高市政権を揺るがす43分音声、阿部慎之助事件、AI親子関係の衝撃――元木昌彦のスクープ週刊誌
お次もスポーツ界の話題だが、こちらはサッカーワールドカップの景気のいい話だと思ったが、FRIDAYの記事は相当手厳しい。
5月31日に行われた大会前最後の国際親善試合の相手は、はるか格下のアイスランドだった。それにもかかわらず1−0の辛勝。
半世紀以上にわたり日本代表を見守ってきたサッカー解説者・セルジオ越後は「今回の試合、点が取れる気配がなかったでしょう?」と手厳しく批判したようだ。
「僕が気にしてるのは、メンバー26人中、ディフェンダー登録が9人もいること。これじゃ、何とか1点獲ってあとは守って守って守ります、って言ってるようなもん。もっと中盤や前線に枠を割いてもよかったんじゃないかな。少なくとも守田(英正・31)は呼ぶべきだったと思う。
アイスランド戦では瀬古(歩夢・25)を中盤の底、アンカーで試したし、板倉(滉・29)も中盤はできるけど、便利屋のミッドフィルダーで勝てると思っているならW杯を舐めてるとしか考えられないよ」
今大会は参加国が32ヵ国から48ヵ国に増え、決勝トーナメントはベスト32からスタート。3ヵ国共同開催のため、スタジアム間の総移動距離は過去最長となる。選手の負担も半端ではない。
セルジオ越後は、
「一度もベスト16の壁を破ってない国が甘い言葉で強くなるはずないんですよ。逆に、それだけ日本の可能性を信じてるんです」
と笑顔になる場面もあったというのだが。
可能性だけで勝てるほど、W杯は甘くはないと、私も思ってはいる。野球のWBCも準決勝にすら進めなかった。
サッカーW杯はどうなるのか?
ところで、阿部の事件で、大きくクローズアップされたChatGPTだが、もはや、多くの子どもは、親や教師などに相談事などせず、AIが最優先の相談先になっている。
そこに危険はないのか? 新潮が、その迷宮に切り込む。
ChatGPTがネット上で誰もが無料で使えるようになったのは2022年からだが、それ以来、AIは子どもたちを支配し、令和の親子関係に劇的な変化を起こしつつあるというのだ。
都内の、親からのDV被害に遭った子どもを一時的に保護する民間の自立援助ホームで働く女性スタッフがこう話す。
「ここ3、4年で大きな変化が起こっています。ずっとスマホを手に画面を見て、部屋に引きこもる子が多くなりました。阿部前監督の娘さんのように、何かとチャットGPTに頼っているみたいで、どんな服や靴を買ったらいいのかといった日常の相談なども、AIに尋ねる始末です」
桃山学院大学経営学部の小嶌正稔教授も、ここ数年で学生の姿は様変わりして、スマホとペットボトルだけを手に教室へやってくるという。
大学の研究棟でも、学生の姿が見られず、質問などもネットで送られてくるそうだ。
しかも、レポートなどの課題作成でもAIは暗躍しているそうである。
「ネットで見つけた論文の一部を写して提出する学生はいましたが、最近はAIを使い最初から最後までしっかりした構成になっている。これが非常によくできているので、学生に直接プレゼンをさせてみないと本当に理解しているのか見極めが難しいのです」
宿題に全問正解した生徒に、理解度を試す質問をしたら、自分の言葉で説明できないこともままあるそうだ。
医学部予備校「レユシール」の講師代表を務める片山湧斗は、
「AIという“劇薬”は、考えるプロセスをスキップして答えを提示するので、子どもたちの創造力や思考力の成長に大きな支障が出ないかと非常に懸念しています」
と話している。
懸念どころか、創造力や思考力のない連中ばかりになるのだろう。
それこそ、この世の中は、自分で考える力を失った「バカと阿呆」ばかりになる。
子どもとネットの関係に詳しいミヤノモリ・ラボラトリー代表取締役の高橋大洋はこういう。
「生成AIは、こちらが与えた最初の質問や指示を基に計算を開始して、ネットで集めた言葉のパターンの中から、最も平均値に近い答えらしきものを組み合わせ回答しているに過ぎません。彼らは人間と違い平気で間違いを作り上げる無責任な存在です。子どもには“あなたの人生を一緒に歩んでくれる友人ではない”とハッキリ伝えてください」
しかし、と私は思う。いじめる学友や、子どものことなんか振り向きもしない両親などに相談できないことを、AIになら相談できるという子どもは確実に増えるだろう。
