高市政権を揺さぶる簗農水相の疑惑、愛子さまの将来、広島カープの混迷――元木昌彦が読む週刊誌
さて、改正皇室典範で可能になる旧宮家からの養子について、仮に成立した際の儀式の実施を宮内庁が検討しているという。高市早苗政権の考えが強く反映した伝統の“捏造”であり、皇室の希望とも考えられない。いったい誰のための儀式なのだろうかと、森暢平成城大教授がサンデー毎日で疑義を呈している。
《養子縁組の際の儀式検討は、共同通信が9月18日に報じて明らかになった。皇居の宮中三殿で皇室の祖先や神々に奉告する儀式、さらに、宮殿・松の間で天皇ご夫妻に挨拶(あいさつ)と報告を行う「朝見の儀」などが想定されている。江戸時代の養子の際の例も調査されるという。
しかし、江戸時代、皇室の養子成立を内外に宣明する大規模な儀式など存在しない。たしかに、江戸時代、宮家を継ぐ者などが親王宣下(せんげ)を受け、天皇の猶子(ゆうし)(養子)となった前例はある。しかし、あくまでも親王となるための手続きがあったにすぎず、「儀式」と呼べるような何かが挙行されたわけではない。
「新たな儀式」の検討は、旧宮家養子制度の既成事実化を狙う高市政権が宮内庁に発破をかけたものであろう。高市首相は皇室典範が改正された直後の7月22日、官邸に宮内庁長官の黒田武一郎を呼び、改正皇室典範施行に向け、実務面での対応を宮内庁に求めた。「新たな儀式」の検討は、これまでの議論ではまったく話題に上がっておらず、唐突の感を否めない。》
高市首相は皇室を“我が物”と考えているのではないか。天皇の意向を無視して、自分の“小間使い”のような黒田宮内庁長官を動かし、養子に来た人物の箔付けに、仰々しい儀式を行う。そうすれば、その人間の前で、国民がひれ伏すとでも考えているのだろうか。
さらに森教授はこう続ける。
《旧宮家からの養子の制度化のため、高市政権が宮内庁を動かしていることは、皇室典範改正の国会審議のなかでも感じた。7月10日、衆院議員運営委員会で、参政党の石川勝から質問を受けた宮内庁次長、緒方禎己は「養子となり皇族となられた方は、一般国民として過ごしてきた方であり、皇族の方々が皇族としてお過ごしになられる中で学んでこられた宮中祭祀(さいし)や宮中行事をはじめ、皇室に関することについて十分にお学びいただく機会はなかったのではないかと考えております。養子縁組が成立した場合には、その方に、宮中祭祀、宮中の儀式、行事、宮中儀礼、慣行、作法をはじめとする皇室に関することについて学んでいただく機会を設ける予定であります」と答弁した。旧宮家養子制度の環境づくりを進めたい高市政権の考えに沿った答弁であった。》
天皇は以前から、旧宮家養子制度に慎重な考えを示している。
それを承知しながら天皇を無視するように、事を運ぼうというのは、なぜなのだろう?
