バズってるSNSグラビア
長野雅|花柄の裾に、遠い季節を隠して

古い木の匂いがする縁側に、
彼女はひとり、
静かに腰をおろしていた。
木枠の引き戸。
畳の奥に続く和室。
その懐かしい景色のなかで、
淡いクリーム色のランジェリーと
黒地に花を散らしたスカートだけが、
ひそやかに現代の熱を灯している。
彼女はどこか遠くを見ている。
こちらではなく、
庭の木々でもなく、
もっと昔の夏かもしれない。
風が吹くたび、
スカートの裾がゆれて、
花々が彼女の脚に触れる。
その仕草は慎ましいのに、
かえって色気を深くしていた。
和の家というものは、
沈黙が似合う。
沈黙が似合う場所では、
人の気配はいっそう濃くなる。
だから彼女がそこにいるだけで、
縁側はただの床板ではなく、
誰かを待つための舞台になる。
もし声をかけたら、
彼女は振り向くだろうか。
それとも、
花柄の影だけを残して
季節の向こうへ消えてしまうだろうか。
夕方の気配を胸に抱えたまま、
彼女はただ美しく、
届きそうで届かない距離に座っていた。
<長野雅Xグラビア投稿より>

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最終更新:2026/10/30 19:00
