長谷川豊氏「上納」暴露で大反響も業界は冷ややか? フジ関係者「盛っているところある」
元フジテレビアナウンサーの長谷川豊氏が投下した“爆弾”が反響を呼んでいる。中居正広氏の女性トラブルを発端に大揺れとなっている古巣のフジテレビについて「上納文化はある」と断言。さらに自身も先輩アナの誘導で「上納」されたと明かしたのだ。
フジの内情を知る人物による「告発」と捉えられて注目を集めたが、騒ぎが大きくなると「ネタと思って話してます」などとトーンダウン。エピソードは事実で証拠となる日記もあるとしているが、ネット上では「話を盛っているのでは」「炎上商法ではないか」といった疑いが強まっている。
実際、長谷川氏の証言はどれほどの信憑性があるのか。在京テレビ局の関係者に長谷川氏の業界内での評判や認識などを聞いた。
「勇気ある告発」から一転…
フジテレビ問題の焦点の一つとして「女子アナ接待の常態化」疑惑がある。「上納文化」などとも称されているが、長谷川氏は2月1日に公開された「ホリエモン」こと堀江貴文氏との対談動画で、「ある」と断言した。
さらに、過去にフジ時代の担当番組『情報プレゼンター とくダネ!』の会食で、自身も映画評論家のおすぎさんに「献上」されたと告白。会食後、おすぎさんがトイレに行った間に同席した先輩の笠井信輔アナと佐々木恭子アナが「そういうもんだから」などと言い残し、スッと消えていったという。おすぎさんと2人きりになった長谷川氏は、エレベーター内で濃厚なキスをされたというのだ。
動画は公開から5日で600万回以上の再生数を記録する大反響に。これに対して、笠井アナは自身のブログで反論。佐々木アナにも確認を取った上で、おすぎさんと会食した記憶がないとし、「『上納』は完全否定できます」「彼は記憶違いをしているのでは」と訴えた。
これを受けて、長谷川氏はSNSで「こんなにご迷惑をおかけすると思っておらず(もう20年近く前の話で時効ですし僕もネタと思って話してます)、ものすごい罪悪感です」「20年近く前のネタ話をしたところ、僕の大好きな2名の先輩への誹謗中傷がかなり度を越してきています」と反省の弁をつづり、問題のエピソードは“ネタ”として語ったものだと強調した。
ただ、エピソード自体は「実際にあったことを話している」とし、16歳から日記をつけており、当該の“上納事件”当日のことも記してあるという。
しかし、当初の「勇気ある告発」という印象から急激にトーンダウンしたように見えるため、ネット上では「話を盛りまくっているのでは」「もう信用できない」「この人の暴露は話半分くらいで聞くのがちょうどいい」「もし事実だとしても、それを今の時代に笑いのネタとして話したのなら空気読めなさすぎ」といった否定的な声が続出した。
お笑い芸人ほんこんも自身のYouTubeチャンネルで「話、盛ったんかな」「(おすぎさんが)亡くなってからこういうこと言うって……」などと、長谷川氏の発言の信憑性を疑問視している。
フジ関係者「盛ってるところもある」
古巣への辛らつな意見や暴露を繰り返している長谷川氏だが、その信憑性についてテレビ業界ではどのように評価されているのか。在京キー局の関係者はこのように語る。
「長谷川さんが出演した動画をいくつか観ましたが、アナウンサーとして、いち社員として、局の表にも裏にも精通しているのがよく分かりました。中居正広氏の問題で注目された編成幹部A氏の人となり、フジテレビデビューの話、日枝久相談役とその取り巻きの話なんかは聞き応え満載でしたし、おすぎさんとの件は日記にも記されているとのことなので今でも鮮明に記憶しているのでしょう。
ただ気になったのは、どの動画でも長谷川さんは質問されて『それはわからない』とほぼ言ってないんですよね。もちろん編集でカットされている可能性もあるでしょうが、そんなに全部を知っているものなのかというのは疑問です。
実際、長谷川さんが話していることの信憑性についてフジテレビ関係者に聞いてみると、答えは五分五分とのこと。『真実もあれば、嘘とは言わないがちょっと盛っているところもある』とのことでした。アナウンサーですからしゃべり上手でつい聞き入ってしまいますが、知らないことまで勢いで話しているところがあるのではないでしょうか。ですから、業界内では動画の再生回数ほどは評価も信頼もされていないのが現状です」
男性フリーアナ苦戦の状況も影響か
かねてから長谷川氏は過激な言動を繰り返し、ネット上では「炎上商法だ」などと指摘されていた。その背景には、フジ退社後にフリーアナとして思うような活躍ができていない現状があるとも考えられている。どうにか注目を集めるため、話を盛ったり、過激な言葉を使ったりしがちになっているのではと見られているのだ。
この状況について、前出の関係者はこのように指摘する。
「フジ出身者だけに限ったことではないと思うのですが、男性アナがフリーになって活躍するというのはそもそもハードルが高い。フリーアナが成功するためには技術はもちろん、『華』が必要になりますが、その点は女性アナと違って男性アナだと難しいからです。
過去に民放からのフリー転身で成功したのは、長い歴史の中でも日本テレビ出身だと徳光和夫さん、福留功男さん、羽鳥慎一さんといったズームイン組、フジテレビは逸見政孝さん、テレビ朝日は古舘伊知郎さん、TBSは久米宏さん、テレビ東京は小倉智昭さんくらいで、あとの成功例はほぼNHK組です。地方局出身の宮根誠司さんや石井亮次さんは特例でしょう。
いまフリーアナとして成功できそうなのは、元日テレの藤井貴彦さん、あとはもうフリーになる可能性はないでしょうがTBSの安住紳一郎さんくらい。いずれにしても、長谷川さんに限らず、男性アナのフリー転身はかなりのバックアップがなければ厳しいと思います」
(文=佐藤勇馬)