高市首相“中傷動画”問題、玉木雄一郎の非情、小泉邸盗聴騒動――元木昌彦が斬る週刊誌

<今週の注目記事>
1「独裁者に党内から異論噴出! 高市早苗 暴かれた本性」(「週刊文春」7月2日号)
2「中傷動画問題『週刊文春』も『高市首相』も信用できない理由」(「週刊新潮」7月2日号)
3「妻・滝川クリステルの一声で警察が『盗聴器』大捜索」(「週刊新潮」7月2日号)
4「玉木雄一郎さん、娘と妻を返して」(「週刊文春」7月2日号)
5「高野連前会長(69)を辞任に追い込んだ『愛人』『借金』『情報漏洩』」(「週刊新潮」7月2日号)
6「名門・横浜高校野球部・村田浩明監督の「パワハラ」を元主将OBが実名告発」(「週刊ポスト」7月10日号)
7「ボクシング元世界2階級王者 井岡弘樹(57)が語る『死と隣り合わせだった』、アルコール依存症と闘い」((「FRIDAY」7月10日号)
8「Nスペ『潤日の肖像』は慌てて消去 NHKが逮捕の『中国出身ブローカー』を大々的に紹介していた」(「週刊新潮」7月2日号)
9「住宅ローンそれでも『固定』を選ぶワケ」(「週刊文春」7月2日号)
10「本田圭佑とタッグで大注目 NHK『小宮山晃義アナ』が画面から消える」(「週刊新潮」7月2日号)
11「日本マスコミヘロヘロ日記『メキシコ国境をバスで』『場末モーテル』」(「週刊文春」7月2日号)
美輪明宏が亡くなった。享年91。
丸山明宏の時代に会ったことがあると記憶していた。だが、ウィキペディアを見ると、《1971年、三島由紀夫の供養のための読経中に『美輪』の字が浮かび、「生前三島氏が三輪神社で修行していたことに気づき神が与えてくれた名前だ」と思い、姓名判断を調べると、完全無欠な画数だったため、丸山明宏から美輪明宏に改名した。》とある。
私がインタビューしたのは70年代後半だったはずだから、すでに美輪明宏だったのか。
要町の喫茶店だった。先に来ていた美輪を見た時、この世のものではない「透明な美しさ」を感じ、茫然としたことを思い出す。
何を話したか覚えていないが、あの特徴のある話し方に聞き惚れた。
子どもの時、長崎で原爆に被爆し、後年、原爆症に悩まされた。オペラ歌手を目指して上京したが、親と衝突して仕送りを止められ、生活費を稼ぐために進駐軍のキャンプ廻りをして歌を披露したそうだ。
16歳の頃、銀座7丁目にあったシャンソン喫茶「銀巴里」に出演して歌い始め、三島由紀夫、吉行淳之介、野坂昭如、大江健三郎、中原淳一、遠藤周作、寺山修司らと知り合う。特に、三島との親交はよく知られている。
私は美輪の「ヨイトマケの唄」が好きだ。あの美輪が、父ちゃんのためなら、母ちゃんのためなら、と歌う姿に感動した。
自身の性的嗜好に対するバッシングが激しかった時代を“雄々しく”生きた美輪は、今の時代をどう思っていたのだろう。
スポニチに連載していた美輪のコラムにこんな言葉があったという。
「小中学校、高校、大学と進学するのも、社会人になるのも結婚するのも老人手帳を持つのも、人生は初めてのことばかり。だから謙虚にならざるを得ないのです」
美輪が残した自筆の“遺言”にはこう書かれていた。
「こんな世の中を生き抜く武器は愛の言葉しかありません。
この世のすべての問題を解く鍵は愛です。
愛があれば戦争なんか起こりません」
索漠とした今の時代、愛があれば戦争なんか起きないといい切れるのは美輪しかいない。他者への愛を失った時代。美輪の言葉が心に沁みる。
さて、この国のニュースは天候の話題しかないようだ。台風が二つも日本列島を直撃し、震度6弱の大地震が列島のあちこちで起きている。
