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東野圭吾・山田五郎を悼む、高市首相“虚偽陳述”疑惑と三山凌輝W不倫報道の行方――週刊誌が映す日本の現在地

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東野圭吾・山田五郎を悼む、高市首相“虚偽陳述”疑惑と三山凌輝W不倫報道の行方――週刊誌が映す日本の現在地の画像1
イメージ画像(写真:Getty Imagesより)

<今週の注目記事>
1「三山凌輝密会相手に無反省メール 趣里は小誌に告白『ショックです』」(「週刊文春」8月6日号)
2「高市首相に小渕・野田・小池が…女性政治家がNO!」(「週刊文春」8月6日号)
3「スクープ―入手 高市“骨太ショック”の裏に財務省・日銀の反乱『内部資料』」(「週刊ポスト」8月14・21日号)
4「実名告白 宝くじに当たった人は幸せになれるのか」(「週刊現代」8月17日号)
5「総力取材で迫る 素顔の愛子さま」(「週刊現代」8月17日号)
6「池袋暴走事故“上級国民”と遺族1868日目の対話」(「週刊文春」8月6日号)
7「高市首相陳述書 中傷動画『5つのウソ』」(「週刊文春」8月6日号)
8「三笠宮彬子女王の“養親本命論”に識者が警鐘“不適切”です」(SmartFLASH〈2026.07.25 18:55〉)
9「続・天皇制大議論 皇室典範改正を白紙化せよ」(「サンデー毎日」8月9日号)
10「言葉尻とらえ隊 能町みね子」(「週刊文春」8月6日号)

 作家・東野圭吾が亡くなった。享年68。死因は大腸がんだという。

 先日は山田五郎が亡くなった。享年67。

 私から見れば若すぎる死である。

 山田は自身のYouTubeでこう語っていたという。

「この俺がだよ、飯が食えなくなって固形物が一切食えなくなって。トドメにさ、この俺がだよ、タバコ吸えなくなった。もう人間立って歩いて飯食えているうちは死なないと思ったけど、もう死ぬよ。立って歩くことも飯食うこともできねぇ」

 山田は私と同じ講談社出身である。若い時、お尻をテーマにした本を講談社から出すとき、本名はダメだと社からいわれ、考えついたのが山田五郎だった。

 当時からモヒカン刈りで、目立つ存在だった。

 私とは部署が違うので、一緒に仕事をしたことはないが、ある時、社全体で新雑誌を考えろというような“安直”な社命が下り、私も何人かいるリーダーの一人になったことがあった。

 その時、私の下に入ったのが彼だった。元気のいい若者で、思ったことをズバズバと言ってきたことを憶えている。

 彼が若者雑誌「Hot-Dog PRESS」の編集長になってしばらくして、私と会った時、こんなことをいってきた。

「雑誌の部数を伸ばしたいが、上からは、SEX特集などはまかりならんといわれている。どうしたらいいのか」

 私は、「雑誌は部数さえ伸ばせば、会社は何もいわなくなる。自分がやりたいと思い、部数も伸びると思うのならやればいい」

 彼はその後、取材費も相当かけて「一味違ったSEX特集」号をつくり、当然だが部数を伸ばした。

 その後、彼に会ったが、「部数を伸ばしたのに、上からは、2度とこういう企画はやるなといわれた」と憤懣やるかたない表情だった。

 私は、「何をいわれても気にするな。外で自分の好きなことをやればいい。だけど会社は辞めるなよ」といった。

 山田がテレビなどで売れっ子になってからは、一度も会う機会はなかった。

 東野圭吾には会ったこともないし、彼の愛読者でもないが、『容疑者Xの献身』『白夜行』『秘密』など10数冊は読んでいる。

 あれだけ長い間、トリックはもちろんストーリーテラーとしても、読み応えのあるものを世に出し続けるのは、よほどの才能に恵まれた作家なのだろうと思っていた。

 文春が特集を組んでいる。

 その人気は国内にとどまらず、海外版を含めた累計発行部数は1億6000万部を超えるという。

 今から7年前の2019年7月、直木賞の選考委員だった東野が突然、

「今回で選考委員を辞めることにしました」

 といったという。その理由は、

「とにかく時間が足りなくて、他の人の本を読んでいる余裕はありません。僕は、自分の作品を書かなきゃいけないんです」

 たしかに、100冊を超える物語を世に出すためには、自分のプライベートな時間も削って書いていたのだろうし、還暦を越えて、そうした時間も少なくなっていることを感じたのだろうか。