女房について相談できない悩み事を、こっそりAIに相談する中年のオヤジも増えるに違いない。
ダッチワイフにAIを組み込んで、性の悩みにも答えてくれる「恋人」も出てくるに違いない。
そうした流れを食い止める方法などないのではないか。その解決方法をAIに聞いてみようか。
さて、高市首相には「あれどうなったの?」ということばかりだが、中でも、先の衆院選で消費減税を国民に約束し、「消費減税は悲願」とまで訴えていたのに、春に行われた自民党大会でも消費減税について言及しなかった。
新潮は、財務省が財政規律を重視し、消費税減税には一貫して反対の立場で、税率ゼロなんてもってのほかだという。
そのため高市首相は財務省に「激怒している」というのだが、高市首相のほうが無理筋ではないのか。
高市首相の怒りは激しく、矛先は財務省の人事にまで介入しようとしているというのである。
財務省のエースと称される宇波弘貴主計局長(61)を「抵抗勢力の中心人物」とみなして、官邸は夏の人事で宇波を外し、同期の青木孝徳主税局長か91年入省の坂本基官房長を据えるのではないかといわれているそうだ。
このところ、マスコミの報道の仕方にまで神経を尖らせているという。
だが、消費税ゼロへの壁は「レジPOSシステム」にもある。仮に消費税がゼロになると、システムの改修に9カ月ほどかかるという。
だが1%なら、そう大きなシステム改修はいらないため、今は1%が有力だというのである。
だが、どちらにしても、高市首相にとって“重大事”なのは、来年4月の統一地方選挙までに、食品の消費税減税をやらないと、選挙に大敗する恐れがあるということだ。
そうなると、遅くても秋の臨時国会で税制改正法案の提出を目指さないと間に合わない。
だが、一緒にやるはずの片山さつき財務相も、最近は、高市首相とはそりが合わないようだ。
元財務官僚で法政大学教授の小黒一正がこういっている。
「2年間の時限措置だと言っていますが、本当に予定どおり税制を元に戻せるのでしょうか。最後は政治判断ですが、一度減税を経験した国民の側には、税率を引き上げることへの強い抵抗感が生まれるはずです。日本はすでに債務残高のGDP比がOECD諸国の中でも突出して高い水準にあります。今後も社会保障費の増加や防衛費の増大が見込まれるなか、仮に税率の引き下げが長期化すれば、財政への信認が揺らぎ、長期金利への上昇圧力が高まる懸念もあります」
まあ、高市首相としては、先のことなど知ったこっちゃない。目先の減税をやり、その勢いで「憲法改悪」に突き進もうというのが本音だろう。
在任中の「目玉」を何とかしてつくりたい。歴史に残ることをしたい。そういう考えに凝り固まった高市首相に、何をいっても無駄なようである。
ところで、高市首相の号令の下、皇室典範改正が一気に進むという観測が流れているが、2案のうちの「旧宮家の男系男子が養子として皇室に入る案」に対して、「門地(家柄)による差別」などと疑問視する声が多く出ている。
毎日新聞(6/7 07:00)は、皇室の歴史や制度の調査研究を担う宮内庁書陵部で32年間にわたり、研究職を務めた鹿内浩胤(ひろたね)をインタビューしている。
《旧宮家を対象とした養子制度の創設は、国民の中に特定の家柄による特権的な階層を恒常的に生じさせる懸念をはらんでいます。養子縁組は互いの自発的な合意が前提なのに、対象者がいるかどうか具体的な見通しもありません。
懸念を残したまま枠組みだけを先行して作ることは、制度を空文化させるリスクが高いと考えます。結果として「養子に行く人も、受け入れる皇族もいなかった」となれば、議論に費やした歳月は無に帰します。
出口のないトンネルを掘り進めるような無責任な立法や制度設計は、将来にわたる法的な混乱を招く恐れがあります。歴史の審判に堪えられない。
「枠組み先行」は、皇室に対する不誠実の極みではないでしょうか。制度の永続性と実務上の実効性という観点から疑問です。》
今回、皇室典範が改正されても、秋篠宮悠仁さんが将来、天皇になることは決まっている。
だがポストは、「悠仁さまが将来、重責を担うことになると考えられるなかで指摘されているのが、天皇となるための『帝王学』の習得が足りていないのではないか、という懸念」を特集している。
日本近現代史が専門の小田部雄次静岡福祉大名誉教授がこういっている。
