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淳は政界へ? 亮はアウトドア路線? ロンドンブーツ1号2号の功績と気になる今後

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ロンドンブーツ1号2号(写真:サイゾー)

 ロンドンブーツ1号2号の田村淳と田村亮が、6月24日放送の冠番組『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)の緊急生放送で解散を発表した。お笑い界で一時代を築き、後輩や他のバラエティ番組にも大きな影響を与えた彼らの功績を振り返ると共に、お笑い事情に詳しい識者がふたりの今後を展望する。

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電撃解散……「友だちに戻ろう」淳が亮に呼びかける

 番組では、狩野英孝が淳から渡された手紙を読み上げる中で、最後に突然「私ごとではございますが、ご報告があります。この度、我々ロンドンブーツ1号2号は解散いたします」との文言があるという、サプライズ形式でコンビの解散が発表された。淳によると、闇営業問題をきっかけに亮が吉本興業を離れ、淳としては戻ってきてほしかったが、亮には「どうしても戻れない理由」があったといい、それが大きな解散原因になったようだ。

 今年3月にふたりで飲みに行ったときに「いったん屋号を下ろしてみよう」となり、解散が決まったという。コンビ解散後も『ロンドンハーツ』は、ソロになったふたりで継続するとしている。

 コンビ解散というと仲違いが理由となる場合が多いが、淳は「僕としても、コンビを離れても『友だちに戻ろう』って言っているので……。多分この後の方が飲みにいく回数とか、連絡の回数も増えるし、昔の亮さん、淳に戻れたらと思います」と、コンビ結成前のような友人関係になりたいと亮に呼びかけた。

 そういう意味ではあまり悲壮感のないコンビ解散となったが、お笑い界で一時代を築いた「ロンブー」の電撃解散が衝撃的だったのは間違いなく、芸人仲間やファンから驚きの声が続出している。

熟年カップルの離婚のよう? 識者が指摘する関係性の変化

 誰もが驚いたコンビの解散発表について、お笑い事情に詳しい芸能ライターの田辺ユウキ氏はこのような見方を示す。

「今回の解散発表の際の『友だちに戻ろう』というコメントは、なんだか長年連れ添ったカップルや夫婦の別れみたいに感じました。そういえば、若手時代はテレビなどでお互いのことを呼び捨てにしていましたが(裏では分かりませんが)、このところ淳さんは『亮さん』と呼んでいるんですよね。長年一緒にいすぎたことや、事務所が別々になったことによる心の距離感の表れなのかもしれませんし、はたまた、付き合いが深くなりすぎて呼び捨てするのが逆に小っ恥ずかしくなったのかもしれません。名前の呼び方一つとってみても、なにかしら関係性の変化があったのではないかと推察できます。

 『解散後の方が飲みにいくことが多くなるんじゃないか』という言葉もありましたが、今回のロンブーの解散は、一緒にいることが当たり前になってお互いが空気のような存在になってしまったカップルや夫婦が、もう一度、楽しかったころの関係性を取り戻そうとする様子に似ていると思いました。ふたりはこれまでバラエティ番組で素人の恋愛に関する企画をたくさんやってきましたが、もしかすると『ロンドンブーツ1号2号』というコンビ自体が、恋愛体質で成り立っていたのではないでしょうか」

人気ドッキリ企画や「怪物」を生み出したロンブーの功績

 若手時代からパンクロック風のファッションやビジュアルで高い人気を獲得し、長年にわたって数々の人気企画を世に送り出してきたロンブー。彼らの功績について、田辺氏はこう論じる。

「お笑い界におけるロンブーの一番の功績は、『狩野英孝』という怪物を生んだことです。もともとナルシストなキャラクターの狩野さんでしたが、彼の明確な取扱説明書を作ったのは『ロンドンハーツ』における恋愛ドッキリや、50TAとしてのミュージシャンデビューのドッキリです。淳さんが遠隔操作で仕掛け人をコントロールすることで、狩野さんのイタさとおもしろさが引き出されました。狩野さんの現在の活躍は『ロンドンハーツ』があってこそのような気がします。そういったことから、解散発表を読み上げる大役を任されたのも納得できます。