 文春によれば、1958年、大阪市生野区に生まれ、時計職人を父に持ち、彼が幼少期には機械いじりを好んで、中学時代までは本を全く読まなかったという。

 東野は当時をこう振り返っていたという。

〈国語の成績もメチャクチャ悪くて、試験の問題の意味すらわからないこともあったぐらい(笑)〉(「週刊文春」06年2月23日号)

 高校時代に小峰元の『アルキメデスは手を汚さない』(講談社)を読んでミステリーの世界にのめり込んだが、大阪府立大工学部を経てエンジニアとして日本電装(現デンソー)に就職。しかし、創作意欲は抑えきれなかったという。

 かつて「オール讀物」に寄せたエッセイでこう綴っているそうだ。

〈(註・エンジニアとして)過ごしながらも、1つの疑いが脳裏から離れなかった。俺の居場所は本当にここなのか〉(06年3月号)

 1985年に『放課後』(講談社)で江戸川乱歩賞を受賞し、デビューを果たす。直木賞作家で、デビュー直後からの飲み友達でもある馳星周がこう振り返る。

「当時は結構ヒマそうで、銀座の文壇バーに行くとだいたい東野さんがいました。月に3回くらいは一緒に飲んでましたよ。クールな見た目とは裏腹に、根はコテコテの関西人。文学論は一切口にせず、馬鹿話ばかり。お笑いが大好きで、ボケとツッコミの両方やって盛り上げてくれました」

 しかし、デビューから10年ほどは文学賞に恵まれず、売れっ子作家にもなれなかった。同じ直木賞作家の桐野夏生がこう語る。

「今でこそ誰もが知る人気作家ですが、しばらくはあまり売れなかったそうです。ご自分でも、『初めてのサイン会はお客さんが誰も来ませんでした。だから、今でもサイン会はやりたくないんです』とおっしゃっていました」

 ターニングポイントとなったのは、1998年に刊行された『秘密』(文藝春秋)だった。同作で日本推理作家協会賞を受賞すると、その後、ベストセラーを連発する。2006年、天才物理学者・湯川学を主人公とする「ガリレオ」シリーズの第3作『容疑者Xの献身』(文藝春秋)で直木賞を受賞。福山雅治主演で映像化されると、海外にも読者層を広げていった。

 私が知る限り、メディアの露出は少なかったようだ。

 だが、スノボーが趣味で、各社の編集者が自然と集って「チーム東野」が結成され、年間30日以上も雪山に足を運び、天気図まで読めるようになったという。

 大腸がんだったことを知る人はあまりいなかったようで、突然の訃報に、親しかった作家たちも驚いたようだった。

 もっともっとあなたの物語を読んでいたかった。そう思わせる数少ない作家の一人であった。合掌。

 さて、オール・メディアが高市総批判に転じた。

 きっかけは皇室典範改悪だったが、ここへきて、彼女が「骨太の方針」という自画自賛のトンデモないものを出し、食料品の消費税率を1%に引き下げる政策をやり抜くと断言してから、外野だけではなく、自民党内部からも堂々と名前と顔を出して反対する議員が次々に出てきた。

