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高市早苗“冒頭解散”の裏側 統一教会と週刊誌が暴く政権の深層

高市早苗“冒頭解散”の裏側 統一教会と週刊誌が暴く政権の深層の画像1
高市早苗(写真:GettyImagesより)

<今週の注目記事>
1「安倍銃撃当日 高市最側近(佐藤啓副長官)は統一教会集会に招かれていた」(「週刊文春」1月22日号)
2「紅白出場ME:I(加藤心・25)が告白140分『事務所に病気をでっち上げられ、追い出されました』」(「週刊文春」1月22日号)
3「栃木県立高校“悪ガキ”暴力動画拡散でネット民の歪んだ正義」(「週刊新潮」1月22日号)
4「沢尻エリカ(39)の新恋人は『14歳年下で離島在住』」(「FRIDAY」1月30・2月6日号)
5「ドンロー・ドクトリンの本性」(「ニューズウィーク日本版」1月20日号)
6「前橋ラブホ市長再選! お相手課長の母が『残念です』」(「週刊文春」1月22日号)
7「『人間のクズ』山中竹春横浜市長の大暴言を部下が実名告白」(「週刊文春」1月22日号)
8「追悼 久米宏さんは『視聴者がテレビに熱狂した時代』の象徴だったぜっての」(「週刊ポスト」1月30日号)
9「『伊藤忠』『イトーキ』『デンソー』『TBS』投資家必読 企業の将来性が分かる『統合報告書』の読み方」(「週刊新潮」1月22日号)
10「楽天三木谷浩史会長が新興セレブを訴えた」(「週刊新潮」1月22日号)
11「水戸ネイリスト殺人 元カレが告白『元夫のDV』『悲願のサロン開業』」(「週刊文春」1月22日号)
12「高市“孤独の総選挙”で自民最大270議席超え衝撃データ」(「週刊ポスト」1月30日号)

 さあ、衆議院選が始まるぞ! 今度の選挙を一言でいえば、「高市早苗の身勝手解散」。この寒い中、ふざけた話である。期間は短い、豪雪地帯は投票に行くのも大変だ。

 昔、森喜朗が首相の時、「有権者は寝ててくれればいい」と発言して批判が巻き起こり、森が辞任を余儀なくされたことがあったが、そのことを思い出した。

 高市首相は、この寒さの中でやれば、投票率は低くなるに違いない。そうすれば自民党のように組織票を持っているところが強い。

 そうした薄汚い下心があると見た。

 自民党内でも、解散することを知らされていなかった麻生太郎副総理や鈴木俊一幹事長らが怒っている、という報道もあるが、解散は首相の専権事項だからどうにもできない。

 立憲民主党の野田佳彦代表は、自民党と手を切った公明党と「中道改革連合」などという古臭い名称の新党をでっち上げたが、有権者、特に若い層には「中道って何?」だろう。

 公明党の持っている創価学会票目当てが見え見えだが、野田に対する期待感がゼロなのだから、現状維持がせいぜいだろう。

 第一、 野田は民主党をぶっ壊した“戦犯”だから、早く引っ込んで、もっと若い人に譲るべきである。

 かくして、「ポスト」が予測しているように、今のところ高市自民党が惨敗する理由は、残念ながら見当たらないから、このままいけば自民党単独過半数も絵空事ではない。

 ポストは選挙情勢分析に定評がある政治ジャーナリスト・野上忠興と協力して、全289の小選挙区の情勢を詳細に分析したという。すると、政権枠組みさえ変わりうる衝撃の結果となったというのである。

 野上忠興がこう語っている。

「高市政権は積極財政や外国人規制強化といった国民民主や参政党の主張を政策に取り込むことで、自民党から離れていた支持層を奪い返しつつある。今、選挙をやれば自民党の得票は岸田政権時代の21年総選挙で得た選挙区2700万票、比例2000万票まで回復する可能性は十分ある」

 公明党の連立離脱で自民党は同党との選挙協力で得てきた1選挙区あたり「1万~3万票」を失うと見られている。小選挙区の戦いで自民候補にとって大きなマイナスになるはずだ。