 そしてその背景にあるのは、冠バラエティにおける、素人カップルの浮気心や隠し事を暴いていく『ザ・スティンガー』や『ガサ入れ』などの企画です。『ザ・スティンガー』は淳さんが遠隔操作で仕掛け人をコントロールしながら、ターゲットのやましい気持ちをあぶり出していくもの。この手法はその後、標的をタレントに変えてさらに磨かれていきました。これ以前から、遠隔操作でのドッキリ企画はありましたが、2000年代の淳さんのやり方が、現在の遠隔操作ドッキリの基盤を作ったように思えます。『ガサ入れ』も、恋人に対して秘密を抱えているターゲットの嘘や誤魔化しを、うまく誘導しながら自白させていく。これら淳さんの抜群の心理操縦術を生かした企画は、その後のバラエティに多大な影響を与えるほどの流れを作ったと考えられます」

実はトーク上手の亮、淳は政界入りの可能性も? 解散後のふたりの今後

 気になるふたりの今後だが、淳はすでに単独で幅広く活躍しているため、今後も芸能活動に問題はなさそうに思える。一方、ネット上のファンからは「亮が一人になったら心配」といった声も上がっているが、『ロンドンハーツ』などではあまり発言できない印象がある亮について田辺氏はこう指摘する。

「亮さんはイジられ役でポンコツなイメージがありますが、実はトークがとてもお上手。5月29日放送のテレビ朝日系『アメトーーク!』の『個人事務所芸人』でも、亮さんは『なぜ個人事務所になったのか』などの話を、しっかり笑いを交えてしゃべっていらっしゃいました。ポンコツなイメージは、淳さんが極めてクレバーだからこそ、その対比としてコンビ活動の中で演じていらっしゃったのではないでしょうか。

 また、亮さんは多趣味で特にアウトドアなどを好んでいらっしゃいます。ですのでYouTubeチャンネルはもちろんのこと、ベテラン芸人たちがこぞって『番組を持ちたい』と望んでいるというBSの番組の雰囲気にもぴったりかと思います。そこまでギラギラして仕事をおこなうのではなく、たくさんある趣味を仕事につなげるような感じで、マイペースに手広くやっていくのではないでしょうか」

 解散後、ふたりはSNSにそろって「2人にとって新しいチャレンジをする前向きな解散ですから、どうか見守って頂きたいと思います。これからもそれぞれの活動を楽しみにしていてください。本当にありがとうございました。」という文章を連名で投稿した。

 「新しいチャレンジ」という言葉にファンの期待がふくらんでいるが、田辺氏は特に淳について、今後大きな動きが起きる可能性があるのではないかと展望する。

「これからも淳さんの仕事のスタイルは変わらないと思います。ただロンドンブーツ1号2号はあくまで『お笑いコンビ』なので、その屋号を背負っている限りはなにをやっても淳さんは『お笑い芸人』でした。屋号を外したことで、いよいよ『お笑い芸人』という枠組みではなくなっていくのではないでしょうか。特に最近は政治的な発言が増えてきているので、社会派のコメンテーターとしての活動がより活発化するのではないかと考えられますし、一部では選挙への出馬も噂されています。7月の参院選はどうなのか分かりませんが、いずれは政界入りする可能性もかなりあると思います」

 コンビの看板を下ろして身軽になったふたりがどうなるのか。いよいよ縛りがなくなった淳の政界入りの可能性も含め、さまざまな意味で今後も注目だ。

(文=佐藤勇馬)

協力=田辺ユウキ
大阪を拠点に芸能ライターとして活動。映画、アイドル、テレビ、お笑いなど地上から地下まで幅広く考察。

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佐藤勇馬

1978年生まれ。新潟県出身。SNSや動画サイト、芸能、時事問題、事件など幅広いジャンルを手がけるフリーライター。雑誌へのレギュラー執筆から始まり、活動歴は15年以上にわたる。著書に『ケータイ廃人』『新潟あるある』がある。

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最終更新:2025/07/01 10:10