「首都直下型地震が近々起きるのでは」。そんな憂いを一瞬、忘れさせてくれるのがサッカーW杯である。
日本が勝ち進めば嬉しいが、そうでなくても、4年前のアルゼンチンとフランスの決勝戦のように、手に汗握る試合を見られる幸せを、今一度味わいたいものである。
今回の大会は大会史上初めて、アメリカ、カナダ、メキシコの3か国開催になったから、移動だけでも大変だ。
「決勝トーナメントは通過順位によって試合の時間も場所も大きく変わる。トーナメント初戦の会場が決まった瞬間に、マスコミとサポーターとの間で、価格が高騰した飛行機とホテルを巡る“絶対に負けられない戦い”が始まるのです」(スポーツ紙記者)
歴史的な円安が記者やジャーナリストたちを直撃している。
「スタジアムでは、二十オンス(日本で一般的な五百mlのペットボトルより少し多い程度)のミネラルウォーターが約千三百円。ビールは1杯約二千五百円。ハンバーガーが約二千七百円で売られている。
『普通に空港で売っている水も八百円ぐらいです。日本人記者は、スーパーでガロン(約3.8リットル)単位の水を買って水筒に詰めたり、日本から持参した電気炊飯器とレトルト食品で自炊したりして糊口を凌いでいます。せっかくのお祭り騒ぎを横目に、観光はおろか現地の食事には1食もありつけない人もいるらしい』(テレビ局記者)」(文春)
節約次第で食費はなんとかなるとしても避けられないのは旅費だという。
「日本から現地まで、単純に往復するだけで飛行機代等で約三十万〜五十万円はかかります。現地に着いてからも、日本代表は一カ月で約一万キロも移動する。ベースキャンプの米テネシー州ナッシュビルからグループ初戦と第三戦の会場の米テキサス州ダラスまでは安い便で約十万円、第二戦を行ったメキシコ・モンテレイまでは乗り継ぎ便で二十数万円です」(日本人ジャーナリスト)
その上、治安の悪さが記者たちの顔をさらに青くしているそうである。
「ある社は、米国メキシコ間を飛行機ではなくバスで移動するプランを真剣に計画していたそうです。国境地帯は、トランプ大統領が“壁”の建設を進めていることでも知られますが、麻薬カルテルらによる凶悪犯罪が多発していて、日本の外務省は『危険情報』を発出して陸路での越境に注意を強く呼びかけている。記者の命の危険と経費の負担を天秤にかけてか、さすがにプランは出張直前で見直されたそうです」(同)
お次もサッカーの話題。万が一、日本が決勝まで進んだら……。
NHKのサッカー中継は、本田圭佑の臨場感あふれる解説が話題だ。そこで大注目されているのが、本田と当意即妙に受け答えしているNHKの小宮山晃義アナ(42)だと、新潮はいう。
小宮山アナは慶応大学商学部を卒業して2006年にNHKに入局。地方局を経て現在は大阪放送局所属だそうだ。
あまり知られてこなかったが、スポーツ実況のスペシャリストとして業界内で評判が高いアナウンサーだという。
W杯の中継は18年のロシア、22年のカタールに続いて今回が3回目。
本田が、相手国のオランダ代表で警戒すべき選手を「1にガクボ、2にガクボ、3にガクボ」と名指しして挙げると、小宮山アナが「4は誰ですか」と切り返した。
本田の面白さを引き出している話術は見事だと、ネットでも話題になっているそうだ。
小宮山アナはサッカーの名門暁星高サッカー部出身で、慶応でもサッカー同好会でキャプテンだったというのだから、サッカー実況はお手の物なんだそうだ。
だが、彼はW杯が終わったら、青森放送局に赴任して副部長になるというのだ。
せっかくスポーツアナとして有名になったのに、なぜ?