 立憲民主の野田代表が公明党に選挙協力を申し入れたのもその集票力に期待したからであること、いうまでもない。しかし、

「これまで自民党候補に上乗せされていた公明票が丸ごと対立候補に回れば、多くの自民候補はたちまち苦戦に陥る。しかし、公明党の選挙のやり方は、投票の何か月も前から支持者の政治勉強会などを開いて推薦する候補者の政策や名前を周知させていく手順を踏む。そのため自民党議員と公明支持者には太いパイプができている。それをいきなり次の選挙でこれまで対決してきた立憲民主党に投票するように呼びかけても方向転換は難しい。事実上の自主投票になる選挙区が多いのではないか」(野上)

 そう分析して、各党の議席を予測した。

 その結果は、自民党は単独過半数を大きく上回る244議席を獲得、最大271議席もあり得るという予測が出た。前回総選挙(自民191議席)より最大80議席増という大勝だ。

 与党となった維新は微減(31議席)。野党側では立憲(113議席)と公明(16議席)は選挙協力で合意しても大きく減らしそうだという。一方、前回躍進した国民民主(25議席)はほぼ現状維持だが、現有議席3の参政党(15議席)は5倍増と予測された。

「超短期決戦で各党とも準備不足のなか、いわば自民党の一人勝ちの情勢です。高市首相が政策面で国民民主や参政のお株を奪い、両党の勢いを吸収していく」(野上)

 私は、そんな馬鹿な、といいたいが、このところの週刊誌の議席予測はかなり当たっている。残念なことだが。

 次は文春の水戸のネイリスト殺人事件。

 昨年大晦日の夜7時過ぎ。家族水入らずの年越しを過ごすため、4歳上の妻・小松本遥さん(31)が待つはずのアパートに帰宅した夫が対面したのは、変わり果てた彼女の姿だった。

「首の刺し傷は右側にあり、動脈まで達していました。頭部には鈍器で殴られた複数の傷があり、両腕には抵抗した際にできたと見られる切り傷や打撲痕が十数カ所あった。死因は外傷性ショック。茨城県警は何者かが複数の凶器を準備し、強い殺意を持って襲ったと見ています」(社会部記者)

 文春によれば、突如降りかかった悪夢にもがきながら必死に彼女が守ろうとしたのは、お腹の中に宿る新たな生命だったという。

 彼女は茨城県で生まれた。彼女の夢をサポートし続けてきた元交際相手のAは、こう語っている。

「彼女は若い頃から、ずっと苦労を重ねてきました。本当に頑張り屋さんで、ようやく自分の夢を実現させることができた。これからの人生だったのに。それなのに……悲しいですよね」

 自分自身について多くを語らない遥だったが、時折、辛い過去について明かすこともあったという。

「彼女は二十歳くらいの頃に年上の男性と結婚しているのですが、結婚生活は長く続かず、夫からのDVに悩まされていました。『思った人とは違かった』って。結婚一年後には警察と弁護士に相談し、離婚に向けた協議を経て『ようやく別れることができたんだ』と口にしていました」(同)

 かねてから美容に興味があった彼女がAに「ネイリストを目指す」と宣言したのは、いまから3、4年前のことだったそうだ。

 実家に帰り、スクールの学費とネイルサロンの開業資金を貯めるために、彼女は大工町(水戸市内の繁華街)で働き始めたという。

 彼女はAとの結婚を望んだが、Aにはその気がなかったため別れるが、その後も相談にのっていたそうだ。

 その後、水戸市内で三代にわたって畜産業を営む一家の御曹司と交際をスタートさせていたという。彼の経済的援助を受けた彼女は、夢の実現へと大きく動き出した。水戸市内に悲願のネイルサロンをオープンさせたのだ。

 昨年秋頃、彼女は再婚をしたが、その幸せが一瞬にして打ち砕かれた。

 捜査関係者が今後の捜査の展望をこう話している。

「遥さんが着用していた服などから採取された皮膚片や髪の毛と事件との関連を調べると共に、室内に残されていた彼女のスマートフォンの解析を進めています。彼女を取り巻く男性たちは当然、捜査対象になるでしょう」

 Aと別れて今の夫と知り合う前に、もう1人付き合っていた男がいるという。捜査の焦点は絞られてきているようだが、彼女の幸せな日々は二度と帰っては来ない。

 お次は、金持ち喧嘩するというお話。

 新潮によれば、大金持ちの楽天の三木谷浩史会長(60)が住む神奈川県逗子市の披露山庭園住宅地は相模湾を一望でき、その先には富士山が望める「日本のビバリーヒルズ」といわれているそうだ。