私は、高市首相はこの国の岩盤保守の「操り人形」だと思っている。彼らは、古臭い天皇制を維持し、毎日新聞(8月31日付)が報じたように、
《自民党などの保守系議員の間で、皇族らへの中傷に厳しく対応する法整備を求める声が上がっている。与野党議員ら約50人が参加した7月の集会では、「不断に考究すべきだ」との決議文が発表された。自民有志議員でつくる「日本の尊厳と国益を護(まも)る会」がプロジェクトチームを設置し、どのような対応が可能か検討を始めた。》
具体的には、
《刑法の名誉毀損(きそん)罪や侮辱罪は、被害者の告訴がなければ罪に問われない。日本保守党は、皇族に対する名誉毀損などは告訴がなくても処罰できるようにする刑法改正を唱える。
中傷投稿に有効な手を打ちにくいためだというが、皇族だけを特別扱いするのは問題だ。当局の恣意(しい)的な判断によって、正当な批判や評論まで処罰される懸念が拭えず、表現の自由を侵す恐れもある。》
毎日新聞はこう指弾する。
《戦前の刑法では、皇室に対する不敬罪が規定されていた。処罰対象とされた「不敬の行為」は定義があいまいで、思想統制に悪用された歴史を忘れてはならない。
皇室への中傷を摘発しやすくする法整備は、不敬罪と同様に表現行為の萎縮を招きかねないと専門家は指摘する。》
不敬罪を復活しようというのである。
これに「憲法改正」をして、戦前の暗い時代を蘇らそうとする連中のいい成りになっているのが高市首相なのだ。
笑い事ではない。ドイツではヒトラーを連想させる言動・公約を掲げる動きがあると報じられている。
この国でも戦前回帰の動きがあり、戦争ができる普通の国にしようという動きは、年を追うごとに増してきている。
高市政権が国民の批判を浴びて倒れても、次なる高市はいくらでもいる。“コバホーク”といわれる小林鷹之などはその最たる者だろう。
もはや、中道、左派などとヤワなことをいっている場合ではないのだ。トランプ政権以上に「極右化」する日本の政治を、どこかで止めなくてはいけない。
天皇一人にそれを背負わせるのは、あまりにも無責任である。
あまりにもこの国の民の危機感のなさに、愛子さんもさぞ心を痛めているに違いないと、私は推察するのだが……。
新潮によれば、昨今、愛子さんの「お婿さん候補」について「極秘調査」も行われていたというのだが。
10月24日に施行される改正皇室典範を見越し、
「皇室が旧宮家の男系男子を養子に迎えることが可能となりました。対象となり得る未婚の男子がいる家は賀陽(かや)、久邇(くに)、東久邇、竹田の四家。実は昨年、こうした『養子候補』に対し、将来的に愛子さまの“お相手”となる可能性も視野に入れながら、水面下で“身体検査”が行われていたのです」
そう語っているのは、今般の改正典範成立に携わった関係者であるという。
「とりわけ、この中で年齢が愛子さまと近い複数の男性を対象に、どんな生活を送っているかといった調査が、宮内庁の依頼によって進められてきました」(同)
その“対象者”には、これまで愛子さんの“お婿さん候補”として報じられた人物も含まれているというのである。
「これまで、陛下の皇太子時代の“お妃選び”の際など、皇族方のお相手として可能性が浮上した人物に対しては、宮内庁が内閣情報調査室などの手を借り、お相手の人柄全般にわたって調べてきました。具体的には本人の思想信条や異性遍歴を含む交友関係、経済的な状況や親族を含めた関係者のトラブルの有無など、多岐にわたります」(前出の関係者)
そうなったのは、秋篠宮家の長女・眞子さんのお相手、小室圭に関しては、宮内庁をはじめ内閣情報調査室や警視庁のしかるべき部署も一切、調査を行っていなかったといわれる。
そうした“失敗”をしないようにというのだが、もし、身辺調査をして看過できない“何か”が出てきたら、どうしようというのだろうか? その結婚、待ったとでもいうのだろうか。
新潮調べでは、結果は、