「皇位を継ぐための準備よりも大学生活を優先している印象です。成年式以降、時折ご家族と公務に臨まれていますが、同じ年齢の頃の上皇さまや今上陛下と比べると経験値が少ない印象です。原因の1つは上皇さまや今上陛下が受けられたものに匹敵する帝王学を受けておられないからという背景もあるのではないか」
皇室ジャーナリストの神田秀一もこう話す。
「今上陛下は幼少時に東宮侍従長から皇太子としてのあり方を学ばれたほか、当時皇太子だった上皇陛下と毎週土曜夜に昭和天皇を訪ねる『定例ご参内』が開かれていました。夕食をともにしながら様々な話を聞き、直接学ばれたことで、昭和天皇の『国民とともに歩む』という皇室の基本が引き継がれているわけです」
悠仁さんも伊勢神宮や戦跡訪問など皇族としての歩みを進めているが、「父子相伝」の帝王学とは質・量とも異なるとの指摘もあるそうだ。
「皇位継承を前提に上皇陛下から帝王学を授けられた長男の今上陛下と、次男の秋篠宮さまが受けた教育の違いから、直接の父子相伝は難しいのかもしれません」(同前)
さらに、皇室の歴史に詳しい宗教学者の島田裕巳は、悠仁さまが置かれた地位の“曖昧さ”を指摘している。
「皇位継承順位は2位ですが、皇嗣である父の秋篠宮殿下が即位しない限り皇太子にはなりません。さらに天皇家ではないため陛下との公務が少ないことが、悠仁さまの皇位継承に向けた準備が進んでいないように見える大きな要因と言えます」
さらにポストは、そもそも秋篠宮が自身や悠仁さんの皇位継承を望んでいないからではないか、と指摘する新道学者で皇室研究者の高森明勅の言葉を引用する。
「皇太子不在の現在、帝王学は宙に浮いた状態と言えます。秋篠宮殿下が皇嗣となられた際、天皇皇后両陛下を中心とする『内廷』に入り、秋篠宮家の名前をなくすかたちになる可能性もあったが、秋篠宮殿下がそれを望まれなかったといいます。殿下が秋篠宮を名乗り続けることを選ばれたのは、あくまでも自分は内廷外の皇族であるとのこだわりがあるからではないでしょうか」
そうした考えは、過去の誕生日会見での発言からも窺えるという。
「秋篠宮殿下はこれまで記者から何度も『(悠仁さまに対して)どのような帝王学を授けるのか』という趣旨の質問をされていますが、どんな質問にも正面からお答えになる殿下にしては珍しく、『姉たちと同じように』などの言い方をされています。『これは帝王学ではないよ』というエクスキューズのお答えのように感じられます」(同)
これまでの秋篠宮の一連の発言について、高森はこう見ているようだ。
「皇位は直系で継承されるべきというお気持ちがあるのではないでしょうか。そもそも秋篠宮家は『ジェンダー平等』について深い理解を持っておられます。秋篠宮家を支える皇嗣職について、従来の男性を侍従、女性を女官とする区別をやめ、男女とも『宮務官』に統一する改革も実行されています。将来、愛子天皇が実現することを自然な流れと受け止めておられるのではないか」
高森は「愛子天皇」容認派だから、割り引くとしても、私も、秋篠宮は息子の前に兄の長女である愛子天皇を考えているように思える。
ポストが宮内庁に聞くと、秋篠宮家で帝王学にあたる教育が行なわれているのかについては「帝王学とはいかなるものかについては、承知しておりません。悠仁親王殿下は、大学では授業に出席されるほか、色々な活動をなさっておられます」と答え、秋篠宮が悠仁さんの皇位継承に対してどう考えているのかについては、「承知していない」(総務課報道室)との回答だったという。
ポストはこう結ぶ。
「伝統を次の時代に繋ぐために、何が必要なのか。皇室の未来のために重大な問題を考える時間は、決して多く残されているわけではない」
こうした重大な問題を、十分な議論を尽くさず、拙速に改正へと突き進む高市首相は、皇室の未来などどうでもいいことのようである。
お次は現代から。
旧安倍派の裏金問題は、何やらうやむやになり、真相はわからないまま消滅したという印象だ。
その中でも大きな役割を果たしたであろう萩生田光一は高市政権で復活を遂げた。
しかし、この裏金問題は終わっていない、検察は裏金問題を矮小化するべく、裏金議員、ヤメ検たちと企んでいたと、現代記者の宮下直之が告発している。
由々しき問題だが、失礼だが、宮下記者の書き方がわかりにくく、何度繰り返し読んでも頭に入ってこないのである。
これは彼が悪いのではなく、こちらの思考力が鈍っているからだろうが。
3月に結審した自民党の大野泰正元参議院議員の裁判の判決が、6月23日に東京地裁であるそうだ。
