。まったくジャンルや役柄は異なる作品ながら、同じ北海道を舞台にした映画『ゴールデンカムイ』のヒロイン・アシリパ役が高く評価されただけに、彼女の演技に刮目したい」
(文=佐藤勇馬)