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「純子の部屋」純子の「デジタル時代の生歌サバイバル」#9

Kolokol「ただ生歌だけじゃダメ」被せ全盛の時代にあらがった“歌唱道”

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純子とKolokol・佳凪きの
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 ミュージシャンをはじめ多くの人が“歌”で自己表現を追求する日本のエンタメ業界。指先ひとつで音楽も歌も半自動的に生まれるこのAI時代で、人間の歌や声が生み出す価値を、声楽家・歌唱指導者が分析していく本連載。

 ゲスト第3弾は、大阪を拠点に活動するアイドルグループ・Kolokolの佳凪きの。おとぎ話のような唯一無二の世界観と高い歌唱力で話題のグループが、華やかな表舞台の裏側で積み重ねてきた努力とは?姉的存在・PassCodeのオープニングアクトで掴んだ成功から、彼女たちの歌の力を最大限に引き出す歌唱指導術まで語り尽くす。仲睦まじさが伺える飾らない本音トークを、二人の溢れる個性とユーモアともにお届けする。

 アイドルの世界進出に必要な投資額

呂布カルマに“きゃわゆく”噛みつく!ユーモアと生活感で沸かせるKolokol・佳凪きの

——この連載の第1回が「Kolokol主催〈超Eden〉でも発揮! 関西アイドルが解禁したライブの熱狂」というタイトルで、以降も純子先生の教え子の一グループとして、名前がよく登場していましたよね。満を辞してのメンバー登場ですが、純子先生にとってKolokolの存在は大きいのではないでしょうか?

純子 Kolokolは私の歌唱指導を東西問わず広めてくれたアイドルグループで、ファンの方々や他グループの運営さんからもよく、彼女たちの歌や上達を褒めていただくことが多いです。関東には彼女たちが好きなアイドルや運営さんがたくさんいらっしゃって、それをきっかけに歌唱指導のご依頼をいただくこともよくあります。

 特にきのちゃんは現役アイドルの中でも一番付き合いの長い子で、5、6年前くらいから指導させていただいてますね。

——それはどのような経緯で?

純子 元々別事務所にて、シンガーソングライター、トラックメイカー、ボーカルユニットなどがいる比較的レベルの高いクラスで歌唱指導や私も一緒に曲作りをしていたことがあるのですが、そのチームの中に彼女がいました。当時は7人程度のグループレッスンだったので限られた時間での指導だったのですが、表現者たちがたくさんいる中で揉まれつつ頑張っていました。最初の頃は全然喋らなくて、だいたいセンターは避けて端によくいたよね?

佳凪 そうでしたね。

純子 今も静かで大人しい雰囲気してますけど、ホンマは全然違いますからね。根っからのオタクやし、私のこと「純子」呼びするし。

佳凪 はい(笑)。ただ、こういう形でインタビューを受けるのが初めてなのでめっちゃ緊張してます…。

純子 こういったシャイな一面もありますが、オンラインでのきのちゃんはSNSの使い方が上手くて、ウィットに富んだ良い文章を書くんですよ。あの呂布カルマさんにも優しく噛み付くを返すユーモアがありますから。

——佳凪さんといえば、呂布カルマさんが鳥取県にある恋山形駅に「何だこの駅…気持ちわりぃ…」とポストしたことに対し、同駅で撮影した自身の写真とともに「きゃわゆい駅です」と論破する引用リポストが大きな話題となりましたね。やはり反響は大きかったですか?