 高市が1%に固執すればするほど、自民党内は高市離れが進んでいくというジレンマに陥り、まるで政権末期の様相を呈してきた。

 週刊誌は高市批判の急先鋒であるが、今週の最初は、文春の連載コラム、能町みね子の「言葉尻とらえ隊」から紹介しよう。

 能町は、高市が頻繁に使う「半端ない」という言葉を取り上げ、こう書いている。

《7月20日22時33分、Xに高市早苗の長文がリリースされ、これが話題になった。自分がどんだけ大変な仕事をしてるか、どんだけ睡眠が取れてないかを長文で訴える内容。世間的には「総理就任以来、0時間〜3時間睡眠が常態化」の部分が多く取り上げられ、心配するような論調のメディアもあったけど、睡眠不足の人の判断力で国を操られちゃあ本当に困るよ。内容も、私は効率よい仕事ができない人間ですとアピールしているだけ。》

 能町はさらに、この言葉に注目する。

《途中、こんな文がある。

「(予算等について)半端ない情熱を注いでいました」

「半端ない情熱」。パネェっすね。この半端な若者言葉は、どうして出てきた?

 文化庁「国語に関する世論調査」(2011年度)では20代でも使用率が半分を切っていた若者言葉「半端ない」。いまはかなり広まっている印象があるものの、65歳の高市が使うには違和感がある。奈良方言だという情報もない。》

 このおかしな若者言葉を高市は、これまで何度も使っている。

《24年9月「睡眠不足は半端ないですが」。23年12月「(ぎっくり腰の)痛さが半端ない」。22年9月には「(安倍晋三の死去について)改めて淋しさが半端ないです」。

 最後のには特に驚いた。人を悼むときの言葉として明らかに適切じゃないよ。

 どうやら彼女は「半端ない」が俗語であることを知らなそう。若者ぶっているのでも何でもなく、たまたま知った言葉を漫然と使っているだけに見える。これは想定外だった。

 この人は公と私の区別がつかない人なんだ、と思った。「半端ない」なんて言葉は、私人としてならともかく、首相が自分の業務について発信する公の文章としてはふさわしくない、という認識が全くない。

 公と私の区別がなく、首相でなかったときと首相であるときの区別もない。だから、仕事が大変という話をしながらそこに並列でアイロンかけが入りこんでくるし、一議員としてのくだけた発信と国の代表としての発信に差をつけない。つけることができない。》

 同感である。

 高市という人間は、売れないタレントがひょんなことから議員になり、首相まで上り詰めたが、頭の中は知性も深慮もない「タレント議員」のままなのだ。

 次は皇室典範改悪に反対する有識者たちを連続インタビューしているサン毎から。

 刮目すべきは、前の首相の石破茂がはっきりとこういっていることだ。

「再改正に向けて最大限の努力を」

 石破は、天皇皇后両陛下のオランダ、ベルギー訪問に際して、首席随員として同行していた。

「2週間陛下にお供して、ともかく陛下のなさることは普通の人にできることではないということを間近で拝見した。誰にも平等に対応される。日本人でも、オランダ人でも、ベルギー人でも、出会う方お一人お一人に丁寧に真心をもって接せられている。

 40度を超す異常な暑さの中でも、変わらずにあの穏やかな表情をされている。これは本当に、並大抵の人間でできることではないと思った」

 天皇とは何か、戦前、戦中の苦難をどう考え、どう生かすのかを上皇から教えられた今上天皇。

「もちろんお血筋も大事だが、環境はそれ以上に大事ではないか。普通の家で育った人は、相当な覚悟と見識、勉強がなければ皇族にはなれない」

 これは、旧皇族から養子をとり、その男が結婚して男の子が生まれれば、天皇になるという、ふざけた皇室典範改悪への痛烈な批判である。

 同行中、石破は天皇、皇后両陛下と言葉を交わす機会があっただろう。皇室の将来について、何を感じたのだろうか。

 だが、石破は軟弱なことに、皇室典範改悪に賛成している。

「苦渋の決断」などといっても、そういうところがこの男のダメなところだが、一縷の希望は、こういっているところだ。

「愛子天皇論にしても男系養子論にしても、『推し活』的なものだけでは説得力を欠く。憲法との整合議論が重要だ。勉強し、よりよい皇室典範を構想、提起してみたい。法律であるならば再改正することが可能だからだ」

