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週刊誌スクープ大賞

遺産総額13億円超 ドン・ファン元妻の須藤早貴「一審無罪」の衝撃度

イメージ(写真ACより)
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今週の注目記事・1「ドン・ファン事件で一審無罪 須藤早貴『AV、整形、ジャニーズ愛』」(『週刊文春』12/26日号)
同・2「女性検事『性的暴行事件』の“元凶”はホラ吹き女性副検事だった」(『週刊新潮』12/26日号)
同・3「悠仁さまが直面する過酷を極める4年間」(『週刊新潮』12/26日号)
同・4「悠仁さま『東大志望説』はフェイクニュースだった」(『サンデー毎日』12/29日号)
同・5「9千億円マイナ保険証利権を暴く」(『週刊文春』12/26日号)
同・6「肺炎で緊急入院 麻生太郎『妻は“構っていられない”と』」(『週刊文春』12/26日号)
同・7「昭恵夫人 トランプと盛り上がった英国王室とイチロー」(『週刊文春』12/26日号)
同・8「三菱UFJと半沢頭取を査定する」(『週刊文春』12/26日号)
同・9「追悼 渡辺恒雄さん本誌記者に『ナベツネさんと呼べ』事件」(『週刊ポスト』1/3・10日号)

 私の友人からの情報だが、週刊現代が3月31日をもって週刊誌をやめて隔週刊誌になるようである。

 今でも月3回刊という変則刊行だから、かえってすっきりしていいと思うが、そうなれば「週刊」というタイトルは使えなくなるのではないか。

 ネットの現代ビジネスとは今でも連携しているが、これからは現代ビジネスのほうが主体になるのであろう。

 月3回刊に現代がすると、すぐにモノマネをするポストが同じようにしたが、今回もポストは後追いするのだろうか。

 いよいよ週刊誌という刊行物がなくなる時代が本当に来たようだ。

 そう思って今日発売の現代の新聞広告を見てまた驚いた。大きな見出しで「もっとも読みやすく、もっと面白く! 表紙も誌面もリニューアル」とあるではないか。続けて、「マスコミの影響力がますます弱まり、インターネットで拡散されたフェイクニュースが国の未来すら変えてしまう時代になりました。『雑誌』だから読めることを大切に、より深く、より充実した情報を読者の皆様に届けるため週刊現代は生まれ変わります」とある。

 その上にある表紙は秋篠宮佳子さん。横に「佳子内親王殿下」とある。古臭い、何やら半世紀前の週刊朝日のようだ。

 だがもっと驚いたのは目についた記事である。

「鏡リュウジン 占星術研究家と読み解く2025年 あなたの星と運気はこう動く」「『迷信』と考える人にこそ読んでほしい風水と科学」「開運招福 運気を呼び込む私の習慣」

 リニューアルって占い雑誌にすることだったのか! 売れないので女性読者を増やそうというのか! これがより深い、より充実した情報だというのか!

 私が編集長だったら、いっそのこと今一番売れている『ハルメク』の男性版でも作るのだが。

 まあ、私の子どものような世代が週刊誌を作っているのだから、年寄りが何いってんだと思われているのだろう。だが、これだけはいっておきたい。

 週刊誌の原点は、新聞・テレビにできないことをやることだ。リニューアルするならその原点を忘れないでくれないか。それさえ守れば、まだまだ週刊誌は生き残れるはずだ。それ以外のことは些末なことだ。リニューアルとは、古臭い新聞社系週刊誌がやっていたことをやることではない。