佳凪 「呂布カルマ新規です」という方からたくさんリアクションをいただきました。

純子 なにそれめっちゃ面白い(笑)

佳凪 その頃はフォロワー数がギリギリ1万人に届かないくらいだったのですが、この投稿から一夜が明けたら1万人を超えていてびっくりしました。

純子 フォロワー数が5桁に乗るかどうかはアイドルにとってひとつのボーダーラインで、1万人を超えるとやっぱり箔がつくという印象です。それを呂布カルマさんへのリアクションで達成したというのも面白い。あんな降って湧いたような切り返しのツイートができるアイドル、なかなかいないですよね。陰キャが陽キャを笑わせる、みたいなことができる才のある子なので、毎回話してておもろいんです。

 そんな佳凪きののファンの方々も文章力が高くて、名前を覚えるくらい面白い人たちが多いです。さすが、ファンはアイドルの鏡やなと思います。

——文章といえば、佳凪さんはnoteを積極的に更新されていますが、お気に入りのお店を紹介したり、私生活や本音を打ち明けたりなど、プライベートな部分を惜しみなく見せる赤裸々な内容が印象的です。noteをはじめたきっかけってあるのでしょうか?

佳凪きのnote

佳凪 元々「自分語り」をしたいタイプで、自分の考えてることや思ってることをみんなに知ってほしいと思っていました。子どもの頃はオタクでコミュ障で人に自分の内面を晒す機会がなかったのですが、学生時代からアメーバブログをはじめて、同じアニメが好きなネットの友達が数人見てる程度の環境で書いていたり……。

純子 アメブロって!

佳凪 あはは。それからアイドルをはじめてからは自分に関心を持ってくれる方々が増えて、些細な発信にも当時のアメブロよりも多くの反応をもらえるようになって、それが楽しくてnoteも続けています。

「アイドルは偶像でミステリアスであるべきなのではないか?」と悩んだこともありましたが、自分はファンの方に崇拝されたいというよりは、ファンの方に寄り添いたいし、親しみやすさを感じてもらいたくて。その方が自分に合っているなとも感じていたので、プライベートや素な部分も赤裸々に公開していこうと決めました。そういう部分をありがたいことに支持していただいてるのかな、と思うので、今後もこういうスタンスでファンの方々にいろんなことをお届けできたらなと思っています。

純子 noteもそうやし、Twitter(現・X)も「今日のえのきの値段は〇〇円でした」みたいなアイドルらしくない生活感満載な投稿もしてて、それがめっちゃ面白いんですよ。正しいオンラインの使い方をしてますよね。芸人の寺田寛明さんからも YouTubeで「生活系」アイドルとしておもしろツイート大賞として紹介されたこともありますし、SNSやnoteの使い道を理解してるなと思います。

デビュー直後から自分たちの強みは歌だった——

——Kolokolといえば、「曲がいい」「歌唱力が高い」と言われるなど“歌”に定評のあるアイドルグループです。その評価を裏側で支えているのが純子先生の歌唱指導だと思うのですが、純子先生から見てKolokolの楽曲はどんな印象ですか?

純子 Kolokolの楽曲はめちゃめちゃ難しいんですよ。一番最初のレッスンで「スコール」という楽曲を指導することになったんですが、「心地いい妄想に霞んでいく自分の影が 今さら気づくこともなくて」というフレーズがきのちゃんに充てられていて。でも、一聴するだけではこの音が取れない。私は耳が良いほうで、どんな楽曲を聴いてもほとんど一発で音を取ることができるのに、こんなのは初めてやったんです。

 いざ紐解いてみれば、「レミミソファ#」「レミ-レミシ」「レミ-ミソファ♯」「シソファ♯」「レソファ♯レ」「ミ-レミレ ミレラシ レシソファ♯レ-」というような、クラシックベースで色んな曲指導をしてきた自分でも初めて聞く音型がたくさんありましたし、「このグループ、そして作曲者は一体何者なんや」という衝撃もありました。

——クラシックの世界では考えられないルールで作られていたということでしょうか?

