ドジャース4連敗の衝撃、王将社長射殺事件で無罪判決、簗農水相更迭――元木昌彦が週刊誌を斬る

<今週の注目記事>
1「簗農相買収指示メールを公開する」(「週刊文春」10月22日号)
2「読み書きそろばんがAIに圧勝したワケ」(「週刊文春」10月22日号)
3「王将社長射殺事件ヒットマン『獄中からの手紙』」(「週刊文春」10月22日号)
4「高市総理よ、『日米地位協定』こそ改定せよ!」(「週刊ポスト」10月30日号)
5「個人情報流出 いますぐやめるNG行動」(「週刊文春」10月22日号)
6「血税17億円『ネコババ』民主改革小川代表に『予算カット発言』批判する資格なし」(「週刊新潮」10月22日号)
7「『お~いお茶』『生茶』『綾鷹』『残留農薬』独自検査で分かった意外な事実」(「週刊新潮」10月22日号)
8「ノーベル賞『硤合先生』が『僕載ったよ』と喜んだ『珍名辞典』」(「週刊新潮」10月22日号)
9「夫婦の『セックスレス』を本気で考えた」(「週刊文春」10月22日号)
10「急増するシニア犯罪のギョーテン実態」(「アサヒ芸能」10月27日号)
この秋最大の楽しみが消えた。この虚しさは「秋華賞」でモンローウォークとギャラボーグの馬連を獲っても消えはしない。
大谷翔平のドジャースがブルワーズに4連敗して、ワールドシリーズに辿り着けなかった。何やら、今年の春のWBCの再現のようだった。
WBCも2連覇どころか、早々に姿を消してしまったように、リーグ優勝どころか、1勝もできずに完敗してしまった。
大谷はもちろんのこと、札束を山積みして他チームからかっさらってきた元サイ・ヤング賞投手たちも、ブルワーズの頭を使ったチームプレーに引っ掻き回され、自滅していった。
監督の差といってもいいだろう。
大谷の調子の悪さは、シーズン後半から分かっていたことだから、使うのだったら1番に固定すべきだった。4戦目のスリーランホームランは、仇花になってしまったが、大谷の意地を見た気がした。
敗戦と同時に、デーブ・ロバーツ監督は辞任を表明すると思ったが、今の時点で、そうしたニュースは聞こえてこない。失礼だが、ロバーツ監督のままでは、来年も同じことを繰り返すことになる。人情味のある監督だとは思うが、時として監督には“非情”な采配が必要である。
メンバー9人が全員、ホームランを狙っているから、ここで1点ほしいという時、小技ができない。監督もそうした指示を出さない。長期戦のシーズン中ならいいが、短期決戦は、監督の采配が明暗を分ける。
その上、大谷翔平の身体が心配だ。彼は敗戦後のインタビューで、来年も二刀流でいくと表明したが、一部報道では、シーズンオフに肩の手術をするのではないかというのがあった。
もしそうだとしたら、来シーズン前半は“休場”ということもあり得る。長年の二刀流で、大谷の身体はボロボロになっているのではないか。
前人未到の二刀流で、奇跡ともいえる“感動”をわれわれ野球ファンだけではなく、世界中のスポーツファンに与えてくれた。
来シーズンからは、打者に専念して、60ホームラン、60盗塁を見せてほしい。だが、大谷はあくまでも二刀流にこだわり続けるのだろう。
たとえ、それで野球選手としての寿命を短くしても。大谷をグラウンドで見られるのは、来シーズンが最後になるかもしれない。
さて、今週の最初は、アサヒ芸能から。
私が新米の雑誌編集者だった頃、編集長からいわれて裁判をいくつか傍聴したことがあった。
「裁判には人間のドラマがある」が編集長の考え方で、たしかに、小僧っ子だった私にも、法廷ドラマに驚きや感動があると学んだ。
阿曽山大噴火という裁判傍聴芸人がいる。彼が『「シニア珍事件』裁判傍聴記 元大蔵官僚、『ブス』と叫んで被告になる」(徳間書店)を上梓したそうで、その中のいくつかのエピソードを紹介している。
20年ほど前は後期高齢者の裁判は珍しかったが、今は70、80は当たり前で、90歳で初めて驚くという。
デヴィ・スカルノ、通称デヴィ夫人は86歳。起訴された件は、飲食店で元マネージャーのAにシャンパングラスとおしぼりを投げる暴行を加えた件と、都内の動物病院の手術室で、やはりデヴィが元マネージャーのBの腹と胸を殴り、脛を蹴った件。
2件の暴行事件の引き金になったのが「犬」だったという。
