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週刊誌スクープ大賞

フジテレビ『テラスハウス』に殺された木村花さんの母「中居さんの問題と同じ」

 しかし、これからの選挙は、SNS戦略が当落を決めることになるのかもしれないから、SNSを認めるのか認めないのか、公選法の見直しという問題も早急に議論されるべきであろう。

 斎藤は、どんなに追い詰められても能面のような表情が崩れないため、冷酷な奴だという批判が、いつになっても収まることはない。

 どうしてこのようなタイプの人間が作られたのか? そのルーツをたどり、妻にも聞いてみてほしい。

 今回の問題が、公選法違反になれば、次の再々県知事選には出られないのだろうか? もし、出られるようなら(そんなことにはならないとは思うが)、また斎藤が出馬して当選するということもあり得る。

 斎藤の選挙を手伝い、SNS戦略を担ったPR会社の女性社長は、警察には話をしているようだが、一切、公には出てこない。

 今回、文春が彼女を「発見」したが、眼鏡にマスクで、夫と越木岩神社の境内を歩き、さい銭箱に大量の小銭を投じていたという。

 この斎藤と折田楓の2人の“関係”はどういうものなのだろうか? 報道はいくらでもあるが、事件の核心が分かりにくい。

 どのように展開していくのか、折田社長はどこかで事実を話すことがあるのだろうか? なぜ彼女は沈黙を貫くのか? 

 まだまだ斎藤はメディアの“寵児”であり続けるようだ。

 さて、元大阪地方検察庁のトップ、検事正だった北川健太郎(65)は、現役時代に、部下である女性検事Aを、酒に酔い意識がもうろうとしているのをいいことに、自分の官舎に連れ込み、「これでお前も俺の女だ」と執拗に性行為を続けたという。

 昨年2月、Aが北川を刑事告訴に踏み切り、北川は、準強制性交罪の容疑で逮捕された。

 だが、北川は第2回公判で無罪を主張し、裁判の行方は不透明である。

 Aによれば、この事件の背後で、北川の部下の副検事が、Aは北川に好意を持っていた、その夜は酩酊はしておらず、金銭目的の虚偽告発などと吹聴して回っていたというのである。

 業を煮やしたAは、昨年10月に、この副検事を名誉棄損と国家公務員法違反で刑事告訴している。

 また、北川の事件を個人が犯したものに矮小化しているのではないかという疑惑も出ているようだ。

 なぜなら、初の女性検事総長になった畝本直美(63)が、今月、袴田事件で再審無罪になった袴田巌に対して、袴田を犯人視するような談話「(無罪判決は)多くの問題を含む到底承服できないものだ」と発表しているからだ。

 Aはこう話す。

「私の事件は最高検と法務省が判断しているので、検事総長まで全ての情報が届いています。同じ女性として、性被害に遭うことがどれだけ屈辱的か、全てを奪われる苦しみをいかに味わうか想像がつくはずですが、副検事へは異例ともいえる厚遇を続けています。これを機に検察はなぜ事件が起きたのかを徹底的に検証すべきです。自浄作用の働かない組織が、北川被告や副検事というモンスターを生んだのだと思います」

 女性初というのは、ある意味、女を捨てて男になったのではないか。女性の検事総長が女性に対して男以上に厳しくなるということはよくある。

 この事件の今後を新潮だではなく、多くの国民が監視すべきである。

 ところで、何もかもが高い。野菜、特に私が大好きなキャベツがバカ高い。以前は、週に2、3回はキャベツが食卓に乗っていたが、今では週1である。

 コメは高くて庶民の届かないものになっていっている。去年の2倍。昨年夏ごろ、農水省は秋になれば新米が出てくるから、値段は下がるといっていた。だが、下がるどころか上がり続けている。

 農水大臣などは、コメがどこかで滞って(スタッグ)いるのではないかともいっていた。だがこのままでは「令和の米騒動」になりかねないと、ようやく2月14日に、政府備蓄米を21万トン放出すると発表した。