 気を取り直してポストの渡辺恒雄からいこう。

 読売新聞のナベツネこと渡辺恒雄が亡くなった。享年98。

 私の父親は読売新聞一筋で、戦前、正力松太郎と一緒に現場で働いたことが自慢だった。それほど小さい新聞社だった。

 戦後すぐに「読売争議」が起きるが、父親は「俺たちがアカを追い出してやった」と時折、呑めない酒を呑んで私に話した。

 今もそうだろうが、当時の読売は朝日よりはるかに給料が安かった。子どもの頃、月末25日前になると、母親とカネの工面の相談をしていたことを覚えている。

 私も読売新聞を見て育った。朝日を読むようになったのは講談社に入ってからだった。

 父親の関係で、よく学生時代には読売新聞にアルバイトに行っていた。編集者になってからも、知り合ったのは読売新聞の記者が多かった。

 少しものを知るようになってわかってきたのは、読売の歴代トップというのは新聞社を私物化しているということだった。

 正力はもちろんのこと、務台光雄もすごかった。販売の神様といわれて、「新聞は白紙でも売ってやる」と豪語していた。時の総理にも、「俺が読売新聞を動かせば、あんたなんかすぐ首を飛ばせる」と迫ったことがあった。

 私が務台の口から直接聞いているから事実であろう。社内にスパイを置いて、自分に歯向かうものを次々に粛清していった。

 次期社長といわれていた氏家斉一郎を日本テレビに飛ばし、そこからも外したのは、氏家の才能と力を恐れたからであった。

 務台がやったのは正力の業績を消すことだった。正力がやったことになっているがあれは自分がやったのだといっていた。

 94歳まで生きたが、死ぬまで代表権を放さず社に車椅子で出ていたという。自分がいなくなれば、次の奴が何をするかわからないと心配だったったのだろう。

 その務台が次期社長に指名したのが渡辺であった。氏家と同期で読売の顔だったが、渡辺のほうが使いやすいと考えたといわれた。

 だが渡辺も務台の痕跡を消し去り、務台以上の私物化を始めた。代表権を持ちながら「主筆」も自分でやり続けた。経営と社論の両方を我が物にしたのである。

 本田靖春は『我、拗ね者として生涯を閉ず』(講談社)の中で、こう書いている。

「読売の論調が『渡邉社論』へと急旋回したのを印象づけたのは『自衛隊の憲法九条解釈』をめぐる社説だった、と前澤氏(本田の読売での同僚で論説委員などを歴任して大学の教授になった。彼が書いた『表現の自由が呼吸していた時代――一九七〇年代 読売新聞の論説』を引用している=筆者注)はいう。(中略)
 実はこの日の朝、論説会議に先立って、司法担当の筆者(前澤)は渡邉論説委員長に呼ばれた。(中略)
『社論は私の一存で決められない。これまでも会議で諮ってきたが』
『社論を決めるのは私で、会議ではない。君にはこの社説は書かせない』
 結局、会議で討論することなく、渡邊氏が自分で決めた『社論』に沿って、この日社説を書いたのは、司法担当以外の論説委員だった」

 ナベツネはこのときはまだ論説委員長だった。

 よくナベツネは権力との距離の取り方がおかしいと批判されたが、彼そのものが権力であり新聞社を私物化し続けたのである。

 ポストによれば、幾度となく「ナベツネ」と書いていたら彼から内容証明が届くようになったそうだ。

 ついに記者がナベツネに呼び出される。そして「いいか、記事の中で呼び捨てにするな。“さん”をつけろ、“さん”を」

 以来、批判的なことを書いても「ナベツネさん」と書けば内容証明は来なくなったという。

 私は編集長在籍中に何度も「ナベツネは」とタイトルを打ったが何もいってきたことはなかった。

 ポストは「人としての尊重がある限りは、いくら批判されても許容するという姿勢でした」と好意的に書いているが、メディアを選別していたのではないか。

 渡辺恒雄という人間はジャーナリストだったのかを含めて、今一度、徹底検証するべきだと思う。

 お次は、文春の三菱UFJの特集。

 このところ大銀行の三菱UFJで不祥事が続発している。女性行員が10億円を窃盗したり、副支店長が「司忍」と名乗り顧客を脅迫したり、顧客情報を違法共有したりと、銀行とは思えない悪質なものばかりである。

 今の頭取・半沢淳一(59)は、テレビドラマで「倍返し」というセリフで有名になった半沢直樹のモデルだといわれる。

 そんなやり手の下で、これほどの不祥事が続発しているのはどうしてなのだろう。
顧客の貸し金庫から10億円という巨額なカネが堂々と盗まれていたというのにも驚くが、もっと悪質なのは、融資の際、担当でもないのに取引銀行の融資の話に同席して、社長の個人情報を入手して、Yahoo!ファイナンスの掲示板に誹謗中傷を繰り返し書き込んだという。