「無事にクリアして“合格”となった男性がいる一方、中には身辺に問題を抱えて“不可”と見なされた人物もいました。いずれも、その親族が将来の養子入りに前向きだとされている旧宮家の男子です」(同)
しかし、人間を15年以上やっていれば、埃の一つや二つ出てこないほうがおかしいと考える私のほうが、おかしいのだろうか。
かつて、元皇族という名を利用して金儲けしようと考える輩たちに、利用された元皇族もいたではないか。
美智子上皇后は、以前から皇室に養子を迎え入れる案について懸念を示しており、
「愛子さまとこうした男系男子とのご結婚、換言すれば血統を前面に押し出す形での婚姻を望むような一部の動きに対し、強く憂慮なさってきたのです。現に上皇后さまは『愛子には普通の結婚をして幸せになってほしい』とのお気持ちを、折に触れて周囲に示されてきました」(宮内庁関係者)
それは父親の天皇も同じだろう。
だが、愛子さんと旧皇族の男系男子を結婚させようという“企み”もあるようだと報じられてもいる。
配偶者が一般国民であれば、当人には職業選択の自由や表現の自由もある。そんな不自然な関係が長続きするとは到底思えない。
「家族の身分が不明瞭な状況で婚姻なさろうとすることを、愛子さまは“お相手に失礼にあたる”とお考えになるはずです」(慶応義塾大学の笠原英彦名誉教授)
こうした事情によって、愛子さんが結婚を諦めざるを得なくなるとすれば、これ以上の悲劇はないのではないか。
愛子さんも“生身の人間”である。天皇になれないのなら、一人の女性としての幸せを、国民一人一人が考えてあげるべきではないのか。
そうしたことを考えた形跡がまったくない高市政権というのは、非情というより無責任である。
今からでも遅くない。改正皇室典範を再改正して、愛子天皇を実現すべきである。
お次は、今年のプロ野球を、後年回顧する時、読売巨人の阿部慎之助監督辞任騒動と、広島カープのゾンビたばこ事件は欠かせないだろう。
10月1日、広島カープは小園海斗、矢野雅哉、前川誠太、田村俊介の4選手に対し、来季の契約を結ばないと通告した。
昨季の首位打者であり、今春のWBCで日本代表にも選ばれた小園は、報道陣に、「そうっすね。『信頼できない』と言われたんで」と語ったとFLASHが報じている。
4選手のうち前川を除く3選手は、FLASHが7月に報じたエトミデート(通称ゾンビたばこ)の売人で、執行猶予つきの有罪判決を受けた滝口涼介との“密接すぎる交際写真”に写っていた。
小園は会見で、FLASHの報道について「否定したいことはあるか」という報道陣の問いに、「まったくない」と答えている。
彼らの「自己責任」ではあるが、広島カープ球団のこの事件に対する対応や、セ・リーグの優勝も決まっていない、チームの最終順位すら確定していない時期での発表に、違和感を覚えた人は多いだろう。
《突然の通告の裏側を、球団関係者はこう語る。
「広島の新井貴浩監督の続投が決まった段階で、4選手の契約解除は避けられない状況だったと思います。そもそも、新井監督は続投を望んでいたわけではありません。ゾンビたばこ問題があってからは、責任を取るという意味でも、『辞めたい』と強く嘆いていました」
しかし、球団事情がそれを許さなかった。
「球団のイメージ悪化を受けて、次期監督のなり手がいないという理由もあり、球団としては監督を残す判断となりました。チームをリスタートするためにも、今抱えている疑念を一度きれいにする必要があった。今回の契約解除は、まさにそのための判断だったとみていいでしょう」(同前)》
球団は、4選手への戦力外通告について、エトミデートを使用した事実は確認できていないとしたうえで、「球団との信頼関係を築くことが難しい」と説明しているが、スポーツ紙記者は、球団側の責任をこう指摘する。
「多くの選手を巻き込む騒動になった以上、球団側の管理責任も問われるはずです。ところが今も、松田元オーナーや鈴木清明球団本部長の進退には言及されていません。疑惑の選手を切ることで、一連の問題を終わらせたいという意図が見え隠れしています」