 そこは住民同士の約束事があるという。隣家との境界線に高い塀などを設けないなど、一帯は住民でつくる管理組合が管理し、「互いに干渉せず、何か問題が起きたときは話し合いで解決する」というものだそうだ。

 しかし、その紳士協定を破るものが現れたというのだ。

 新興の起業家がこともあろうに、三木谷の邸宅の前に規約すれすれの高さの建物を建て、三木谷の2階のゲストルームから海が見えなくなってしまったというのだ。

 それは怒るわな。三木谷は家が建築される前に、相手側に、「地域の精神に立ち、設計を見直してほしい」と書簡を送り、相手側も「お互いアイデアを出し合って、問題を解決したい」との回答があったというのである。

 三木谷側は相手側に設計図書を提出するよういっていたのだが、言を左右にして提出を拒み、その間に建設は進んでいったというのだ。

 その相手というのは、パンケーキブームの火付け役になったレストラン「bills」などを運営するトランジットホールディングスの大株主TGOHDの中村貞裕代表取締役だそうだ。

 この家、周囲の住民たちの評判も悪いという。

 三木谷は昨年10月に、中村の建てた別荘の一部撤去と1億9000万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴したそうだ。

 中村側も徹底的に争うようだ。まあ、私のような貧乏人たちが住む家からは電柱と電線しか見えないから、こんな揉め事は起きないが、確かに「景観」が壊されるのは許しがたいのだろうな。

 これを読む限り、三木谷のほうに理があるように思えるのだが……。

 さて、統合報告書といわれても、私にはまったくピンと来ない。

 三菱UFJリサーチ&コンサルタントのレポート(2025年10月1日)によるとこうだ。

《統合報告書の役割は、財務年度と同じ時間軸で非財務も含めた企業の取り組みと成果を示すことと、中長期の社会変化を見据えた企業を取り巻く機会とリスクの双方を明らかにし、それらへの対応を通じた将来的な企業価値の可能性を表現することにある。

(2) 統合報告書における企業の「攻めと守り」

上述した統合報告書の役割を踏まえて企業の支援にあたっていると、「そのような内容を示すにはどのような要素が必要なのか」という声がしばしば上がる。統合報告書の作成にあたっては、各種ガイドラインや投資家からの要望、外部評価機関等が期待をする観点など、参照できる情報が数多く存在する。企業はそれらを踏まえて社内外の情報を集め、状況に応じて取捨選択することで「自社独自」の企業価値を見い出していく。つまり、企業ごとに正解が存在するが、一方で共通の解はないといえる。 統合報告書を発行する目的は、総合的な企業活動を投資家などの読者に伝えることである》

 これを読んでも私にはよくわからないが、これをしっかり読むと、その企業の持続可能性が判断できるらしい。

 今は統合報告書ブームで、社長などがおざなりでない、経営者でなければ語れない具体的な洞察力のある話が盛り込まれているかどうかで、投資家には価値のある情報になるのだそうだ。

 たとえば、事務用品大手の「イトーキ」の報告書は優れているという。

「営業利益やROE(自己資本利益率)、PBR(株価純資産倍率)などの財務的な経営指標が向上していることをアピールした上で、従業員のエンゲージメントスコアの向上という、非財務面にも言及しています」(公認会計士の森洋一)

 読者はいざ知らず、私には理解できない用語や内容ばかりなので、ここで取り上げている優れた統合報告書を出している企業名をあげておくだけにしたい。

 関心のある方は新潮を買ってじっくり読んでください。

 「伊藤忠商事」「TDK」「野村総合研究所」「デンソー」「日本ペイントホールディングス」「丸紅」「SWCC」「オリックス」「富士通」「富士フイルム」そして「TBS」。これらの株を買っていれば安心なのか? そう簡単ではなさそうだが……。

 さて、久米宏が亡くなった。享年82。

久米宏の死は、みんながテレビに熱狂していた時代の終わりだ。

 こうビートたけしが週刊ポストの連載の中でいっている。

「それまでキャスターや司会っていうのは、NHKの高橋圭三さんとか小川宏さんみたいに、まじめにカッチリとした雰囲気でニュースを読むのが普通だったわけだけど、久米さんはアドリブに強くて、軽妙で親しみやすいうえに、権威にとらわれず言いたいことはズバズバ言うタイプだったからさ。

