“ポストやす子”不在で背水の陣の『24時間テレビ』が早くも“切り札”を投入

日本テレビ8月30日、31日に毎夏恒例の大型チャリティー番組『24時間テレビ48 愛は地球を救う』の放送を発表して話題となっている。
48回目の放送を迎える今年の同番組は、総合司会を昨年に引き続きお笑いコンビ・くりぃむしちゅーの上田晋也とフリーアナウンサーの羽鳥慎一アナ、同局の水卜麻美アナが担当。
「チャリティパートナー」を女優・浜辺美波が務めることも明らかになった。
さらに、人気漫画『名探偵コナン』(小学館)の原作者である漫画家・青山剛昌氏が手掛ける「チャリTシャツ」も公表された。
『24時間テレビ』といえば、近年はチャリティー番組をうたいながら出演者に高額ギャラが支払われていることに対する疑問の声や「障がい者を利用している」「感動の押し売り」などといった厳しい意見も一部視聴者から噴出。
加えて、一昨年11月には系列局の日本海テレビ(鳥取)の元幹部社員(懲戒解雇および書類送検済み)が2014年から23年までの10年間にわたって同番組のチャリティー募金から264万円6020円を着服していたことが発覚し、日テレが謝罪や特別番組『24時間テレビ特別番組 チャリティーの歩みと今後の募金活動』を放送するなど対応に追われた。
芸能ジャーナリストの竹下光はこう振り返る。
「“寄付金着服問題”により例年以上の激しい逆風が吹き荒れる中、迎えた昨年8月31日と9月1日の放送では当代きっての好感度タレントであるやす子さんの“チャリティーマラソン”での激走の甲斐もあり、一昨年を上回る平均世帯視聴率12.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。大成功と言ってもいい結果に終わり、日テレサイドも相当に安堵したことでしょう」
視聴率のみならず、2歳の時に両親が離婚して母子家庭で育ち、経済的に苦しい生活を送る中で高校生の頃に児童養護施設に世話になったというやす子の意をくんで新設された「マラソン児童養護施設募金」では5億493万6310円もの義援金が集まったことからも、やす子がMVPだったことは間違いないだろう。
だが、今年に関してはやす子ほどの救世主は今のところ現れそうにもない。
「くしくも最近は好感度女優とされていた橋本環奈さんが2度にわたるパワハラ疑惑を週刊誌で報じられたり、永野芽郁さんに至っては不倫&二股疑惑が浮上して世間を騒がせていますが、やす子さんほどの好感度を誇るタレントは見当たりませんからね。強いて挙げれば『サンドウィッチマン』くらいのものですが、さすがに日テレと太いパイプで結ばれているわけでもない彼らがこのタイミングで『24時間テレビ』に全面協力するとは思えません」(放送作家)
そんな中、日テレが早くも“切り札”を投入したことが業界内でも話題となっているという。
「青山氏が手掛けた今年の『チャリTシャツ』です。アニメ『名探偵コナン』といえば、1996年から同局で放送されている長寿アニメで、今や日テレが誇るキラーコンテンツの一つですからね。番組の視聴率はもちろん、昨年に公開された『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』の興行収入は150億円を記録。21年4月に公開された劇場版アニメ『名探偵コナン 緋色の弾丸』はフランスやドイツ、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、台湾、韓国、フィリピンなど22の国と地域で公開されるなど世界的な人気を誇りますし。日テレにしてみれば、『24時間テレビ』の苦戦が予想される中、満を持してのコナン投入といったところでしょう」(前出の放送作家)
今回公開された「チャリTシャツ」のデザインが主人公の江戸川コナンをはじめとする「少年探偵団」の5人が並んで歩くものだったことから、「24時間テレビとまったく関係ないじゃん」や「コナン人気に完全に便乗しようとしてて草」などといったツッコミもインターネットやSNS上では見受けられるが、果たしてコナンは今年の『24時間テレビ』を救うことができるのだろうか。
(取材・文=サイゾーオンライン編集部)