球団の対応を、プロサッカークラブの運営経験があり、スポーツマネジメントに詳しい松平浩一弁護士はこう語っている。
「通常、来季契約を結ぶかどうかは、選手としての戦力や将来性などを踏まえて判断されるものです。しかし今回、契約を結ばない理由として掲げられた『信頼関係を築くことが難しい』という説明は、あまりにも抽象的です。選手側は潔白を主張し、球団側も幾度となく調査をしてきましたが、明確な事実調査の結果を示していません。このような対応は、外部からの批判や後々のリスクを避けるために『臭いものに蓋をする』姿勢のように受け取られます」
弱小球団とはいえ、日本のプロ野球界で長年活躍し、市民球団として多くのファンに愛されてきた名門である。
FLASHのいうように、事件が報じられてからの球団の対応は、メディアならずとも、首をかしげたくなるものだったことは間違いない。
こんなことをしていれば、これから始まるドラフト会議でも、指名した選手から球団の体質に違和感をもち、入団を拒否されることだってあり得る。
今からでも遅くない。球団は会見を開き、十分納得のいく説明をすべきであろう。
ところで、高市首相以上に麻生太郎副総裁の評判が悪い。
愛人の店に政治資金を注ぎ込み、カネと欲にまみれた老害政治家という評価が定着しそうである。
それに御年86歳。常人なら後継者を決めて現役を退くべき時である。
だが、麻生は誰とも決めかねていると文春が報じている。
政界関係者によると、
「麻生氏は後継者を赤の他人から選びたくない。華麗なる一族『麻生家』の系譜から代々政治家を輩出しており、同じように“世襲”で継がせたい思いが強いのです」
麻生には2人の子女がいる。長男の将豊(41)は、年商8400億円を誇る麻生グループの中核「株式会社麻生」の取締役であり、麻生商事の社長も務めている。
一方、長女のA子(39)は東大文学部卒業の才媛。東大在学時には大学のイベントでモデルを務めたこともあるという。
「将豊さんは23年から1年間、かつて麻生氏も務めた日本青年会議所(JC)の会頭を経験。一方、A子さんはイギリス留学を経て名門美術商『クリスティーズ』に勤務し、化学系企業などを経営する名家のフランス人実業家と結婚した。長男長女2人とも素晴らしい経歴の持ち主ですが、皇室典範改正の議論で男系男子に強いこだわりを示してきた麻生さんの姿勢も踏まえ、周囲は後継の本命は将豊さんであると、一様に見ています」(麻生派議員)
だが、文春が将豊を直撃すると、どちらかというと後ろ向きな発言しかしなかったようだ。
なぜか? 麻生家をよく知る関係者がこう話す。
「実は、後継者を巡って、麻生さんと妻の千賀子さんとの間で意見の溝が生じています。千賀子さんが長男の将豊さんを推す一方で、麻生さん本人の胸中には、『本当は娘の方がいい』との考えもあるのです」
後援会関係者もこう語る。
「麻生さんはバトンタッチするタイミングを見計らいつつ、どちらに世襲させるか悩んでいる。だから中々身を引けないのでしょう。長男の将豊さんは政治家になるには少し線が細いというか、良くも悪くも『普通の人』なのです。一方で、長女のA子さんは一度会った人のことは忘れないし、如才なく立ち回り、受け答えも非常に的確。政治家としての資質を十分に備えています。選挙を盤石に戦い抜くことができるのは、間違いなくA子さんの方でしょうね。そして、最近の麻生さんにとって何よりの楽しみは、A子さんの子ども、つまり自身の孫に会うことなのです」
やはり麻生といえども、孫には単なる「ジージ」でしかないのだろう。どちらを選ぶにしても、現在の麻生のようなキングメーカーの立場になれるはずはない。悩んで立ち枯れる前に、どちらかに決めて、身を引いたらいい。後継者は、「あの麻生の跡目か」と、色眼鏡で見られることは間違いないのだから。
さて、このところ地方議会で様々な問題が起きているが、今度は佐賀県の山口祥義知事(61)に「ヤバい」ことが起きていると、文春が報じている。
山口知事は、イベントに登壇すると必ずこういうという。
「佐賀、さいこ~~」