 その中では、山口組組長の名を名乗ったりしていたというのである。

 そのためもあって同社の株価は下がり続けた。同社が被害届を出し、犯人を三菱の副支店長と特定され逮捕されたが、三菱はこの件を公表していないという。

 動機がよくわからない。その副支店長は同社の株を相当持っていたようだから、株価が下がれば損失が出るはずだが。

 まあ、そんなこんなで、大銀行が揺れているが、銀行トップたちは、何億という年収を得て、軽井沢などに超豪邸を建て、優雅に暮らしているようだ。

 私は、銀行屋と株屋が嫌いだ。他人のカネなのに出し入れするときに手数料を取る。株屋はいわないでもいいだろう。千三つの世界だとまではいわないが、こういう連中に命から二番目に大事なカネを任せてはいけない。

 とはいっても、少ないカネでも家に置いておくわけにはいかないから、毎回必要なカネだけを引き出すのだが、そのたびに胸糞が悪くなる。

 というわけで、文春による三菱UFJ半沢頭取の査定も厳しいものにならざるを得ないのだ。

 お次は故・安倍晋三の妻の昭恵が就任前のトランプの夕食会に招かれたというお話。

 アプローチしたのは昭恵のほうだったらしい。最近の昭恵は外交に熱心だという。台湾の総統の就任式に出席したり、インドのモディ首相とも会ったという。
誰と会おうと民間人だからいいのではないか。安倍という人間がいなくなり、世間の関心が昭恵から離れてしまった今、目立ちたがりの彼女としては何かやらなければという焦りがあるのではないか。

 タイトルに英国王室やイチローについて話したようなことが書かれているが、これは安倍が存命中の過去の話。

 今回どのような話があったのかは出ていないが、大したことは話していないのだろう。だが、石破茂首相にすれば面白くはないだろう。自分を飛び越えて、就任前にトランプに会われたのだから。

 ところで、自民党の諸悪の根源は、森喜朗と麻生太郎というのが通り相場ではないか。

 森もこのところ鳴りを潜めているが、体調が思わしくないのだろうか。一方の麻生も、11月下旬に行われた三笠宮百合子さんの通夜に参列し、寒さのため急性肺炎になって入院していたというのである。

 御年84歳。いつ何があってもおかしくはない歳である。幸い、12月の9日に退院しようとしたら、カミさんに、「孫が家にやってくるからあんたに構っていられない」といわれてしまったそうだ。

 そのために退院が延期になり、その後、12日に議場に姿を現したという。どんなに強がりをいっても、カミさんに弱いのはオレも麻生も同じということか。もはや政治の世界ではオワコンの麻生だが、なりふり構わず何かを仕掛けてくるということも考えられなくはない。

 なにしろ、麻生の石破嫌いはよく知られているからだ。だが、石破降ろしはいいが、次に高石早苗というゴリゴリの保守オバサンだけはやめてほしいものだ。

 お次はマイナ保険証のお話。少し前に新潮がマイナ保険証のマイナス面を指摘し、批判していたが、文春はマイナ保険証の普及には前向きのようだ。

 今週、巻頭を使って「マイナ保険証25の不安に答えます」という、総務省の広告が入っているのではないかと疑いたくなる大特集を組んでいる。

 以前から書いているように、私はマイナ保険証など持っていないし、これからも持つ気はない。かかりつけの医者からも、持つようにいわれてもいない。

 マイナ保険証を今後、どのように国がしようとしているのか、最終目標は何なのかを国民に十分説明して、納得できるようにすべきである。

 文春は今回、マイナ保険証利権というべき莫大なカネに、NTTグループや富士通、当然のことながら電通、さらに関連団体をつくり、役人たちの天下り先に使われているとレポートしている。