「犬を食べるのは文化ですよね」とAが発言し、愛犬家のデヴィが激高。動物病院では死んだ飼い犬の措置に納得がいかず、獣医につかみかかろうとした彼女を、Bが制止しようとして暴力を振るわれたそうだ。
この事件で、デヴィは仕事やCMを失い、損害額は9000万円だと明かしたという。
法廷に出てきたデヴィ夫人は、テレビに出ているのと変わらない着飾った姿で、取り乱したところもなく、「私、瞬間湯沸かし器みたいなところがあって」と自分を顧みることはあったが、2人への謝罪はなかったそうだ。
70代の元大蔵官僚は、古書店に居合わせた女性客に対して、
「ブスは黙ってろ! ホント態度悪いブスだな」
と悪態をつき、侮辱罪で裁かれるようになったそうだ。
そもそも、本を探していた被告が、店員だと間違えて客の女性に声をかけたが、無視されたため、ブスといい放ち、店員に間違いを指摘されると、謝ることもなく、「違うなら違うっていえばいいだろ、ブス」といって、訴えられたそうだ。
最近は、カスハラ、カスタマーハラスメントという魔物が大手を振って歩いている。
私も短気なことでは引けを取らない。何度、バスの運転手や、問い合わせた役所や企業の受付とモメたことか。
怒るのは一種の「精神安定剤」だと思っているのだが、今の時代、それがもとで訴えられ、有罪になるかもしれないのだ。嫌な世の中だな~。
さて、少し前、朝日新聞で「『したくないけど、言えない』夫婦間の性的同意」という連載があり、話題になった。
それをさらに“深化”させた特集「夫婦の『セックスレス』を本気で考えた」という特集を文春が組んだ。
文春によれば、現代日本社会を生きる夫婦の大半は「セックスレス」であるという。
「心地よいセックスの経験がない。できればもうしたくないけれども、夫の誘いを断ると気まずいので仕方なく応じている」(女性)
「もう10年も妻とセックスしていない。妻は食事こそ作ってくれるが、口もきいてくれません。何が原因か分からない」(男性)
こうした“性の悩み”を抱える夫婦がいま、急激に増えているという。
セックスレスとは、日本性科学会によると、セックス及びセクシャルコンタクト(裸の抱き合いなど)が1カ月以上ない状態をさすことだそうだ。
同会セクシュアリティ研究会の2022年調査では、「性交渉がこの1年全くない」と答えた40〜80代の既婚者の割合は、女性は70%に達し、男性も53.9%だったという。
男の割合が女性より低いのは、岡場所など、妻でない女性とセックスをしているということか?
セックスレスが長引けば、離婚へと発展してしまうケースも少なくないだろう。夫婦の性にまつわる著書多数のフリーライター・亀山早苗はこう話す。
「何度もセックスを拒否されると、拒否された側は人間性そのものを否定されているように感じてしまいます」
一方、妻に拒否された夫は、
「自分は彼女にとって不要な人間なのではないか」
「ただ給料を家庭に入れる“ATM”扱いなのではないか」
そう思い詰めるようになるそうだ。
サラリーマンの亭主は人間ATMというのは、その通りだ。私も長年、その役割を果たしてきた。
だから、妻からセックスを拒否されれば、自分という人間が丸ごと否定されたように気になる。わかるな~。
そうならないためにはどうするか? 元一橋大学講師の村瀬幸浩によれば、
「日常生活のコミュニケーションがうまくいってないのに、ベッドの上でだけうまくいくはずがありません」
と喝破する。田園調布学園大学名誉教授の荒木乳根子は、
「急にラブホテルに行くなどの小手先のテクニックを考えないことです。一足飛びにセックスに向かわず、むしろ、朝の『おはよう』、帰ってきて『ただいま』の一言の挨拶から始めてみてはいかがでしょう」
さらに荒木は、食事が美味しければ当たり前だと思わず、「美味しい、ありがとう」ときちんと伝えることだという。
「食事を作る側は、相手が好きな料理を一品加えたり、『今日は一杯飲む?』と誘ってみたり、心が和む食卓づくりは効果的です。健康が気になる年頃になってきたら一緒にウォーキングを始める。『いい天気だね』『花が咲いたね』と会話しながら共に過ごせば、ふたたび関係がほぐれます」
先の亀山もこう続ける。
「例えば妻たちが喜ぶのは、週末に『自分が子供の面倒は見ておくから美容院にでも行っておいでよ』と、一人の時間をプレゼントしてあげることです」