佐賀は最高というのと「再興」をかけているそうだ。
長いストールをまいたりして、なかなかのイケメン知事だといわれているそうである。
だが、県職員の1人はこう嘆くのだ。
「目立ちたがりなあの知事はやたら女好きだし、県政も私物化している。“最高”だなんて、とてもじゃないけど言えません」
山口知事は十二月の県知事選で四期目の当選を目指すという。
「両親は佐賀県出身ですが、山口氏自身は埼玉県育ち。鹿児島県の名門ラ・サール高校から東大法学部を経て、旧自治省に入省しました。キャリア官僚時代は、秋田県、鳥取県、長崎県などへの出向を経験。二〇一五年一月の県知事選に出馬すると、新人同士の争いを制して初当選を果たしました。十八年、二十二年の知事選は自民、公明両党の推薦を受けて当選。在任は十一年に及び、全国知事会副会長なども歴任しています」(地元関係者)
今年6月には、知事として子育て環境の整備に尽力したことなどから、「ベスト・ファーザー イエローリボン賞」も受賞しているそうだ。
そうした“表の顔”とは裏腹に山口知事に付きまとうのが、「女好き」という評判だという。
先の県職員が告発する。
「秘書課を通じて、知事を交えた飲み会セッティングの指示が職員に下りてくる。職員は『知事は女の子がいないと不機嫌になるから、誰か来れる人いないかな』と言いながら必死に探すことになるんです」
文春によれば、県主催のイベントではお気に入りの女性タレントがブッキングされることが多く、山口氏が彼女たちに“ボディタッチ”をすることもしばしばだという。
「十八年十月、佐賀市内で行われたイベントの打ち上げでは、知事が女性タレントを隣に座らせ、『肩を揉んでよ』とお願いしていた。酔いが回ると、そのタレントの太ももを頻りに撫でていました。別の飲み会では、イベント会社の若手女性社員にキスを迫っていた。止めると苛立った表情を見せるので、誰も何も言えないんです」(元県職員)
こんな“ご乱行”にも及んでいたというのだ。
「知事は以前から県のPR用に作成した『佐賀さいこう!』と書かれたシールを飲食店などで配っているのですが、24年頃、飲み会でこのシールを若い女性の胸にベタベタと貼りつけているのを目撃しました。悪質で品がないとショックを受けましたね……」
山口知事は民間調査の魅力度ランキングで佐賀県が最下位争いの常連だったことから、就任当初から情報発信に力を入れてきたというが、そこには多額の予算も投じられているそうだ。
「企業や人気コンテンツとのコラボを行う『サガプライズ!』事業です。二十三年十一月にはビジネス漫画『島耕作』シリーズの主人公、島耕作を“副知事”に起用。事業費は約四千五百万円で、わざわざ副知事室まで作りました。広告効果は十一億五千万円に上ったとしていますが、県議会では『30代以下は島耕作をほとんど知らない』などと疑念を呈する声が出ていた。執務室を公開したイベントの来場者数も五千四百人程度に留まりました。他にも人気オンラインゲーム『リネージュW』とコラボ(事業費二千六百万円)したりもしてきましたが、佐賀県の魅力度ランキングは今年再び最下位に沈んでいます」(別の県職員)
総工費257億円をかけた多目的アリーナ「SAGAアリーナ」をつくったが、その中には山口知事が主に利用する「隠し部屋」まであるというのである。
さらに、選挙区内の有権者の自宅を訪れ、線香を贈った、公選法違反疑惑まで浮上しているという。
数々の疑惑について文春は山口知事を直撃しているが、はぐらかし、改めて事実関係について尋ねると、県庁報道課を通じて書面で以下のように回答したという。
――職員らが宴席に呼ぶ若い女性探しに苦慮しているとの証言について。
「私自身、『若い女性の参加』といった希望はないし、指示もしていません」
――18年に女性タレントの脚を撫でたり、イベント会社の若手女性社員にキスを迫っていた?
「詳細な記憶はありませんが、そのような行為をしたことはないと思います」
――24年頃、女性の胸に「佐賀さいこうシール」を貼ったことは?