純子 音大には授業では、楽譜に表記されてる音を渡されて、初見でイメージしアカペラで歌う「ソルフェージュ」という単元があります。周りは「ソルフェI」から始めてる子が多かったんですが、自分はイキって「ソルフェV」からスタートした身なのですが、そんな私でも西羅さんのメロディ運びは非常に苦戦しました。あれは音大生でできる子ほとんどおらんのちゃうかな。そこに「前衛的なメロディラインなのにどこか懐かしい」という芸術性を感じました。

 きのちゃん自身が音感力の高い子で良かったですし、これを機に自分自身の声楽家としての成長にも繋げていただいたなと感じています。今はKolokolの楽曲はすべてピアノでレッスンを進行していますよ。

——この曲は、Kolokolの楽曲のほとんどを手がけられているサウンド・プロデューサー西羅さんが作曲されていらっしゃいますね。

純子 はい。そして歌詞はプロデューサーの中田祐希さんが担当されている楽曲も多く、想像の余地をしっかり残したドラマチックな歌詞がまた良いんです。Kolokolの音楽は、商業音楽でありながら、限りなく芸術に近い音楽だと思っています。

 いまだにほとんどお話したことがないのですが、先日心斎橋VARON(大阪・心斎橋にあるライブハウス)で久々にお会いした時に、「え、なんか軍神に似てません!? 」「誰が軍神やねん」という少し砕けた掛け合いができたことが嬉しかったです。

——前回の星さんとの対談では商業的視点と芸術的視点で“いい音楽”の捉え方が異なる、というお話がありましたが、そのお話を踏まえて考えると「商業的でありながら、限りなく芸術に近い音楽」というのはかなり貴重な音楽のように感じますね。

純子 ええ。アイドルといえば「オイ!オイ!」とファンがコールできるような音楽が多いと思いますが、“聴かせるアイドル音楽”というものが存在することを、Kolokolを通してはじめて知りました。

佳凪 そうですね、私たちのライブではしっとりと曲を聴いてくださるファンの方がほとんどです。

——Kolokolの強み=歌ということは、メンバー皆さんもおっしゃられていますよね。自分たちの強みや歌であることを意識するようになったタイミングはいつなのでしょうか?

佳凪 お恥ずかしながら、デビューしてすぐの頃から私たちの強みは歌だと思っていました。

——おお、早い!

佳凪 というのも、2018年あたりのアイドルシーンは被せ(※歌が入った楽曲音源を流し、被せるように生歌を披露すること)メインのグループが多く、私たちのような生歌のアイドルグループは珍しい存在で、その事実だけを見て自分たちは歌が強みだと思っていました。

 でも、どんどん被せのグループのほうが少なくなって、むしろ生歌がデフォになっていく中で「ただ生歌で歌うだけじゃダメだ。ちゃんと歌が上手くならなきゃ」とメンバーみんなで話し合うようになりました。そこで本当の意味で歌を強みにしたいと思うようになって、純子にも鍛えていただき、より歌が上手いグループになることができたなと。

純子 彼女たちの場合は、個人レッスンとグループレッスンというルーティーンを確立させたことで、本当に上手くなっていったなと思います。

 確かに昔は全部被せのグループが多い印象やったけど、最近は生歌にこだわるグループも多いし、原点回帰してる感じがありますよね。

——アイドルにとって歌の存在や重要度が大きくなってきたということでしょうか。

純子 となると、先回りして歌唱に力を入れてきたKolokolに向いている時代になったんじゃないかなと思います。

メンバー全員で曲を解析!? 唯一無二の世界観の裏側

——Kolokolの楽曲といえば、繊細な歌詞やそこから生まれる情景、ファンタジックな世界観も欠かせない魅力だと思います。パワフルなだけでも切ないだけでもない、そんな難しいバランスでできた唯一無二の世界観を発揮するために、佳凪さん自身はどのように向き合われているのですか?