 だいぶ前からいわれていることだが、こうした“悪事”は何度でもいい続けなくてはいけない。われわれの血税がジャブジャブつぎ込まれているのだから。

 東京新聞(11月15日付)によると、2014年度から2024年度にかけてマイナ保険証導入に政府が投じたカネは、総額8879億円だそうである。1兆円を超えるのは間違いない。

 そのうちの5000億円が、普及するためのマイナポイント付与に使われたようである。カネ欲しさに何も考えずに群がった人が多かったということだろう。

 だが、持ったはいいが、それを実際使っている人はまだまだ少数である。

 それなのに、利権を食い荒らしている企業、役人、政治家たちは、そんなことは気にかけずに貪り放題という図式だ。

 大企業がそうした利権を貪れるのも、自民党に多額の政治献金をしているおかげである。

「収支報告書によれば、十二年以降、NTTデータなどNTTグループの企業は、自民党の政治資金団体『国民政治協会』に計一億八千五百万円を献金している」(文春)

 それ以外にも接待攻勢をかけ、これからは推測になるが、袖の下なども十分に考えられる。

 10月にデジタル相として初入閣を果たした平将明(57)はかねてからIT政策に通じているといわれ、NTT側から何度も接待を受けていたという。

 総務省の役人どもの天下り先をつくり、天下った連中は年収2千万円近くをもらい悠悠自適だそうだ。

 政官財がグルになり、綿密な計画を立てずにマイナ保険証を推進しようとした。その結果がこの有様である。

 一度白紙に戻して、国民にマイナ保険証導入の本当の意図を説明して、一からやり直したらいい。私はそう思う。

 話はガラッと変わるが、昨日(12月22日)の競馬の祭典「有馬記念」は見ごたえのあるレースだった。

 ファン投票断然1位のドウデユースが直前で出走を取り消し、一転、戦国有馬になった。

 15頭中10頭ぐらいに勝つチャンスがあるという難解なレースになり、私も予想を楽しんだが、これでいこうという馬はどうしても見つからなかった。

 悩みに悩んで、去年の2着馬・スターズオンアースから買うことにした。それも枠連で。

 レースは今年のダービー馬のダノンデサイルが逃げる形で、ゆったりしたスローペースで始まった。

 さすがベテランの横山典。他馬は仕掛け所を窺うが横山は慌てない。だが、大外枠から出たシャフリヤールに騎乗する“世界的名手”クリスチャン・デムーロは、このままでは逃げ切られると判断したのだろう、三コーナーから外をまくり気味に上がっていく。

 1番人気のルメール騎乗のアーバンシックにはついていく脚がすでにない。終始3番手につけていた三歳牝馬のレガレイラがダノンデサイルを終始マークして、四コーナーを回って前が開いたところを突っ込んでいく。

 内にデサイル、中にレガレイラ、外からはシャフリヤール。直線でデサイルを捉えた2頭のまさに鼻面を揃えての壮烈なたたき合いが続いた。このところ大レースに縁がない戸崎の鞭がうなる。

 一瞬、シャフリが出たと思ったが、内のレガレイラがまた差し返す。写真判定にもつれこんだ。

 テレビで見ていると、ややレガレイラ優勢か。だが戸崎は確信が持てずに天を仰ぐ。

 デムーロは早々と2着のところに馬を寄せた。1着レガレイラ。戸崎が拳を突き上げた。

 3歳牝馬の有馬記念優勝は1960年のスターロッチ以来64年ぶりの快挙だった。

 60年といえば、安保闘争があり、社会党の浅沼稲次郎が刺殺されるという暗い時代であった。

 しかし、政治家は腐り切り、庶民は物価高に喘ぐ、今の時代と似通っていないか。

 馬は世につれ世は馬につれ。

 私はレガレイラと同枠を買っていたから何とか的中。しかも4-8の馬券は6890円も付いたのである。

 これまでレガレイラの出た全てのレースで馬券を買っていたのに、今回は同枠の馬から買ってしまった。レガレイラごめんなさい。

 このレースも後後まで語り継がれることになるはずだ。

元木昌彦

編集者。「週刊現代」「FRIDAY」の編集長を歴任した"伝説の編集者"。

元木昌彦
最終更新:2025/01/10 18:36