「そのような行為をしたことはないと思います」
地方自治体で次々に浮上する「長期政権の膿」。山口知事の数々の疑惑を踏まえて、有権者がどう判断するのか? 有権者の質も問われているのではないか。
ところで、また沖縄で米兵による女性殺人事件が起きてしまった。
那覇市若狭にあるラブホテルで、屋宜杏奈(39)の遺体が見つかったのは10月3日のことだった。
「2人がホテルに入ったのは午前二時十分頃。四千五百円の二時間休憩で入室したようですが、チェックアウト時刻になっても出て来ない。不審に思った従業員が入室し、屋宜さんを発見したのです」(地元記者)
死因は窒息死で、リュックサックは無くなり、財布は中身が抜かれてホテル近くに捨てられていたという。
容疑者として逮捕されたのは、米海兵隊のデビン・ジェイコブ・バラード上等兵(20)だった。
「バラード容疑者はスキンヘッドで特徴的なタトゥーを両腕に入れていた。防犯カメラの映像を元に沖縄県警が捜査すると、3日深夜、嘉手納基地を起点として伸びる通称・コザゲート通りの歓楽街で発見したのです」(同前)
米軍関係者による犯行で日本人女性が命を落としたのは、2019年4月に北谷町で海軍兵が元交際相手を殺害して以来になる。
だが、日本人は、1995年(平成7年)9月4日に沖縄県に駐留するアメリカ海兵隊員2名とアメリカ海軍軍人1名の計3名が、女子小学生を拉致した上、集団強姦した事件を忘れてはいない。
日米地位協定により、米兵ら3人の容疑者の身柄が起訴前に日本側へ引き渡されなかったことが大きな問題となった。3人の身柄は起訴後に日本側へ引き渡されたが、この事件は地位協定の見直しを求める声が高まる契機となった。
だが、米兵による事件は絶えることがない。今回、バラード上等兵が屋宜さんを殺害した疑いが持たれているが、事件の詳しい経緯はわかっていない。どんな理由があるにせよ、徹底的に取り調べて、罪の償いをさせるべきである。
古謝玄太知事は「このような事件が再び起きたことは米軍の綱紀粛正、人権教育等が全く機能していないと言わざるを得ない」と怒ったが、当然のことである。
だが、在日本米軍沖縄地域調整官のベンジャミン・ワトソン中将は、
「今後も公私や勤務内外を問わず、軍関係者には最高水準の規律を徹底させます」
とはいったものの、謝罪はしなかった。ここに、アメリカ側の日本を見る目がはっきりと表れている。
文春は、バラード上等兵の姉にインタビューしている。
「あの日、目が覚めると大ニュースになっていて、TikTokなどのあらゆるSNSがその話題で持ち切りに。家族全員、大きなショックを受けました。
なによりもまず、被害女性にお悔やみを申し上げます。非常に悪質な容疑ですから、彼が間違ったことをしたのなら、弁護するつもりはありません。でも、家族として何が起きたのか正確に知りたいのです」
そう語っている。
彼女の家族は複雑な事情を抱えているようだが、そんなことはどうでもいい。高市首相は、アメリカのトランプ大統領と対等だというのなら、彼に電話して、「誠に遺憾」くらいの謝罪をさせたらどうか。
今週最後の特集は、文春の「簗農水相、有権者200人を“買収”疑惑」に捧げる。
新潮がスクープした簗農水相の「恫喝音声」問題は、国会でも取り上げられ、厳しく追及されているが、高市首相は簗の首を斬るつもりは、今のところないようだが……(文春も電子版で恫喝音声を報じていたとしているが、このスクープは週刊新潮側に分があると思う)。
文春は今回の疑惑を、このように報じている。
《衆院選の公示日だった今年一月二十七日の夕刻、栃木県大田原市内の野原に隙間なく並べられたパイプ椅子は、白い鉢巻姿の支援者たちで埋め尽くされていた。
彼らが前方に見据えるのは、荷台部分を本格的なステージとして使用できる巨大なステージトラック。「やな和生出陣式」という横断幕の下に立った男性が拳を突き上げると、会場は静かに沸き立った。
「政権与党の簗和生ですよ。高市総理と繋がっている簗和生なんですよ。私にやらせて下さい」
だが、大勢の支援者たちが出陣式に集った裏には重大な疑惑が潜んでいた。》