佳凪 グループ全体でライブできちんと世界観を打ち出すには、曲への解像度を深めていかなければいけないというのは常々思っています。ですので、レッスンの中で「この曲はどういう曲なのか」「この音はどのような意図があって入っているのか」ということを、メンバー同士で話し合って解析するようにしています。

——メンバー全員で一丸となって曲への理解を深めて、完成度を追求していると。

佳凪 はい。メンバーだけでレッスンをする時があるので、曲そのものについてや振りの細かいところまで話し合いますね。

純子 こういう取り組みがさすがですよね。「なぜこの一音が入っているのか」というのは西羅さんの楽曲に多く見られるこだわりです。これは、AメロからBメロ、一旦落としてサビで弾けて……みたいな定型で作られたものではなく、意図的に次を予測できない作り方をされているからだと思います。

 つい先日ニューシングル「Berserkers」 がリリースされましたが、カップリング曲の「やさしいひかり」への考察や解釈がめっちゃ難しいよね、ときのちゃんと深夜2時まで話し合ったこともあります。その後は自分ひとりでさまざまな言葉やシチュエーションを聞き逃さず、見逃さずに解析していたら、気がついたら朝11時になってました。

 それほどまでに練りに練って作られたものを、制作側も指導者側も演者側も、みんなで追求する。まるでファミリーみたいな結束力で音楽に取り組んでいるからこそ、Kolokolの音楽やライブパフォーマンスの背景には、総合プロデューサーの中田さんや西羅さんといった0から壮大な1を生み出す人たちの存在がしかと伺えるはずです。一音一音、細部までのこだわりも、Kolokolのファンの方々は聴き取ってますから。

——Kolokolの世界観を発揮するために、歌唱指導の面ではどういう指導を意識されているんですか?

純子 夜中から朝まで一人で楽曲についてとにかくひたすら考えたり調べたりもしますし、歌詞を表層だけで捉えない、背後にある構造や象徴、振付師であるKenta先生の振付も見て、何を言葉や音にしているのかなど表象文化的な考えから入っていってます。

 その後の実践では、ダンスやフォーメーションといったステージングを踏まえて、身体の動きに基づいた歌唱指導を行うようにしています。例えば、頭の方へ腕を伸ばす振り付けの時は、頭の位置よりも高く、遠くに声を飛ばすイメージで歌うように指導したり、そのまま前に向かって腕を下ろしていくという振り付けに合わせて、肩甲骨、肩関節、肘関節、手首関節、指関節の動きと合わせて声を乗せたり。しっかりと歌える状態を作りながらも、楽曲や振り付けともリンクするような歌唱を指導していきます。毎回言っていますが、「歌は動き」なので。

 あとは防音ではないスタジオでレッスンしているというのも大きいですね。

——防音ではないスタジオをあえて利用するというのはなぜでしょう?

純子 防音室には吸収材が使われていますよね。大阪のアメ村や渋谷のスタジオになってくると、立地的にもコンパクトかつ電気系統の楽器を置いてる部屋がほとんどなので、生身の人間がレッスンを受ける時、良い発声をしていても音全体が吸われる分、声を更に張るようになってしまい、その分喉を酷使し声帯が疲弊するということがよくあります。自分も防音室での指導が多い中、18年目にして声帯を壊しましたから。

 そこでマイクを使うという手もありますが、発声に特化したレッスンをするならば自分自身の共鳴の最大値を教師・アイドルともに正確な共通認識を持つ必要があると思ってます。

——音楽の練習、レッスンといえば防音室というイメージがやはり強いと思いますが、良い発声を維持することや、共鳴を知る・考えるためには、あまり適さない環境だと。

純子 私がヨーロッパ圏内で受ける声楽レッスンは、本番の環境に近づけるために教会である事が多いです。国によっては音大の中に教会があったりも。天井が高く、残響が豊かで指導する側・される側双方が声の伸び方、縦横を意識することの大切さ、フレーズが、本当に作曲家の意図を汲んだ表現になっているかの確認がしやすい理想的な練習場といえます。