スポーツ紙記者はこう解説する。
「NHKは今、スターアナをつくらない方針だからです。花形番組の数が限られる中、アナたちへ平等にチャンスを与えるべく、ある程度の年次の者はどんどん管理職として地方へ回す。先日、巨人軍の職員への転身が報じられた廣瀬智美アナは、そうした人事制度に巻き込まれまいとして退局を決めたとも」
そんなことをしているから、和久田麻由子アナや廣瀬アナのように辞めてしまう人気アナが続出してしまうのだ。
アナウンサーはテレビ局の顔だ。スポーツ中継が十全にできるアナは数少ないはずだ。NHKは考え直すべきではないか。
さて、6月16日、日銀は金融政策決定会合で、政策金利の引き上げを決めた。政策金利が31年ぶりの高水準に引き上げられることになる。
「家計にはどんな影響が?」「今の住宅ローンはどうなるの?」「新たにローンを組むなら変動型? 固定型?」
誰もが気になる疑問を、文春が専門家に尋ねたという。
経済部記者によれば、
「中東情勢に伴う原油高や円安を受け、インフレ抑制のため利上げに踏み切った形です。政策金利は〇・七五%から一・〇%へと引き上げられました。利上げは景気に対してマイナスに働く一方で、物価高や円安を抑える効果が期待されます」
高市首相は2024年の総裁選で「金利をいま上げるのはアホやと思う」と発言するなど、利上げに慎重な姿勢を示してきたというが、
「ベッセント米財務長官が日本側に利上げを促したのも一因となり、高市政権内でも静観ムードが広がった」(同)
だが、これは通過点で、「28年頃までには、政策金利は少なくとも1一・五%程度に達すると考えています」(みずほ総合研究所チーフ日本経済エコノミストの服部直樹)
ところで、利上げが続くと、私たちの家計にはどんな影響が生じるのだろうか。
「預貯金の利子収入が増加するなど、家計全体を見ると年間プラス1兆円の経済効果が見込まれます。特に、金融資産の多い高齢世帯や富裕層は恩恵を受けやすい。他方で、住宅ローンの負債を抱える若年世帯にはマイナスに働きます」(同)
高齢世帯でも、私のように金融資産も現金もない人間はどうしたらいいのだろう?
こういう切実な問いには、答えてくれていないがまあいい。
住宅ローンに大きく関係してくるのは、私でもわかる。ローンには大きく分けて2種類ある。
「長期金利に連動し、契約実行時の金利が完済まで変わらない『固定金利型』と、政策金利に連動して金利が上下する『変動金利型』です。利上げの影響を直接受けるのは、いま現在、変動型でローンを組んでいる利用者です」(前出・経済部記者)
みずほ総研の試算では、返済期間35年の変動型ローンで4000万円を借りるケースでは、政策金利が0.25%上がった場合、金利変化のない条件と比べて、総返済額が191万円増える結果となったという。
「異次元緩和で“超低金利時代”が続いたため、近年の利用者の約八割は変動型でローンを組んでおり、利上げの弊害を直接被ることになる。金融緩和で生じたひずみが顕在化し、現役世代を直撃しているのです」(服部)
文春によれば、これまでは大半の人が割安な変動型ローンを“一択”かのように選んできたわけだが、今回の利上げ局面で、そのリスクが見えてきたというのだ。
それでは、これから住宅ローンを組む場合、これまで通りの変動型でいいのか、あるいは固定型のメリットが急浮上するのか?
現時点ではまだまだ「変動型がいい」というのが通説だという。
国内最大手の住宅ローン比較診断サービス「モゲチェック」を運営する塩澤崇はこう解説する。
「現状だと変動型のほうが有利だと思います。六月の数値では、固定型の代表格『フラット35』の金利が三・二一%であるのに対し、変動型は一・〇八%にとどまっている。金利差が二%を超えた今の状態だと、変動型がオススメです」
金利差が2%以上ある状態だと、固定型ローンはまだまだ高すぎるというのだ。
住宅ローンに詳しい公認会計士の千日太郎はこういう。
「フラット35と変動型の金利差が一%以下に縮まれば、絶対的に“固定有利”になると考えます。フラット35には『利下げ制度』があり、それらを最大限活用することで負担を軽減できるからです」
フラット35というのは、住宅金融支援機構が民間金融機関と連携して提供する公的住宅ローンだ。固定型の代表銘柄として知られ、条件次第で“裏技”的な優遇措置が受けられるという。
「子育て世帯や若年夫婦世帯を対象にした優遇のほか、省エネ・耐震に優れた優良物件の購入などで得られる特典を活用すると、返済開始から最初の五〜十年間は金利を最大一%引き下げられるのです」(同)
文春によれば、このフラット35の利下げ制度は、条件に応じて加算されるポイント制で1ポイントにつき0.25%の金利優遇が受けられて、上限は「年間1%まで」となっているそうだ。
例えば、夫婦と子ども1人の世帯が省エネ住宅(ZEH)を購入する場合、フラット35の「子育てプラス」と「S」の対象になり、4ポイントが付与される。その結果、最初の5年間の金利が1%引き下げられる計算になる。子どもが増えた場合は、さらなる金利優遇があるというのだ。
では、どんなタイプが固定向きで、どんな人が変動向きなのか?