恫喝音声が報じられた簗は、発言を二転、三転させ、追い詰められて「恫喝音声は自分である」と認めざるを得なくなった。
「問題発覚後、高市早苗首相は対応を木原稔官房長官に一任。木原氏は『予算を増やしたと自慢する議員は多いけど、予算を減らしたという議員は聞いたことがない』と嘆いていました」(政治部デスク)
簗が自分を支持しない首長の町には予算を削るという苛烈な言葉の裏には、恫喝してまでも、何とか選挙を有利に運びたいという焦燥感がうかがえる。
そこで文春は、過去2度の衆院選をつぶさに見てみたという。
《まず二十四年の衆院選における選挙運動費用収支報告書を確認すると、見慣れない記述が目に入る。「シャトルバス代」だ。簗氏は大田原市のバス会社A社に三万七千四百円、那須塩原市のバス会社B社に四万四千円、那須町のバス会社C社に五万三千九百円、大田原市のバス会社D社に四万九千五百円を、「シャトルバス代」として支出。累計十八万四千八百円に上る。
さらに、小誌は収支に関する全ての領収書を精査。すると、四社のうちB社とC社の二社の領収書には、「10/15 バス代」という記載があった。二十四年の衆院選公示日当日だ。
同様に、今年2月の衆院選における選挙運動費用収支報告書を見ると、簗氏はA社に二十三万五千四百円を「シャトルバス代」として支出していた。》
一体、何のための「シャトルバス代」なのかと、文春は疑問を抱く。
そこで、A社の社長に訊くと、過去2度の衆院選で、簗事務所から乗客20人前後の小型シャトルバスの手配を依頼されたことを認めたうえで、今年2月の衆院選について次のように語ったという。
「選挙の公示日とかの送迎でした。近くの臨時駐車場に(支援者が)十人ほど溜まったら演説会場に向かって出発する。バスが一杯に埋まるまで何分も待たせたら(演説が)終わっちゃう。始まるまでに一、二回ピストンをやりました」
C社の社長も文春の取材に対し、以下のように答えたそうだ。
「臨時駐車場を設けて、そこから出陣式の会場への輸送です。(一台で)二十人乗りくらい。稼働時間は三、四時間でしょう」
文春は、簗は、公示日当日の出陣式に向け、支援者たちを輸送する「シャトルバス代」を選挙運動費用から支払っていたようだと見る。バスのサイズや価格、証言などを踏まえると、2度の衆院選で少なくとも計200人を輸送したのではないか。
冒頭で触れた今年1月27日の出陣式。公示日当日、簗陣営は約1キロ離れたJAの敷地などを臨時駐車場として確保。支援者たちは自家用車で到着すると、待機していたシャトルバスに乗り換え、出陣式の会場に送り届けられたという。
参加した地元議員も語る。
「出陣式は、事務所前の市道を挟んだ向かいの野原でやった。歩いて来る人なんて1割くらいで、ほとんど車。事務所の辺りに停めると(近隣に)迷惑がかかる。それで簗さんが(別の場所に)駐車場を借りて『そこに停めて下さい』って。そこから(バスで)ピストンやらないと、会場に5、600人も入れられないんだ」
この支援者たちはバス代を払っていたのだろうか?
公職選挙法に詳しい日本大学の安野修右准教授がこう解説する。
「候補者側が費用を負担し、選挙区内の有権者を無料でバスに乗せて出陣式に運んだのであれば、財産上の利益の供与であり、政治家の寄附を禁じる公選法百九十九条の二に抵触します」
2度の衆院選でいずれもシャトルバスを利用した支援者は、こう証言している。
「事務所の近くにある駐車場が足んねえから、臨時駐車場二十五人くらい乗れるバスを用意してくれた。そこから歩いて会場に向かってもいいけど、ちょっと遠くて大変だから。(簗陣営から)『シャトルバスに乗ってくれ』って。簗さんは会場にいるから一緒に乗ることはないけど、バスは何往復もしてたよ。二月の衆院選でもシャトルバスを利用したね。もちろん、お金は支払っていません」
違法性が指摘されているものの、現時点で公職選挙法違反が確定したわけではない。文春は、簗事務所に事実関係の確認を求めたそうだが、期限までに回答はなかったという。簗農水相の辞任か更迭は避けられないだろう。
(文中一部敬称略)
(文=元木昌彦)