 だが今のところ、値下がりする気配はない。どうしてなのか? その疑問に新潮が答えてくれている。

 デイリー新潮(2月19日)から見てみよう。

《現在スーパーなどで売られているのは主に2024年産のコメである。その生産量は前年より18万トン増えたものの、JA全農などの集荷業者が買い集めたコメは前年より21万トン少なかった。
果たして消えた21万トンのコメはどこに行ったのか。それについて江藤拓農水相は、
「どこかにスタック(滞留)していると考えざるを得ない」
などと会見で述べている。
この点、坂本哲志元農水相に聞いても、
「今まで買わなかった人たちがどんどん買い出した。投機の対象になってしまった、と。流通で不透明な部分があった。それを私たちが判断できず、これまでずっと高値が続いてきたのだと思います」
やはり同様の認識を示すのだ。実際、中国人までもがコメの買い付け競争に参入している、などと報じたメディアもあったが、
「21万トンが全てそうした原因で不足している、というのはどう考えても説明がつかないと思います」(大手卸関係者)
さる集荷業者も、
「転売で儲けようとしているのは一握りに過ぎません。一般の集荷業者はコメの在庫がなくなることが一番怖いので、普段10持つところを11持つ。その積み重ねです。保管場所も必要ですから、大量に抱え込むなんて普通の業者にはできません」》

 では、どうして21万トンものコメが消えてしまったのか? 新潮によれば、「その多くは“先食い”した分だというのである。

“先食い”とは一体どういうことか。

《「昨年7月末の民間在庫量は82万トンでした」
と、元農水官僚でキヤノングローバル戦略研究所研究主幹の山下一仁氏は言う。
「23年9月にできた新米は10月から翌年9月まで食べることになります。だから7月末というのは端境期ですが、在庫量82万トンは空前の少なさです。前年と比較して40万トンも足りていません。1カ月分の流通数量は45万トンくらいですから8月9月の流通量を賄えないレベルの在庫量だったのです。不作になると大変でした」
そこで起こったのが先食いである。
「コメが足らないので、24年産のコメで収穫されたものを先食いしたわけです。これによって今度は24年10月から25年9月までに供給される量がその分だけ減少します。その証拠に、24年11月、12月の民間在庫は前年同月と比べてそれぞれ43万トン、44万トン減っています」(同)
農水省は24年産のコメの農協など主要業者の集荷量が前年より21万トンも少なかった原因について、
「前年比で生産量は18万トン増えているのでコメは不足していない。21万トンは業者が買い占めている、と言っていますが、この40万トンの先食い分を無視しています。単純にコメが足りていないだけなのです」(同)》

 ノンフィクション作家の奥野修司はこう話している。

「通常、9月10月は残っている古米も新米と共に売られているものですが、昨年は古米がどこにもなく、新米の奪い合いになり、農協もなかなか確保できない状態でした。コメ不足が続き、価格が高止まりするのは昨年には予想できたはずなのに、農水省は備蓄米の放出を渋り続けたわけです」

 政治部記者によると、

「日本の農家の約7割を占める兼業農家は自民党農林族の票田。彼らの利益のためには米価を維持しなくてはならない。そのため農水省は備蓄米の放出に慎重な立場を貫いてきたのです」

 山下もこういう。

「農水省はコメ不足を認めたくない。認めてしまうと備蓄米を放出せざるを得なくなり、放出したらせっかく史上最高水準になっている米価が下がってしまうからです」

 そこで農水省が編み出したのが、「どこかにコメがスタックしている」という詭弁だったというのだ。

「普通、何か問題があれば事実を確認してから対応策を講じます。しかし今回は確認もしていないのに、業者が買い占めている、と言っているわけです。コメが不足していることを認めず、あるかどうかも分からない問題を“ある”と言い、業者で滞留しているコメを市場に出すために備蓄米を放出する、という論理を作り上げました。もし業者が米価低下で抱えている21万トンを吐き出せば米価は暴落します」(同)

