原菜乃華、芸能記者がブレイクの理由を解説 朝ドラ『あんぱん』が国民的女優への試金石に

2024年に大きな躍進を遂げた女優の原菜乃華。「若手ブレイク女優の筆頭株」とも称されているが、なぜここまで支持が高まったのか。今後の展望なども含め、豊富な取材経験と業界知識を持つ芸能記者に人気の秘密を解説してもらった。
幼少期から子役として活動していた原は、現在21歳とは思えないほどキャリアが豊富だが、最初に本格的に注目されたのは「声優」としてだった。新海誠監督のアニメ映画『すずめの戸締まり』のオーディションで1700人を超える応募者の中から主人公役に選ばれ、声優初挑戦ながら高い演技力を見せたことで「時の人」となった。
さらに、NHK大河ドラマ『どうする家康』やフジテレビ系ドラマ『ミステリと言う勿れ』の劇場版での演技が評価され、人気コミックを実写化した映画『【推しの子】-The Final Act-』では元天才子役の有馬かなを好演。着実にファンを増やしている。
CM需要も急激に高まっており、2023年の契約社数は1社だったが、2024年は出光興産、かんぽ生命保険など大手CMに立て続けに出演し、起用社数を5社にまで伸ばした。出演CMのなかでは、とくに丸亀製麺の「丸亀シェイクうどん」「丸亀うどーなつ」が商品のインパクトも相まって好評で、原の認知度向上にも大きく影響した。
原菜乃華の人気の理由
なぜここまで急激にブレイクできたのか。その人気と好感度の高さの理由を、芸能記者はこう解説する。
「原は小学1年生のときに短編映画で主演を務めるなど早くから子役として活躍し、仕事を優先するために部活にも入らず、学校行事も参加しないことが多かったなど、幼いころからプロ意識が高かったことで知られています。2014年から2018年まで所属した研音は若手俳優の育成に定評があり、現在所属するトライストーン・エンタテイメントも俳優に寄り添ったマネジメントで売り込みが上手い。
しっかりとタレントとしての教育を受けてきたので、原の人当たりの良さ、礼儀正しさは業界でも評判。バラエティやCMで見せる愛らしさと真面目な印象は普段も変わりません。それでいて子役上がり特有のあざとさやこなれた感じはなく、約15年のキャリアを持つとは思えないほど初々しさを保っている。その裏表のなさとフレッシュ感が視聴者にも伝わり、好感度と人気の高さにつながっているのでしょう」
2025年は、同年度前期のNHK朝の連続テレビ小説『あんぱん』で主演の今田美桜が演じるヒロインの妹役に選ばれ、朝ドラ初出演を飾ることが決定。長女役が今田、次女役が若手ブレイク女優の河合優実、三女役が原という「最強三姉妹」のキャスティングが放送前から話題となっており、これを機に人気がさらに沸騰する可能性がある。
『あんぱん』が国民的女優への試金石
前出の芸能記者は、若手トップクラスの人気女優となった原の今後をこう展望する。
「ブレイクのきっかけになったアニメ映画『すずめの戸締まり』で第18回声優アワードの新人声優賞を受賞するだけあって、瑞々しい声は大きな武器で、それがCM人気を支えている一つの要因でもあります。クリーンなイメージも相まって、今後もCM需要は高まっていくはずです。
2024年は宮世琉弥とダブル主演を務めた『恋わずらいのエリー』というティーン向けのキラキラ映画や、人気漫画を実写化した『【推しの子】-The Final Act-』など、若者向けの作品が続きました。2025年はNHK朝ドラ『あんぱん』への出演が控えていますが、同作でどれだけ幅広い層に支持されるかが、国民的女優になれるかどうかの試金石になるでしょう」
(文=佐藤勇馬)