 そう、法律なら再改正できるのだ。

 石破が再び首相に返り咲くのは夢のまた夢だろうが、今回の皇室典範改悪に違和感を持っている政治家は多いはずだ。

 だが、石破のように勉強してからでは遅い。まず行動ありきではないか。そうした連中を束ね、反高市連合をつくれば、意を同じくする議員は多いはずだ。

 女性自身ネット版(8/3(月) 6:00配信)は、元文部科学事務次官で現代教育行政研究会代表の前川喜平のこんな言葉を紹介している。

「象徴天皇は日本国憲法下でのものですから、神武天皇から数えて126代とすべきでなく、昭和天皇から数えて天皇陛下が3代目とすべきと私は考えます。旧憲法の主権者は天皇でしたが、敗戦後の日本国憲法で主権者は国民に移り、天皇は国民の総意に基づく象徴になったのです」

 私もそう考える。愛子天皇を待望する国民は、皇室典範改悪後も7~8割いる。この国民の総意に背を向ける高市には鉄槌が下るのではないか。

 SmartFLASH(2026.07.25 18:55)は、にわかに三笠宮彬子さんへのバッシングが起きていると報じている。

 今回の皇室典範改悪には旧皇族の男系男子を養子に迎えられるようにすることが盛り込まれた。

「養子の“親”となるのは、上皇ご夫妻と天皇、皇后両陛下、秋篠宮ご夫妻以外の皇族です。そこで養親として“大本命”とにわかに注目を集めているのが、三笠宮彬子女王殿下です。三笠宮家は現在、男子がいないことから断絶の見込みです。養子を取ることができれば、三笠宮家は続くことになりますね。

 ただ、彬子さまの母・寬仁親王妃信子さまは、麻生太郎副総裁の妹です。改正を推し進めた麻生氏による“陰謀”や“乗っ取り”を警戒する声もあがっています」(皇室ライター)

 にわかに注目を集めている寬仁親王殿下の長女で、麻生氏の姪にあたる彬子さんへの誹謗がSNSを中心に巻き起こっているというのだ。

 そうしたバッシングに対して、皇室研究家の高森明勅は、

「今回のバッシングの中で見過ごされがちなのは、彬子さまといえば、靖国神社を大切にされているという点も指摘したいですね。さまざまないきさつの中で、皇室の方々が、足が遠ざかっておられるなかで、靖国参拝を大切にしておられる皇族のおひとりです。ご本人は日本文化を大切にする活動もされているようです」

 と評価するが、彬子さんが“養親”となることについては、反対だという。

「まず、母である寬仁親王妃信子さまとの複雑な関係が急に改善するとは予想しにくい、という事情があります。令和の皇室に『三笠宮』を名乗る宮家が、『三笠宮寛仁親王妃家』『三笠宮家』という形で2つ存在することは、失礼ながら明らかに異常な状態と言わざるをえません。これはどちらかが一方的に悪いという話ではもちろんないのですが、おふたりの間に確執があることは度々報じられており、母娘関係に深刻な不和を抱えておられるということで、養子を迎えるうえで適切なのか、国民の間に理解が広まるとは思えません。

 さらに麻生氏の姪であることも懸念材料です。皇室に求められるものは、公正中立であり政治と距離を置いておくこと。麻生氏という政治家に利用されたり高市政権に肩入れしているかのように見える構図は避けなければいけません」

 また、民間で生まれ育った旧宮家男子を、どう教育するのかという問題もある。

「そもそも彬子さまが結婚すれば民間に入るという既定路線で教育を受けてきたと語っておられるんです。小遣いをもらって小遣い帳をつけるとか、電車で通学するとか、“いつか民間に”という前提で教育を受けられてきた。その点で、皇族としての教育をずっと受けて来られた愛子さまとは全然違うわけですよね。

 もちろん、“庶民感覚がわかる”という利点にもつながっていると思いますが、養子を迎えた場合、むしろ彬子さまは“元民間人”に対し、皇族はどのように振舞うべきか、どういう心構えを持つべきかということを伝えなきゃならないわけです。民間に入るという前提で教育を受けて来られた方が、次世代の皇室を担う人材教育をするということは、やはりミスマッチでしょう。もし、彬子さまが養親として本命視されているとしたら、首をかしげます」

