井ノ原快彦のバトンを受けGP帯連ドラ主演をゲットした相葉雅紀、背景にある“期待度”とは

6月11日の放送でシリーズの終了を迎えた元アイドルグループ・V6の井ノ原快彦主演のテレビ朝日系連続ドラマ『特捜9』だが、7月期の同じ水曜午後9時枠で井ノ原の所属事務所の後輩にあたる嵐の相葉雅紀と大森南朋、松下奈緒がトリプル主演を務める『大追跡~警視庁SSBC強行犯係~』が放送される。
『特捜9』は、2017年に亡くなった渡瀬恒彦さん主演の『警視庁捜査一課9係』から通算20シーズンにわたり放送されてきた。
そうした中、『大追跡』は同放送枠では10年ぶりの新シリーズとなり、さらに09年に警視庁に新設された分析・追跡に関して最先端の捜査を行う専門部隊であるSSBC(捜査支援分析センター)が舞台となる。
先日には井ノ原から相葉らへのバトンタッチ会が行われたが、相葉は井ノ原からのバトンを受け、「子供の頃からずっとお世話になっている先輩方から引き継いだバトンにはプレッシャーも感じますが、全力で挑むだけだなと思っています!」と意気込んだ。
相葉にとって民放連ドラの午後7時~11時枠のゴールデンプライム帯(GP帯)の主演は、17年のフジの“月9”ドラマ『貴族探偵』以来8年ぶりとなるが、テレビ誌ライターは語る。
「『貴族探偵』は全11話の平均世帯視聴率は8.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と微妙なところでしたが、フジではそれ以前にも池井戸潤氏原作の小説をドラマ化した、15年の“月9”ドラマ『ようこそ、わが家へ』に主演。こちらは全10話の平均世帯視聴率が12.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)と善戦しています。もっとも、『貴族探偵』以降の連ドラ主演に関しては、18年放送の『僕とシッポと神楽坂』、21年放送の『和田家の男たち』、23年放送の『今日からヒットマン』と、いずれも同局の金曜午後11時15分スタートの『金曜ナイトドラマ』枠でした」
そんな相葉をここに来て人気ドラマシリーズの後を受ける自局のGP帯の連ドラ主演に起用したテレ朝だが、その背景にはどんな思惑があるのだろうか?
「相葉さんは13年から同局で日曜午後6時から放送されている冠バラエティー番組『相葉マナブ』のMCを務めています。野外ロケが中心で主にゲストと料理を作りながらトークするというゆるい番組ですが、このところの視聴率はゲストによっては8%台を記録。同時間帯では日テレの報道番組『真相報道 バンキシャ!』に続く2位の視聴率を獲得することもたびたびあります。過去の連ドラ主演の実績に加えて、こうした貢献度の高さもあってテレ朝は新たな刑事ドラマの主演に相葉さんを起用したのではないかと業界内ではもっぱらです」(同テレビ誌ライター)
もっとも、近年同局の水曜午後9時枠の視聴率に関しては地盤沈下が目立ち、『特捜9』のファイナルシーズンの全10話の平均世帯視聴率は8.1%と、『警視庁捜査一課9係』時代から放送されたシリーズの中でもワーストを更新してしまった。
「相葉さんたちの今回の主演ドラマも正直、そこまで視聴率は期待できずコケてしまう可能性もあります。それでも、これまでは刑事たちが現場で捜査する刑事ドラマが大半。その点では新たな視点なので、ハマればシリーズ化できそうです」(テレ朝関係者)
芸能ジャーナリストの竹下光氏はこう話す。
「『警視庁捜査一課9係』時代からシリーズを重ねて長年視聴者に愛され続けてきた『特捜9』の後番組ということで、やはりスタートダッシュがカギになるでしょう。NHKの朝ドラや大河と同じように、前番組を見ていて視聴習慣のある視聴者のハートを初回放送でいかにキャッチできるかがポイントになりそうです。『特捜9』の井ノ原さん同様、相葉さんも年配視聴者層の好感度は高い俳優ですし、演技派として鳴らす大森南朋さんと松下奈緒さんが作品に重厚さをもたらしそうで、前評判以上に善戦するかもしれませんよね」
7月期の民放連ドラでは、相葉以外の「嵐」のメンバーの櫻井翔も日テレ系『放送局占拠』、松本潤もTBS系日曜劇場『19番目のカルテ』にそれぞれ主演するが、2人のドラマとの視聴率対決も大きな注目を集めることになりそうだ。
(取材・文=サイゾーオンライン編集部)