大野は、約5154万円の裏金を作ったとされ、元政策秘書と共に東京地検特捜部によって政治資金規正法違反で起訴された。
2025年9月の法廷で、証人尋問に臨んだのは、大野が所属していた派閥、清話政策研究会(旧安倍派。2025年6月に解散)の事務局長だった。
「実は検察側は捜査の終盤で、裏金議員側に『確認書』と呼ばれる書面を書かせていた。その作成作業を担ったのが事務局長でした。彼は法廷で、確認書について問われ『検察の示唆で作った』という趣旨の発言をしたのです」(傍聴人)
発覚当時は、議員による脱税や、派閥による組織的な資金作りの可能性も取りざたされたが、結果的には「収支報告書への記載ミス」という形式的な犯罪に矮小化されていった。
だがその裏では、検察が清和研の事務局長に働きかけ、裏金議員側に「確認書」を書かせていたのだ。
東京地検特捜部はキックバックのカネが、清和研と議員側それぞれの政治団体に明記されていなかった点に注目する。
政治資金として正しく記載する義務を怠ったとして、政治資金規正法の「虚偽記入罪」に問えると判断したのだ。
しかし、裏金は現金でやり取りされ、どの政治団体の収入にも該当しないカネだったため、清和研から特定の団体への寄付という建付けにしようとしたと、ヤメ検の郷原信郎弁護士は指摘する。
しかし、キックバックは、収支報告書に記載しない裏金として渡されたものだったので、会計責任者も議員も、どの政治団体の収支報告書に、寄付として記載すべきか認識していなかった。
故意でなければ、少なくとも議員側を虚偽記入罪で立件するのはハナから無理筋だったというのである。
従って、東京地検特捜部が有罪を立証するためには、「清和研からのキックバックは、X議員のYという政治団体に宛てた寄付だった」とカネの趣旨や流れをはっきりさせる必要があったというのである。
そこで登場したのが「確認書」だった。
宮下記者は、全ての確認書を入手したという。
このような書類に議員側がサインして提出したら「供述書」になると、反対した議員がいたというが当然であろう。
だが、これは清和研から来た確認書で、渋る議員たちに、清和研の意向を汲んだヤメ検たちが訪ね、説得にあたったというのだ。
こんなおかしいことが実際行われていたのだろうか。検察と議員側が組んだ「茶番」ではないか。
結果、裏金を寄付とみなすことで、収支報告書への記載ミスに罪を矮小化したのは、検察の判断だったという。
だが、大野の裁判で、「キックバックは寄付か否か」の判断が下されるという。
判決によっては、裏金事件解明が振出しに戻るという可能性があるというのだが、私は悲観的である。ともあれ、判決に注目しよう。
今週の最後の特集は、文春が連続追及している「高市陣営がつくった中傷動画」スクープの第5弾である。
文春砲の連続砲撃を受けて、高市首相は“撃沈”寸前。つじつまの合わないことを口走り、眉間にはしわが寄り、まさに鬼の形相。高市断末魔である。
今回のスクープは、動画作成者と高市首相の公設第一秘書・木下豪志(高市早苗事務所所長)との、ZOOMを通した「43分の音声」である。
実際の音声は文春電子版で聴ける。
しかし、この中で、木下がはっきり中傷動画作成を指示しているわけではない。
例えば、
「やっぱり、デジタルとアナログのコラボレーションで精度を上げていくということだと思うので……」
「マスコミはやらないわけなんです」
「陳腐なオールドメディアがやる、恣意的な……」
という言葉はハッキリ聞けるが、こうした中傷動画を作ってくれと注文を出しているわけではない。
だが、“中傷動画”の作成者で起業家の松井健らと会話している声の主が誰かは、知っている人間なら判別はつくはずだ。
だが、錯乱したかのように、高市首相は国会での質問に、真正面から答えず、逃げ回ってばかりいる。
スポーツニッポン(6月6日付)でみてみよう。
《週刊文春電子版が3日、動画を作成したという男性と首相の公設第1秘書がオンラインで行ったとする会議の音声を有料で公開。首相はこれまで「動画の作成・拡散を第三者に依頼したことはない」「私自身も秘書も(男性と)面識がない」と完全否定してきた。