 私も彬子さん本命説には疑問だ。本命は麻生の妹信子だと思うが、彼女は71歳で、彬子さんと同様、皇族としての教育を受けて育ったわけでは全くない。

それでも養子はとるだろうし、目星はついていると、私はにらんでいる。

 皇室典範改悪は皇室騒乱の幕開けの第一歩に過ぎないのだ。

 ところで、自分のところでスクープ&連続追及していた「高市首相の秘書の中傷動画問題」だったが、ネタ元の松井健なる人物のいかがわしさが他メディアで報じられ、パタッと報道しなくなった文春だったが、今号で久しぶりに高市首相陳述書に「5つのウソ」があると報じている。

 だが、新しい情報はなく、これまでの繰り返しである。察するに、よほど松井健なる人物から真偽不明な情報を告白され、それを疑うところなく丸ごと信じてしまったのではないか。

 文春の報道どおり、木下剛志氏が松井健氏と中傷動画の作成・発信に関与していたのであれば、細かいところで「齟齬」や「事実と違う点」があったのではないか。

 万が一そうなら、それを含めて全てを洗いざらい公表して、その上で、サナエトークン、誹謗中傷動画問題の責任を、高市首相に問えばいいと思うのだが。

 文春のいい分を見てみよう。

《今回の陳述書ではどんな説明を行ったのか。まず中傷動画問題については冒頭で、〈私を含め、高市事務所及び高市陣営においては、(略)他の候補者を誹謗中傷するような動画を作成・発信するようなことは行っておりません〉とした。

 これが第一のウソだ。「週刊文春」はこれまで、総裁選中に木下氏自ら中傷動画作戦に関与したことを報じてきた。それを示すのがTikTokアカウント「真実の政治」だ。

 対立候補を中傷する3本の動画を投稿。小泉氏を【カンペで炎上!無能で炎上!】と嘲弄し、林氏に対しては投票依頼文書を巡る真偽不明の疑惑について、【林くんルール破っちゃったー 文書送付投票依頼は完全アウト】と誹謗する内容だ。

 木下氏は9月26日、シグナル(秘匿性の高いメッセージアプリ)を通じて松井氏に、投稿前だった林氏の動画データを送信。〈以上です。これからアップしてアカウントを送付致します〉として、「真実の政治」のリンクも送った。“予告”通り、林氏の動画は26日に公開されている。さらに言えば、「真実の政治」は今年4月23日、「週刊文春」が木下氏の関与を問う質問状を送った後、まもなく「永久停止」された。

 なお、小誌は松井氏側から提供を受けた動画の一部について、後に時系列上の齟齬が判明したため、電子版での公開を停止し、本文も修正した。だが、「真実の政治」はそれらの動画とは別アカウント。投稿された動画を小誌が独自に保存したもので、時系列上の疑義も生じていない。木下氏自身も動画の作成・発信に携わったことは明白だ。》

 サナエトークン問題については、

《第三のウソは、〈「サナエトークン」という名称の暗号資産が発行され、取引がなされるということについて、事前に説明を受けたことはなく〉とする主張だ。

 サナエトークンは、実業家・溝口勇児氏のYouTube「NoBorder」が手掛けたプロジェクトの一環で発行された暗号資産。松井氏が開発を手掛け、2月25日に流通が開始された。

 松井氏と木下氏は、昨年12月から打ち合わせを継続。12月17日のZoom会議では、松井氏側の担当者が「トークンですね。いわゆる暗号資産と言われるものを、今後発行していく」と、3回にわたり暗号資産であることを明言。木下氏は「すごくいいなと思います」、「トークンっていうのは、その後に何か利用することは可能なのかどうか」と尋ね、担当者は「発行した後は当然上場を考えています」、「マーケットで売却できるので、経済的なインセンティブも得られる」などと説明している。つまり、自ら質問し、売却可能な暗号資産だとする回答を得たのだ。