だが、一言いいたくなる。妻とそんな温かい関係でいられれば、夫婦和合は難しくない。
だが、普段、「おい、めし」くらいしか会話していないのに、急に猫なで声で「いい天気だね」なんていい出したら、「こいつ、とうとう認知になったのか」と思われるのが関の山。
美容院の時間をプレゼントしてやりたいが、先立つものがな~。カネさえあればとは思わないが、夫婦円満はカネである程度買うことができる。
カネが仇の世の中。まあ、カネがあったら、妻ではなく、他に女をつくるかもしれないな。
こんなことを考える亭主だから、カミさんに嫌われるのだろう。わかっちゃいるけど、どうしようもない。かつての喜劇役者・伴淳三郎の言葉ではないが、「母ちゃん、かんべんな」である。
ノーベル化学賞を受賞した硤合(そあい)憲三(76)東京理科大学名誉教授は、その名前の珍しさでも注目を引いた。
ノーベル化学賞の選考委員は、「硤合反応」と呼ばれる氏の研究について、「有機化学史上、もっともエレガントな実験のひとつ」と賛辞を贈ったそうだが、私には何のことかさっぱりわからない。
新潮で科学部記者がこう説明している。
「アミノ酸や糖類といった有機化合物には、同じ原子で構成されていても、左手と右手のように立体構造が異なるものがあります。しかし不思議なことに、これらの有機化合物が生き物の身体をつくるとき、多くの場合、左右どちらかの構造に偏るのです」
生命には分子レベルで左右の不均衡があり、これこそが大いなるミステリーで、硤合反応はそれを人工的に作り出すことに成功した実験だというのだ。
研究一筋で、プライベートの話や雑談は全くといっていいほどしないという。
だが、記者会見を見ていても、軽妙な語り口は、彼の人柄がにじみ出ていて、私も好感を持った。
しかし、「硤合」という字は、私の長い編集者生活で初めて出会った苗字である。
その名前が、90年代の後半、珍しい苗字を取り上げる『珍名辞典』に掲載されたとき、「見て、僕、載ったよ」と嬉しそうに後輩たちに見せていたそうだ。
全国でも、硤合という姓は、彼の家族や親族しかいないそうだ。
硤合と交流を重ねてきた名古屋大学大学院工学研究科有機・高分子専攻教授の石原一彰は、彼の研究についてこう話している。
「地球が誕生したばかりの頃、分子には左右の偏りなどなかったはずですが、どこかの段階で不均衡が生じた。これは、今日に至るまで解明されていない謎です。硤合先生は、こうした一生をかけても答えにたどり着けるか分からないテーマに臨んでいるので、研究がやめられないのではないでしょうか」
私のような凡人は、それが我々のどんな利益につながるのかと考えてしまう。だが、自分の代ではすべてを解明できないが、次の若い世代が引き継いでやってくれる。
大いなるロマンがそこにはある。うらやましい人生だ。
ところで、私はお茶が好きだ。安い緑茶だが、日に何度か飲む。
特に、朝起きて飲むお茶は、格別である。
外で、映画を見る時、ペットボトルの「お~いお茶」は欠かせない。
お茶は古来より、のどの渇きだけではなく、気鬱、頭痛などに効く「良薬」であった。
最近では、インバウンドたちが広めたのか、お茶、それも抹茶の人気が高く、品薄状態が続いていると報じられている。
だが、そのお茶が、人体に危害を及ぼす『残留農薬』に汚染されていると、新潮が報じている。
「2003年に群馬県の開業医から、『ネオニコチノイド』という農薬が松林に大量散布され、その中毒と思われる患者が多数来院していると聞いた時、私は耳を疑いました。前代未聞の“人体実験”が進行しているのか、と」
こう話すのは東京女子医科大学附属足立医療センターの平久美子医師だ。
群馬県では2006年に大量散布は中止されたが、その後も、ネオニコチノイド患者は急増を続けたそうである。
症状は、頭痛や倦怠感、腹痛、記憶障害、手の震えなど多岐にわたり、2009年には延べ3000人が群馬県の診療所に押し寄せたという。
「患者さんたちに共通していたのは、ペットボトルの茶飲料か国産果物を毎日摂取していることでした」(平医師)
2018年に北海道大学らの研究チームが行ったネオニコチノイドの調査では、スリランカ産の茶葉30検体からは検出されなかったのに、日本のお茶の39検体全種類から検出されたという。
さらにこの国では、規制どころか緩和に向かっているというのである。
