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小島よしお、キッズ人気爆発から報道番組にも進出 再ブレイクの要因は「清潔感」と「伝え方」

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小島よしお(写真:Getty Imagesより)

 キッズ向けYouTuberとして再ブレイクしたお笑い芸人の小島よしおが、ニュース番組のコメンテーターや教育関連の案件などでも需要が高まり、活躍の場を広げている。小島が世間から求められている理由について、お笑い事情に詳しい芸能ライターが解説する。

 小島は2007年に「そんなの関係ねぇ」「はい、おっぱっぴー」のリズムネタで大ブレイク。「ユーキャン新語・流行語大賞2007」でトップ10入りするほどの人気となったが、ほどなく勢いは下火になり、一時は毎年のように「一発屋」「来年消える」と揶揄されていた。

 しかし、近年は得意のギャグを子ども向けにアップデートしたことでキッズ人気が爆発。コロナ禍で全国の学校が臨時休校となった2020年4月にYouTubeで「おっぱっぴー小学校」を開校すると、型破りな「授業」が面白いうえに分かりやすいと大評判になった。以降は子どもが集まるイベントでも引っ張りだこになっている。

 単なる「子どもウケ」にとどまらず、保護者たちからも好評なのが大きな特徴。海パン一丁でギャグを繰り出す芸風から、かつては「親が子どもに見せたくない芸人」とも呼ばれていたが、完全に評価が逆転した。

子どもや保護者にウケている理由

 なぜ小島は子どもはもちろん、保護者にまでウケているのか。大阪を拠点に活動する芸能ライターの田辺ユウキ氏はこう分析する。

「重要なのは、小島さんが『裸芸人』であること。本来であれば保護者から顔をしかめられるような存在です。それでも幅広く受け入れられているのは、清潔感があるからではないでしょうか。小島さんは2017年9月1日放送『スッキリ』(日本テレビ系)へ出演した際、子ども向けのネタが増えてきたことに配慮し、全身脱毛をしたとおっしゃっていました。2024年1月21日放送の『情熱大陸』(TBS系)でも、やはり清潔感を意識して脱毛に取り組んだとコメントしており、施術費用は40万円とのこと。

 小島さんは常々、自分の芸を通して『元気を届けたい』と話しています。でも清潔感がないと芸以前の段階で嫌悪され、届くものも届かない。かつては清潔感のなさもお笑いになっていましたが、今は『まつ毛より下の毛は不要』なんて言われている時代です。小島さんはそういう時代の流れをつかんだ上で、『裸芸とはそもそもどういうものなのか』『今の自分はまわりからどう見られているか』を分析して、活動していらっしゃると推察します」

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優れた「伝え方」が新たな強みに

 小島は再ブレイクの勢いに乗り、日本テレビ系報道番組『news zero』で1月~3月の木曜パートナーに抜擢され、先日は4月から開校する通信制高校サポート校のメディア向け発表会で1日限定特別講師となり、「挫折の乗り越え方」などについて入学予定の学生に講義した。幅広い分野で需要が高騰しており、講演会やトークショーのオファーも絶えない状況だ。

 この幅広い活躍について、前出の田辺氏はこう指摘する。

「小島さんはそもそも早稲田大学教育学部出身の高学歴芸人でもあり、しっかりとした教養の持ち主。さらにお子さんが誕生したことで、子育てへの関心を深め、情報をたくさん仕入れていると聞きます。関西では毎週金曜日に報道・情報番組『newsおかえり』(ABCテレビ)に出演し、社会に役立つキーワードを解説する『カテキョのピーヤ』というコーナーを担当しているのですが、ここでも子どもたちにもちゃんと伝わるようにいろんな問題や情報についてお話しされています。

 周りからの見られ方をよく考えているからこそ、教育や時事問題など慎重さが求められる発言をする際も大きなやらかしがない。『こういう発言をしたら、人はどう感じるだろう』ということを適切に判断し、発言や行動をされている気がします。なにか目的があっても、『伝え方』を誤ると届かない。小島さんはその点をしっかり考えて活動していらっしゃるのではないでしょうか」

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なぜ一発屋芸人の再ブレイク相次ぐ?

 近年は小島に限らず、永野、ジョイマン、なかやまきんに君、営業で全国的人気といわれるテツandトモなど、かつての一発屋芸人が以前と違った捉えられ方で再ブレイクする傾向が目立っている。その理由や背景について、前出の田辺氏はこのように語る。

「お笑いは『一発』を当てるのも難しい世界。一発屋ってネガティブな印象で使われがちですが、そもそもなんらかの才能があるから、一時的とはいえブレイクできたはず。才能はあるわけですから、再び脚光を浴びるのも決しておかしなことではない気がします。中でも、小島よしおさん、永野さん、ジョイマン、なかやまきんに君、テツandトモはいずれも『音楽ネタ』、もしくは『音楽を活用したネタ』でブレイクしたという共通点があります。

 これまでの一発屋を思い返しても、音楽ネタやリズムネタの芸人が多いですが、それは見る者として受け入れやすさがあるから。あと汎用性もあります。頭に残りやすいので、ブームが過ぎても長く親しまれますし、『この一発屋と言えばこのネタ』とすぐに思い浮かべることができます。

 特に小島よしおさん、ジョイマン、なかやまきんに君、テツandトモは営業に強いとされています。みんなが知っているネタを持っていることに加え、音楽ネタ、リズムネタはハズレが少ないので、営業で重宝されているのではないでしょうか。そうやって大きな強みや武器を一つでも持っていれば、テレビなどの人気に関しては一時的だったとしても、完全に廃れることはないのでしょう」

(文=佐藤勇馬)

協力=田辺ユウキ
大阪を拠点に芸能ライターとして活動。映画、アイドル、テレビ、お笑いなど地上から地下まで幅広く考察。

佐藤勇馬

1978年生まれ。新潟県出身。SNSや動画サイト、芸能、時事問題、事件など幅広いジャンルを手がけるフリーライター。雑誌へのレギュラー執筆から始まり、活動歴は15年以上にわたる。著書に『ケータイ廃人』『新潟あるある』がある。

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最終更新:2025/01/30 20:00