 久米さん自身が政治家と闘う気概を持っていたから、政治家のほうも久米さんの発言を気にしていたんだろうね。今でこそ久米さんは『キャスターの典型』みたいになっちゃったけど、その当時はものすごく新しかった。久米さんが作った司会者像が、その後のスタンダードになったんだよな」

 久米がテレビのニュースを革命的に変えたといわれる。特にテレビ朝日の『ニュースステーション』(現『報道ステーション』)では、時の首相でも怯むことなく舌鋒鋭く追及し、怒って帰ってしまった者もいた。

 久米に権力のチェックがメディアの使命だと教えてくれたのは、ラジオで一緒だった永六輔だったという。

 久米に2016年と17年にインタビューした朝日新聞の編集委員・後藤洋平が、1月14日付で、久米についてこう書いている。

《メディアを取り巻く環境は年々厳しくなり、久米さんがキャスターを務めていた時代に比べて、テレビでも出演者の自由な発言が減ってきたように感じる。記者がそう話すと、「今、テレビが不自由というのは思い込みかもしれない。政治の圧力も取りざたされるが、どちらかというと自己規制で、自分たちで手足を縛っているのでは」と返ってきた。

 そして、テレビも新聞も権力に対して堂々と厳しく批判すべきだ、とも。「朝日新聞は、たたかれ足りない。もっとたたかれたほうがいい。世間や政権からたたかれるってことはメディアの勲章ですよ。大まじめにそう思いますね」と言って、また笑っていた。》

 私が以前からいっているように「タブーをつくるのはメディア自身」なのだ。

 私は、久米と1回しか会ったことはない。たしか、久米に女性問題があり、その女性が自殺未遂をしたと報じられ、『ニュースステーション』を謹慎していた時期(1981年頃)ではなかったか。

 女性問題でインタビューしたのではなかったが、テレビで見るのとは大違いで、ぶっきらぼうで、ろくに質問に答えてもらえなかった。今思えば、それも仕方なかったのだろうが、久米に対してやや幻滅したことを覚えている。

 わずか1カ月くらいで謹慎は解け、現場に復帰した。1992年2月には、ダイオキシン問題特集で、埼玉県所沢市の葉物からダイオキシンが多く検出されたと報じたが、実際にダイオキシンが検出されたのは茶の木の葉であったため、テレビ朝日が農家側に謝罪し、1000万円を支払うという“事件”も起こしている。

 しかし、2004年3月26日に『ニュースステーション』を降板するまで、報道番組の中では抜群の好視聴率で推移し、久米宏の名は後世まで語る継がれることになった。

 だが、TBSに入社してからは、挫折の連続だったようだ。アナウンサーになったが、激務と極度のあがり症から体調を崩し、結核を患ってしまった。

 番組に出てもうまくしゃべれず、番組潰しの久米というあだ名までついたという。

 久米は自著『久米宏です』(朝日文庫)の中で、影響を受けたのは永六輔と『コント55号』の萩本欽一と坂上二郎だったといっている。

 2人のコントを見ていると、「きーっ」とか「ケケケ」という叫び声を上げるだけで終わる。

「そのとき初めて気がついた。テレビはしゃべらなくても、映っているだけで成立するのだ、と。(中略)僕はそれをすべて言葉で説明しようとしていた。(中略)それ以降、僕はしゃべる量を極端に減らすようにした」