 しかも、農水省はコメがどこに滞留しているのかを調べようと思えば調べられるのだという。

「日本には米トレーサビリティ法というものがあり、生産者から農協、農協から卸売業者、さらにスーパーなどの小売りへと、搬出入した場所も含め全ての取引について帳簿をつけ、その記録を保存しなければならない、と定めているのです。農水省は全てのコメの流通・在庫状況が分かるのに、分からないと言っている。これは役人的なウソなのです」(同)

 元凶はどこにあるのか? 悪名高い「減反政策」にあるという。減反を止めてコメを増産し、EUなどで行われている直接支払いで主業農家だけに所得補償をすればいいのだと山下はいう。

 だが、こうした抜本的な改革を阻んでいるのが、これまた悪名の高い「農協」「農水省」「農林族議員」のトライアングルなのだ。

 農協が肥料や機械、農薬などを牛耳っている。その農協の生命線が規模も小さく、最も生産コストが高い兼業農家を温存することなのである。そして農林族議員たちは農協が大票田なので、農協のいうことには逆らわない。

 かくして、コメが足りなくなり、コメは高値安定状態が続き、庶民は「銀シャリ」の顔を拝めなくなるのだ。

 これまで庶民の見方だったサンマやイワシ、イカ・タコが不漁もあって品薄、高値で買うことができない。コメが食えなくなれば、アワとかヒエを終戦直後のように食べることになるのだろうか。

 コメ不足は長年続けてきた国の農政の失敗の結果である。メディアも含めて、コメよこせ運動を始めようではないか。

 お次は、やや影の薄くなってきた中居正広とフジテレビの問題だが、文春によれば、第三者委員会の弁護士たちによる聞き取り調査は苛烈を極め、調べられたフジの幹部は、「こんなしんどい調査だとは思わなかった。俺たちはもう終わりだ」と漏らしているという。

 さらに文春は、なぜ、フジが中居の番組『だれかtoなかい』を、X子事件を知った2023年に中止せず、昨年の11月まで続けていた理由がわかったと報じている。

 それには松本人志問題が絡んでいるという。文春が松本の「性加害疑惑」報じ、松本はテレビから放逐された。

 そこに謎を解くカギがあったというのである。

 番組関係者によれば、この番組を企画した編成幹部のAがこういったというのである。

「この番組を松本さんが復帰する受け皿にする。ここで番組を終わらせるわけにはいかない」

 さらに番組関係者はこう話す。

「A氏の後ろ盾となり、番組存続にお墨付きを与えたのは、港浩一社長(当時)でした。フジテレビは吉本興業にも忖度し、番組の継続を決定した。一方、被害を訴えてきたX子さんの声を握り潰した」

 こんなどうしようもないテレビ局は早く消えてくれと思うが、国、総務省はフジとベッタリだから、認可を取り消すことなどできはしないだろう。

 だから、独裁者といわれる日枝久も、フジサンケイグループから離れる意思はないという。

 かくして、フジテレビはトカゲのしっぽを斬り捨て、生き永らえるのだ。目出度し目出度し。

 新潮によれば、中居がやっていた番組は軒並み視聴率が悪く、テレビ局としては渡りに船、切りたくて仕方なかったという。

 もはや、テレビへの復帰の道を絶たれ、芝居がうまいわけでも歌がうまいわけでもない中居は、パチンコホール向けのトークショーぐらいしか仕事はないのではないかといわれているそうだ。

 身から出た錆だが、哀れを催すアイドルの末路である。

 さて、今週最後の記事は、文春の「木村花の母親の慟哭告白である」。だが、木村花といってもピンと来なくなっている人が多いのでは? 流れの早い現代の中でも、更に激流といってもいいSNSの世界では、昨日のことが10年昔のことのように思える。