消費者庁が8月に公示した「食品、添加物等の規格基準の一部を改正する告示」を読むと、ネオニコチノイド系の一種である「イミダクロプリド」のお茶の残留基準値を3倍まで引き上げようとしているというのだ。
イミダクロプリドは、ネオニコチノイドの中でも急性中毒患者が多いことで知られ、原液を飲むと、酷い場合には人工呼吸器が必要になることもあるそうだ。
そのため新潮は、「生茶」「綾鷹 濃い緑茶」「お~い、お茶 緑茶」の3商品の食品分析を行っている「農民連食品分析センター」に協力を依頼し、調査してもらったというのだ。
3商品すべてから検出されたのは「ジノテフラン」で、主に殺虫などで使われる。
独協医科大学の研究では、ジノテフランは、母親が摂取すると、胎児の脳が、ネオニコチノイドの危険に晒されるという。
また、「生茶」と「綾鷹 濃い緑茶」から検出された「クロチアニジン」は、摂取を続けると脳が汚染され、子どもの脳の発達を妨げるという可能性が指摘されているという。
たまに飲む分にはさして心配ないのだろうが、毎日1、2本を継続して飲むと、やや心配ではある……ということか。
各メーカーの伊藤園、キリンホールディングス、日本コカ・コーラーからは、食品衛生法に適合している原料茶葉を使用していると回答があったそうだ。
だが、あまり心配し過ぎても身体に良くないのではないか。ここらへんで、一服喫するとしようか。
さて、私は中道改革連合代表の小川淳也(55)という政治家は、少しは信念を持った政治家だと思っていたが、それはどうやら勘違いで、ガッカリさせられることばかりだ。
大島新監督によるドキュメンタリー映画『なぜ君は総理大臣になれないのか』(2020年公開)を観て少し期待したが、総理どころか弱小野党の代表も満足にできないようでは、政治家としての資質に欠けると思うしかない。
結成からわずか9カ月で事実上の解党となった中道改革連合だが、衆院議員の渡辺創(49)たった一人が党に残ることで、今年、未交付分の政党交付金約12億円を受け取る見通しで、さらに来年は約17億円の交付金もせしめようとしていると新潮が報じている。
新潮は、現在、「恫喝問題」で簗(やな)和生農水大臣に向けられる批判の一つが「税金の私物化」であるが、こちらの「私物化」は問題にならないのだろうかと問うている。
所属衆院議員49人のうち48人もの離党方針が決まった翌日の9月9日、国会内で開かれた会見で、中道改革連合が政党交付金を手にしようとしていることの是非を問われ、当時の代表で、現在は「民主改革の会」の代表となった小川は、悪びれる様子もなくこう答えたというのである。
「10億円余りを踏み倒していいのかというご質問であれば、答えはノーだろうと思います」
分かりにくい。小川の主張を政治部記者に解説してもらうと、こうだという。
「中道改革連合には、2月の総選挙にかかった費用のうち、今なお10億円余りの未払いがあるといいます。民間業者への支払いを踏み倒すわけにはいかず、完済するまで解党は無理。そのため10月と12月に、未交付分の政党交付金を合計で約12億円受け取る、というのが小川氏の理屈です」
さらに、中道改革連合は来年、約17億円の政党交付金も受け取ろうとしているといわれているそうだが、いったい、どういうことなのか?
「1月1日時点で政党として存続していれば、年額で約17億円もの政党交付金を受け取ることができるのです。先の総選挙で得た票数が、交付額の算定に反映されるからです」(野党関係者)
そのカネをどうするつもりなのか?
「こうして“ネコババ”した交付金は、各選挙区の総支部長に政治活動資金の名目で分配するつもりだといいます。つまり、立憲民主党出身の落選議員を養うことが目的でしょう」(同)
だが、2014年に「みんなの党」が解党した際、代表だった浅尾慶一は、党に残った政党交付金など約14億円を国庫に返納した。
新潮が、中道改革連合が交付金を受け取るスキームについて浅尾に見解を求めると、こういった。
「脱法的な行為です。税金の使い道ですから、本来の趣旨に沿わないのであれば、国に返すのは当たり前。簗和生農水相(47)の“予算カット発言”を追及するのも結構ですが、まずは自らの説明責任を果たすべき」
リーダーシップもなく、説明責任も果たさないなら、小川は政界から引退するしかなくなるのではないか。期待外れの男だったな。