 永が『土曜ワイド』のパーソナリティーだった1970年代、午前9時から午後5時まで8時間、必死で聴いたという。そこで学んだことは、

「番組を送り出す人間は、自分自身の考えや主張をしっかり持って、それを曲げてはいけない」

 ということだったと書いている。

 その敬愛する永から番組に出ないかと誘われ、永が辞めた後の三國一郎の次に、番組のパーソナリティーになった。

 永が情報番組なら三國は教養番組。それなら自分は「娯楽番組」で勝負しようと決意したという。

 それが「久米宏の素朴な疑問」というコーナーで、リスナーから寄せられた疑問に、久米が片っ端から直撃電話を行うという企画だった。

「コンニャクにはうらおもてはあるのか?」「おねえさんからおばさんに変わる基準は?」「魚にも美人とブスはいるのか?」

 こうした番組内でアドリブでやるしかない状況に自分を追い込み、“当意即妙”久米流の司会術を身に着けたのだろう。

 久米は『ニュースステーション』で政治家を呼んで、ぶしつけな質問をして怒らせたり、憮然とさせたりすることがよくあった。

 先の本でこう書いている。

「ニュース番組である限りキャスターのコメントには一つの方向性が必要だ。どこに軸足を置くか。ひと言でいえば、それは『反権力』だ。

 メディア、特にテレビや新聞報道の使命とは、時の権力を批判すること以外にはないと僕は信じている。マスメディアが体制と同じ位置に立てば、その国が亡びの道を歩むことは、第二次世界大戦時の大本営発表を例に出すまでもなく歴史が証明している。現政権がどんな政権であろうが、それにおもねるメディアは消えていくべきだ」

 この久米の志は、今のニュースショーのキャスターたちは、誰も受け継いでいない。

 今という時代は、久米がキャスターをやっていた時代より、さらに政治が混迷し、右派勢力が台頭してきている危険な時代である。

 こういう時こそ、久米宏が必要なのに、彼はいない。残念だ。

 ところで、山中竹春横浜市長(53)の悪い噂は以前からあった。記者会見から気に入らない記者は排除するともいわれてきた。

 横浜市といえば人口約370万人。この大都市を差配する長(現在2期目)が、自分の悪いところは棚に上げて、パワハラを繰り返していたといわれても、さもありなんというだけだが、その酷さには改めて驚くしかない。

「他の人が言えないのなら私が公表するしかないと、告発を決意しました」

 文春にこう語るのは、横浜市役所で人事部長を務める久保田淳(49)。勤続約26年に及ぶベテラン幹部職員。実名・顔出しで告発するというのはよほどのことであろう。

 最初の暴挙は、2023年6月だったという。その日の翌週、外務省の職員が視察に訪れる予定があった。久保田は事前報告の必要がないと判断したが、これが山中市長の逆鱗に触れる。市長室で視察を知らされるやいなや、

「なんでそんな大事なことをもっと早く言わないんだ!」

 と机を叩きながら怒鳴り、持っていた紙を机に投げつけたというのだ。

「それまでの言動で気が短いことは知っていたので、『ついに出たな』と。同席していた政策局職員からは、『日本青年会議所会頭との大事な面会がその直後にあったから、気が立っていたんでしょう』と、後でフォローされました」(久保田)

 人事部長になると、昼夜を問わず携帯に電話が入ってきたという。

 職員の悪口もいいたい放題だったようだ。

「昨年退任した女性の副市長のことを、『バカ』、『ポンコツ』、『ダチョウ』と何度も言っていました。ダチョウは脳の大きさが小さいことから、“頭が悪い”と揶揄する意味合いです。別の副市長については、ある重要案件について市長の意に沿う動きができなかったために『人間のクズ』と評していました」(同)

 その対象は、部長や局長などにも及んだそうだ。

「男性の部長や局長について『スペックが低い』、『頭が悪い』と文句を言ったり、女性の部長が意に沿わなかったために『なんで50過ぎたオバサンたちに、こんなことまで市長が教えなきゃいけないんだよ』と悪態をついていたこともありました。こうした暴言は、ひどいときには30分くらいネチネチと続いた。それを聞かされているうちに、だんだん『自分も同じように陰口を叩かれているんだろうな』と考えてしまって……。安心して仕事ができる環境ではありませんでした」(同)

 パワハラかどうかも含めて、身内の人間が会見を開いてまで、上司のパワハラと思える言動をバラした時点で、市長失格であろう。

 山中市長はこの後の16日、会見を開いて一部を認め、謝罪した。しかし、「容姿や外見に関する誹謗中傷は行っておりません。事実ではありません。事実関係として、私が承知していない、認識していない発言が、一方的に公表されたことは大変残念」と反論もしたが、遅きに失したというべきだろう。

元木昌彦

編集者。「週刊現代」「FRIDAY」の編集長を歴任した"伝説の編集者"。

元木昌彦
最終更新:2026/01/20 15:00