 よく「お風呂で練習してきた」と言う子もいるのですが、天井が低い日本のバスルームは、自分の出した声が風呂桶やタイルなどから跳ね返って耳に到達するまでの時間が極端に速くなります。この初期反射の速度によって耳が混乱し、不正確な音程に気が付かず、上手くなった気分になる子は多いです。なので、自分の教え子には練習として使う場所には適していないと言うようにしています。

 音大の練習室や、彼女たちがよくレッスンしているスタジオには防音を施してない部屋があるんですが、個人・グループレッスン共にほぼこの部屋でレッスンしてます。この環境の良さがKolokolの歌の成長の一端を担っているのは間違いないと感じてます。

——クラシックベースである純子先生の考え方や指導方法が環境選びにも活きていて、それがKorokolの歌唱力を支えていたのですね。

純子 あとは、思い浮かぶことはとにかく実践する。その場で突発的にリクエストしても、彼女たちは瞬時に理解して、求めるもの以上のものを返してくれます。この力は教え子の中でも随一ですね。

佳凪 自分たちでは全然上手くできなかったと思う日も多いですけどね。それに純子も「あんたらはできたと思わないから伸びるんや」って言ってくれるので、なるべく良いことばかりは思わないようにしています。

——こうしたチーム一体での取り組みがKolokolの世界観を作り上げているということですが、これまでの本連載でも「アイドルと運営がチーム一丸となって取り組むことが大切である」というお話は幾度と出てきました。実際にアイドル側である佳凪さんにとっても、こうしたチーム編成は理想だと思われますか?

佳凪 そうですね。私たち自身も、純子はもちろん、中田さんも西羅さんも家族みたいな存在だと思っていますし、みんなで“チームKolokol”だと思っています。良くも悪くも、近しい存在ですね。

PassCodeのオープニングアクトで発揮した歌の説得力

——KolokolはPassCodeの所属事務所〈we-B studios〉から生まれたグループということもあり、「PassCodeの妹分」として知られたのが始まりだったと思います。2021年のツアーにて初のオープニングアクトを務めましたが、佳凪さんにとって、この大舞台では緊張が勝りましたか?それとも楽しみが勝りましたか?

佳凪 めちゃめちゃ緊張しました。正直な話、「PassCodeさんのファンの方々に受け入れてもらえるのか」というネガティブな気持ちが強かったです。でも、せっかく大きなチャンスをいただけたので、少しでも好きになってくれる人がいたらいいな……と思っていたのですが、オープニングアクトをきっかけに私たちのファンになってくださる方がたくさんいたのが嬉しかったです。PassCodeさんとKolokolでは楽曲としての親和性はないと思うのですが、それ以外の部分で人の心に何かを届けることができたのだと実感できたのも、良い経験でした。

——当日は純子先生も観に行かれていたんですか?

純子 はい。自分の指導力も試される分、出来うる限り全力で指導した以上のものを出してくれた良いライブでした。PassCodeさんのファンの方の中には妹分としてあたたかく見てくださっていた方も多かったとは思うのですが、彼女たちのパフォーマンスを目の当たりにした人も多い中、メンバーの藤本が「みなさん良かったら手を挙げてください!!」という声かけにも全員が自然と手を挙げて応えていたように見えました。あの会場の一体感は、彼女たちが歌に説得力を持たせられたということの証明だと思います。

 終わった後中田さんから「先輩の前で恥ずかしくない良いライブができました。ありがとうございます」というLINEが来た時は感動しましたね。

——“PassCodeの妹分”から、自身の歌の力で“Kolokol”として支持を受けたわけですね。

純子 私自身も、PassCodeさんオープニングアクトという大役を任されたからには絶対に爪痕を残させたいという思いがあったので、一人ひとりのレッスンの質を高められるようこだわりました。きのちゃん、本番ではゾーンに入ったって言ってたよな?