この日は立憲民主党の岸真紀子氏が「音声データは公設秘書の声ですか」と質問。首相は音声を確認したとした上で「秘書かどうか、あのような音声で確認するのは難しゅうございます。私と会話しているときよりも、かなり高い声でハキハキとしゃべっていたので違和感がありました」と返答。「秘書本人に確認したか」とさらに問われると「非常に多くのオンライン会議がある。一つ確認できたのは、ある団体からのお誘いで参加したオンライン会議(があった)」などと答え、「週刊誌の記事を基に、(動画を)作成したと決めつけられるのは大変心外でございます」と岸氏をにらみつけながら語気を強めた。
岸氏は首相の答弁姿勢に納得がいかなかったようで、審議は何度も中断。委員長席に与野党の理事が集まって協議する場面が続き、そのたびに議場は騒然とした。
音声データについては前日4日の衆院予算委でも扱われ、首相は「(自分を批判する)週刊誌の有料会員になることを拒否します」と答えていた。
午後も野党の追及は続いた。共産党の山添拓氏が「音声について秘書の方に確認なさったんですか」と再度尋ねると「(秘書に)なぜ私が有料会員にならなければいけないんですかと、キレられましたよ」と、秘書も文春の有料会員になることを嫌がったと話した。山添氏は苦笑いしながら「秘書ご本人に確認した上で、委員会に報告を求めたい」とした。
“ネガキャン動画”を作ったのか、男性と接点があったのかをはっきりさせるため、野党は秘書の参考人招致を要求。中道改革連合の小川淳也代表は記者会見で「首相の答弁で納得している国民はほとんどいない。首相の政治家、リーダーとしての資質の問題になりつつある」と指摘した。》
なぜ、秘書に“キレられた”などといわなくてはいけないのか?
それだけではない。
自由民主党の生稲晃子参議院議員(58)は、自らも、がんの罹患経験があり、がん患者の支援について尽力してきたとして、がん患者の治療と仕事の両立支援について高市首相に質問したところ、突然、
「私どもの事務所にも、すい臓がんのステージ4を告知されたのが去年でしたが、今も元気に働いている木下という秘書がおります」
と発言したのだ。
病気というのは重要な個人情報。それを、国会の場で実名を出したのだ。しかも、その木下というのは、今渦中の木下秘書なのだ。
深読みすれば、国会で証人喚問されれば、「木下は今ガンで入院している」と逃げを打つための布石だったのではないか。
ここまでくると、高市首相、気を確かにといいたくなる。
高市首相は松井という人間に、私も秘書も会ったこともないといい張っているが、実は、サナエトークンの時、週刊現代の取材には 木下が長文の回答書面を出していたことを、週刊現代編集長・臼杵明裕がポストして明らかにしている。
〈国会で週刊現代の「サナエトークン」記事を取り上げていただいたようです。また週刊文春さんの「中傷動画」スクープの件に対する答弁で、高市総理は「これは週刊誌の記事だから、まったく信用していませんが」とおっしゃったそうです。
せっかくなので申し上げておきたいのですが、われわれは編集長の私、記事の取材・執筆を担当しているジャーナリストの河野嘉誠さん(@Os01cs)、担当編集、みな実名を出して報じています。
取材をつくし、事実関係の確認を行い、裏付けがある部分と推測の部分は分けて書いています。誤りがあれば訂正する用意もあります。今回の報道に関しては、高市事務所の公設第一秘書の木下剛志氏から長文で回答書面をいただいていますし、その内容は紙幅の許すかぎり誌面上で紹介しています。
総理がみずから「週刊誌は(全体的に)信用できない」という印象を国民に与えるのはどうなのかなと感じましたので、野暮ですがわざわざ書いておきます。
また、高市総理は週刊現代に対して事務所から出した回答書面そのものが「事実ではなかった」ともおっしゃったそうですが、ならば事実関係をもう一度確認のうえ回答をいただきたいところです。お待ちしております。〉
当該の記事は現代4月27日号だろうか。サナエトークンについての現代からの質問に答えて、トークンをやるなどとは全く知らなかったといってはいるが、松井を知らないとはいっていない。
面識があったことは疑う余地がない。
この「誹謗中傷動画」スキャンダルは、故・安倍晋三が首相の時、森友学園問題が噴出し、「私や妻がこれに関わっていたとしたら、総理も議員も辞める」と発言し、その後、文書改ざんが行われた時と同じように思える。
だが、今回は、高市首相の周囲に、彼女の意をくんで動こうという人間はいないようだから、政権にとって致命傷になると、私は見ている。
石破政権より短命になるかもしれない。(文中一部敬称略)
(文=元木昌彦)