 木村花はプロレスラーだった母親の影響で自分もプロレスラーになった。レスラーとしては可愛い人気者だった。

 その木村がフジテレビのリアリティ番組『テラスハウス』に出演した。だが、SNS上での誹謗中傷で心が傷つき、2020年5月に自ら命を絶った。享年22。

 番組中、木村が同居人の不注意に怒り、帽子をはたき落とした。だが、これがネットフリックスで先行公開されると、SNS上で木村の行為を巡って炎上した。

 木村はリストカットして自殺を図ったが、一命をとりとめた。

 だが、フジテレビ側は、木村花が精神的にダメージを受けているにも関わらず、精神科を受診させるなどの心のケアをすることもなく、かえって、発端となった番組の続編と題して、未公開動画をYouTubeに流してしまうのである。

 さらに地上波で次の回を放送し、その4日後、彼女は自殺してしまう。

 また、当時の文春の取材で、木村などの出演者に非人道的な誓約書を書かせていたことも発覚した。

 さらに、フジテレビは木村花の死後、第三者委員会などの外部の調査に委ねず、社内だけの内部調査をやっただけで検証報告書を発表したが、自らの非など認めない手前勝手なものでしかなかった。

 その後の2021年3月には、BPO(放送倫理・番組向上委員会)の放送人権委員会が、「出演者の精神的な健康状態に対する配慮に欠けていた点で、放送倫理上の問題があった」とする決定を発表はしたが、「人権侵害があったとまでは断定できない」とした。

 木村花の母・響子は2022年12月、番組を制作したフジテレビと制作会社に対し、安全配慮義務違反に基づく損害賠償を求め、訴訟を起こした。

 しかし、フジとの戦いは遅々として進んでいないという。

 これまで裁判所に書面で主張を提出する手続きが行われてきたが、次のステップである証人尋問は未だ開かれていない。

 それも、裁判はすべて非公開で行われてきたというのだ。

「証言してくださった方への誹謗中傷を防止するため、証言者は匿名のアルファベット表記にして欲しいと求めました。それに対しフジ側は、スタッフらフジ側の証言者もSNS上に晒され誹謗中傷される可能性があるという理由で訴訟記録の全部の閲覧制限を請求し、そのうえ裁判がクローズドになったのです」(響子)

 しかも、非公開になった途端、フジ側は態度を豹変させたという。

 響子の代理人の伊藤和子弁護士がこう話す。

「原告側は、被告に対し関係証拠の開示を求めたが頑なに拒まれました。求めたのは、番組の音声録や花さんが過呼吸になった未公開動画の一部始終を記録した映像、地上波放送を決定した際の被告間のやりとりなど、真相究明に必要なもの。フジはほとんどの証拠の存在を認めず、『制作現場の表現行為を委縮させる』などの理由で手持ち証拠の開示にも反対していました」

 さらに、「番組と自死に因果関係はない」と反論してきたというのである。

 響子はこういう。

「フジテレビの主張を読む度に涙が溢れて止まらず、文字が理解できなくなる日もたくさんあります。裁判がある度に生きる気力をなくす。でも裁判をやめてしまったら生きる理由がなくなる。だけど裁判は進まない。生殺しみたいにされてギリギリで生きてます」
 文春によれば、『テラスハウス』をつくり、木村花の自傷行為を放置していた40代のチーフプロデューサーはNetflixに移籍し、昨年、男同士によるリアリティ番組『ボーイフレンド』のエグゼクティブプロデューサーになり、制作会社の女性チーフプロデューサーは、『だれかtoなかい』にも関わっていたという。

 響子はフジには人権が全くないと訴える。

「立場の弱い人たちが傷ついても、フジは面子を守るために保身に走っています。人権軽視という点で地続きの問題だと思います。中居さんの問題と同じく、花のことも第三者委員会で調査して欲しいです」

 人権軽視ということでは、中居の問題も木村花の問題も根っこは同じである。今回の第三者委員会は、木村花自殺問題も聞き取り調査をするべきではないか。根腐れしたフジテレビは、上層部の首を挿げ替えただけでは何も変わらないと思う。(文中敬称略)

(文=元木昌彦)

元木昌彦

編集者。「週刊現代」「FRIDAY」の編集長を歴任した"伝説の編集者"。

元木昌彦
最終更新:2025/02/25 18:00