佳凪 はい。普段はライブ中に「あ、今一音外した」とか「ここもう少し伸ばして歌えば良かった」とか余計なことを考えちゃうんですけど、そういうことを一切考えなくて、ただ歌って踊ることに集中できる無双モードっていう感じでした。後にも先にもあれっきりです。

純子 もはやアスリートみたいですよね。それをオープニングアクトという大舞台でできたのは、日頃の練習の賜物やと思います。今年のTIFにおいても、第2弾という早い段階で出演が発表されていますし、確実に大きなステージを突き進んでいってます。これが大阪拠点であるKolokolであり、佳凪きのであるというのがとても誇らしいです。

(構成/宮谷行美)

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■ライブ情報

Kolokol 東名阪ツアー〈MUSEUM〉
6月13日 名古屋ell.FITS ALL 「Motif 」※終了
6月20日 東京Spotify O-WEST 「Utopia 」※終了

7月21日 大阪BIGCAT「Principal 」
開場 16時00分 / 開演 17時00分
チケット購入URL:https://eplus.jp/kolokol

■リリース情報
「Berserkers」
2025年6月11日(水)発売

プロフィール

[入稿済み]Kolokol「ただ生歌だけじゃダメ」被せ全盛の時代にあらがった歌唱道の画像2
佳凪きの(よしな・きの)

 アイドルグループ「Kolokol」のメンバー。広島県出身、兵庫県在住。好きなものは、アニメ、アイドル、オタクコンテンツ全般、食べること、銭湯、温泉、BL、絵を描くこと。ライブ・ラジオ・配信・note・YouTubeなど多彩なチャネルを通じて、自らの世界観を発信し、グループの魅力を支える重要なポジションにある。

X: https://x.com/kn_klkl
Instagram: https://www.instagram.com/kn_klkl/
note:https://note.com/kn_klkl
Youtube: https://www.youtube.com/channel/UCVTJMxHXjIr1yH9IQn_YYsQ

Kolokol オフィシャル・ウェブサイト: https://kolokol-official.com/
Kolokolライブスケジュール: https://lit.link/klkl

宮谷行美

音楽メディアにてライター/インタビュアーとしての経験を経た後、現在はフリーランスで執筆活動を行う。坂本龍一『2020S』公式記事の執筆や書籍『シューゲイザー・ディスクガイドrevised edition』への寄稿の他、Real SoundをはじめとしたWebメディアでの執筆、海外アーティストの国内盤CD解説などを担当。

宮谷行美

「純子の部屋」純子

声楽家、教員。大阪音楽大学音楽学部声楽科卒業。
音楽科一種教員免許取得。学生より学外コンクールへ精力的に参加しKOBE国際学生音楽コンクール初入賞。その後中国音楽コンクール銀賞、サンテレビ賞、中国国際音楽コンクール国際部門1位(杭州にて)他多数。安藝榮子、R・ハニーサッカー、中川牧三に師事。主に宗教声楽・現代音楽・オペラからアニメ・ゲーム音楽まで取り扱うジャンルは多彩で、個性的な見た目とは相反する実直で技巧的、的確な表現方式を得意とする。
演奏活動に加え多種多様な後進の歌唱指導にも力を入れアーティスト、タレント、俳優、アイドル、YouTuber、TikToker、2.5次元ミュージカル俳優等の育成輩出、プロモーションに携わる。
ファーストサマーウイカ、おじゃす、矯正ちゃん、Kolokol、Axelight、AVAM、サクヤコノハナ、Quubi、yosugala(汐見まとい)、INUWASI、PRSMIN、Merry BAD TUNE.、YOLOZ、ありぃくん(uijin・作詞家・プロデューサー)、ゆりにゃ(TikToker、YouTuber)等多数指導。
大阪を拠点とし全国へ出張を重ね声楽をベースとした様々なジャンルの歌唱指導へ柔軟に対応しながら個性を伸ばすレッスンを展開している。

X:@matinee_poetic

「純子の部屋」純子
最終更新:2025/07/10 18:00