不動産事業プロデューサーでオラガ総研代表の牧野知弘はこう指摘している。
「安定して所得が増えるという自信がある人、大企業の課長や部長に出世しそうな人、お金持ちさんはこれまで通り、変動型でもいいんだと思います。逆にギリギリのローン計画を組まざるを得ない人も今どき、少なくありません。また収入の多寡が不安定な自営業者の方々もいます。そういう方々こそ、固定型が選択肢です。目の前の支払いの安さだけで判断するのではなく、長期的な金利上昇のリスクに備えるという考え方も大事です」
低金利時代は終わりをつげ、金利はこれからますます上がっていくことが考えられる。
家はローンで買う人が多いだろうから、住宅販売会社の社員の口車に乗せられないよう、十分に吟味してから決めるべきであろう。
お次は、私もよく見ているNHKスペシャル、通称Nスペのお話。
新潮によれば、5月24日に放送されたNHKスペシャル『潤日の肖像』は、母国を飛び出し日本に移住した、“潤日(ルンリー)”と呼ばれる中国人を特集した。だが、放送後ほどなく、メインの出演者が逮捕される事態になってしまい、NHKはこの番組の配信をストップさせてしまったという。
日本で暮らす富裕な中国人を特集した内容だったが、番組に出ていた藍沢鵬程容疑者(39)が逮捕されたのは6月17日。入管難民法違反の疑いで妻ともども警視庁に逮捕されてしまったそうである。
「逮捕容疑は、3年前、中国から女性ベビーシッターを入国させるために、女性の学歴や就業先を偽って在留資格を申請し、入国させたというもの。昨年から今年にかけて複数の情報提供があったのを契機に、警視庁で捜査が進められていました」(社会部デスク)
「番組では開始早々〈富裕層の生活を支援するファミリーオフィス事業〉を営む日本国籍取得者として紹介された藍沢容疑者。中国人が日本で生活するにあたって、ありとあらゆる身の回りの世話をするらしい。具体的に何をしているのか。
『顧客の家探しから“住民票”や“印鑑登録”の説明、上場企業買収の手伝い、不動産業者の紹介、さらにゴミの捨て方指南まで。まさに“何でも屋”としてありとあらゆることをサポートしている様子が紹介されていました』(前出のデスク)
本人の述べるところによれば、現在顧客は50人。いずれも〈中国の社会のピラミッドの頂点〉で、〈皆さん10億円以上の資産を持って〉おり、〈100億円、1000億円、持っている方も〉いるという」(新潮)
藍沢容疑者を知る中国人男性が、彼の正体をこう明かしている。
「父の仕事の都合で幼少期から日本にいるという彼が有名になり出したのは、2年前。あらゆるSNSを駆使して、“中国の富豪の執事”として自分を売り込み始めたのです」
自分を富裕層の相手にふさわしい者としてアピールするのに必死だったそうだ。
「番組で、8000万から1億円はするというロールス・ロイス ファントムなど、顧客用のクルマを見せびらかしていましたよね。同じようにSNSでは、4台のアルファードを得意げに自慢する動画もありました。4人の日本人運転手を使っている、だから安心のサービスですよ、と。この動画は少しバズりました」(同)
別の中国人男性は、こうもいっている。
「彼の口癖は“自分にできないことはない”。だから、顧客に頼まれればグレーなことでもやる奴だと見られていました。真面目にやっている同業者にしてみれば、SNSで悪目立ちする上にルールも守らないのですから、迷惑この上ない。逮捕されて“ざまあみろ”と言っている人もいた。暗号資産ビジネスに関わっていたこともあるようで、とにかくいかがわしい男です」
こんないかがわしい男をなぜNスペは取り上げたのだろう?
中国に詳しいノンフィクション作家の安田峰俊はこう指摘している。
「ベビーシッターが逮捕されたのは今年4月のことで、少なくとも藍沢夫妻は自分たちが手配したベビーシッターが逮捕されたことは知っていたはずです。NHKがしっかり身体検査をすれば、後ろ暗いことが何もない人物ではないとわかったと思います」
NHKは新潮に対して、
「ご指摘の取材対象者のみならず周辺関係者からも多角的に取材して番組を制作しました。犯罪が疑われるような情報には接していませんでした。放送後この人物が逮捕されたことは遺憾ですが、取材方法に問題があったとは考えておりません」
取材が甘かったのは間違いあるまい。『映像の世紀バタフライエフェクト』と並んで、NHKで数少ない良心的な番組なのだから、徹底取材を“徹底”してほしいものである。