 さらに流通前の2月21日には、松井氏らとのグループLINEで担当者から、〈トークン名を「さなえトークン」としていく〉とする報告も受けている。》

 私は思うに、文春のいうように、木下と松井の関係と中傷動画作成の十分な裏付けができているなら、高市首相の虚偽答弁は明らかである。

 だとしたら、このままこの話が消え去っていくのは何とも惜しいし、文春としても道半ばであろう。

 野党議員や優秀な弁護士たちとタッグを組んで、高市首相の陳述書に虚偽があったことを追及できないものか? 自分たちの恥をさらしても、高市と木下に「中傷動画に手を染めていました」といわせる。何か方法はないものだろうか?

 お次も文春から。

 私もあの事故のことはよく覚えている。2019年4月19日に発生した、母娘2人の命を奪って10人を重軽傷させた東京・池袋の暴走事故である。

 加害者の元高級官僚(通商産業省〈現経済産業省〉工業技術院の元院長)・飯塚幸三(当時87歳)は逮捕されず、「車に異常があった」と主張した。

 逮捕されないのは飯塚が「上級国民だからではないか」と猛烈な批判が起きたのである。

 当時、TBSテレビの社会部で警視庁を担当していた守田哲は、以来7年にわたり、100人ほどの事故の関係者を取材したという。

 その中で、もっとも数多く接触を重ねた1人が被害者の父で夫である松永拓也、もう1人は加害者の飯塚幸三の長男だったという。

 この2人は「こんな悲劇を絶対に繰り返してはならない」という共通した思いを持ち、何度も対話を重ねてきたそうだ。

 私のような偏狭な人間には、自分の妻子を奪われたら、加害者の身内と会うなんて信じられない。

 当時の詳しい事故の様子が記されているが割愛する。

 この事件は異例なことに、警視庁と東京地検が最初からタッグを組んだそうだ。

 世論からのプレッシャーがあり、適用される罪の法定刑の上限が禁錮7年だったため、反発を恐れたのだろうか。

 様々なメディアで報じられると、高齢ドライバー問題は社会の最大の関心事となり、39万筆の署名が集まり、運転免許証の自主返納件数は2019年に過去最多の60万件を記録したという。

 だが、長男の説得にも応じないまま飯塚は、「車が暴走した」「記憶にない」を繰り返し、「禁錮5年」が確定した。

 松永は筆者にこう漏らしていたという。

「(飯塚には)自分の経験を社会に還元してほしい」「彼の発言は凄い影響力があるよ。世の中に警鐘を鳴らすことができるんだから」

 守田は遺族の意向を加害者側に伝えたいと思い、飯塚家を支援しているNPO法人ワールドオープンハートの阿部恭子理事長を通じ、飯塚の長男へ何度もメッセージを送ったという。

 交渉から3年後に、長男と面会でき、2024年2月に松永と長男が対面を果たしたそうである。

 そして同じ年の5月29日、松永は飯塚と面会したという。

《車椅子に乗った飯塚はげっそりと痩せ、人相が裁判時と変わっていた。

 飯塚は質問を投げかけられても、数分間、発話することができないほど衰弱していた。「はい、いいえ」で答えられる形式の問答にすると、少しずつやりとりが成立するようになった。

「医師に止められていたら、運転をやめていましたか」

「やめていました」

 松永が「再発防止の観点から、高齢者やその家族に伝えたいことはありますか」と確認すると、飯塚ははっきり答えた。

「早く免許を返すように世の中に伝えていただきたいです」》

 その年の10月、飯塚は93歳で亡くなった。

 私には「奇跡」というしかない顛末である。

 詳しいことは、守田が上梓した『池袋高齢者暴走事故 遺族と加害者家族の2060日』(文藝春秋刊)を読んでほしい。

元木昌彦

編集者。「週刊現代」「FRIDAY」の編集長を歴任した"伝説の編集者"。

元木昌彦
最終更新:2026/08/04 12:00