『VIVANT』で“別班”が話題になる一方で、報じられない自衛隊の重大問題
下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!

最大震度7で甚大な被害が続く熊本地震。地域の協力、民間企業、医療関係、ボランティの活躍はめざましいものの、しかし肝心の国や行政の動き、日本の被災者支援体制は相変わらずお粗末なままだ。暑さ対策、水、プライバシー、女性や高齢者への配慮――。
2011年の東日本大震災や10年前の熊本地震、能登半島地震など近年起こった数々の震災の教訓は生かされず、ほとんど改善されていないままだ。震災のたび当然のように助け合い、そして必要以上に我慢強い日本に住む人々は素晴らしいと思う一方、日本という国はいったいどうなっているのかとあぜんとする。
今週の女性週刊誌、注目記事ベスト3
第804回(8/6〜8/11発売号より)
1位「堺雅人も驚く『VIVANT』別班は『存在する』証言」(「女性セブン」8月20・27日合併号)
2位「美輪明宏さん『戒名の秘密』と宙に浮いた『巨額遺産』の行方」(「女性セブン」8月20・27日合併号)
3位「中居正広『ひそかに被災地支援』香取慎吾と熊本への思い」(「女性セブン」8月20・27日合併号)
※「週刊女性」「女性自身」は合併号休み
ドラマ『VIVANT』で“別班”が話題
“TBSが社運をかけた“と仰々しくかつ鳴り物入りでスタートしたドラマ『VIVANT』。その直前に福澤克雄監督のパワハラが発覚するというスキャンダルが勃発したが、しかし初回視聴率は18.8%(平均世帯視聴率)とかなりの高視聴率をマークした。そんな話題性に便乗してか「女性セブン」が「ドラマに登場する“別班”は存在するか」について記事化している。
国際ジャーナリストであり長年世界の諜報機関を取材してきたという早稲田大学大学院客員教授の春名幹男氏を登場させ、ドラマの舞台ともなっている自衛隊秘密情報部“別班”に似た組織は「ほぼ確実に存在すると思います」との証言を掲載したのだ。
春名氏は“別班”について、知人だった元自衛官の実名、そして具体的事件を示した上で「彼は“別班”のような非公式の工作員として、国から密命を帯びていたのだと思います」とも証言している。
日本の自衛隊にも“別班”は存在する!?
大手マスコミで報じられない自衛隊の重大問題
そこで想起させられるのが、7月23日付「熊本日日新聞」が放ったスクープ記事だ。同紙によると、陸上自衛隊の中央情報隊の対外情報部門「現地情報隊」が、大学教授やNPO法人代表など一般市民を対象に、愛国心や性的嗜好、対自衛隊感情といった思想信条やプライバシーまでを組織的に調査、収集していたことが元隊員らへの取材や資料によってわかったというもの。
しかも、こうした活動隊員が自らの身分を偽って行われ、かつ明確な法的根拠もなく、防衛相などの政治家や官僚にも知らされていないことから、シビリアンコントロールを逸脱している恐れがあると指摘されている。
まさに自衛隊による国民への監視であり、思想信条への国家組織による介入でもある。表現の自由を保障する憲法、自由な言論や民主主義に対する重大な問題だ。こうした事案は過去にもあり、しかも裁判において“断罪”もされている。
2007年、陸上自衛隊情報保全隊がイラク自衛隊派兵に反対する市民を監視し、それが明らかになり、監視された関係者らが訴訟を提起、そして2016年に仙台高等裁判所が自衛隊の情報収集を違法として国に賠償を命じたのだ。ところが、今回の熊本日日新聞のスクープで、自衛隊は高裁が“違法”とした情報収集を現在も行っていたことになる。
ところが7月28日の記者会見で小泉進次郎防衛大臣は、「事実を確認しておりません」「身分を偽って情報収集を行ったとの事実は確認されておりません」と否定。さらに問題なのは、これほど重大な問題にもかかわらず、大手マスコミは突っ込んだ報道をほとんどしていないことだ。
現実にあった“別班”の存在と重大な問題点の数々。しかもドラマではスパイ・諜報部員がヒーロー化され、“別班”が素晴らしい組織となり、違法な諜報行為も美化される――。
そして「セブン」である。春名氏による“別班はある”との証言を掲載した「セブン」だが、その危険性や熊本日日新聞のスクープには触れることなかった。そして記事の最後にはこんな文言が。
「自分の隣に『別班』がいるかもと思えば、ドラマの楽しみもひとしおかもしれない」
あまりの無知さとノーテンキさに、あぜんぼうぜんとした。
美輪明宏、10億円遺産相続に見る他の大物芸能人との違い
6月20日に逝去した美輪明宏。昭和を代表する大物芸能人がまた一人去ったわけだが、やはり美輪明宏は他の大物とは違った。
老いらくの恋などで晩節を汚し、死後も遺産などで関係者間のゴタゴタが勃発する。そんな例をいくつも見てきた。高倉健、やしきたかじん、宇津井健。国民的スターであり人気者だったが、死後に知られざる女性問題などが表面化、その女性と親族が遺産などで対立するというパターンだ。
しかし、美輪明宏は違ったようだ。元文学座の研究員で40年上美輪明宏の付き人として寄り添った個人事務所社長のAさん。美輪明宏はAさんを養子にして個人事務所だけでなく権利関係の会社の代表も任せていた。美輪明宏の喪主もつとめた人物だ。そして美輪明宏の10億円以上ともいわれる遺産の大部分は、Aさんが相続するらしい。
記事には美輪明宏の親族のコメントが。
「家や財産を誰かに譲ることを考えたとき、けじめや物事の筋にこだわっていた明宏がAさんのことを真っ先に考えるのは当然のこと。誰よりも明宏に尽くしたAさんが遺志を継ぐことに周囲も納得していると思います」
美輪明宏だから、Aさんも親族もその周囲の方々も“愛のある筋の通った”素敵な方なのだろう。
中居正広が見せた「人徳者」と「性加害者」2つの顔
人間には、いろんな面がある。地元を大切にする超人気のアイドル。世間からだけでなく、芸能仲間やスタッフなど周囲からの人徳も厚かった。さらに全国で震災があれば、寄付や炊き出しなどのボランティアにも積極的で人々を勇気づける。そんな人徳者でもある。
ところが、その裏で世間を震撼させる卑劣な性加害を起こして芸能界を去った。過去には妊娠中絶事件もあった――。そんな中居正広が、7月28日に発生した熊本地震に心を寄せていた。
芸能界は引退したが社会貢献は続けたいと、密かに貯金を崩して寄付、さらに炊き出しなどのボランティアの可能性も探っているのだとか。改めて性加害が招く甚大でさまざまな影響を想う。
